ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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18階に迫る危機。
来るぞ来るぞ来るぞっ!

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嫌いな人は読み飛ばしっ!


第113話

エロフが殺る気を出すのは良いん

ですけどねぇ。

 

『な、なにか嫌な予感が?!』

 

ほら、そういうのは殺ってからに

しないと獲物に勘付かれるんですよ?

逃げられたらどうするんですか?

って言うか、それ以前にですね

 

「エロフ、アレを殺ってもお土産

にはなりませんよ」

 

「・・・何故ですか?」

 

「(´・д・`)」

 

はぁ~コレだから見た目と暴力しか

取り柄の無い冒険者はダメなんです。

 

まったくもってダメダメです。

まるで・だめな・お前ですよ。

 

「・・・言いたいことが有るなら

はっきり言いなさい」

 

「このマダオが( ゚д゚)、」

 

「マダオ?!」

 

まるでダメなお前にピッタリな名前です。

 

前に筆頭様にコイツのことを「エロフ」

って言っちゃいましたが「マダオ」に

してやっても良いかもしれませんね。

 

「言葉の意味はわかりませんが、

罵倒されてるのはわかりましたっ!」

 

自覚が無いのがさらにダメですよねー

 

「それで、何故アレは土産にならないの

ですか?彼の正妻なら、神など敬うに

値しない、タダの素材でしょう?」

 

「素材だからじゃないですか」

 

まったく、なんで気付きませんかね?

お前だって神を殺したでしょう?

 

「素材だから?」

 

まぁ加工や保管は全部先生がヤって

ましたから知らないのもシカタナイ

んですけどね。

 

「ダンジョンの中には連中を加工

するための設備がありませんよね」

 

「確かに・・・」

 

あんまり言うのもアレですが、

コイツは基本ボッチですからね。

報告する相手は灰色くらいですが

アレに神の末路なんか話すような

ことはしないでしょう。

 

・・・してもどうにもなりませんからね。

 

「さらに保管場所もです。ソレをちゃんと

用意しないと、連中は光になって天界に

帰りますよ」

 

「・・・そういえばそうでしたね」

 

そうだったのですよ。

 

「つまりココでアレを殺すのは

先生にとってアホな獲物を減らす行為です。

農家として見れば収穫前の作物を

減らす行為。普通に怒られますよ?」

 

コイツが怒られるだけならまだしも

止めなかったリリまで怒られます。

 

「なるほど。それはダメですね。・・・では一部なら?」

 

コイツは・・・

 

「ソレをもらった筆頭様はどうするんですか?」

 

「あぁ、確かに。ご自分で加工が出来る

なら良いでしょうが、普通は困りますよね」

 

そうですよ。

少し考えればわかるでしょうが。

 

「そんなわけで、アレはお土産には

なりません。精々恩を売って白兎に

感謝されてやったら良いんです」

 

「なるほど、灰色・・・シルの事を

考えればアレはそうするしか

ありませんか」

 

そのまま灰色と一緒に白兎に

惚れてしまえばいいんです。

 

「しかしそうなるとお土産が・・・」

 

「諦めるしかないでしょうね。

そもそも普段から深層で修行している

筆頭様にとって18階層にあるものが

お土産になるはずがありません」

 

実際あの方は物欲も金銭欲も

ありませんし。

貴重なモノはあくまで先生に

見せる為のものです。

コイツに用意できるモノで

まともなモノなんかありませんよ。

 

「くっ!ナニカ、ナニカあるはず!」

 

ねーですよー。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

芳香剤?いや求めるべきは臭い消しですよね。

マダオから花の香りがしてもイラっとするだけですし。

 

普通に汚れを落とすだけの洗剤でも

良いのですが、18階層には売って

ませんかねぇ。

 

まさか骨に依頼するわけにもいきません。

 

そもそも冒険者って臭いんですよ。

なんで気を使わないんです?

 

私やリリルカの胴着には消臭と防臭

の効果があるらしいですけど

まさかマダオの為に旦那様にその

ような依頼をするわけにもいきません。

 

・・・そういえば先ほど褐姉妹がこの階層に

上がって来ましたけど、あいつらが着けてる

髪留めと腰巻も旦那様のお手製だとか。

 

・・・殺しててもうばいとる?

いや、旦那様にバレたら怒られ

ますってば。

 

あいつらに依頼したらどうでしょうか?

精霊の分体だかなんだか知りませんが

アレを片付けたり運搬してやったり、

結構な貸しがあると思うんですよね。

 

なんか店舗を回って何かを買ってましたし

さらに野営場所の確保、ですか?

