ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない 作:カツヲ武士
主人公くんがダンジョンに拘ってないからね。
オリ設定!
オリ展開!
地元じゃ有名なドラゴンが有名過ぎます。
嫌いな人は読み飛ばし!
何事もなく、ほんっとーに何事も無く
50階層に来れたわね・・・
「うーーん。あんまりにも何も無くて
逆に怖いよね?」
ティオナもそう思うのね?
「えぇ、特に前の49階層はね。筆頭様が
不在だったから色々してるんでしょう」
闘技場の入口に立て看板かけてスゴク
綺麗な字で「不在」って書いてたからね。
何て言うか普通に威圧を感じたわ。いや、
アレはもう恐怖よね。
侵入したら許さんって意思を確かに感じる
ような看板だった。
文字だけでも恐怖を感じるって明らかに異常よ?
魔物もあの看板には近づかなかったし。
アレはジャガーノートの鱗か何かかしら?
「だよね。それにべートが看板退けて
入ろうとしたのには焦ったよね!」
「えぇ・・・あの変態。無駄に強がって
「不在だァ?」とか言って普通に入ろう
としてたわ。アレはもう馬鹿とか変態とか
そういうのを超えた存在ね!」
恐怖を感じたのを誤魔化そうとしたん
だろうけど、あんなの完全にアウトよ!
筆頭様も怖いけど、それ以前に不在の女性の
部屋に勝手に入るなんてどういうつもり
だったんだか。あの変態!
「何とかして止めたけど、看板が動いてることに
気付いた筆頭様に怒られたりしないかな?」
「・・・ありえる」
普通なら誰かに侵入されたって思うもの。
今この状況で侵入するのは私たちしか居ないわ。
あの変態、本当に余計なマネをしてくれたわね!
「ま、まぁ今はそのことはいいわ。
問題はこれからよ。筆頭様に謝罪するに
しても生き延びなきゃダメなんだから」
そう思わないとやってられないわよ!
「それはそうだね!よし、切り替えよう!」
うんうん、この切り替えがこの子の
良いところよね。
それに筆頭様のところで学んだガチムチで
シカタネェの精神はモノスゴク・役に立つわ!
流石筆頭様よね!
「んでさ、これから先はウルガじゃなく
流星錘を使っていかないと駄目かな?」
「その方が良いでしょうね。それに多分
砲竜の砲撃は縄鏢と流星錘で打ち落とせる
でしょうから、そっちの方が安全よ」
実際に試して見ないとわからないけど
多分大丈夫。
この縄の汎用性が高凄すぎるのよ。
「あー確かに。あの砲撃は床を壊す
くらいの威力はあるけど、それでも
52階層の天井は壊せないからね!」
「そうね。威力が弱まってるのか
そもそも他の階層の床が脆いのかは
知らないけど、少なくとも問答無用で
壁も天井も破壊する筆頭様の攻撃より
は圧倒的に軽いでしょう」
あとは使い手の私たちの技量だけど・・・
あの砲撃は威力はともかく、遠距離から
真っ直ぐ来るだけだからタイミングは
掴みやすいし。
最終的に58階層ではガレスも
盾で防げたくらいだから、衝撃を
正面から受けずに受け流せば
対処はそれほど難しくはないわ。
つまり最初の砲撃さえ回避出来れば、
あとは真っ直ぐ正面から迎え撃てば
良いってことね。
そして縄の重さを利用して振り子
みたいに重さをコントロールして
落下スピードを調整すれば穴を降り
ることも出来る。
アイズも魔法を纏えば降りれるから、
私とティオナとアイズの三人で
先行して砲竜を潰す。そうすれば
残りのみんなは普通に降りてこれるわ。
「ワイバーンとかは・・・これも私達
が相手するべきかしら?」
「あーうん、そうかも。基本的に
空に浮かんだ敵に対して攻撃出来るのって
アイズしか居ないけど壁とかワイバーンを
足場にすれば私たちも十分殺れるからね!」
一応べートもやればできるだろうけど
武装の関係上どうしても接近しなきゃ
駄目だから一回一回飛び跳ねなきゃ駄目だし。
集団に対しては効率が悪いのよね。
私たちなら最悪ワイバーンを足場に
して周囲のワイバーンも攻撃出来る。
ほんと、この縄の万能さが凄い。
驚異度からすれば砲竜を優先するのは
当然なんだけど、私たちには距離的な
アドバンテージがあるから敵との
戦い方を選べるのよね。
うん、58階層までは比較的楽に行けそう。
さすがに椿も騒げる環境じゃ無いし、
ここは存分に使って行くべきね!
