ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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紐神様はまだ来ないっ!

前の話から一日しか経ってないぞ!

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嫌いな人は読み飛ばし


第29話

『「「春姫(様)がいたぁ?!」」』

 

「は、はい普通にお買い物してました」

 

いや、あまりにも自然にお買い物

してましたから他人の空似かと

思いましたけど、普通に春姫殿でした。

 

『急に居なくなって心配はして

いたがオラリオに居たのか・・・』

 

「どうだった?元気そうだったか?」

 

「はい、普通に元気そうでした」

 

お金がない私たちよりも裕福で、何と言うか

思いっきり人生を満喫してました。

 

『そうか、元気ならそれで良いんだ』

 

本当に急でしたからね。

私達のせいじゃないかってみんなで

不安に思ってましたし。

 

「それで命さん、春姫様も気になりますけど

その大きなお魚?はなんですか?」

 

あぁ、調理をする千草は興味ありますよね

捌きがいのありそうな魚ですし。

 

「オヒョウと言いまして、カレイの

一種らしいです」

 

『そうなのか、確かに見た目はカレイだが、

ここにはこんなのもいるんだな・・・』

 

そうですよね。コレが普通にお店に

売ってるんですから驚きですよ。

まぁあのお店は大型のお魚を売ってる

お店だったみたいですけど・・・

 

「それで、久し振りに会ったからと

春姫殿が買ってくれまして」

 

「コレを、か?随分高そうだが・・・」

 

お値段はおいくらだったんでしょうね。

安くはないでしょうけど、普通に買って

ましたから本人が言うように、

懐具合には余裕があるのでしょう

 

「ちなみに最初は五匹買うところでした」

 

『「「食えるかっ!」」』

 

世間知らずなのか皆がこっちに来てる

と思って配慮してくれたのか・・・

 

「せっかくだからと大きめの魚を五匹ほど

買ってくれると言ってくれましたので

お願いしたのですが、大き目の魚が

まさかコレ程の大きさとは思っていなくて

・・・オラリオを舐めてましたよ」

 

『いや、オラリオがどうこうじゃ無くないか?』

 

「ですね。春姫様の天然なのか気遣い

なのかがわかりません・・・」

 

「残りの四匹は我々で消費出来ないなら

春姫様のファミリアで食べるそうです」

 

「結局5匹買ったのかよ?!」

 

「桜花殿が驚くのも無理はありませんが、

所属ファミリアには結構な人数が居るので

余裕で消費出来るそうですよ」

 

余裕・・・良い言葉ですよね

 

「そ、そうですか。

我々だと三日はかかりそうですけど」

 

『流石に三食コレというのもな。

ヘスティアやミアハを呼ぶか、

孤児院であら汁にして子供達に

分けるのもありだな』

 

ご近所付き合いは大切ですからね

 

「それで、春姫はどこのファミリアで何を

してるんだ?アイツは戦闘とかが出来る

ようなヤツじゃないだろう?」

 

「えーっと今はイシュタルファミリアって

ところで女中と料理人をしているとか」

 

『「イシュタルファミリア?!」』

 

「ご存じで?」

 

『・・・イシュタルファミリアと言えば

南の歓楽街を牛耳る大手のファミリアだ』

 

「「歓楽街?!」」

 

・・・なぜそれを桜花殿とタケミカヅチ様

が知っているんでしょうねぇ?

 

「ま、まぁ普通に飯を食う場所も

あるだろうから、如何わしい店と

決まったわけでは無いだろう!」

 

「そ、そういえば随分良い服を着てて

ご主人様に作って貰ったと言ってました」

 

『「「ご主人様ぁ?!」」』

 

「タケミカヅチ様、歓楽街でご主人様って

もしかして春姫様・・・」

 

『うむ、もしかしたらそうかもしれん』

 

「た、助けに行かないと!」

 

『落ち着け千草、あくまで憶測だ。

事情がわからんことには動けん』

 

「こっちの事情に詳しいお知り合いは?」

 

ならばその事情をできるだけ

早急に調べないと!

