しばらく小競り合いが続いていた。
各国は巨大戦艦の建造に力を注ぎ、そして他国の巨大戦艦建造を邪魔しようとする。
リの国も建造地の防衛隊を強化したよ。オーラバトラーの量産と兵の育成が進んでいるからね。
母艦として
ガドラム、レプラカーンの解析が終わり、やはりガドラムの方が性能がいいとわかったので馬騰ちゃんに与えた。
聖戦士伝説ではついていた両腕のオーラバルカンがなかったけど、フレイボムはちゃんとついていたよ。カニっぽい爪だけど剣もちゃんと持てるようだ。
「ああ、たしかにレプラカーンよりも速いぜ」
「レプラカーンは火力重視だからバランスがね。でもあれはオーラ増幅器の性能なのか、オーラ力への反応はいいみたいなんだよ」
アニメでは最初にハイパー化したオーラバトラーがレプラカーンだしさ。バーンが使っていた時もなかなかに強かった。
逆にガドラムはオーラ増幅器が非搭載で必要オーラ力が大きい。
もしかしたらショットはリに売るからって地上人向けにセッティングしてくれたのかもしれん。
それともまさかドレイク軍にはまともに動かせるやつがいないから売ることにしたのか?
「馬騰さんの希望で以前乗られていたレプラカーンの角をガドラムに移植しました。牙の方は無理でしたのでお許しください」
「ありがとな、ボウ」
聖戦士伝説では再現されていないけど、アニメだとその顔の横の牙でレプラカーンは実際にダンバインに噛み付いてたりするんだよね。
それをガドラムの半没式の頭部にくっつけるというのはさすがに無理だってば。
角の方はなんかアリかもしれないかな。
「レプラカーンはコストパフォーマンスもメンテナンス性も悪い。量産化しないでいいだろう。ボウ、ご苦労だった。地上人用新型機の設計を続けてくれ」
量産機はライネックかズワァースを開発すればいいだろうからね。ビアレスも捨てがたいけど、あれはオーラソードが斧なんで互換性にかけるのがなあ……。
聖戦士伝説では斧のカテゴリの武装も売ってるしそれが強いからいいんだけどね。
まあ、剣も持てないわけじゃないからコンバーターに鞘をつけるようにした改良型を造ってもらうという手もあるか。もしかしたら『ガーゴイル』もできるかも?
やっぱりビアレスも購入することにしよう。あっちに戻れたら北郷隊の3人に使ってもらうのもいいかもしれないし。
◇ ◇ ◇
ゲーム知識どおりにドレイクがナブロの砦を攻めるための協力を要請してきた。リムルの近況を問う書簡も多かったけどね。
「本格的にラウと戦う準備ができたようだな」
ナブロの砦はラウの国の要塞の1つ。巨大な奇岩をくり抜いて作られているアの国との国境沿い、最前線でラウを守る砦だ。
名前的に元ネタはナバロンの要塞であってるはず。三国志関係ないんで華琳ちゃんたちが参加しても心配はなさそう。
「リに先陣をさせたいか。ドレイクめ、自軍は温存してあわよくばリの戦力も減らしたいのだろう。援軍の口約束などあてにならないし」
「分かりやすい男ね。断るのかしら?」
「いや、この戦いに行かないと嵐の玉に行けないからね。先陣で行くよ。ただし成功したら俺がまた消えるはずだから、その時は上手く撤退をお願い」
ナブロの砦を落としちゃうと浮上前に戦いが終わっちゃう可能性が出てくるし、ここは失敗しないと困ることになる。
俺たちは浮上イベントまで戦いを長引かせなければいけないのだから。
「ご主人様、砦は落とさなくていいのですか?」
「うん。むしろ落とさないでくれ。リが撤退したら失敗するからそんなに気を使う必要はないだろうけど」
「ゼラーナがいるのなら、そうなるわね」
「それですが、ゼラーナが多島海からナブロの砦へ向かっているとの報告があります」
ゼラーナ隊もドレイクがナブロの砦を攻めることを知って援軍に向かうのだろう。
よし、これでちゃんと嵐の玉に行けそうだな。
ここでゼラーナと多島海で戦うこともできるけど、それはしてはいけない。
この多島海でのフリーシナリオを戦っちゃうとゼラーナがナブロ攻防戦に間に合わなくなってしまって、嵐の玉に行けなくなってしまう。
なのに聖戦士伝説で唯一発売された攻略本にはこの情報が記載されておらず、原因がわかるまで何度やり直すことになったか。苦い思いでだ。
「ゼラーナはナブロの砦に出てくる。油断しないでくれ」
「どうせすぐに撤退するんだろ。オレたちがさ」
「でも安全に撤退できるように
華琳ちゃんたちの安全確保は絶対に必要だからね。
ラウにもリの騎団は倒せないってことを思い知らせておきたいしさ。
◇ ◇
予定の空域でドレイク軍と合流し、オーラバトラーを展開してナブロの砦へと向かう。
「あれがナブロの砦か」
知ってはいたが実際に見るとすごいな。
あんな巨岩、どうやって削ったんだろ?