 

つまりココで最低でも一泊する

つもりだと言うことです。

 

レヴィスからの書置きも無し。

 

ふむ。これなら接触しても良いでしょう。

 

あとは時間ですね。

 

ここから地上との往復だと、だいたい二日

くらいという話でしたよね?

そのくらいなら待っても良いし、あまり

時間がかかるようならココに運ばせて、

後から取りに来ましょう。

 

その間にマダオも伯師妹に接触

出来れば尚良し。と言ったところです。

 

ロキファミリアが居るうちは、巣から

出てこない可能性もありますが

その場合はこちらから行きましょうかね?

 

20階層に妙な気配が集まってましたから、

多分アソコでしょ?

 

同じ喋る魔物であるマダオが居れば普通に

接触できそうですし。 

 

しかし魔石はまだいくつか持ってますが

大体はナマモノにヤってしまいました。

 

もしマダオが伯師妹と接触出来ていなくて、

ナマモノのレベルが上がってたら、残りは

私が自分で持って行ってやりますか。

 

何と言っても旦那様から私が直接

命じられた案件ですし、伯師妹もさっさと

鍛えないといつ冒険者に殺されるか

わかったものではありませんからね。

 

さて、方針が決まったら行動です。

野営の場所取りをしている褐妹に

接触を・・・ん?この感じは?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「アレガロキファミリアノ連中カ」

 

「みたいですね」

 

先生の教えを受けた痴女が一人で行動

してますが、アレは安全地帯に居ると

言う油断でも慢心でもありませんね。

 

動作も流星錘もまだ素人の域ですが、

それでもその辺の冒険者や魔物では

相手になりません。

 

グロスさんなら時間稼ぎは出来るで

しょうけど勝つのは難しいです。

私なら・・・1対1なら勝てます。

いや姉妹相手でも勝てるでしょう。

 

でもアイツら、会話の節々に「筆頭様」

って言ってるんですよね。

 

先生の教えを受けていて筆頭様って

単語を使うなら、師姉様の知り合い

でもあります。

 

奇襲で問答無用で殺したら怒られますよね?

かといって表だっての接触は出来ません。

 

今回はあくまであの連中に闇派閥の連中が

利用している出入り口を教えるのが目的

ですからね。

 

しかし、何か様子がおかしいような?

 

「・・・ミョウダナ」

 

「・・・そうですね」

 

奴らの野営予定地に少しずつヒトが

来てますけど、妙に疲弊してます。

 

しかも普通の疲労ではありません。

肩に担いだり俵持ちしたり、アレは

毒か何かに犯された状態でしょうか?

 

「アレデハ使イモノニナランカモシレン」

 

「かもしれません。今回は諦めましょうか?」

 

お仲間の事を考えれば退くのは業腹ですが、

中途半端に警戒されるくらいなら今回は

諦めて次回に・・・

 

「確かに使えません。何ですかこの有様は」

 

「何?!」

 

「まさか?!」

 

私が後ろを取られた?!

 

「喋るカラス?の石像はレベル6相当

ですか。そしてその槍、伯師妹ですね?

レベル5相当なのはともかく、その技量。

一体今まで何をしてたのですか?」

 

え?声は違うけど・・・

 

「何者ダ!」

 

「ダメですグロスさん!」

 

この方が話してる時に刃を向けたらっ!

 

「無礼・そして怠惰。故に矯正です」

 

「「グホッ!!」」

 

やっぱりこうなりますよねぇ・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「まったく。私程度に後ろを取られるのは

まだしも、あそこまで長時間気付かない

とは。油断にもほどがありますよ」

 

「はい・・・」

 

もともと伯師妹は私より武の才が

あると旦那様に認められていたのです。

 

鍛えられた期間や時間が私のほうが

多かったからこそ、私の後塵を排して

いましたが、旦那様がもう少し長く

生きていられたら、きっと李厳殿の

域にまで到達出来たであろうに。 

 

それが今やこの有り様ですか。

まったくもって嘆かわしい。

 

「アノ、俺ハ関係無イデスヨネ?」

 

「烏も後ろを取られたでしょうが」

 

無関係?私が冒険者なら伯師妹と

一緒に死んでますよ?

 

「カ、カラスッテ・・・」

 

「何か文句でも?」

 

呼ばれ方に文句を付けれる立場

じゃないでしょう。正座してろ。

 

「アリマセン!スミマセンデシタッ!」

 

「グ、グロスさんが正座してます!

