聖戦士†有双 (恋姫†有双分岐ルート)   作:生甘蕉

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33話 ビルバイン

 カラカラ山脈でゴラオン初登場、波動砲発射のイベントを見てきた後、マウンテンファランの上空まで撤退した俺たちとドレイク軍。

 知識で知っていてもあの攻撃の威力は実際に目にすると驚くな。まさにマップ兵器としか思えん。

 

 聖戦士伝説ではあのイベントでしか発射されず、戦闘マップでも使用されないゴラオンの主砲、オーラノバ砲。この世界は完全には聖戦士伝説と一致していないので、味方に向かって使われないか不安だ。

 なお、オーラノバ砲は誤字にあらず。聖戦士伝説ではオーラ・ノヴァ砲だった気もするがアニメではノバだった。

 

 対策会議でドレイクは、巨大戦艦ならこっちにもあるから互角に戦えるなんてほざいてくれる。

 アニメでは、ゴラオンがまだ未完成で不完全だと知ったドレイク軍がラウの王城であるタータラ城を攻め、ラウの方はオーラマシンに対して無力なタータラ城ではなく、ゴラオンを中核としてウィル・ウィプスを墜とそうとする。

 この戦いで不利を悟ったフォイゾン王が専用のボチューンでウィル・ウィプスに突撃しジェリルのレプラカーンに撃墜され死亡。

 ショウのダンバインはトッドのビアレスにコンバーターを破壊され、オーラパワーが一気に噴出して海上に移動、そこでビルバインを入手するのだ。

 

 聖戦士伝説のカオスルートでは主人公がはやるドレイクを止めて被害を抑えるべく案を出す。

 

 タータラ城を攻める

 ゴラオンを誘き出す

 ナブロの砦を攻める

 

 この3択からリ軍の行動を選ぶ。タータラ城を選べばドレイク軍はゴラオンを、ゴラオンを選べばドレイク軍はタータラ城を攻撃する。

 ナブロの砦を選んだ場合は二手に分かれてどちらもナブロの砦を攻撃するのだがこの場合、バイストン・ウェルで全部の決着がついてしまい浮上できない。当然、この選択はない。

 

 で、肝心のビルバインであるが3択のどれを選んでも次のマップではゼラーナ及びショウ、マーベルは出現しない。さらにその次のマップではショウもしくはマーベルは既にビルバインに乗り込んで登場する。

 聖戦士伝説では戦闘マップ中のイベント再現がないのでこうなっているんだろうけど、かなり残念なポイントである。やはりアニメのビルバイン初登場シーンは再現してほしかった。

 

 聖戦士伝説と同じように進めてしまうとビルバインを俺たちが入手しにくそうなので、今回は違う行動をする。ドレイクの好きなようにさせてアニメと同じように進める予定だ。

 失敗したらロードしてやり直せばいいだけ。代価は俺の命。安いものである。

 

 アニメでのビルバインの初登場は、被弾して背中のコンバーターの片方を失ったダンバインがオーラ力を一気に噴出して操作不能になり暴走。海に運ばれ、そこでウィングキャリバー形態のビルバインが飛来してきてショウが乗り移るというもの。

 うん、ツッコミどころがあるね。無人のオーラマシンが飛行って。

 ウィングキャリバーの無線操縦もあるからそれはまあ目をつぶるとしても、あまりにもタイミングが良すぎる。だって暴走してやってきた先にビルバインが出現するんだよ。ダンバインが段取り知っててそこに移動したとしか思えないでしょ。

 それともエイブ船長がそこまで予想できたとでも?

 

 ……いいか。海上なのはわかっている。そこで張って、ビルバインが発進するのを待とう。

 俺が乗る専用のオーラバトラーをナの国に渡してしまっているのはドレイクもフォイゾンも知っている。戦場に俺がいなくても不思議には思うまい。

 

 問題があるとすれば、ドレイク軍が全力を出して戦うということになるのでラウの国もアの国も被害が大きくなること。間違いなくたくさん死ぬ。

 だがこれも今更だ。恋姫世界に帰還するためである。多少の犠牲はやむをえまい。

 バイストン・ウェルの平穏よりも嫁さんたちとの再会を俺は選ぶ!

