ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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まだダンジョンに入ってない
こだわってないからね!

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嫌いなヒトは読み飛ばしだ!



第4話

『フ、フフフ』

 

今の彼は明らかに私を意識していたわね。

いえ、正確にはどうやって私を殺すか

考えていた、か。

 

「フレイヤ様?」

 

彼を勧誘することは出来ないのは

すでにわかってる。

アレは私に興味を持っていない。

故に敬意も無ければ敵意も無い。

揺れ幅が無いから魅了もされない。

まさかあんな形で下界の子が私の

魅了を防ぐなんてね。

 

かといってオッタルを差し向ける

わけにはいかない。

レベルが5のときならまだしも今は6。

さらに相性が悪すぎる。

 

弟子はソーマファミリアで特に敵対

しているわけでも無いし。

ソーマが作るお酒には私もロキも

お世話になってるから手を出す気も無い。

最近は食前用とか色々趣向をこらして

来てるから楽しみでもあるし・・・

 

『ねぇオッタル。私たちは彼と

どう向き合うべきかしら?』

 

ロキファミリアは敵対したようだが

私たちは特に敵対したわけではない。

彼も私を意識したが、アレは狩人が

獲物を見つけて「さてどうするか」

と考えてるだけ。

 

私が彼の張る罠にかからない限りは

友好的な関係も築けるだろう。

 

「・・・とりあえずヤツの作る野菜や

茶。料理はフレイヤ様が口にするのに

不足はありません。

よって冒険者ではなく、契約農家扱いで

あれば問題なく友好的な関係を

保てるものと思われます」

 

あぁ、そうか。彼は農家ですものね。

オッタルを害獣扱いして狩れるわけだわ。

 

「あの・・・」

 

あぁ、正確には罠を察知して退いたのよね。

 

おそらく彼は獣人に対する特攻を生じさせる

スキルを持っている。

更に罠まで・・・ならアレンもダメか。

 

ヘグニとヘディンを一瞬で

無力化するだけの技量もあるから、

毎回のレベルアップで無駄なく

鍛えているわね。

けどアレだけの技量があるなら

契約農家としてじゃなく・・・

 

『武術の師匠としては雇えないかしら?』

 

「難しいかと」

 

『あら、即答するのね。

良いアイディアだと思ったんだけど

何かあるのかしら?』

 

「アレは自分を農家であり、

教育者と定義付けております」

 

確かにそうよね。

彼がアレだけの力を持つのは

我を通すために必要だから。

己の好奇心を満たすために

必要だから鍛えてるのであって

その意味では歪みの無い存在。

目的の為に手段を選ばない修羅。

 

『けど教育者と言うなら武術だって・・・』

 

「その通りですが、我々はどのような教えを

受けてもフレイヤ様のお言葉を優先します。」

 

『・・・確かに。教育者として

それほど許せないこともないわね』

 

教育者というのはつまるところ

アレはダメだ、コレをやれ。と

効率的に教える存在。

ならば教えを守る気が無い者に

教えを授けることはないわね。

 

『それじゃあ武具を作ってもらうことは出来ないかしら?』

 

彼の自作した武器はへファイストスですら

瞠目するほどらしいし、一つくらいは

欲しいのだけど。

 

「今の段階では無理でしょう。

我々に武具を作る理由がありませんし、

彼とへファイストスファミリアとの間に

無用の諍いを招きます」

 

頼みごとをするなら、もっと仲良く

なってからと言う事ね。

もっともな話しだわ。

まさか下界の人間に人付き合いの

在り方を教えられるとは。

けどまぁ、ソレも下界の楽しみ方よね。

 

『なるほど、貴方の意見を採用しましょう』

 

「はっ。ありがとうございます」

 

『接触はいつがいいかしら?