ただねぇ
「・・・問題は新種とかと筆頭様だよね?」
「・・・えぇ。このコンビは唯一に
して最大の問題よ」
そうなのよね。普通に穴の上から溶解液
とか降ってきたらそれだけで大ダメージだし、
戦闘中にイモムシが降ってきて自爆して
来たらやっぱり大ダメージ。
ただまぁ今回はレヴィスが59階層に
行けって言ってたらしいから、
新種の邪魔はないとは思うけど・・・
筆頭様一人でも大問題よ。
9階層でのアレがどうしても、ねぇ?
「・・・49階層はバロールどころか
何も居なかったよね?」
「そうね。ただ、壁に傷をつけてる跡は
無かったから、筆頭様がジャガーノート
呼び出して虐・・・鍛錬してたってこと
はないと思うけど」
だけどアレは明らかに筆頭様よね?!
あの無音で何も無い空間は「安全だ!」
とか言うより、ただただ不気味だったわ。
そのせいで団長もこれからの
遠征について考え込んでるし・・・
せめて筆頭様とお話が出来れば良かったん
だけど。このままじゃ「邪魔。故に矯正」
とか「煩い。故に矯正」とか普通にあり
そうで怖いのよ。
あの人には戦闘中とか関係無いし・・・
それに不法侵入が・・・あーもぉ!
ベートの変態のせいで高いハードルが
更に上がったわよ!
この遠征が失敗したらどーすんのよ?
「うーん。とりあえずべートを殴ろっか?」
「えぇ!アイズやアキも誘うわよ!」
ボコボコにしてドゲザさせれば
筆頭様の溜飲も下がるかもしれないしね!
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うん。何事もなく50階層に来れたし
今も親指は疼かない。今回は襲撃は
無いと見て、今日はこのまま休憩に
しても良さそうだけど・・・
「ふむ、ずっと考え込んどるが、
やはり49階層に何も無かったと
言うのが問題かの?」
「だね。17階のゴライアスが出現
する直前とかもあぁ言った独特の
雰囲気は出るけどさ。バロールも
ジャガーノートも居なかったのに
魔物まで居ないとなると・・・ね」
明らかな異常だよね。
可能性としてはティオネが言うように
筆頭さんが武者修行した結果か、
アイズへ59階層に行くように嗾けた
レヴィスが新種を使って掃除したかに
なるんだろうけど・・・
「確かにそうだ。だが今は考えても
答えは出ないだろう?
とりあえずここ50階層も
安全地帯とは言い難い以上。
あそこで無駄な損耗が無かったことを
プラスに考えた方がいいだろう」
それはその通りではあるけどね。
「リヴェリアの言うことも尤もじゃ。
レヴィスにせよ筆頭殿にせよ儂らの
邪魔をする理由は無いんじゃから、
どっちがアレをやったとしても問題は
無いじゃろう」
「いや、レヴィスはそうだけど、
筆頭さんは微妙だよね?」
「「・・・あぁ」」
それでも49階層の掃除をしてくれたこと
には感謝しなきゃダメだけど。
もしこの先に居た場合は・・・なぁ。
「あそこでべートのアレがなければ
まだ良かったんじゃがな」
ホントだよ。何で無駄に強がって
不在って書いてる女性の部屋に
入ろうとするかな?
いや、元々ダンジョンで個人の部屋って
のもおかしな話だけどさ、僕たちで
言うキャンプの女性のテントみたいな
もんだぞ?
ダンジョンに縄張りなんかねぇって
言って入ったらどうなるかわからないか?