 

 ああ、久しぶりに胃が痛い。覚悟してたはずなんだけど、シーラちゃんと関係を持ったせいでリの国以外のバイストン・ウェルの人間も軽視できなくなってしまったのか。

 ショウ担当の北郷君がビルバインを入手したらアレン担当の恋姫キャラが死亡する可能性があるから、ってそう自分に言いわけをしよう。

 

「そうか、ショットからライネックが届いていたか」

 

「はい。事前にコーイチ王が申しつけてあったようにすぐにボウが調査、開発を行っております。そのせいで、巨大戦艦の完成が若干遅れています」

 

 サーラはアの国やラウの国を調査中なので、リの国情報は連絡員からの報告。

 ライネックがもうきたのは嬉しい。まあ、ライネックの入手、量産ができるロウルートでは6章の最初のマップで手に入るので遅いぐらいではあるが。

 

「巨大戦艦の遅れは仕方がない。ボウにあまり無理をさせて倒れられても困るしな。適度に休養も取るように告げておいてくれ。巨大戦艦よりもオーラバトラーの方を優先だ」

 

「はっ。了解しました」

 

 連絡員である騎士が敬礼して去っていく。

 ボウにはまだ重要な任務があるので巨大戦艦の完成を急ぐ必要はない。

 ぶっちゃけた話、聖戦士伝説のリの国の巨大戦艦であるヨルムーンガントはそんなに強くない。移動力も低いし弾切れも起こす。なにより、巨大戦艦への攻撃は必ず命中するので囮や盾にする時以外は積極的に前線には出したくはない。

 自動的に艦長になってしまうザンは巨大戦艦よりもオーラバトラーで使いたかったと思うぐらいなのだ。

 

 だから、巨大戦艦の完成は遅れているぐらいでちょうどいい。焦って未完成のを実戦投入するよりも、じっくり完成させておきたい。

 

「ライネックね。どんなオーラバトラーなのかしら?」

 

「いいオーラバトラーだよ。オーラ係数や限界オーラ力も量産機トップの名機だ。カオスルートでは手に入らないはずのこれが入手できたのは嬉しい」

 

「ですが、このあと購入できるようになるずわぁーすというオーラバトラーの方が強いのではなかったのですか?」

 

 まあ、ズワァースがあるからライネックがなくてもカオスルートでも困りはしない。

 でもさ。

 

「ズワァースは高いんだ。オーラバトラーの中で一番。購入額はライネックの1.5倍近い。ブル・ベガーの2倍以上のお値段だ」

 

「なんと」

 

「性能差は価格差ほどじゃない。ズワァースの方が火器が豊富ではあるけど、その分メンテナンスも大変で、しかも地上に戻ってからはあまり火器は使えなくなると思う」

 

「威力が増すが、オーラマシンにはあまり効かないという話だったわね。弾薬も入手しづらくなるでしょうから確かに火器は重要視しなくてもいいのかしら?」

 

 聖戦士伝説ではオーラバリアは正面からのみに発生するんでそこまで絶対視はできないかもしれないけど、火薬やフレイボム用の油だってむこうじゃそう簡単には補充できない。あ、大陸だからレプラカーンの中華キャノンなら大地のエネルギーで発射できる……わきゃないか。

 

 さらにアニメどおりの強威力だったらできれば使用禁止にしないと村や町の付近では戦えないだろう。

 

「ライネックの方がスリムな見た目だから気に入るんじゃないかな。頭の触覚も武将の頭飾りっぽく見えなくもないし」

 

 令羽子(りんず)(『令羽』で1文字)、だっけ? 恋姫の呂布は髪の毛で再現しているあれ。

 あの触覚はセンサーかレーダーなのかね?

