聖戦士†有双 (恋姫†有双分岐ルート)   作:生甘蕉

26 / 38
感想、評価ありがとうございます


25話 商談

 馬騰ちゃんはあっさり完治した。

 治療方法はレベルの限界突破(カンストオーバー)だ。

 

 華琳ちゃんの持病ともいえる頭痛がカンストオーバーしてから以降発生してないことをヒントにしたよ。

 自身の強くなったオーラ力で華琳ちゃんの頭痛が治ったんだと俺は睨んでいる。スパロボのショウ・コハ・ザマみたいにさ。

 その可能性に賭けて馬騰ちゃんをカンストオーバーさせたのだ。

 

「調子はどう?」

 

「信じられんくらいにいいな。十年くらい若返った気分だ」

 

 その見た目で十年若返ったと言われても……俺の方がおっさんから若返ったのが外見で実感できるぞ。

 馬騰ちゃんは恩を感じてくれて仲間入りすることになった。

 

「お前たちと一緒の方が西涼にも帰れそうだしな」

 

 帰った後も敵対しないでくれるといいんだけど。

 カンストオーバーした馬騰ちゃんはやっぱり滅茶苦茶強いんで。

 

 一方、保護した家出娘(リムル)は同じ姫ということで蓮華とエレちゃんに面倒を見てくれるように頼んでいる。

 

「よほど甘やかされてきたのね。シャオを思い出すわ」

 

「うーん、シャオちゃんはちゃんと領民や兵のことも考えていたよ」

 

 会いたいなあ。いろいろと作戦を考えあった同志で友人で恩人のシャオちゃん。一刀君と幸せにやっているといいのだが。

 

「エレちゃんもごめんね。仇の娘の世話なんかまかせて」

 

「……リムルがお父様を殺したわけではありません。彼女もそれを気にしていますのであまり言わないように」

 

 エレちゃんはしっかりしてるなあ。リムルにも見習ってほしい。

 あの困った姫はうちの嫁さんたちに張り合おうとしてるのか、オーラバトラーに乗って戦場に出るなんて言い出すし、俺を見つけるとすぐに抱きつこうとしてくる。その度に愛紗に邪魔されてるけどさ。

 

「直接的な仇ならバーン・バニングスということになるけど、やつはゼラーナに負け続けてドレイクのとこから放逐されたそうだよ」

 

 北郷君もドレイクのとこにいないし、愛紗が黒髪の騎士をやめたから黒騎士やれるかな?

 聖戦士伝説だとこの時期は条件が揃っていればトッド・ギネスがトルール城にやってきて仲間入りするんだけど、彼の担当だと思われる華琳ちゃんがすでにこっちにいる。まさかバーンが代わりに訪ねてくるってことはあるまい。

 

「ゼラーナは健在なのですね」

 

「うん。北郷君も無事だよ。女性関係は面白いことになってそうだけど」

 

「コーイチさんが言えるの、それ?」

 

 ぐぁっ。おま言う案件だったのか。

 でもうちの嫁さんたちは仲いいよね?

 

「エレちゃんは最近変な感じがしないかい?」

 

「なんでコーイチさんがエレの月のものを知ってるのよ!」

 

「い、いやそっちじゃなくて! 巨大な影を感じたりしてないか聞きたかったんだけど……」

 

 まさか赤飯炊かなきゃいけなかったのか?

 こっちだとどうお祝いすればいいのか知らんけど。

 そういえば蓮華も漢ルートだと生理不順があったような。馬騰ちゃんみたいにカンストオーバーのオーラ力で治っちゃったのかね?

 

「巨大な影?」

 

「わからないならいいよ」

 

 その予感は聖戦士伝説第6章だったしね。

 それとも修行を途中で止めさせたから霊力がアニメやゲームほど高まっていない?

