ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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なぞのおりきゃらは出ないと言ったな
アレは嘘だ。


オリ設定
オリ展開

常識フィルターが原作キャラに
襲いかかる!!

嫌いな人は読み飛ばし!


第27話

「ティオネ、ご苦労様」

 

「はいっ!(最近は馬鹿が馬鹿やる

たびに私の評価が上がるのよね!

・・・団長の心労を考えたらアレ

だけど、もう少し程よい馬鹿を毎回

してくれないかしら。

それともナァーザに心労に効く

薬でも開発してもらう?)」

 

「うん、阿呆に有無を言わさない

見事な手際だった。

だけど、なんで縄を持ち歩いて

たんだい?」

 

少し前なら僕を捕まえるためと

警戒してたけど、今のティオネなら

明確な理由があるよね?

 

「あぁ、お恥ずかしい話なんですが」

 

「恥ずかしい話?」

 

縄で?・・・落ち着け。

落ち着くんだフィン・ディムナ!

 

「ナァーザの店にお茶を買いに

行った時にリリルカに会いまして、

そのとき先生に消臭とか防臭効果の

ある装備品を作ってもらえないかと

頼めないかって聞いてみたんです」

 

「ほ、ほう」

 

なるほど、恥ずかしいのは消臭と防臭か

まぁ女性だからね。

しかしリリルカさんまで関係しているのか?

 

「そしたらリリルカから、先生が縄鏢

という武器を持っていると聞きまして」

 

「ジョウヒョウ?」

 

なんだろう?

 

「縄の着いた投げナイフみたいな

武器だって言ってました。

不壊属性付きで、使いようによっては

捕縛、打撃、斬撃、刺突、防御と

幅広い用途があるそうです」

 

「ほう、そんな武器が・・・」

 

想像もつかないけど、それなら遠距離にも

対応出来るのか。

 

「私も現物は見てませんが、モノは

あるみたいですね。

それで、その武器のテスターになるなら、

報酬として消臭とか防臭の装備も作って

もらえるかもしれないって言われたんです」

 

「なるほど」

 

僕たちにしてみたら得しか無い。

彼の造る装備はヘファイストスも椿も

瞠目する逸品。

ソレを使わせてもらえる上に、

女性としての配慮が必要なモノまで

提供してもらえるなら取引ですらない。

 

ちょうど遠距離攻撃用の武器も

欲しかったし、不壊属性付きなら

言うこと無しだな。

 

「それで、今のうちに縄の感覚を

覚えておこうと思いまして。

・・・反省会が終わってから団長の

許可を仰ごうと思ってましたが

勝手な判断でした。

申し訳ございません」

 

「あぁいや、こちらに損がないからこそ、

君も話を受けようとしたんだろう?

僕としても特に問題はないよ」

 

むしろそれで彼と関わりが出来るなら

万々歳だ。

 

「ありがとうございます!あと、

ティオナの武器に関しても聞いて

みたんです」

 

「あぁ、ほかのみんなも新しい武器を

持つことになるからね。ティオナだけ

新しい武器を持ってないのもアレかな」

 

同室の妹の機嫌が悪いのも嫌だろうし

 

「そうですね、それでリリルカが

言うには旋棍と呼ばれる武器が

良いんじゃないかって」

 

「旋棍?」

 

また聞いたことがない武器だな

 

「コレはリリルカが持ってましたので

見せてもらいました。

近接戦用の武器で、小型でしたね。

両手に持つ武器で大きさは・・・大体

私のゾルアスとフィルカくらいの大きさで、

ウルガと違っていつでも持ち歩けますよ」

 

「それだけでも凄く助かるよね」

 

街中でアレ持ち歩いてたら危険人物だし

かといって素手っていうのもね。

ソレを考えたら小型の近接武器は

ありがたい。

 

「ですね。今リリルカが持っているのは

自分用らしいので、ティオナ用に誂えたのが

あるかどうかはわかりませんが、

先生に聞いてみるとのことでした」

 