彼がダンジョンから帰還するのを

待って使者を出すべき?』

 

「いえ、基本的にダンジョンに潜る前や

帰還後に接触するのは辞めた方が

良いでしょう」

 

ふむ、確かにこれからダンジョンに潜ると

いうときに余計なことを伝えられたら

不快になるし、帰還した時はさっさと

休みたいわよね。

それを考えなかったからロキファミリアは

彼に嫌われたのだし。

 

「さらにヤツは自分を探られることを

嫌いますので、拠点を探して訪ねるのも

止めた方がよろしいかと」

 

普通はそうよね。たとえ相手が私でも

彼は探られて「光栄です」なんて

喜ぶような薄っぺらい連中とは違う。

「無礼だろう」と探った連中を斬るわ。

 

『そうなるとデメテルファミリアと

行ってる農作物の品評の時かしら?』

 

ミアはそれで彼と契約を結んだのよね。

 

「そうですね。ミア殿に仲介してもらい

茶葉の契約を申し入れるのがよろしいかと」

 

なるほど。生野菜も良いけど、それは

ミアが契約してるものね。

それほど生産量は多くないようだし。

冒険者連中はよほどの余裕が無い限り

お茶なんて飲まないから、茶葉なら

契約しやすい。

実際売られてる茶葉は美味しいから、

欲しいと言えば欲しいのよね。

露骨なご機嫌取りでもないなら

機嫌を損ねることは無いでしょう。

 

『ではその方向で。契約は

ヘディンに行かせましょうか』

 

「それでよろしいかと」

 

『フフッ』

 

「フレイヤ様?」

 

『いえ、人付き合いに悩むのも面白いモノだと思ってね』

 

「手に入れたい」のではなく

「仲良くしたい」と思う存在は初めてよ。

王では無いのに王を知り、神すら獲物と

見る狩人の心。

英雄ではないけど英雄に匹敵する存在。

他の神々はただの変わり者としか

見ていないようだけど・・・不思議な存在ね。

 

とりあえず私に貴方の邪魔をするつもりは

無いわ。精々仲良くしましょう?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

視線が変化したか。

コレはアレだな。ちょっかいを

出すのではなく友好的な関係を

作ることにしたか?

 

「あの先生?」

 

「あぁ、とりあえずお前が

狙われることは無いようだ」

 

「そ、そうですか!」

 

うんうん。そりゃ安心するよな。

前々からフレイヤファミリアの事は

教えてたし、一人の時に襲われたら

どうしようも無いってわかってた

だろうからな。

 

「あ、でも先生は大丈夫なんですか?」

 

「残念ながら大丈夫そうだ」

 

「ざ、残念ですか」

 

「ホントは今度こそオッタルを罠に

嵌めてやりたかったんだが・・・」

 

前回は野生の勘で避けられたからな。

まだアレには無明察相翫が効かんのが

わかっただけでも収穫ではあったんだが、

あの時ヤツを仕留めてたら多分レベル

上がってたよなぁ。

 

レベルに頓着する気は無いが、

弱いままじゃ何もできん。

我を通すためには力が必要で、

ココではそれがレベルだ。

 

家猫が放つ技と虎が放つ技では

同じ技でも威力が違うと言うのは

誰だってわかるだろう。

 

技術は必要だが、爪楊枝じゃクジラは殺せんのだよ。

 

「喫緊の案件は片付いた。

今回はお前のステータスの向上が

主な目的になる。ついでに採取だ」

 

「つ、ついでですか・・・」

 

「そう、ついでだ」

 

ついででも暮らしていくには十分な

額になるからな。

上級冒険者を目指すヤツが居なく

ならんわけだよ。

後は魔石の回収と闇派閥を発見して、

神が居たら殺させることだな。

 

ステータスが足りなくても、偉業を

クリアしておけばいつでもレベルアップ

できるし。

 

「えっとレベルが上がったばかりの

リリの成長が目的なら、階層は下層ですか?」

 

「そうなる。24階で良いだろう」

 

宝石だの薬の原料があるしな。

あそこでモンスターと戦いながら

基礎的なことを教えれば成長も早い

だろうさ。

終わったら18階で休めるし。

 

「了解です!