 

「もちろん、予算と相談してズワァースも量産したい。あっちは悪役じみた外見だけどやっぱり強いから」

 

 聖戦士伝説のズワァースは2周目以降の隠しユニットのせいで性能がダウンしているが、こっちだとどうなんだろう。

 アニメの黒騎士専用機が特別だったという扱いなんだろうか?

 

「北郷から奪う予定のオーラバトラーは量産できないの?」

 

「ビルバインは俺の知っている話だとできなかった。ちょっと性能を落としたゼルバインなら量産できるけど、カオスルートじゃ手に入らなかった」

 

「そう。残念ね」

 

 そのゼルバインにしてもビルバインの売りである変形はできないし、ライネック、ボテューンという強力なライバルがいる。

 前述のように地上では火器の価値が下がるので、ロウルートではゼルバインよりも移動力の高いボテューンを選びがちだ。オーラバトラーは結局、近接攻撃の方が強いってことだね。

 

「ただ、ここのボウは俺の知っている話よりも有能だから、もしかしたらなんとかしてくれるかもしれない」

 

「さっき休養も取らせるように言ったのにまた酷使するつもりかしら?」

 

「そうなんだよなぁ。既存の機体の改良も頼んじゃってるし、やっぱゼットをスカウトしておくべきだったか」

 

 もし浮上がうまくいかなくてもっと前のセーブからやり直すことにした時は仲間にしなくては。

 俺がオーラマシンの開発できればいいんだけど、さすがにそれは無理なのが残念でならない。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 セーブ後、華琳ちゃんに殺されて道場へ行く。こっちに来た直後は俺が殺しにくくなったと褒めて(?)くれた華琳ちゃんだったが、彼女自身も限界突破(カンストオーバー)している現在はサクッと容易く俺は殺されてしまう。苦しくないから問題はない。

 

 道場についた途端、春蘭、桂花が不足していた成分を取り戻すために華琳ちゃんに縋りついてクンカクンカ。愛紗と蓮華が若干引いてるが、シーラちゃんがあまり動じていないのはまさか、部下にあんな感じなのがいるからだろうか? 国での人気の高いシーラちゃんならありえそうかも。

 

「いい加減ここ以外で華琳さまに会わないと姉者が禁断症状でおかしくなる」

 

「むしろ今までよく持っていた、か。そっちの情勢の進行具合から考えると、バイストンウェルと時間の流れがちょっと違うのかもな」

 

「そんなことあるの、兄ちゃん?」

 

 春蘭の真似なのか、俺に抱きつながら首を傾げる季衣ちゃん。まったくもう、かわいいなあ。

 あ、シーラちゃんも近づいてきた。さすがにだいしゅきホールドは無理だったのか、俺の服を引っ張るようにつまんでいる。こっちはこっちでかわいい。

 

「元々、そっちの大陸は俺や一刀君の時間よりは、はるかに過去なわけだし」

 

「そうなのですか?」

 

「そうだよシーラちゃん。正確にはちょっと違うんだけどね。それがあるから俺や一刀君はあっちの大陸の先行きをある程度読めるんだ。まあ、バイストンウェルからオーラマシンが排除されてあっちに行ったら全然変わってしまうだろうけど」

 

 恋姫世界にオーラマシンが展開。俺たち全員が確実に恋姫世界に戻る方法だ。

 頭が痛いのはドレイクやビショットたち他勢力もきちゃうこと。絶対に恋姫世界の征服を狙うだろう。

 あいつらはショットとゼットの方の地上界に行ってくれればいいのだが、そう都合よくはいくまい。

 

 恋姫世界の混乱が酷すぎて「ダメだこりゃ」になった場合は浮上前にロードしてやり直すとして、まずは全員での浮上をする。とにもかくにも生きた状態で嫁さんたちに会うのが先決だ。

 

「早くちゃんとみんなと会いたいよ」

 

「ボクも流琉に兄ちゃんを自慢したい」

 

「ははは。季衣、さんざん流琉以外にも自慢しておったではないか。きっと誤解しているからこいつを見たらがっかりするぞ」

 

 いったい俺はどんな風に説明されてるんだろ?