「ふむ、ソレも問題ないね。

もともと君たちに雑魚の相手を

させるつもりがなかったから

不壊属性の武器を作ろうとしなかった

だけで、あって困るモノじゃない」

 

さらに邪魔にならないなら文句の

付けようもない。さすがは彼だ。

 

「はい!ありがとうございます!」

 

さて、疑問も片付いたところで

阿呆の処理をどうするか・・・

 

ラウルも最初は告げ口みたいに

思ってたのか、ベートやアイズを

庇うような報告をしてたけど、詳細を

聞いてみたら本当にグダグダじゃないか

もう庇うというより虚偽報告だよ。

 

「しかしまさかあの緊急時に

試し切りをしていたなんてね」

 

アレを馬鹿って言うんだろうね。

独立独歩で自己責任が基本の

冒険者としては間違ってないかも

知れないけど、状況とか考えろよ。

 

「えぇ、べートも遊び半分だった

ようですし。自分がレベル1のときに

ミノタウロスに襲われてたら

どうなるか考えることも出来ない

阿呆だったようですね」

 

「彼を笑ってた団員もだ。

はっきり言って僕たちは連中を

甘やかしすぎた」

 

ラウルや他のメンバーはまだしも

ロキファミリアに入って気が大きく

なった新入りや、甘やかしてきた

アイズやベートは一度地獄に叩き落とした

ほうが良いのかもしれないな

 

ベートはなんであそこまで現実を

理解してないのか・・・

過去の事故だか事件だかで現実を

見たはずだろ?

それとも現実を見ることができなく

なったのか?

 

「たしかにアイズとベートはもう少し

周りを見る必要がありますよね。

二人共リリルカに触発されて張り切る

のは良いのですが・・・

その結果が武装を力任せに扱って傷めて

高額なメンテナンス料金ですから」

 

「ほんとにね。無駄な出費だよ」

 

アイツ等は適当という言葉を知らないのか?

必要なところに必要な力を無駄なく

使うことがリリルカさんの凄さなんだぞ?

 

「コレも反省会が終わってからと

思っていたんですけど・・・」

 

「ん?何かあるのかい?」

 

「リリルカからメンテナンス料金の

見積もりを貰いました」

 

あぁそうだよね。ソレもあったよ。

だけどおかしいよね?

 

「もう見積もりが出るって早くない?」

 

普通メンテナンスってモノを見て、

状態を見て、その上で料金を算出

するモノだろう?

 

「先生ですから。それに自分で作った

武器ですし、リリルカの使い方にも

無理が無かったのもあって、

洗浄とフルメンテをするので

時間はかかりますが、特にお金が掛かる

ようなモノでもなかったらしいです」

 

「なるほどねぇ」

 

そもそもが頑丈な棍だからね。

ソレをリリルカさんが使うんだから、

アイズの考え無しの魔力を受ける剣や

阿呆の力任せの蹴りで歪む靴のような

問題は生じないのか。

 

「それでコレがその見積もり

なんですが・・・」

 

「うん?何か微妙な感じだね。

それにしては異常に高かったとか?」

 

まぁ椿たちの反応を見てないからなぁ。

アレを見たあとなら多少のメンテでも

高額なのは納得できるんだけど。

 

「安っ!!」

 

「そうなんです・・・防具と合わせて

30万ヴァリスですよ」

 

「コレはあれだね。無駄な精査とか

いらないから、さっさと払って

あとはそっとしておいてくれって

いうメッセージだよね」

 

「・・・そうだと思います」

 

わざわざ4000万ヴァリスのレイピアを

代用に出してきたゴブニュとの差が・・・

 

「まぁ断る理由が全くない。ギルドに

請求を上げるまでもないな。

人件費の見積はもう出てるし・・・

後でソーマファミリアに支払いに行こう」

 

ここは無駄にゴネたりしないで

さっさと支払うのが良いだろうね。

 

「お茶、飲みますか?」

 

うん、ありがとう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

・・・どうしよう。

 

謝罪と所属ファミリアどころか

見失っちゃったよ。

 

ヤツを返して欲しかったら着いてこい!

