聖戦士†有双 (恋姫†有双分岐ルート)   作:生甘蕉

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24話 リムルの家出

 ドレイクの使者がきた。前回のファンロンの森でラウ軍と戦ったことへの謝礼だ。

 1000Gほどだった。金額は覚えてないんで自信がないがたぶん聖戦士伝説の倍だろう。

 

 ブラウニーⅡの量産も進んでいる。

 ボウは巨大戦艦の建造で忙しいようだが、聖戦士用の専用機もちゃんと開発をしてくれているようだ。回収したボチューンの残骸からオーラ力の伝達、収束の機構を調べて組み込むとも言っていた。地上界に行くまでに完成してくれればいいが。

 

「皇一はどんな機体があるのか知っているのでしょう? 最強のオーラバトラーがほしいわ」

 

「そうなるとズワウスになるかな? ただあれは完全に敵専用の機体で、インチキして手に入れても不具合が出てたから使うのは無理かな。実は移動力も低いし」

 

 あれも好きなオーラバトラーなのに。

 まあ、オーラバトラーはだいたい全部好きなんだけどね。

 

「そうなると聖戦士伝説で強いのは、強化型ズワァースか強化型ライネック、改良型ダンバインかな? 改良型ダンバインはたぶんボウが造ってくれるかもしれない。次点は重装甲ボチューンだ」

 

「結構あるのね。強化型ってことは普通のもあるのよね?」

 

「ああ。ズワァースはショットが開発する最終型の量産型オーラバトラーで、ライネックはアとクが共同開発する量産型オーラバトラーだ。両方手に入れたいけど、カオスルートだとライネックは入手できないんだよなぁ」

 

 なぜかズワァースは販売するのにライネックは販売してくれないのだ。共同開発のせいで販売権がややっこしかったりするのだろうか?

 

「コーイチさんは乗りたい機体はないの?」

 

「うーん、今使ってるサーバインも最強候補の1つだったからね。射撃武器がないのが玉に瑕だけど。ビルバインもいいけど、たぶん北郷君のとこにいくんだろう」

 

 聖戦士伝説ではビルバインはショウ専用で、主人公は2号機をシーラからもらえるかどうか。でもそれもロウルート限定だ。

 一応カオスルートでも迷彩ビルバインなら入手できる可能性はあるけど、浮上する地上界が恋姫世界だから入手できる選択肢が不明。手に入れるのは難しいだろう。

 それとも……。

 

「ブラウニーのように知識にはあるけれど出てこないはずのオーラバトラーもあるのでしょう?」

 

「それだったらヴェルビンかな。設定上ではブラウニー、ビランビーと発展していった高機動型の究極なんだよ。……ふむ。ブラウニーができるならこれも有りなのか?」

 

 ヴェルビンがあるならほしい。というか、人気がある機体なのになんで聖戦士伝説で出なかったんだろう?

 あれの限定モデル、買い損ねていたのが悔しかったなあ。

 設定から考えるとアの国製っぽいからゼットをヘッドハンティングすればワンチャンあるかもしれない。

 

「ご主人様、もしそのヴェルビンができたのならばご主人様が今お使いのサーバインをいただけないでしょうか?」

 

「ずるいわ愛紗!」

 

「私は強さよりもご主人様のにお……使ったオーラバトラーの方が重要なだけです」

 

 愛紗がマーベルならおさがりのダンバイン系ってのは正しいんだろうけど……。

 まあ、浮上へ向けての備えはしっかりしておきたい。むこうに帰れたらなにがおこるか不明なのだから。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 ブラウニーの開発に間接的に協力した、とも言えるリムルが脱走したという情報が入ってきてしまった。

 くっ。やっぱり脱走しちゃうのか。そりゃその分岐の判定に使われるドレイクの好感度は高くないはずだけど!

 

「いくらドレイクに軟禁されていたからって家出するとは……ニー・ギブンのところを目指しているのか?」

 

「それが、リの国へ行くと書置きを残していたそうです」

 

「まだコーイチさんを諦めていなかったのね」

 

「い、いや、ドレイクを混乱させるための欺瞞工作なんじゃないか。きっとそうだよ」

 

 そうであってほしい。俺は彼女には関わりたくない。

 でも、ほっとくとさらに面倒をおこすかもしれないのがリムルなんだよなあ。

 リムルはラース・ワウから西に、一直線にリに向かったらしい。敵を撒くための欺瞞であってほしいが、もし違った場合を考えると……。

 

「仕方ない。気は進まないが捜索を行う。ゼラーナとの戦闘も予想される。気をつけてくれ」

 

 サーラがだいたいの位置を国境付近と予測してくれたのでそこへ捜索に向かった。いないでくれと祈りながら。

 

「グライウィングが見つかっちゃったか」

 

「リムルさんが乗り捨てたのでしょうか?」

 

 換装がおわり、普通のオーラバトラーと同じ座席型になったサーバインの操縦席でフィナが首を傾げる。

 

「たぶん……いや、ガロウ・ランの可能性だってある。やつらだって使っていたよ。む、あれはドレイク軍の兵士か」

 

 ドレイクのリムル捜索隊と合流してしまった。

 グライウィングはリムルの使った物で間違いないらしい。

 捜索隊を指揮していたのはミュージィ・ポー。リムルの音楽教師だったが、ショットの恋人になって彼のために戦士になった女だ。ショットのためには無理をも通す、たとえるなら有能なリムル。かなり厄介な人物である。

 

「コーイチ王、リムル様捜索のためにリの国内の調査を行うことをお許しください」

 

 ちゃんと許可を取ろうとするなら、もっと早くに連絡すべきだよな。リには隠して極秘裏にリムルを見つけたかったんだろうけどさ。

 

「うむ。だが最近はラウの偵察部隊の接近も多く、兵たちもピリピリしている。注意されよ。それと馬騰殿、顔色がすぐれぬようだがお加減が悪いのか?」

 

「……ちょっと風邪っぽいだけだ」

 

「そうか。大事になされよ」

 

 ミュージィは馬騰ちゃんをつれてきていた。アニメでは売れない俳優(フェイ・チェンカ)をミュージィがリムル奪還に協力させていたけど、聖戦士伝説ではそんなことはなかったのに。

 アニメだとその戦いでフェイが死亡しちゃうんだよな。まさか馬騰ちゃんが?