 真や革命で追加された恋姫ヒロインに会うのは楽しみだけど、華琳たちの結婚相手には相応しくないって拒否されないかが心配なんだよなあ。

 あ、季衣ちゃんたちへのプロポーズ用にポロポウズの花壇、巨大戦艦に用意しておいてもらわないといけない。

 

「おお、呂布みたいな巨人が手に入ったのか!」

 

「そう、なるのか?」

 

 春蘭桂花が華琳ちゃん分を補充できて落ち着いたようなので詳しく情報交換。ライネックのことを説明したら春蘭が興奮している。

 オーラバトラーを見ていない古代中国の人間には巨大ロボはわかりにくいか。

 

「呂布を乗せるのも面白いわね。陳宮は手に入れたのでしょう?」

 

「はい。華琳さまのご指示のとおり、呂布の飼っていた動物ともども確保しております」

 

 華琳ちゃんの問いに桂花が答える。そうか、陳宮ちゃんは魏にいるのか。なら、やはりなんとしても呂布も味方にしておきたい。呂布がいればあの子も仲間になってくれるだろう。

 戦乱というか混乱が激化するのは目に見えているので軍師は多い方がいい。

 あとロリも。袁術ちゃんにも会いたいなあ。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 ウィル・ウィプスによるラウ攻略の本格開始。

 一応、ウィル・ウィプスの付近にゼラーナ改級プテラノドンで華琳ちゃんたちが、タータラ城の方にはブル・ベガー改級ワイバーンでザンと三騎士たちが布陣して戦場にいるが、俺はフィナと海にいた。発見されないように移動はグライウィングのシュットだったりする。

 シュットはゼラーナ二番艦を奪取した時にフォウに付属していたのを入手、リの国でも開発(コピー)したものだ。

 

「本当に海の上にいるんでしょうか?」

 

「さすがに広いから、見つからなかったらやり直すよ」

 

 背後に目をやればこちらからでも戦場の光が見える。激戦だ。だが俺は、華琳ちゃんたちは限界突破(カンストオーバー)してるからと不安を押し殺してビルバインを待つしかできない。

 こんな広い海でビルバインやグリムリーなんてすぐに見つかるわきゃないよなあと数回やり直すことを覚悟していたわけだが、その予想はあっさりと裏切られた。

 

「あれか?」

 

「え? あ、オーラの光!?」

 

 俺が指差した先にはオーラ光を引きながら飛翔する物体。既に夜なせいもあるが、限界突破(カンストオーバー)して敏感になった俺の目にはかなり明るく見える光ですぐに発見できてしまう。小説版であるオーラバトラー戦記に出てきたオーラバッテリー搭載だとして、どれだけ充填してるのかね?

 

「速いな。もしかして北郷君がピンチなのか? それとももうフォイゾンが?」

 

 華琳ちゃんたちにはビルバインを発見しやすくするために北郷君のダンバインにはトドメは刺さないように頼んであるが、ドレイク軍に呂布と張遼がいるからやられちゃったりしてるかもしれない。

 

「行くぞフィナ、しっかり掴まっててくれ」

 

「はい!」

 

 グライウィングだからフィナは同乗というよりはそばを飛んでいるだけ。なので高速移動時は俺に掴まることになる。やはりオーラバトラーの方がフィナも楽そうだ。

 最高速度で飛べばシュットが追いつけるはずもないビルバインだが、やはり聖戦士どころかパイロットなしではそこまでの速度は出せなかったのだろう、追いつくことに成功。

 ……成功したんだけど、乗り移るのには失敗。俺は落下死してしまった。アニメの時のショウはビルバインがダンバインに相対速度を合わせてくれたから乗り移れたんだよなあ。

 飛び移る前にセーブしておいて本当によかった。

 

「がんばってください! シュットを持ってきますから!」

 

 どう見ても無理なのに俺を助けるためにシュットを操縦しようと奮闘してくれたフィナには悪いことしちゃったよ。

 

 




うちのエディタだと『令羽』が使えなかったので
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