って言うか正座できたんですね?!」

 

「出来なくてもさせます。所詮石ですからね。

足を砕いて枠でも作って、回復させれば

永久に正座ができますよ」

 

・・・なかなか良いアイディアですね。

今度マダオの足でやってみますか?

 

「カンベンシテクダサイッ!」

 

ふむ、知性があるとは言え所詮は魔物。

力関係がはっきりすれば素直なモノです

 

「師姉様は相変わらずですね・・・」

 

何を今更。

 

「貴女が劣ったのですよ?師にお会いする

前にその体に染み込んだ錆を落としなさい。

そうでないと師が悲しみます」

 

私の時ですらお叱りを受けたのです。

純粋な武官であった伯師妹までもが

自分が死んだ後一切前に進んでいない

など、師にすれば悪夢でしょう。

 

「・・・はい。師姉様はもう先生とは?」

 

「えぇ、この服や剣も師から頂い・・・」

 

「え、えっと?師姉様?」

 

布で身を隠してはいますが、その布もツギハギ

だらけ。布の質も荒い。針や糸も無く、

無理やり合わせたのでしょうね。

 

その努力は認めます。認めますが・・・

 

「なんて見窄らしい姿をしてるんですか」

 

晋にその人有りと言われた白狼将軍

のする格好じゃないでしょう。

 

「あう!」

 

骨はこの子に衣類を用意しようと

思わなかったのですか?

それで相互理解が出来るとでも?

 

やつは衣食足りて礼節を知るという言葉を知らんのか?

 

「烏!」

 

「ハイッ!」

 

「近日中に布を持ってこさせます。

それを仲間に持って行きなさい」

 

急いで褐姉に持ってこさせましょう。

消臭剤よりこちらです!

こんな格好の連中を師の前に

立たせるなど有りえません!

 

「ハイッ!アリガトウゴザイマスッ!」

 

「よろしい。糸と針も持たせるので

裁縫が得意なモノにやらせるように」

 

「ハイッ!」

 

裁縫出来るのはちゃんと居ますよね?

空返事だったらその空っぽの

全身を砕いてマダオに喰わせますよ?

 

「伯師妹・・・今はウィーネでしたね?」

 

「ハイッ!」

 

「これから水辺で遊んでるナマモノの

ところに行きなさい」

 

「え?ナマモノ?・・・あっ!マリィ殿ですよね?」

 

確かそんな名でしたか?

まぁナマモノはナマモノです。

 

「今、ナマモノのところには私が調教

したマダオが居ます。ヤツに魔石を預け

ているので、レベル6相当になるまで

食べるように。足りなければ再度取って

来ますが、満腹で食べれないなどと弱音を

吐くことは許しません。これ以上の怠慢を

見逃すつもりはありませんよ」

 

「ハイッ!(ま、まだお?)」

 

まったくもって緩みすぎですよ!

 

「烏には後で別命を与えますので、とりあえず

あそこのロキファミリアを見張りなさい。

嫌なら頭だけ取り外して見張らせますが

・・・どちらが良いですか?」

 

「ハイッ!ワカリマシタッ!喜ンデ

連中ヲ見張リマス!」

 

「手間が省けて結構。では伯師妹、貴女には

まだ話したいことがありますので、あちらに

行きますよ」

 

「・・・ハイ」

 

―――――――――――――――――

 

 

師姉様に失望されてしまいました・・・。

 

あの距離で気付かないなんて、確かにレベル

云々関係なしに腕が鈍ったのでしょうね。

 

「さて、この辺で良いでしょう」

 

あんなにお会いしたいと思っていたのに

・・・師姉様のお顔を見るのが怖いです。

 

「胡花、面を上げなさい」

 

?!

 

「師、師姉様?!」

 

私を、師姉様を失望させた私なんかを

真名で呼んで頂けるんですか?

 

「胡花。よくぞ生きていてくれました」

 

あっ・・・師姉様も泣いて・・・

 

「師姉様・・・雪蘭様っ!」

 

やっぱり師姉様は変わってません!

冷たくて綺麗な。厳しくとも優しい、

冬に咲く花のような人のままなんですね!

 

「気持ちは私にもわかります。今は泣いても

構いません。むしろ存分に泣きなさい」

 

そんなこと、言われなくても泣きますよ!

 

「ハイッ!ハイッ!今まで我慢してた分

泣きます!雪蘭様が煩いって言うまで

泣きますから!」

 

「えぇ。存分に泣きなさい」

 

そ、そんな、優しく、されたら、我慢なんか、

出来ませんっ!