「来たわよ」
「早いな。もう少しじっくりと眺めたかった!」
通信モニタはやっぱり新しい操縦席の方が見やすいな。サーバインの剣を抜き、一直線に向かってきた藤色のダンバインを迎え撃つ。
「ダンバインのスピードが上がってる……。新型のコンバーターに換装済みか!」
聖戦士伝説ではなかったけど、アニメでは行われたダンバインの強化。
背中のコンバーターを新型の物と変えることでダンバインは「まるで別のオーラバトラー」とまで言われるほどのパワーアップをするのだ。
こりゃ華琳ちゃんと蓮華のダンバインも強化できないか確認しないと。ボウならきっとできるはずだ。コンバーター換装なら
「今のダンバインなら! 今日こそコーイチを倒す!」
「やる気だねえ。そんなに憎まれてんの、俺?」
「戯れ言を!」
北郷君、いつもなら多少は乗ってくれるのに今日は雰囲気が違うなあ。
けど多少パワーアップしたところで
「絶対に倒す!」
「はいはい。頑張れ頑張れ」
俺の応援が効いたのか、2機のオーラバトラーがまた七色の光に包まれ始めた。
北郷君もフランチェスカ寮へ戻った時のことを思い出したはず。それでも構わずにダンバインが斬りつけてくる。本当になにがあったんだろう?
◇ ◇
嵐の玉は数千
オーラ力だけを高めながら北郷ダンバインと適当に戦っていたら、無事に嵐の玉に辿り着くことができた。
前もってわかっていたので気を張っていたが効果はなかったようで、やはり俺は意識を失っていたみたいだ。
フィナに起こされて目覚めるとサーバインの前には大きな強獣がいる。
「ガロウ・ランか。やっぱり生きていたか」
巨大な強獣ルグウの上には今まで何度か戦った、見覚えのあるガロウ・ランのシン・ドロ。
こいつがいるってことは、ここに来てまで会いたかった目的の人物もいるってことだろう。北郷君より先に会わなければならない。
北郷君と戦っている時よりも本気を出してガロウ・ランたちをさくっと倒すと、サーバインの操縦席付近に飛んできたミ・フェラリオに声をかけられた。
エンディングのヌードで有名なエル・フィノだ。
彼女の案内、というか勝手に飛んでいったエルを追っていくと、俺たちは目的の人物に遭遇する。
ダンバインのレギュラーキャラでは数少ない美少女の1人だ!
「シーラ・ラパーナ!」
「コーイチさんそれってナの国の女王ですよね?」
「うん。俺はコーイチ・アマイ。今はリで王をやっている。こっちはフィナ・エスティナ」
先手を打って相手に名乗らせず、自分の名も名乗ってしまう。ペースを握られるとやりにくそうな人だからね。
「コーイチ王? リの伝承に伝わる聖戦士の?」
「そう名乗ったが」
「本物ですか?」
「このサーバインでは証拠にならないか?」
無言で頷かれてしまった。
女の子にはロボの見分けなんてつかないのかね?
どうすればと納得してくれるかと悩んでいたら突然フィナが俺の眼鏡を外す。
「その美貌、たしかに……」
「判別方法、おかしいだろ!」
サーバインの操縦席を直してやっと眼鏡を着けていられるようになったのに。戦闘中は危ないとわかっていても着けていたいのに!
だいたい美しいって言うならシーラの方だろ。ダンバインでも人気トップの美少女じゃないか!
スパロボだったら戦艦の能力はマップ兵器のあるゴラオンの方が強いのに、シーラがいるからグラン・ガランが選ばれるぐらいに人気があるだろ!
俺の内心の苦情を他所にシーラは頬を染めながらシン・ドロに騙されて嵐の玉に来たことを告げる。……騙されたって、ガロウ・ランにのこのこついてきて誘拐されたんだろうか、この女王は?
アニメでも詳しい説明はされなかったんだよな。小説版でもしシーラが出てきていたらガロウ・ランに乱暴されていたことは確実だ。それとも、だから出てこなかったのかな。
「さっさとここを出るぞ、話はそれからだ」
シーラは「お話があります」と言ってきたが、それはここを脱出してからだと言い聞かせ、サーバインに2人乗りしてさっさと嵐の玉を脱出してしまう。
このためにサーバインの操縦席を通常タイプに換装したのだ!
膝の上のシーラの密着感が感動するよ。
「コーイチさん、鼻の下伸ばしてる……」
「華琳ちゃんには言わないでくれよ」
「シーラ様をいやらしい目で見るな!」
「蹴るなよ、エル・フィノっ!」
聖戦士伝説だと脱出の前にショウかマーベルのオーラバトラーと戦闘があるんだけど、そんな面倒なことはパス。北郷君に発見されないようにシーラの「お話」は後回しにしたのだ。彼も俺に負けてダンバインが壊れたりしてない方が脱出しやすいだろうしね。
渋々従ったシーラの案内で嵐の壁を抜けて脱出に成功。そのままトルール城へと戻る。
シーラ・ラパーナ?
そのまま膝の上ですがなにか?
「これでゆっくりと話ができるな、シーラ・ラパーナ」
ふふん。
聖戦士伝説では嵐の玉でシーラに説得されてロウルートに移らないとできない『シーラ様お持ち帰り』をルート移行せずにやってやったぜ!