地上界からバイストン・ウェルそしてトルール城に帰ってきたばかりだが謁見室で会議を行う。
「やはり強獣の森に出る強獣が変化したか」
「はい。ガッターがあまり出なくなり、代わりにギャラウーが出現するようになっております。ドラウゲンも多く飛んでおりますな」
今の所、ボンヤー山で見たような50メット級のギャラウーは確認されていないようだが、ガッターよりも大きく強いのは確かだ。
「レベル上げの調整が厄介だな。ドラムロのフレイボムでできるのがせめてもの救いか」
「皇一以外に強獣が瀕死かどうか判明できる者がいないのはツライわね」
「政務は華琳ちゃんたちに任せて、俺が兵を鍛えるしかない」
「オーラマシンのパイロットになる者は志願者のみにしなさい。未婚者で扶養家族のいない者よ。この戦いが終われば聖戦士とともに帰れぬ旅に出ることになると噂も流しておいて」
できれば俺たちだけで恋姫世界に帰れればいいんだけど、それは無理なようでリの国にも迷惑をかけてしまう。元王や老中たち家臣は「聖戦士に付き添うのは名誉なことだ」と言っているけど無理強いはしたくない。
「ラウの国がちょっかいをかけてきてやがる。オーラマシンの乗り手を増やしたくねえってのに頭の痛いことですな」
「いずれバレるだろうが、パットフットとエレのことはできる限り極秘にしてくれ。ドレイクが欲しがる可能性が高い。あれは人質を恥とは思わないからな」
地上人の召喚もリムルを人質にエ・フェラリオにやらせているしさ。
アニメや聖戦士伝説でパットフットが死んでしまうのもフォイゾンに対しての人質にしようとして失敗するという流れだ。
「他国も戦力を強化している。サーラからの報告で巨大戦艦の建造が確認された」
「以前コーイチ王が仰っていた城や砦のような巨大なオーラシップですか」
「うん。700メットを超える代物だ。ドレイクのアの国だけじゃなく、クの国、ラウの国、ナの国でも開発が開始されている」
その辺の前情報もサーラには話してあったので、各艦の図面までちゃんと入手してきてくれた。さすがである。
「うちでも開発したいんだけど、資金ある?」
「はい。コーイチ王のおかげで資金は潤沢です。問題はないでしょう」
オウエンにも俺のボーナス『かね×2』は話してある。俺が地上界に行っている間はたしかに入金が減ったと納得していた。
「俺たちがバイストン・ウェルから排除された時の貯えは用意しておいてくれよ」
「それにはまだまだ稼がなくてはいけないわね」
「強獣を狩って資金になるのが本当にありがたいわね。大陸に戻った時には使えない手だけれど」
そうなんだよなあ。地上界に出ちゃうと強獣の森がないからレベル上げに苦労するんだよね。
なのに聖戦士伝説では一番弱いリムルが仲間になるのは最終章でマジに面倒なんだよ。がんばってレベルをカンストオーバーにしたところで次は最終イベント。しかも乗り換えができないのでリムルは活躍のしようがない。
「今のうちに稼ぎまくっておこう」
「そうね。ギャラウーの肉も美味しいわ」
「から揚げが食べたいな」
巨鳥だけあって肉がたくさん取れるギャラウー。食用にもなるんで助かる。
から揚げでキンキンに冷えたビールが飲みたい。
聖戦士伝説だとここでは巨大戦艦開発のために資金繰りに苦労して「当分は冷や飯ぐらい」とか言われるんだけどそれがないなら、お酒飲んだっていいよね。
「ご主人様がお望みならば、私が作りましょう」
「愛紗、それに蓮華、揚げ物は上級者向けのとっっっても危険な料理だ。料理が得意な者の師事なしには決して作ろうとはしないでくれ!」
「は、はい」
ふう。たとえ不味くても嫁の手料理なら食ってみたい気もするんだけど、揚げ物は危険すぎる。
「皇一は心配性ね」
「あれ? 華琳ちゃんには言わなかったっけ」
愛紗の料理は春蘭と同程度と耳打ちすると、華琳ちゃんも納得してくれたようだ。時間があったら料理教室をしてもらうのもいいかもしれない。
◇ ◇
サーラからの追加情報でゼラーナがクリスタルの森に潜伏中なのも確認できた。ここも聖戦士伝説と同じだからね。