 

「・・・ダンジョンは怖かったでしょう?」

 

「ハ、ハイ。いきなり訳のわからないところに

居て、いきなり魔物や人間に襲われて!」

 

凄く怖かったです!

 

「独りは寂しかったでしょう?」

 

「ハイ。話せる人が誰も居なくて、マリィ殿

に会うまでずっと独りで・・・」

 

凄く、凄く寂しかったです!

 

「師や私が居ないかも知れないと不安に

思ってたでしょう?」

 

「ハイ。お二人が居なかったら私はなんの

為にこんなところに居るのかって!」

 

ずっと不安でした!

 

「もし、師や私が貴女を忘れていたらって

脅えたでしょう?」

 

「ハイ!敵とか魔物って言われて話も出来ずに

殺されたりしないかって!」

 

ずっと、ずっと脅えてました!

 

でも今は大丈夫です!師姉様に会えました!

先生からもお言葉を頂きました!

 

こうして抱きしめてもらえました!

 

だから胡花はもう大丈夫なんです!

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

まったく。少なくとも40を越えた武人が

子供みたいに・・・。

 

私も師にお会いしたときはこんな感じ

だったのでしょうか。

 

怖くて、寂しくて、不安で、脅えてて。

けど師にお会いしたときは嬉しくて。

 

師は身体に魂が引っ張られると言って

ましたが、まさしくソレでしょう。

 

私にとって師は何時までたっても歳上で

大きな背中を魅せてくれる人ですから。

 

伯師妹にとって私は何時までたっても

歳上の甘えさせてくれる姉なのでしょうね。

 

ですがずっと甘えさせてやるわけには

行きません。

この世界の理も基本はやはり弱肉強食。

弱いままではいけないのです。

 

「胡花、貴女にいくつか指示を出します」

 

「はいっ!何なりと仰って下さい!」

 

良し、きちんと前を向いていますね。

 

「先程も言いましたが、何より先に必要

なのがレベルアップです」

 

本来なら錆を落とすのが先ですが、今は

余裕が有りません。まずは最低限の

鍛練が出来るくらいの力が必要です。

 

「はい!まだお?が持ってる魔石を食べます!」

 

「そうですね。そしてレベルが上がったら

すぐにマダオと戦って錆を落として貰います」

 

基本的な技術などではなく、命懸けの

戦いで勘を取り戻して貰いますよ。

 

「まだおと戦うんですね?確かに最近の私は

安全を第一に動いてましたから・・・」

 

「そうですね。本来はソレで間違いでは

無いのですが、心に甘えや隙が出来て

しまっています」

 

実際私に後ろを取られて「まさか?」などと

言う言葉が出るようではね。

 

「・・・何か急ぐ理由が有るんですか?」

 

「そうですね。何かあるのは確かなのですが、

ソレ以前の問題でしてね」

 

弟子として、筆頭を名乗るものとして!

 

「ソレ以前の問題ですか?」

 

「えぇそうです・・・胡花。よく聞きなさい」

 

「は、はい!」

 

 

「・・・師は以前より強くなっていました」

 

それも格段に。

 

「?!で、では先生から見たら私たちはっ!」

 

気付きましたね?

 

「そうです。師から見たら己が死んでから、

私たちは一歩も前に進んでいない。むしろ

劣化したと見えるでしょう」

 

「先程の先生が悲しむと言うのは・・・」

 

「えぇ私が師を失望させてしまいました」

 

あのときの師のお顔は・・・

あんな顔は見たことがありません。

もう二度と見たくもありません!

師妹には見せたくありません!

 

「私は一門を率いる身として、これ以上師を

失望させるわけにはいかないのです!」

 

私は正妻である前に師の弟子ですからね!

 

「私も先生に失望されたく無いし、師姉様

にも失望されたくありません!」

 

よくぞ言いました!

 

「私は普段は37階層に居ますので、

こちらでの用が済んだら戻ります。

その際貴女も連れて行きますが問題は

有りませんね?」

 

「無論です!強くならねば何も守れません!

意地も、名誉も、誇りも、お仲間もっ!」

 

うむ!その通りです!

 

・・・・・・ん?お仲間 ?

 

「そういえば伯師妹」

 

「ハイ!何でしょうかっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女、こんなところで何してたんです?」

 




来るぞ来るぞ詐欺。

良くある良くある。

感動?の再会
グロス=サン被害に会う。

弟子、何気にトラウマ案件ってお話。
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