とか言われたから着いて行ったのに

彼もあの猫人もどこにも居ない。

 

フィンにはソレを聞くまで帰ってくるな

って言われたよね?

 

・・・どうしよう。

 

「ベルさん」って呼んでたから

お店の人は何か知ってるかな?

 

帰るとか帰らないは別にしても

とりあえず謝らないとダメだよね。

・・・リヴェリアに相談しよう。

 

それもこれも

 

「ベートさんのせいだ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

・・・いくらなんでも馬鹿すぎないか?

 

いや、フレイヤ様のご命令をしっかり

果たせたから良いんだが、それにしても

アレが幹部?大丈夫かロキファミリア?

 

あんなのと同列って実は俺たち相当

やばいんじゃないか?

 

・・・オッタルはまぁいい。

オラリオ唯一のレベル7だからな。

 

師匠が居るから実際唯一かは怪しいが、

公式にはそうだ。コレは他の全ての価値に

勝るだろうさ。

 

だが他は?

ヘグニとヘディンは卓越した魔法剣士

ではあるが師匠に瞬殺されてたよな?

 

それ以前に魔法無効の武器を持つ

レベル5のリリルカ先輩に勝てるか?

 

・・・ちなみに俺は負けたぞ?

 

あの人の技量は俺を超えてるし、

攻撃も武装が重いからレベル差を

無視した威力がある。

 

レベルアップ時は絶対カンストさせてから

だから貯金があるし。

・・・やはり師匠が言うように0~99と

900~999では数字上は同じ99だが

内容が全く違う。

 

・・・どーすんだよ俺たち。

力しか取り柄がないのに、肝心の力で

負けたら存在価値って無くない?

 

まぁ俺は最近他の眷族にはない【繊細さ】

を評価されて文化的な方向も鍛えてるが、

落ち着いて周りを見てみたらタダの

脳筋の集まりとか・・・

 

イシュタルファミリアの多種多彩さと

比べたら、どうしても貧相だよなぁ。

 

さらにガリバー兄弟だが、アイツ等って

レベル6にも勝る連携とか言ってるけど

一人一人が弱いから実際は勝てないだろ?

 

こないだレベルが上がったばかりの

イシュタルファミリアの団長にも

勝てないんじゃないか?

誰に勝てるんだよ。まさかエルフの

リヴェリアに4対1の接近戦なら

勝てるとか言わんよな?

 

誇大広告はフレイヤ様のお名前に

傷を付けるから止めて欲しいん

だけどなぁ。

 

現状のヤバさをフレイヤ様に提言してみるか?

いや、知ってるからこそ俺に期待してくれて

いるんだよな?

 

なら俺が後輩の文化的な面を鍛える?

今はお茶だが他にも・・・

そもそも文化ってなんだ?

 

あれ?多種多様な人種と神が居るのに

吟遊詩人の歌も決まりきったのしか

無いし、オラリオの文化って何だよ。

酒と女か?冒険者の脳筋に押し流されてない?

 

文武極めてこその美って師匠が

言ってたが、まさしくその通りだ!

今のままじゃ外から見たら

俺たちタダの蛮族だよ!!

 

ヤバイよヤバイよ!

フレイヤ様を蛮族の神に

しないためにも、文化的な価値観は

絶対に必要だってばよっ!

 

師匠は料理出来たよな・・・

鍛冶で作ってる武器や防具を見れば

美術的なセンスもある。

 

回復効果のある茶や、それに合う

菓子の開発も行うだけの見識もある。

 

音楽も、楽器を作って専属の

イシュタルの眷属に教えてたな。

 

・・・さすが影で完璧紳士の異名を

付けられるだけのことはある。

コレは茶以外にも学ばねばならんか?