んで、ドレイクに伝えるか、リの騎団で討伐に行くか、の二択なわけなんだけど。
「なにもしないでいいよ」
聖戦士伝説になかった選択肢を選んでみる。
今はまだサーバインの操縦席の換装が終わってないから討伐に俺が行くのは無理だ。行けばバーンを仲間にできるようになるんだけど、どうせ最後には裏切るのもわかっている。
バニングスさんは魔法少女の友人だけでいい。
ドレイクに伝えるを選ぶとリムルの脱走イベント。放置してもこれがちゃんと発生するのかも試したい。発生しなければしないでいいな、と思ってたり。だってリムルはどうでもいい。
で、なにをするのかというとファンロンの森で謎のオーラバトラー隊との戦闘。ファンロンの森はアの国にあって、ドレイク軍が襲われたみたいなんだけどこれの正体はラウの新型オーラバトラーであるボチューン。ラウとナが共同で開発したボゾンの後継機だ。
これから何度も戦うことになる機体だから早めに見ておきたかった。
それにこのフリーシナリオはドレイクからの謝礼も貰える。少しでも稼ぐために行っておくことにする。
問題は俺がなにに乗っていくか、なんだけど。
「ブラウニーの強化型?」
ボウが新型オーラバトラー『ブラウニーⅡ』を完成させていた。正確には俺の留守中にもうできあがっていたらしい。
このブラウニーⅡも聖戦士伝説には登場しないオーラバトラーで、ビランビーとビアレスの中間に位置するという設定の機体だ。
見た目はブラウニーに水棲生物のヒレのようなトサカをつけて、ちょこちょこっとゴツくした感じだろうか。
「これのテストをして問題がないようだったら、ブラウニーの生産ラインをブラウニーⅡに切り替えよう」
すぐに切り替えないのは近い系統のビランビーの強化型にギトールがあるんだけどさ、そいつは強いんだけど移動力が低くてね、多くの騎士を乗せるにはちょっと向かない機体だったんだ。
だからブラウニーⅡもちゃんと調べて問題があったら改良したい。
◇ ◇
「やはりボチューンか」
褐色というよりは黄土色のオーラバトラー。この色は一般機カラーだな。
まあ、ラウの国だとボチューンは一般兵ではなく近衛兵クラスじゃないと乗れない、
ボチューンは参考にしたダンバイン譲りの小型オーラバトラーで空戦重視のスピード型だ。
そういいつつ、納得いかないことに聖戦士伝説ではドラムロと同じ移動力なんだよね。……ドラムロが速すぎると言うべきか。
内蔵火器はバルカンしかないんだけど、剣にオーラ力を集中させることができる機能を持ってたりする。アニメやゲームではほとんどその設定活かされてないけどさ。
「できれば回収したいが……。行くぞ!」
久しぶりの座席型の操縦席はまだ慣れないが、やはり立ち乗りよりはこっちの方がいい。
ブラウニーⅡは心配だった移動力も低くなく、内蔵火器がない以外は癖のないいい機体だった。
射撃武器がほしいが、これは偶々バストールを入手できてしまったのでそのオーラランチャーを解析、開発してもらっている。ビランビーの使う物とも同型なのでブラウニーⅡが使っても悪くはないだろう。
他にボゾンとグナンもいたが、うちの騎団の敵ではなかった。
さくっとブラウニーⅡの剣の錆になったよ。
「うん。ブラウニーⅡは悪くなさそうだ。ボチューンはどうだった?」
「ボゾンよりは強いようね。小回りもきくようだし、ドラムロよりも空中戦に強そうよ」
ドラムロより、ずっと速い!!
聖戦士伝説とちょっと違うのか。アニメと同じ……まさか俺がいろいろ選択を変えてるからじゃないよな?
「太腿の火器はいつ飛んでくるかわからないから正面での斬りあいはやりにくいわ」
「ご主人様、残骸はしっかり回収しました」
うん。嫁さんたちのダンバインやカットグラでも十分に余裕があったようだ。
これなら上級機で紛らわしい名前のボテューンが出てきても大丈夫そうだな。
ただ、北郷君のダンバインもアニメと同じに強化される可能性が高いだろうし、ビルバインも出てくる。それに地上界に出たらドレイク軍やク軍も敵に回すことになるから、嫁さんたち用のオーラバトラーも開発してもらわないといけないな。
あっちの方のあれもよろしくです