 

『今のところはミアハかヘスティアだな』

 

「ロキファミリアはどうですか?」

 

前に剣姫を見ましたよね。

 

『ロキファミリアか……以前剣姫を見たと

言っても、一ヶ月程度できちんと月謝も

もらっている。

それに大した教えはしていないから、

こちらから何かを聞けるような仲では無いな』

 

「自分の手には負えないとの

ことでしたか。それほどですか?」

 

『あぁ、レベル差云々もあるがそれ

以前の問題だ。

アレは強さとは何かを理解していない。

あのままではただの暴力装置になる。

私の元で技を磨くより、先ずは心を

鍛えねばならんだろう。

ソレはロキファミリアの仕事だよ』

 

「・・・なるほど」

 

確かにそんな感じでした。

なんと言いますか人としての

完成度が低すぎるんですよね。

お人形さんみたいな感じです。

 

それにわざわざ主神と副団長が

付き添いに来るのもどうかと思いました。

礼儀と言えば礼儀ですが立場を考えて

欲しいです。

相手のことを考えなければタダの

自己満足の押し付けですし、我々から

すればある意味脅迫ですからね。

 

「そうなるとミアハ様ですかね?

ヘスティア様のところはまだ入団した

ばかりの若者がお一人でしょう?

ミアハ様はオラリオも長いですし、

商売もやってます。

それによくポーションを無料で

頂いてますから、お礼もしなくては

いけませんし・・・

団長さんはレベル3と言ってましたから

情報はあるのではないでしょうか?」

 

春姫殿のことがわからなくても、

イシュタルファミリアやその他の

ことも我々は知りませんからね。

そういった事も知りたいですし、この

お魚をお裾分けする理由にもなります。

 

『そうだな。アイツは神会には出ないで

その辺にいるだろうから、少し当たってみるか』

 

よろしくお願いします!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『そう。とうとう貴方もソレに気付いたのね』

 

彼のところに修行にやったのは

間違いではなかったわね。

 

「私もということは、やはり・・・」

 

『えぇ、私も剣姫のアレは見たわ。

可及的速やかに対処すべき問題よ』

 

あんなのが幹部のファミリアと

同列ってありえないでしょう?

 

今のままではアノ子を手に入れても

深みを増すどころか濁らせて終わってしまう。

 

私自身にも文化的な価値観が必要だわ。

とは言え、エルフの独りよがりな芸術品も

ドワーフの造る実用性一辺倒の道具も

私が求める文化の対象にはなりえない。

 

美には儚さが必要なの。

この花入れや茶器のように!

 

『文武が揃って完璧な美と言うのは

私も同意見よ。

馬鹿では私には釣り合わないと言う

貴方の意見も同様に、ね』

 

「はっ!」

 

確かにオッタルのように

唯一無二ならばそれでも良い。だけど、

そうでないなら文化的なモノは必要だわ。

 

蛮族の神なんて称号はゴメンよ!!

 

『古来より勇者は力を示し歌を吟じるモノ。

小賢しい知能ではなく、きちんとした歴史と

教養の裏付けがある知性が武を輝かせるの』

 

「・・・では彼から他の文化的な知識を?」

 

悩みどころよね・・・

それができれば一番良いけど

彼がそこまでしてくれるかしら?

 

『とりあえずアナタはお茶を修得して頂戴?

他のも教えてもらえるなら教えて

もらいたいけど、まずは一つを

きちんと修めないと中途半端で

終わってしまうわ』

 

「はっ!」

 

『ただ、そっち方面はしばらくアナタ一人に頼ることになるわ』

 

彼には他の眷族に教えを授ける理由がないし。

 

「大丈夫です!問題ありません!」

 

(むしろ最高ですっ!!)

 

『そう言ってくれると助かるわ。

なにせこちらで派遣したモノが

彼に反抗的に接して、気分を害されて

貴方への教えすらなくなってしまったら

最悪ですものね』

 

「確かにそうですね」

 

(元々師匠の気分ひとつだからな。巻き添えはゴメンだぞ)

 

『・・・アレン。私はね、イシュタルと

私の違いは品格にあると思っていたわ』

 

「品格ですか・・・」

 

『どうやらアレンには違う答えがあるみたいね?』

 

「・・・はっ!」

 

言いにくいことかしら?けど聞いてみたいわ。

 

『貴方の思うところを言ってみなさい。怒ったりはしないから』

 

「では・・・私は純度ではないかと思っております」

 