筆頭さんじゃなくても怒るだろ。
「確かに。アレが無ければ、とりあえず
筆頭さんとやらには彼からの手紙が
あることを伝えて「敵対はしない」と
約束を取り付けることも出来ると
思ってたのだがなぁ」
流石のリヴェリアもべートの行動は
擁護出来ないか・・・
「とりあえずはべートを差し出してドゲザ
が妥当じゃよなぁ」
バレてるとかバレてないは別として、
責任者としてはそうしなきゃ駄目だよね。
「入口だけだったのが唯一の救い・・・にはならないか」
普通入口だって嫌だよね。
「流石にな。いくらダンジョン内部でも
最初から「不在」と書かれていて、
そこに居る相手が女性だとわかってるんだ。
同じ女性としても「入口だけだから許せ」
とは言えんよ」
「「だよなぁ」」
冒険者の仁義だとか不文律とかじゃ
なくて普通にデリカシーの問題だから
何ともできないんだよ。
謝罪方法も検討もつかないよ。
弁償とかは違うだろうしさぁ。
しかも相手はティオネとティオナが
お世話になったヒトで、僕たちを
殺せるレベルの強者だろ?
普通に垂れ流し案件じゃないか。
べートのアホめ、思春期の子供みたいな
怖くないアピールなんか要らないんだよ!
むしろプロとしては怖い相手は正直に
怖がるのが正解だろうが。
あぁなんで遠征でこんな苦労をしなきゃ
ならないんだ・・・
「とりあえず、だ。居るかどうか
わからん筆頭さんとやらへの謝罪より、
今後の予定について話そうじゃないか」
・・・今考えても沈むだけだからね。
気分を切り替えなきゃダメだよな。
「よし。まず今日はこれから休息に充てよう」
アイズとべートが無駄に張り切ったから
他の連中はそれほど疲れてないけど、
それでも神経を使ってきてるからね。
「ふむ、では装備の確認や、59階層に
挑むモノと残るモノを分けねばならんの」
「そうだね。こっちにも戦力を
残す必要があるからレベル4はラウル
だけを連れて行くよ。残った部隊は
アキに面倒を見させよう」
さすがにこの階層になると探索も
レベル5は必要だから下には行かせ
られない。探索は50階層だけにして、
この階層にある採取品を集めて
もらうとしよう。
ついでにアキやクルスにも二軍の
纏め役としての経験を積んでもらう。
「レフィーヤはどうする?」
「レフィーヤか・・・」
一撃の魔法は確かに強力だけどさ。
基本的に隙だらけだし、この階層だと
まともに自衛もできないんだよね。
リヴェリアと同じ魔法を使えても、
基本ステイタスの差があるから威力は
レベル6のリヴェリアには及ばない。
しかもレヴィスが絡んでるとなれば
敵は魔力に反応する敵の可能性が高い。
ここで59階層に連れて行っても
足手まといにしかならないよな。
問題は足手まといを抱えた時の損耗と、
リヴェリアの代役が出来る汎用性を
比べて、どっちを取るかって話だ。
59階層に何がある?普通に考えたら罠。
もしくは階層主みたいなのが居るはずだ。
それを打倒するためには攻撃力は必須。
だが、彼女を誰に守らせる?
普通ならティオナかティオネだよな?
アイズもベートも防御には向かないし
ガレスも敵が単体なら問題ないけど
複数になると殲滅力の問題が出る。
それに階層主みたいな存在にはガレスの
一撃は捨てがたいんだよな。
それに元々リヴェリアを守るための
戦力も必要だし、ラウルとティオナで
二人を守らせるか。
ティオネは副官として補佐してもらおう。
罠や敵によっては戦場で長考する
可能性もある。その際思考の手助けと
僕の護衛をしてもらえばいい。
といっても無条件で、とはいかない。
「レフィーヤも連れて行こう。ただし
59階層へ向かう前に51階層で
カドモスの泉の採取に付き合ってもらう」
「カドモスの泉?カドモスとの戦いを
経験させるのは彼女個人にはいいこと
だとは思うが、全体の疲労や消耗を
考えればあまり良い案とは言えんのでは?」
「その心配は尤もだけどね。疲労は
普通に休ませればいいだけだ。
最悪もう一日休憩に充ててもいい」
足手まといを抱えて未知に挑むより
よっぽどマシだ。
「あぁ、レフィーヤの性根じゃな?」
「性根だと?」
「そうだ。戦闘中に無駄に自信なくして
オドオドしたり「私なんかじゃ・・・」
なんて悲劇のヒロインされても迷惑だ」
あの子はそういうところがあるからね。
「それもあの子の性格だからしょうがない
・・・とは言えんな」
「じゃな。それなら最初っから冒険者なぞ
するなという話じゃ。ましてこれから
先は儂らとて余裕があるわけではない。
わざわざフォローなんぞ出来んぞ」
そうなんだよ。あんなの戦闘中に
されてもさぁ。わざわざ励まして、
宥めすかして集中させないと魔法を
使えないって・・・
正直戦力としては数えられないよね?
