ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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18階層、旅に出るんだってよ

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第121話

上の、アレはこちらに敵意を向けてるな。

 

しかし大きな水晶の中で暴れてるアレは何だ?

戦争遊戯の時に出るような何か遠くの映像?

 

それとも水晶から出ようとしてる?

 

けど18階層の水晶の中にあんな魔物が居る

なんて聞いたことも無いぞ!

 

「アレは何だ?黒い・・・魔物か?」

 

「フィン、ラウルたちはどうしよう?」

 

アイズも非常事態であることは気付いて

いるんだな。ラウルの心配と言うよりは

ベル少年とエマ少女か?

 

「どう見ても階層主クラスだ。ラウル達は

別行動させるのも危険だが、足手まといを

抱えたままと言うのもな・・・」

 

ガレスとリヴェリアが居るのがまだ

救いだった。

 

「アイズ、リヴェリアに攻撃魔法の

詠唱準備をさせてくれ。魔力が回復

して無いようなら、ナァーザから

マジックポーションを買ってるから

無理やりにでも飲ませろ」

 

「・・・うん。了解」

 

とりあえず相手がアレだけとは限らない

からね。複数来ても良いように備えは

しないと。

 

問題なのはエインさんだ。彼女はどう動く?

 

自分が殺すに足る強い敵と判断して狩りに

来るか?

それとも取るに足らない雑魚と見做して

放置するか?

 

下手に戦闘に巻き込まれるわけには

いかないんだが・・・

 

まぁ向こうの人員を考えればコッチが

邪魔になる心配をしないと駄目なんだよな。

 

麗傑とカリフ姉妹にアレンにエインさんか。

繚藍の護衛を考えても大概のことに対応

できるだろうし。

 

こっちと違って足手まといも居ないしな。

 

しかしアノ魔物の敵意、というか殺意は

僕たちと言うよりヘスティアに向いてるよな?

コッチに落ちてくると仮定して準備するべき

だろうな。

 

そうなるとコノ事態の原因はヘスティアの

神威か?コレがあるから神はダンジョンへ

の立ち入りを禁止されてるのか?

 

いや、単純に神がダンジョンで死ぬことを

嫌ったと言う可能性も高いな。

なにせ穢れた精霊の事を考えれば神だって

同じ存在になる可能性が高い。

 

・・・ウラノス。奴は何を知っている?

 

『ひ、非常事態かい?』

 

お前が招いた事態だよ!・・・とはまだ

確証があるわけじゃないから言えないか。

 

だがこの阿呆をどうする?アレがコレを

狙ってくるなら、離れたら殺されて

終わりだよな。

 

僕たち的にはそれでも問題無いけど、

心配すべきはその結果だ。

 

コレがアレに喰われて天界に還るなら

それで良い。馬鹿がダンジョンで

馬鹿やって死ぬだけだ。

 

だが万が一にも穢れし精霊のような存在を

僕たちが生み出すわけにはいかない。

 

なら逃がす?いや、どんな攻撃手段を

持ってるか分からない敵に対して、

分断策は逆効果だ。

 

神を喰らうことで強化されたらシャレに

ならん。コイツがコレ以上騒ぐ前に気絶

させガレスをコイツのそばに置くか?

 

相手が一体ならガレスが居れば防ぐ

ことも出来るだろうし・・・

 

「ヘスティアって神だ!」

「ヘスティアってヤツを探せ!」

「そいつがアレを呼び出した原因だ!」

「責任を取らせろ!」

 

『え?、ぼ、僕?!』

 

なんだ?リヴィラの冒険者がヘスティア

を探してる?

ソレにアノ魔物がヘスティアが原因だと

確信しているようだが・・・いや、

引き渡すのは構わん。むしろ同罪と

思われる前に捕えて差し出すべきだ。

 

だが連中は何処からその情報を手に入れた?

 

誰かの罠じゃないのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『総員傾注!』

 

 

 

 

 

 

コレは?!こんな問答無用で背筋を

伸ばすような威と声を出せる人間は

・・・エインさんしか居ないっ!

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

総員傾注!

 

 

 

今、ここ18階層にヘスティアと言う

神が不法に侵入している!

 

先に結論を告げる!上の水晶に写る魔物は

ヘスティアが諸君らを殺す為にダンジョン

に産ませる魔物である!

 

 

 

 

そもそも神がダンジョンへの侵入を禁止

されているのは何故か?!

 

足手まといだから?違うっ!

 

神の力がダンジョンの魔物を刺激し、

狂わせるからだ!