『純度』

 

純度・・・成程。

私が求めたのは強者であり勇者。

強さと雄々しさを備えた眷族を

求めたとも言えるわ。

それゆえに探索系や力としての面では

イシュタルを大きく引き離す。

 

対してイシュタルは拘りがない。

強かろうが弱かろうが、美しかろうが

醜かろうが、関係ないわ。

ただひたすらに愛と欲を見ている。

 

少なくとも私はいくら強くてもフリュネの

ようなモノを眷族にはしないし、自分の

お気に入りを娼婦や男娼にすることはない。

 

だけどその結果として老若男女、

力の強弱問わず多種多様な

文化を持つ眷族が集まった。

 

それは例えるなら開花を待つ花の蕾。

それをきちんと見定めてしっかりと

咲かせることができる庭師・・・

今の場合は彼のよう存在が居れば

人材は人財となって一気に花開く。

 

『確かにそうね。その意見は正しいと

私も思う。それを考えれば文化的な面で

私がイシュタルに及ばないのは当然ね』

 

「・・・はっ!」

 

かといって今更その純度を落とす気もない。

そうであれば集めた眷族の深さを

増していくしか無い・・・か。

 

『アレン、レベル7になりなさい』

 

そしてオッタルを追いかけなさい。

そうすればオッタルは更なる

高みに向かうでしょうし、

文武を備えたモノが上に居れば

下も見習うかも知れないわ。

 

「はっ!」

 

(期待されてる!俺、期待されてるっ!)

 

『いい返事ね。あとは・・・

あぁ、今日はガネーシャの神会に

参加する予定だから、衣装合わせに

付き合うのと会場まで付き人をしなさい』

 

「はっ!」

 

イシュタルやまだ会ったことがない

彼の主神にも会いたいし、

あの子のことも調べなきゃ。

 

ふふっ最近は退屈しなくて良いわね!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふむ、縄鏢はともかく、旋棍か」

 

「はい、流石にティオナも毎日ウルガを

持ち歩く訳にも行きませんし。

携帯用の武器が欲しいと思っていましたので」

 

「お願いします!!」

 

気持ちはわかる。

 

だが旋棍のテスターはすでに居るからな。

そうなると・・・圏か?

 

いや、性格もほとんどネコモドキだから

ついつい甘やかしてしまったが、

圏まで使わせるとなぁ。

 

投擲させないように加工して・・・

あぁフジリュー版のアレみたいな

感じにするか?

それならバッファローマンの

アレ的な感じで持ち歩いて、

戦闘時はそのままでもいいし、

鈍器にするのも有りか?

 

もしくはティオナと同じように

縄に付けて流星錘にしても面白い。

もともと圏は打撃武器だしな。

 

大体コイツらダンジョンに潜るのに

軽装すぎるんだよ。

縄に不壊属性と耐熱、耐冷気とか

付ければ防具替わりにもなるだろ。

 

使い捨てなら円月輪だな。

純粋に投げるチャクラム風にするか

持ち手があるタイプにするか。

 

・・・どうせなら二つ作るか。

圏も縄鏢もすぐにマスターできる

モノでもないし、斬撃と打撃の

二種類に飛び道具もあったほうが

フィンも指揮を執る時に楽だろう。

 

こいつらにはメッセンジャーに

なってもらう必要もあるから

無事に帰還してもらわんと困るのよな。

 

「旋棍は既にテスターが居るから

あきらめろ。

代わりに圏と流星錘を用意する」

 

「「圏?流星錘??」」

 

縄鏢と流星錘を姉妹で教えあう

ことで進捗も早いだろうよ。

 

「これについては見てのお楽しみだ。

防具についても消臭や防臭は構わんが、

問題はティオナに魔力が無いことだな」

 

「あうっ!そうですよねー

農家さんの武装は、維持するのに

魔力使うんですよねー」

 

「不壊属性や耐熱とかは普通に

素材由来で良いんだが、【神秘】を

使う効果になると、どうしてもな」

 

魔石に含まれる魔力でもできるが

流石にこの技術を見せるわけにも

いかんからなぁ。

魔法石がコレに近いが、近いだけで

全然違うし。

誰かさっさと電池みたいなの開発しろよ。

俺やアイツ以外に居ないのか?!