「まずは少数での強敵の戦いに慣れて
もらう。そこで強敵を前にして自分の
身が危険にさらされても仲間を信じ、
指示に従って魔法詠唱が出来ればそれで良し。
もし出来ないなら足手まといだ。
今回は置いていくことにするよ」
普通ならこんなことはしないけど、
彼女の魔法にはそれだけの価値があるからね。
あとはラウルも一緒に連れて行って
場の作り方とかをしっかり見て
もらわなきゃな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「GYAAAAAAAAAAA!」
『ふむ・・・』
見た目はともかく知性が無い。
なるほど、確かにコレは赤蜥蜴だ。
「何が『ふむ』かは知りませんが、やはり
貴方の鱗は赤蜥蜴のブレスも弾くようですね」
『まぁな。コレが俺の鱗の特性なのか、
連中の攻撃力不足なのかはわからんが』
実際この身体は随分と性能が良いからな。
速さと硬さを両立出来てるし。魔力由来の
攻撃を弾くらしいから、残るのは魔法に
よって発生した事象による冷気や熱だけ。
ブレスは魔力も使ってるようだが、他にも
力を感じるから、最終的な判定は微妙。
俺的には、まぁ多少衝撃を感じる程度だな。
「私も受け流してはみましたが、思った
以上に衝撃が軽いんですよねぇ」
『受け流すどころか、正面から受け止めただろうが』
この化物が・・・受け流して軽いと判断
したら、次は正面から受け止めやがった。
「実際受けてみないことには戦力調査に
なりませんからね」
『・・・それはそうだろうがな』
重さとか、物理現象とか有るだろ?!
受け止めた後は衝撃だけを後ろに流すとか、
ブレスごと斬るとか、どういう原理だ!
しかも服にも剣にも埃一つ残らないって?!
「ふむ、流石旦那様が造りし服」じゃねーよ!
絶対コイツの旦那も神だろ?!
「しかしこの程度の威力で天井が壊れる?
わざと脆い造りになってるんですかね?」
『もしくはこのブレスにはダンジョンの
壁に対する特効がある可能性だな』
なんと言うか、無意味な特性では有るが
長距離砲撃を活かす為と考えれば
無いわけでも無さそうだ。
「ふむ。特効、ですか?」
ん?あぁ、この世界の住人は属性とか
特効についてはあまり詳しくないのか?
といっても俺だって悪魔だの天使への特効
なら、相性だのその成り立ちを考えれば
理解出来なくは無いがドラゴン特効とか
言われても、正直原理がわかってないからな。
別に属性が反転してるわけでもないし、
ドラゴン専用の毒ってわけでもないのによ。
聖書の神が恨んだから何だって話だ。
そんなんで特効出来るなら怨み辛みなんざ
世界中に有るわい。
むしろ聖書の神を恨んでる神なんかいくら
でもいるじゃねぇか。
そもそも各地の伝承のドラゴンだって、
武器に殺されたんじゃねぇ。
その使い手に殺されたんだ。
ドラゴン特効で有名なグラムもその誕生に
関してドラゴン関係ないからな?
元はオーディンが何処からともなく持ってきた
スゴイ・キレアジノ・ケンだろうに。
つまりアレはドラゴンすら斬れる剣ではあるが、
ドラゴンに特別な効果がある剣ではないぞ?
ソレがなんで特効になるのやら。
わけがわからないよ
「良くわかりませんが、アレには壁を
壊すことに特化した・・・そうですねぇ、
破城鎚のような効果を内包してると思えば
良さそうですね」
『・・・まぁそんなところだな』
コイツ、頭の回転が速すぎないか?