 

その証拠に17階層からの出入り口

を見ろ!19階層への出入り口を見ろ!

 

神の力を受けて狂った魔物がここ18階層

に大挙して押し寄せて来ているぞ!

 

更に上を見ろ!諸君らを殺そうとする

魔物の殺意がわかるだろう!

 

ギルドはコレを知っていたからこそ

神がダンジョンに潜ることを禁じたのだ!

 

だが今回ギルドはヘスティアがダンジョン

に潜ることを黙認している!

 

コレが何を意味するか?つまりコレは

諸君らを排除しようとしている勢力が

仕掛けた諸君らを殺すための罠である!

 

ギルドを率いるウラノスが天界での同郷

であるヘスティアに密命を与えてここ

18階層に送り込んだのだ!

 

その内容は事故に見せかけた諸君らの

殲滅であり、リヴィラの権益を狙った

モノたちの仕掛けた罠である!

 

故に宣言しよう!これよりここ18階層で

起こる魔物の狂乱は不幸な事故ではない!

 

ヘスティアがギルドの指示で齎した

神災であると!

 

コレからの戦闘で傷を負う者、命を失う者、

パーティーメンバーが死ぬ者も居るだろう!

その罪は誰のものか?

 

魔物に殺される未熟な冒険者か?

 

否!不法にダンジョンに侵入し、諸君らを

殺す為にココで神の力を行使したヘスティア

こそ、ギルドの手先にして自分が『悪』だと

気づいていないもっともドス黒い『悪』だ!

 

冒険者諸君!君たちはギルドや神の気分

で殺されるような、無力でか弱い存在か?

 

多少の魔物に襲われた程度で生を諦める

ような、無力でか弱い存在か?

 

そうだと言うならココで無様に死ね!

違うと言うなら武器を取れ、魔物を殺せ!

 

ヘスティアを捕えろ!ただし殺すな!

 

ギルドが諸君らに仕掛けてきた罠の

証拠として、連中の鼻先に突きつけろ!

 

決して死んで楽になどさせるな!永劫

生きる神に永劫続く罰を!痛みを与えよ!

 

 

 

 

 

 

 

ーー太極  ●●●●●●●●

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

流石はエインさん・・・見事だ。

 

『え?ぼ、僕が魔物を?!』

 

話の内容に違和感が全く無いし、事実

だけを使って状況証拠とした上で

冒険者達の自尊心をうまく操っている。

 

それに明確な敵を用意することで冒険者達

の行動に方向性を与えているのか。

 

さっきの冒険者は今の宣告の前にカリフ

姉妹や繚藍に情報を分散させたんだな。

 

これは彼がギルドやギリシャ連中を敵と

見做しているからこその宣告。

ヘルメスが居たらヘルメスも巻き込んで

居ただろう。

 

まさか奴はコレを読んで逃げたか?

 

『い、いいがかりだ!僕はウラノスに

そんなことは言われてないし君たちを

殺す気なんかない!』

 

・・・自覚がないどす黒い悪か。まさしく今のコイツのことだ。

 

「ヘスティア様。貴女がダンジョンに潜って

いて、先ほどの神の威を受けてダンジョンの

魔物が活性化したと言われれば、否定できる

人間はこの場に居ません」

 

『だ、だけど!』

 

いい加減自分の状況を理解しろよ。

 

「冒険者にとって必要なのは「どんなつもり」

とかじゃない。ソイツが何をして、その結果

何が起こったか、です」

 

実際お前らがココに来たのだって怪物進呈が

切っ掛けだろうが。

 

タケミカヅチファミリアがどんなつもりで

怪物進呈を仕掛けてきたかなんて、された

方には関係ないだろう?

 

『何をして、何が起こったか・・・』

 

今回みたいに偶然助かったなら、文句や

賠償もあるだろうが、ベル少年たちが全滅

してたらどうなっていた?