 

「ティオナの分は魔法石を使ってみる。

少し大きくなるが良いか?」

 

「はいっ!とりあえずはそれでも良いです!」

 

 

「あの、先生・・・」

 

うん?あぁそういえばここは

ナァーザの店だったな。

 

「あぁすまんすまん。こいつらの

武装はお前には関係なかったな」

 

失敗失敗、農家失敗

 

「いえ、先生にはお世話になってるから

問題ないです。

ただ、ティオネから商品の開発を

依頼されまして・・」

 

「ほほう」

 

確かに色んな奴の意見を聞けって言ったが…

ティオネからってのは予想外ではある。

 

「はいっ!最近団長の心労が酷いことに

なってまして。胃は物理的に回復させて

ますけど、やっぱりお疲れなんです・・・」

 

「遠征の話は聞いたが・・・今まで

だって似たようなもんだったんじゃ

ないのか?」

 

確かに新種が出たのはあるが、連中の

素行自体は変わってないだろう?

 

「その通りなんですが、余りにも度が

過ぎてると言う現実に気が付いて

しまいまして・・・」

 

「そーなんです!今まで見えなかった

ことが見えちゃったみたいで、ガレスと

フィンが疲れてるんです!」

 

「なるほど、それで心労回復か」

 

「そうですね。元凶を無くすのが一番

ですけど、同じロキファミリアの眷族

ですので不可能。

ならばとお香のような形で精神を安定

させてはどうかと考えてます」

 

「悪くない。だがソレをやれば確実に

睡眠効果も発生してしまうぞ」

 

リラックス効果って言うのはそういうモノだからな。

 

「えっと、つまり団長がゆっくり

眠れるということでは?」

 

「良い事じゃないんですか?」

 

おいおい。マジかこいつら。

 

「犯罪に使われるだろうが」

 

「「「あぁ!」」」

 

コレがあるからイシュタルファミリアの

お香だって個人には売らんのだ。

ついでに生産者にしかわからんように

ロットナンバーを打ち込んで

横流しや何やらをした連中は

しっかり〆てるんだぞ。

 

「とはいえ発想は悪くない。このままでも

黙っててもアミッドやアスフィあたりが

開発するだろうから……これは、あれだな。

香炉とセットで初めて効果が

出るようにしてみようか」

 

「なるほど。香炉とセットで売ることで

使用相手や使用場所を選べますね。

耐異常を持つ相手に対しての備えとして

香炉に威力調節機能も付ける感じに?」

 

その通り。睡眠効果は状態異常だろう

からな。かといってリラックスには

必須の機能。ならば威力調節は必須だ。

 

「ついでに微弱な睡眠効果のある

お茶も作ってみるか?お香と

合わせることで威力アップする感じの」

 

やはり経口摂取は効果が高いようだし。

 

「・・・それこそ悪用されませんか?」

 

「どうせ誰かが作るだろうからな。

ならばその前にこちらで作って、

医療系ファミリアでルールを作ればいい」

 

存在を知ってから対処するのと、

対処してから普及するのは違う。

 

「パッと思いつくのは個室のある

癒し空間限定仕様にすることだな。

医療系ファミリア共同で店を作って、

そこでだけ使用させる感じか。

絶対に個人には販売しないこと。

調合比率は公表しないこと。

違反したら必ず消すこと。

ギルドはなんだかんだで情報漏洩するから、

奴らには絶対教えないこと。

これくらいのルールが必要になると思う」

 

「なるほど・・・次の医療系

ファミリアの会合で提案してみます!」

 

「そうしてくれ。それでフィンに

関しては・・・本人に事情を説明して、

テスターになってもらうように

交渉してみてくれ」

 

「なるほど!フィンに効くなら他の人にも効きますからね!」

 

「さらにテスターとしてという名目もあれば、団長の心労も軽減されます!」

 

「ついでに宣伝効果もあります。流石先生です!」

 

次のロキファミリアの遠征は俺にとっても

他人事じゃないからな。頼むぞフィン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・なんならリリルカも行かせるか?




ミアハの持つ情報網を舐めるなっ!

スイーツ女神さまにも常識フィルターがっ?!

リリルカの胃は大丈夫か?の三本ってお話
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