 ま、そんな能力はなくてもいいような気がするよ。アニメのエレの最後はそれによって無茶しすぎた結果だしさ。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 馬騰ちゃん加入から数週間経った。

 道場には2、3日置きぐらいに華琳ちゃんに殺されて通っているけど、むこうも大変のようだ。

 結局、曹仁に華琳ちゃんの影武者をやらせているとのことだが、華琳ちゃんの衣装をすぐ脱ぎたがるので困っているみたい。

 季衣ちゃんが早く直接会いたいって寂しがっているし、春蘭と桂花も華琳ちゃんを返せとうるさい。

 俺だって早くみんなに会いたいのに。

 

 バイストン・ウェルの方は巨大戦艦完成までの小競り合いが続いている。

 リの国にも、ラウの国のオーラマシンが侵入してきて鬱陶しい。こちらから攻め込むことはまだしてないけど、仕掛けられたら当然迎撃するしかない。

 今のとこうちの圧勝。ボゾンではブラウニーⅡはおろかドラムロの敵ではない。レベルが違うのだよ、レベルが。

 

 ゼラーナ隊はドレイク軍の戦力低下を狙って、ドレイク軍秘密工場を襲撃してオーラバトラーの生産を滞らせている。

 秘密にしているだけあってこっちには詳しく伝わってこないけど、すでにいくつかの工場がやられているらしい。

 リムル捜索ん時はいなかったけどゼラーナ隊にはガラリアも入って戦力アップしてるからドレイク軍が苦戦するのも当然か。仮面もつけているようなのでパワーアップしているみたいだ。

 サーバインは俺が貰っちゃってるから、ヴァルキリア(ガラリア)はなにに乗ってるんだろね。ボゾンあたり?

 ラナウン・シーかガータだったら面白いのだが。

 

 で、ドレイクはその対策としてミラブロ山の工場で待ち伏せ、ゼラーナ隊を叩く作戦に出る。

 ドレイクからリムルについての長々としたメッセージのオマケでその協力を申し込まれたので、リの騎団もミラブロ山に向かうことに。

 

 それと、ビショット・ハッタからも新型機のテストの相手をしてくれとの協力要請があったが、これは断る。

 うちの騎団との戦闘データを与えるつもりはない。それにドレイクの方だと報酬としてオーラバトラーが貰えるはずだけど、ビショットの方は『タンギー』なんだよね。

 タンギーはオーラボムにしては強くて硬い、敵にしたら鬱陶しいやつなんだけど自軍で使うにはオーラバトラーの方がいいという微妙な機体だ。

 ビショットが新型オーラバトラーである『ビアレス』くれるんなら戦ってあげたのにさ。

 

 ドレイクの書簡を持ってきた使者はミュージィだった。

 そして彼女は内密にと断ってショット・ウェポンからの商談を持ちかけてくる。

 ミュージィには「前回の借りを返そう」とその商談に赴くことを告げた。

 借りなんてなくても商談は受けるんだけどね。だって商品はオーラバトラーなんだから。

 

「ミラブロ山にはプテラノドンだけで行く。残りは建造中のヨルムーンガントの護衛に回す。ラウの襲撃が予想されるので華琳ちゃんを残していくから指揮に従ってくれ」

 

「建造の視察に行くつもりだったからその方がよさそうね」

 

 聖戦士伝説でのこのシナリオは騎団の留守中にラウにより巨大戦艦の建造地が襲われるのだ。そんなことはさせない。

 華琳ちゃんと離れるのはツライけど、ゼラーナよりもラウ軍の方が弱いから不安はない。それにプテラノドンの格納庫を空けておく必要もあるし。

 出発前のチェックでプテラノドン艦首のフォウにリムルが潜り込んでいるのを馬騰ちゃんが発見した。いても邪魔なだけなので当然降りてもらう。

 

「行動力はあるけど、それが周囲に迷惑をかけているのを理解してほしいよ」

 

「あれも皇一が抱けば少しは安心するのではなくて?」

 

「やめてくれ。あの禿が義理の父になるなんて考えたくもない」

 

 ルーザが義母ってのも嫌だ。

 どうにかしてリムルには大人しくなってほしい。

 北郷君やニーがリムル救出にきたら押し付けたくてしかたがない。

 

「留守は頼むよ」

 

「任せなさい。もしここへゼラーナが来たら沈めてあげるわ」

 

 華琳ちゃんなら本当に倒してしまいそうだ。ゼラーナ隊、ちゃんとミラブロ山に現れてくれよ。

 

 

 ◇

 

 

 ミラブロ山の前にショットがいるマウンテンボンレスに立ち寄る。

 ……なんで山とマウンテンが混在してるんだろ? マウンテンミラブロやボンレス山じゃ駄目なのか?