死体の無い墓の前でゴメンナサイとでも言って

悲劇のヒロイン気どって終わりだろうが。

 

結果なんだよ!生死が掛かった場合の冒険者は

特に生に執着するからこそ、自分に死の可能性

を突き付ける存在を許せない。

 

この場合は魔物ではなくヘスティアだ。

 

「貴女が不法にダンジョンに侵入して、

神の威を解放した結果、ダンジョンの

モンスターが暴れ狂い更にアレが産まれる。

そしてこの階層に居る冒険者の全てに命の

危険がうまれた。これが全てですよ」

 

『い、命の危険?!』

 

実際あの上に居る魔物の強さはわからない

からな。未知は即ち危険だ。

 

「ヘスティアだ!まずはヘスティアを探せ!」

「これ以上魔物を活性化させるな!」

「殺すなよ!殺せば奴等は体ごと消えて

無くなるんだからな!」

「おう!生きて地上に戻ってギルドの

クソヤロウどもに証拠を突き付けてやる!」

 

そしてヘスティアの存在を許せない以上、

コイツの言い訳なんざ誰も聞かん。

 

なんたって自覚してない悪だからな。

話を聞く意味がない。

 

『ぼ、僕はそんなつもり・・・あぐっ?!』

 

「もう黙れよ」

 

どんなつもりかは関係無いって言ってる

だろうが!知っていようが知らなかろうが、

罪は罪。ロキの知り合いだから今まで手は

出さなかったが、流石に見苦しいぞ。

 

「言い訳はこれから貴女のせいで死ぬで

あろう冒険者たちの前で言うんだな」

 

もしくは彼らの墓の前か。

 

しかし流石はエインさん。これほど

簡単に独立心の強い冒険者達を操るのか。

 

情報が少ない中、非常事態の原因を普段

存在しない神に結びつけるのも当たり前。

 

後でギルドあたりがあの宣告を誰がしたかを

調べてもエインさんを知らない冒険者は彼女

に結び付けることは出来ないし、僕たちは

エインさんの情報を売る気がない。

 

さらに言うならエインさんと言う証拠が

あるわけじゃ無いからね。

 

宣告の前に動いていた冒険者は、麗傑や

カリフ姉妹の名を挙げるかもしれないけど

彼女達も宣告を聞いたと証言すれば

良いだけだ。

 

何せ宣告が一度だけとは限らないんだからな。

 

むしろ宣告は繰り返し行うモノだから、

僕たちは方向や距離の関係上たまたま最後の

ヤツだけが聞こえたと言うケースだって有る

かもしれない。

 

つまりギルドはアノ宣告からエインさんに

辿り着くことは出来ない。

喩えフェルズと言うのがギルドの幽霊で

エインさんの知り合いでも、この現場に

居なければ決定的な証拠も無いしな。

 

「ガレス、ヘスティアを任せる」

 

「おうよ。上級鍛冶師や毒で弱ってる

連中とは別枠じゃな?」

 

ナァーザのおかげで死にかけてるのは

居なくなったし、大分動けるようには

なったけど、流石に戦闘はまだ早い。

 

「そうだな。アレはコイツを狙ってくる

可能性が高い。だからコイツを餌にするよ」

 

せめてソレくらいは役に立てよ?

 

「ラウル、他の足手まとい達を全員

連れてキャンプを防衛してくれ」

 

「了解っす」

 

喩え狂乱してても所詮は17階層や19階層

程度の魔物だ。ラウルたちなら十分だろう。

 

「僕とガレスとリヴェリアとアイズは

街とキャンプ地の両方から距離をとり

アレと戦闘だ」

 

「なるほど。確かにアレの強さがわからん

以上は最大戦力で当たるのが妥当じゃな」

 

「それにヤツ一体とも限らん、か。

・・・アイズ、マジックポーションは

もう要らん。ちゃんと全回復したから」

 

「そう?・・・まだあるのに」

 

この戦闘がどこまで長引くかわからない

から、節約してくれると助かるんだけどさ。

 

問題はエインさん達か。いや、とりあえず

最初にやらなきゃ行けない事がある!

 

 

 

「ヘスティアはロキファミリアが捕まえたぞ!」

 

 

これをやらないと僕たちが保護したなんて

言われるからな!

 

 

 

「あのデカブツもロキファミリアが迎え撃つ!

他の皆は狂乱して襲いかかってくる魔物の

相手を頼む!指揮はボールスにやらせろ!」

 

 

 

ボールスで無理なら麗傑やアレンが動く

だろう?とりあえずコッチはアレと戦わ

うことに専念させてもらうぞ!