 

・・・フレイヤ様に聞いてみよう。

そういうのは良いから「ただ強くなれ」

って言われる可能性だってあるしな。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さてさて、どんなモノならアイツも

わかりやすいかな?」

 

『あら、機嫌良いじゃない。

何か良い事あったの?』

 

珍しいくらいに機嫌が良いわよねー?

 

「あぁ、探し者が見つかったかもしれん」

 

『えぇ?!それならこんなとこに居ないで、

急いで迎えに行かなきゃダメじゃない!』

 

「落ち着け」

 

『いや、なんでそんなに落ち着いてるのよ?!』

 

何年探してたと思ってるのよ!

ずっと闇派閥潰したり、あの子たちの保護を

してるのだって、そのヒトがそういう存在に

なってる可能性があったからでしょ?!

 

「まだ確定では無い。もしアイツだとして、

自分から俺の前に出てこないということは

それなりの理由があるってことだ」

 

『それはそうかも知れないけど・・・』

 

それこそ種族的な問題よね・・・

 

「それなら今までのノウハウから得た

受け入れ態勢と、予想される障害を

潰す段取りが必要だろ?」

 

『なるほど』

 

そうしないと出会ってすぐに別れたり、

最悪敵対することになるもんね。

 

「まずは本人かどうかと種族の確認だ。

意思疎通は出来そうだから、本人にしか

わからん何かを用意しておく」

 

『それはわかったけど・・・』

 

アレよね、急がば回れってヤツよね

焦って動いてギルドや他の神に

ちょっかいかけられても困るから

しっかり準備してから動くのよね!

 

『ちなみにそのヒトは何処にいるの?』

 

「・・・ダンジョンの深層だな」

 

はい?

 

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ふむ、コレならわかりますか。

あとはコレをどうやって渡すか・・・

 

一番良いのはロキファミリアの

遠征の際にリリルカか、

痴女姉妹に持たせることですよね。

 

骨は中途半端に賢しいようですから

下手に師との関係を探られても面倒です。

 

「よぉエイン」

 

「あぁレヴィス殿、お久しぶりです」

 

随分と久しぶりな感じがしますが

いまだにレベル5相当ですか・・・

 

「なんていうか魔石を食ってない

アンタを見るのは新鮮だね」

 

「まぁ、この辺の魔石ではあんまり

意味が無くなっちゃいましたし」

 

「そりゃ、そんなに早くレベル5相当に

なったらね。少しは体を休めた方が

良いってもんだ」

 

ふ、やはり赤髪程度では私の偽装に気付きませんか。

 

師曰く、隠すのではなく誤魔化せ。

 

流石我が師。

 

「そうですね。流石にここまで来たら

余裕が出来ましたし、料理や

小物作りくらいはできそうですよ」

 

「料理や小物、か。どこぞの阿呆みたく

騒ぎ回ったり戦ってばかりってのもねぇ」

 

「ですね。せっかくモンスターと違い

理性と知性があるんです。少しは

文化的なことをしないと自分がヒトとして

生きていたことを忘れてしまいそうです」

 

蛮族もヒトではありますがね。

 

「ヒトとして・・・か」

 

哀愁が漂ってますがコレは

聞いたほうがいいんでしょうかね?

 

「とりあえずそっちはアンタの好きにしな。

それで今回の用事なんだが・・・」

 

「えぇ、好きにさせてもらいますよ。

あぁお話の前に一つお聞きしましょうか」

 

「ん?なんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔石、食べますか?」

 

 

 




勇者の胃を苦しめる現実という名の悪夢。


お兄さん現実を知って焦るの巻
まぁ北欧神話ってそもそもが
アレですからってお話


お茶菓子の代わりに魔石を出す
なぞのおりきゃら。
まぁ客人に対する礼儀みたいなもんですよ

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