 

「これは、聖戦士コーイチ王」

 

 ショットはオーラシップを着陸させて待っていた。スプリガンではない。まだ完成していないか、それとも隠しているのか。

 

「ショット、悪いがドレイク殿の協力要請の途中だから短めに頼む。ここでの商談という事情もわかっているつもりだ」

 

 ドレイクには聞かせたくない秘密の商談。見つからないうちにさっさと取引を済ませたいだろってこと。

 

「ではさっそく、私がお売りしたいというものは……」

 

「期待してるよ。うちのブラウニーより弱いオーラバトラーの開発技術や、量産に不向きの新型オーラバトラー1機だけだったらさすがに金は出せないから」

 

 駄目元で先制攻撃してみる。

 聖戦士伝説なら1周目ではビランビーの開発技術、2周目以降ではオーラバトラー『ガドラム』を購入できる。

 だがリの国(うち)には発展型のブラウニーⅡがある以上、そのベースであるビランビーなんていらないし、ガドラムは強いけど量産はできないんだよね。

 

「……まずはこちらをご覧いただきたい。新型オーラバトラー、ガドラムにございます」

 

 む。2周目以降の機体なのか。もしかしてこの世界、2周目なの?

 それとも俺がクリアボーナスもらってきちゃったから2周目扱いになってしまった?

 わからん。

 まあ、今はどうでもいいことか。

 

「ドラムロの強化型か。強そうだけど量産できそうにはないな」

 

「ええ。装甲に使われている強獣グラバスの甲羅は加工が困難でして。それでも1機でドラムロ4機分の性能を持っています」

 

 模型誌の企画『AURA FHANTASM』の設定どおりとはいえ、4倍とは大きく出たねえ。

 

「ショットのことだ。まさかこれだけではあるまい? こちらは安くない資金と物資を用意するつもりだが」

 

「……ふむ。コーイチ王はなにかお目当ての品があるようですね。伺っても?」

 

 そうきたか。

 俺としては『ギトール』か『改良型ダンバイン』を引き出せればよかったんだけど。

 

「なら、開発中のオーラバトラー『ライネック』をもらいたい」

 

「ライネックをですか」

 

「そうだ。アとクで共同開発中と聞く。リとしては悔しい思いをしてるからな」

 

「なるほど。たしかに同盟国であるリの国にも共同開発を持ち掛けなかったのはドレイク王の落ち度でしょう」

 

 お、信じてくれたか。

 ライネックをほしがったのは実はそんな理由じゃないんだけどね。カオスルートじゃ手に入らないオーラバトラーがほしかったから。というただの物欲なだけで。

 それより強いズワァースがあるのはわかっていてもさ、どうせならライネックも欲しいじゃん、オーラバトラー好きとしては!

 

「わかりました。ライネック、完成次第お譲りいたしましょう」

 

「よろしい。資金と物資はそちらの言い値で構わん。ライネックを早く完成させてくれ」

 

「感謝いたします」

 

「うん。よい関係が続けられそうでなによりだ。ガドラムは今、もらっていく。それじゃ失礼するぞ」

 

 ふう。偉そうな態度でやるのはいつまで経っても慣れないぜ。

 今回は予想以上に上手くいって逆にドキドキしてる。なんか裏があるんじゃないだろうな?

 ……いや、ショットはドレイクに隠れて他国とも商売をし、資金を集めて力を蓄えているだけか。

 どうせ敵になるんだし、悩んでも無駄だな、うん。

 ガドラムも貰ったし、さっさとミラブロ山に行こう。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。