「あと不思議なのはコイツらはどうやって
52階層に居る侵入者に気付くのでしょう?」
『あぁ、ソレは俺も不思議に思っていた』
実際良くわからんよな。
1階層上くらいなら出入り口が近いとか
穴が空いてたりとかでわかるときもあるが、
流石に6階層は無理だろ。
52階層に攻撃を当てるために、何度も
天井に砲撃するのも間抜けだしな。
まぁ一撃で5階分も貫ける砲撃ならあの
程度の衝撃じゃ済まんだろうし、一気に
崩落してきたら自分達が生き埋めになる
から、分割で正解なんだろうが。
「探知能力が特別高いわけでも無いですしね」
『縄張りに侵入して来た存在に気付くのは
本能で説明がつくんだがな。これはソレだけ
じゃない。多分観測役がいるんじゃないか?』
恐らくコレだろうな。
「観測役?あぁナニカが52階層以降を
監視していて、赤蜥蜴にしかわからない
何らかの合図を出してると?」
『うむ。そうじゃなきゃ侵入者はともかく
その現在地まではわからんだろう』
縄張りに侵入してきたってのは本能で
何となくわかるかも知れんが、流石に
細かい場所まではな。
狭い空間ならまだしも、これだけ空間的な
広さがあって数も居るんだ。各々縄張り
だってあるだろう。
それが一斉に上に向けて砲撃を放つなど
本能だけでは片付かんよ。
「なるほど、魔物ならではの意見ですね。
ダンジョンの魔物同士で情報の共有を
してるならソレも有り得ます」
『俺とは違うが、そう言う繋がりもあるだろうよ』
「無いとは言えませんね。とりあえず
仮説として旦那様にお伝えしましょう」
初対面から思ってたが、コイツ旦那好き過ぎ
だろう。
いや、そのお陰で俺も殺されてないし、この
くらいの人間味が無きゃこうして付き合う
ようなことはしてないんだろうが。
「ふむ。仮説とは言え疑問が片付きました。
では次の実験に行きましょうか」
『次の実験?なにをする気だ?』
しかしコイツは前置きもなく話を変えて
来るから油断できん。
頭の回転が速いヤツの特徴でもあるが、
前置きも無く、いきなり斬るとか止めろよ?
「いえ、私の全力に貴方の全力を乗せた一撃で
何処まで天井を貫けるかに興味がありまして」
ほう!今の俺の全力とコイツの全力の一撃か。
正直、いや、かなり興味があるな。
『確かにそれは俺も興味があるが、お前の
攻撃に俺の全力を乗せるには多少の溜めが
必要だぞ?
かといってお前の溜めやタイミングに
併せるのも難しい』
流石に魂で繋がってる訳じゃないからな。
コイツの戦闘機動に対応するのは無理だ。
「今回は仕方がありません。とりあえず
貴方の頭の上に乗りますよ」
乗り心地が悪いとか言ってたくせに・・・
「何か不満でも?」
『いや!何でもないぞ!さぁ乗るが良い!』
ナチュラルに心を読むな!
「なぜ上から目線なのか。やはり貴方には
一度教育が必要なようですね」
『やはりって何だ?!』
コイツの怒るタイミングとその切っ掛けが
わからん!
「ですが刻むのはいつでも出来ますからね。
今は実験に集中しなさい」
『出来るかっ!?』
刻まれるの確定してるのにそんなん
出来るわけあるかっ!
「いいからさっさとやれ」
『・・・はい』
くっ、この身体が本能の部分でコイツに
敗けを認めてしまっているっ!
・・・まぁいい。とりあえず今は実験で良い
結果を出して良い気分になってもらおう。
そんで刻まれるのを頑張って回避しよう!
『行くぞっ・・・譲渡!』
「漸くですか。さぁこの一撃はどこまで
旦那様に近づくことが出来るか・・・」
越えるとかは考えて無いのな。
コイツの旦那は絶対人間じゃねぇよな?!
「さぁ世界を斬り裂く一撃を見よ」
「剥 奪 剣 界」
―――――――――――――――
「えっ?!」
「あっ?!」
ん?急に二人の動きが止まった?
ご飯の準備をしないと怒られるよ?
「ティオネ!」
「ティオナ!」
「「何かヤバイっ!」」
え、何が?まさかまた魔物が?!
――――――――――――――――
な、何だ?いきなり親指が?!
「フィン?」
「なんじゃ?非常事態か?!」
「ガレスっ!、リヴェリアっ!大至急退避だ!」
ココはヤバいっっ!
―――――――――――――――――
「「「下から来るぞ!気を付けろっ!」」」
せっかくだから全力を出してみたの図
正確には気を付けろよぉなんですが
まぁいいやってお話。
オノレ砲竜っ!何て事をっっ!