あ、そういえばミアさんが

新作が出来たので来てほしいって

言ってましたよ!」

 

ほほう。生産者としては興味が

そそられるが・・・

 

「その前にソーマに頼んでいた調味酒はどうなった?」

 

まずはそっちだよな。

 

「壊れたら困るし温くなってもあんまり

良い事ないみたいでしたから、

冷蔵機能付きの金庫に預けています!」

 

あぁ、調味酒とはいえ常温保存は

できんか。味醂は遠いな・・・

 

「ですので戻って、ミアさんのお店の

帰りとかが良いと思うのですが・・・」

 

ふむ、土産を待ってるアイツ等の為に

ミアの店の料理を持っていくのも

悪くはない。

それと、たまにはリューに会わんと

嫌味を言われるからな。

 

「ま、よかろう。ソレで行くか。予約とか必要か?」

 

「いえ!二人分くらいなら席を用意するそうです」

 

そうか。まぁ呼ばれた立場だしな。

あとは何かあったか?

 

へファイストスが何か言ってたような気が

するが、わざわざ武器を見せびらかす

狩人が居るはずなかろうに。

 

リリルカの武器だってしっかりアレが

籠った武器だぞ?成長はしないから

そろそろ溶かしてレベル3か4に相応しい

強度にする必要があるが・・・

 

「リリルカ、今回の探索が終わったら

装備品のメンテするぞ」

 

「あ、そうですね!よろしくお願いします!

それでお代なんですが・・・」

 

お、そろそろコイツも自覚が出てきたか。

俺的には作った装備の質や性能の調査

もできるんで十分利益は出てるんだが

何も知らんコイツはそーゆーわけにも

いかんよな。

 

「メンテナンス代は貰おう。

だが武具の代金はまだお前には払いきれん

だろうから。あくまでレンタル契約だ。

レンタル料は性能試験で代替してるから

支払う必要は無いぞ」

 

「え?そうなんですか?」

 

そうなんだよ

 

「実際俺が作った装備品は俺とお前しか

装備してないだろ?俺には女性にとっての

使い心地はわからんしな」

 

あとはアイツらだが、そもそも形状が

違うからなぁ。

うむ。弟子がアレにならんとも限らんし。

どんな形で来てもその辺のことは

配慮しとかんとな。

忘れた☆とか言ったらすっ飛ばされそうだ。

 

「なるほど。けどヘファイストス様も言って

ましたけど、誰かに売ったりしないんですか?

椿さんが欲しがっていますけど」

 

「当たり前だ。俺は鍛冶師じゃない。農家だぞ」

 

鍛冶は趣味。趣味で金を稼いだら

農家じゃなくなってしまうし、

見ず知らずのヤツの為に装備品を

作る気も無い。

 

まったく。椿のアホは鍛冶師としての

誇りは無いのか。

 

最高の武器がどうとか言ってるが

使い手が想像できてないから

出来る武器だって軽いんだぞ。

 

「は、はぁ。」

 

うむ、理解できんだろうが

ソレでいい。

俺は俺が好きなことを

やる為に居るんだからな!

面倒ごとなんか知るかっ!

 

「他所のことなんかどうでもいいだろ。

せっかくロキファミリアのちょっかいが

無くなってゆっくりできるんだ。

自分メインで潜るなら準備も違うモノになる。

下層に行くための準備して来い」

 

「はいっ!」

 

さて、そうなるとサポーターを雇う

必要があるか?足手纏いを連れて下層に行く

経験も積ませたいし。

・・・レベル2は欲しいんだが誰か居たかな?

 

『やぁ、奇遇だね!24階に行くなら是非ウチ

のアスフィを連れてって欲しいんだけど?』

 

「断る」

 

さて、誰か探さんとな。

そういえばディオニュソスのところの

フィルヴィスが死妖精とか言われてたな。

死ぬほどのトラブルか・・・

うん、丁度いい試練になりそうだ。

 

『ちょっと冷たすぎないかな?!』

 

「アスフィ、連れていけ」

 

「はいっ! ご迷惑をおかけしましたっ!」

 

『いや、アスフィ? なんで普通に彼の

言うこと聞いてるの?

僕の眷族だよね?! 団長だよね?!』

 

「そういうのいいですから!

殺されたくなかったらさっさと逃げますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな大声で物騒なこと言われても困るんだが




猪は農家の敵ですからね。

疾風さんが嫌みを言うのは
何故なのか。フシギダナーってお話

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