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「さ、流石正妻様です!冒険者の皆さんが

ヘスティアとギルドを敵と見なしましたよ!」

 

「うん。あんな演説されたらね。声だけで

格が違うってわかるじゃないか。

ありゃ嘘か本当かを疑う以前の問題さ」

 

しかも姿を現さずに声だけでもな。まったく

恐ろしい手腕だね。これが先生の一番弟子に

して正妻様、か。

 

ギルドはどう動くかねぇ?ヘスティアを

庇えば今後の冒険者との兼ね合いが

取れないし、庇わなければギリシャの

お仲間が居なくなる。

 

それに、どちらに転んでも白兎の冒険は

ここでおしまいさ。

何せこれだけの大惨事を引き起こした神の

眷族だ。ロキファミリアの勇者までもが

ヘスティアの罪を認めた以上、同業者は

誰もヤツの相手をしないだろう。

 

むしろ今後は、今回の争乱で死んだ冒険者の

仲間から襲撃を受ける可能性だってある。

 

「ダンジョン内で殺せぬと言うのが

もどかしいが、あの方の方針を邪魔

するワケにもいかん」

 

「それ以前の問題だ。命令に背いて正妻殿に

粛清されるのはゴメンだぞ」

 

……ようやく先生から子種を貰う許可も

貰えたし、正妻様から紹介状も貰う予定

だからねぇ。そりゃ従うか。

 

なんせ。ただでさえ勝てないのにアレだけ

の殺意を見せられたらね。

 

私たちに向けたものじゃ無いとわかっては

いるが、今思い出しても震えが止まらない。

 

春姫は良くもまぁ、あの正妻様にお優しい

なんて言葉を使えたもんだよ。

 

あの正妻様と、さらに正妻様でも鎧袖一触の

先生を同時に敵に回すなんて真似は私には

出来ないね。

 

・・・主神様に頼んで私も先生の子を産ま

せて貰えないもんかね?

モチロン女としてのアレも有るが先生との

繋がりはあった方が良いと思うんだよねぇ。

 

「とりあえず春姫達はロキファミリアの

戦闘の見学ですか?」

 

「そうなる。負けそうなら私らも参戦すること

になるかも知れないけど、その辺は状況

次第だろうね」

 

最悪カリフ姉妹に春姫の魔法を使えば

レベル7相当だ。コレでも勝てないなら

正妻様が潰すだろうよ。

私たちは正妻様に言われたように春姫の

護衛をしてればいいさ。

 

「春姫。とりあえず茶の支度だ」

 

「ほぇ?お茶ですか?」

 

「筆頭様が奥から出てきたら出さなきゃダメだろ?」

 

なんせ尋常じゃない殺意と一緒に、大量の

汗をかいてたからね。

身を浄めて頭を冷やす頭を冷やすために

沐浴するって言ってたけど、この状況で?

なんてツッコミは出来なかったよ。

 

あの殺意を抑えてくれるなら、むしろ沐浴を

手伝っても良いくらいだ。

 

「確かに!春姫は全く気付きませんでしたよ!

流石はアイシャ様ですよね!」

 

「ま、歳の功ってやつさ。正妻様と同郷の

先生との付き合いも長いしね」

 

て言うか、正妻様の機嫌をとろうとしない

アンタの方がよっぽど大物だよ。

 

多分そう言うところも気に入られた

要因なんだろうけどさ。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

・・・ようやく収まりましたか。

 

狐殿の前で醜態を晒してしまいましたね。

クソっ。ヘスティアを殺せないのは癪

ですが、旦那様の敵である白兎を封じる

ことが出来たのは唯一の成果です。

 

本来ならアレも殺せれば良いのですが、

ソレをしようとすれば卑弥呼殿のような

存在を呼び込む可能性があるから、

最低でもレベル8相当は必要との見立て

でしたからね。

 

後は旦那様の敵を更に追い詰めればいい。

 

魔物の暴走はヘスティアのせいですからね。

骨も否定は出来ないでしょう。

 

くくく。貴様の行いが何を産むのか、腐り

きった神でも理解できるような形で残して

やるから、しっかり現実を理解するんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うかマダオがこちらに上がって来て

ますが何をする気なんでしょうかね?

流石にヘスティアの殺害許可は出しませんよ?

 

 

しかしまぁ、あの黒いのくらいは殺らせて

やっても良いかもしれません。

 

その戦闘が、冒険者を巻き込んでの戦闘に

なれば最高ですよね。

 

・・・黒いのを一撃で殺さぬように言い

含めた方が良さそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まったく面倒な。だからアイツはいつまで

たってもマダオなんですよ。




弟子、紐神のせいにする(事実ではある)

勇者、紐神を捕らえる(一応保護でもある)

マダオ、黒いのと死闘を繰り広げる?

黒いのと戦った後でボールスが白兎と
仲良くなるのってマッチポンプじゃないの?

まぁ犯人は自覚しない悪だからアレかも
しれないですけどねってお話

流出の文字数とかは変わるかも?
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