 

 気になったが効率優先で俺たちとミュージィの部隊は別々にリムル捜索を行うことにした。

 

「馬騰ちゃんよりも先にゼラーナを見つけたいが……」

 

「ご主人様! いました、ゼラーナです。ミュージィの部隊と戦闘中です」

 

 うん。こっちでも捕捉した。……馬騰ちゃんのレプラカーンがいない。やられてしまったのか?

 フェイみたいに手榴弾(グリネイド)を弾き返されないようにってアドバイスしておけばよかったのだろうか。

 

 レプラカーンを探していると、サーバインに向かって走ってくるリムルを発見してしまう。

 

「コーイチ王!」

 

「……コーイチさんに助けてほしいみたいですね」

 

「言わないでくれフィナ。愛紗、リムルを頼む! 俺は北郷君をおさえる」

 

 ここは一騎討ちに持ち込んで外野は無視するしかあるまい。

 サーバインの剣を抜いてリムルを追ってきた藤色のダンバインを迎えうつ。

 

「北郷君、元気だったか? オーラロードで逸れたから心配してたんだよ」

 

「なにをのん気なことを!」

 

 いや、軽い話じゃないと馬騰を殺したのか聞くことになってしまうじゃないか。

 

「ガラリアはどうした? 無事なのか?」

 

「ガラリアは……死んだ」

 

「嘘だろう!? 君と同じ操縦席にいたのに!」

 

 そうさせないようにバストールからダンバインに2人乗りにさせたんじゃないか!

 それなのになぜ?

 馬騰といい、救うことはできないのか?

 

「俺たちの知ってるガラリアは死んだんだ……」

 

「あ……そういうこと?」

 

 サーバインと切り結ぶダンバインを通して北郷君の悲しみのオーラ力が伝わってきた。

 それはガラリアの死を悲しむものではない。ガラリアが「死んだ」と言うほどの、つまり生まれ変わったかのように変貌したガラリアを悲しんでいるのだろう。

 ヴァルキリアとなったガラリアをまだ受け入れられないのかな。

 

「キーンとのエッチを邪魔されたぐらいでそこまでイジケるな、カズト!」

 

「チャム!」

 

「ガラリアにも手を出したカズトが悪いんじゃない!」

 

 ああ、邪魔されたのね。

 で、ガラリアもしっかり攻略しちゃってると。

 

「まあ、ガラリアが生きてるならいいか。リムルはこっちで保護するから安心してくれ。ドレイクには渡さないようにするから」

 

「リムルは渡さない!」

 

「……まさかリムルも狙っているのか、北郷君。キーンとガラリアはちゃんと説得できるんだろうな?」

 

「違う! くっ、これ以上は無理かっ!」

 

 ゼラーナが敗色濃厚なのを感じて北郷君は撤退する。

 チッ、リムルを押し付けようと思ったのに。

 

「皇一、リムルは保護したわ」

 

「そうか……」

 

 だがミュージィの部隊に合流してリムルを渡そうとすると、ドレイクの元には返りたくないと駄々をこねられてしまう。

 このままアニメのとおりに帰ってもらいたいのに。

 ……でもそのままアニメどおりに進むと実の母親であるルーザに殺されちゃうんだよなぁ。

 さすがにそれはあんまりすぎるか。

 

「どうだろうミュージィ、その部隊では帰路で再びゼラーナに襲われた場合、リムル王女を守れないだろう。だから、彼女が落ち着くまでトルール城で保護するというのは?」

 

「ですがドレイク様も心配なされておいでなのです」

 

「ドレイク王にはこちらからも説明するよ。君に借りを作ることになる。すまないな」

 

 ミュージィはしばらく考えたが、リムルの様子を見て諦めたのか、それとも俺の言った「借り」がショットの役に立つと理解したのか帰っていった。

 

「ありがとうございます、コーイチ王!」

 

「リムル王女、こちらへ」

 

 俺に抱きついてこようとするリムルを愛紗が防御する。

 情に流されるんじゃなかったかなあ……。

 

 念のためにと戦闘区域を捜索すると、レプラカーンの残骸と馬騰を発見した。

 聖戦士伝説のロウルートではフェイとの一騎討ちでの撃墜後に仲間にできるからもしかしてとは思ったけど、ちゃんと生きていた。

 

「ミュージィはオレを置いてきやがったか」

 

「生きていてよかったわ。あなたと会うのを楽しみにしていたのだから」

 

 華琳ちゃんも喜んでいるな。

 馬騰も背が低いし年齢より幼く見えるから共感があるのかも。

 

「どうだかな。あんな小僧に負けるなんてオレはもう長くなさそうだ……」

 

 ゴホゴホッと咳き込む馬騰ちゃん。

 やはり病が身体を蝕んでいたのか。

 

「うちに来てくれれば馬騰ちゃんの身体を治す方法があるかもしれないけど、どうする?」

 

 

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