ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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くっ三話目が書き上がってしまった!

前話の続き

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第61話

ヘルメスファミリアから先を調査

したいって言って来たならともかく、

アイズがこんなこと言い出すなんてね

 

「ねぇティオネ?この場合はヘルメス

ファミリアに損害が出たら私たちの

せいになるのかな?」

 

「難しいところだけど、恐らく

突っぱねることは出来るわ」

 

最終的な決断は責任者であるアスフィが

すること。

責任を負うからこその

責任者なんですもの。

それにもともと冒険者は独立独歩の

自己責任。周りの意見に流されて死ぬ

ほうが悪いのよ。

一応心配するとすれば、アイズがソレを

理解してるかどうかだけどね。

 

「アイズ、あんたの意見が採用されたら

巻き添えになって死ぬ人間が居るって

ことは分かってる?」

 

「え?!」

 

・・・わかってなかったか。

ファミリアとしての責任はともかく、

個人の負い目は別。しっかり理解した上

ならともかく、何も考えずに巻き添えに

するのはいただけないわね。

 

「この先に居るのはアンタとベートでも

勝てなかった敵よ。聞けば魔法は温存してた

らしいけど、それでもヘルメスファミリア

からしてみたら太刀打ちすら出来ない

強敵よね?それがまっすぐアンタの相手を

してくれるならまだしも、最初に後ろから

攻撃してきたらどうするの?」

 

「・・・みんな死んじゃうね」

 

「そうね。まぁ決めるのはアスフィだし

アンタが悪いってことにはならないけど、

あそこで黙ってたら引き返してた可能性が

高かったのは理解してるわよね?」

 

してたからこそ行きたいって

言い出したんだろうけど。

 

「それは・・・うん、わかってた」

 

「それがわかってれば良いわ。

ただ覚えておきなさい。

コレからココで死ぬヒトは、

引き返してたら死ななくて済んだヒト。

自分の意見が採用された結果、人を殺す

こともあるんだってことを知りなさい」

 

ソレを知らないとこの子は周囲に

死を撒き散らす殺戮機械になっちゃう。

冒険者の恨みはモンスターじゃなく

アイズに向けられちゃうわよね。

 

「・・・じゃ、じゃあやっぱり今回は

帰ろう?後でフィンとかと一緒に

来れば良いよね?」

 

うんうん。強さを求めてるとは言え、

他人を殺してまで何かを成そうとは

思ってないのがこの子の良いところよ。

 

筆頭様から見たら「温い」の

一言なんでしょうけど。

 

けど問題は、アスフィがどう判断するか。

私たちに情報を独占されるのを良しと

するかどうかよね・・・

 

「ねぇティオネ・・・」

 

ティオナ?なんかすっごく複雑な

顔してるけどどうしたのかしら?

 

「どうしたの?まさかアンタまで

この先を探索したいとか言わないわよね?

筆頭様に見つかったら弁明の前に矯正

させられるわよ?」

 

帰還もしないで何をしてるんだって

感じでさ。いやマジで。

 

「それは嫌だなー。だけどさぁ」

 

「だけど何?」

 

珍しくはっきりしないわね。

この微妙な表情と何か関係

してるのかしら?

 

「後ろ見てみなよ?」

 

後ろ?壁でしょ?ジャガーノート

でも出てきたの?って

 

「はぁ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「だ、団長、どうします?」

 

怒蛇の言うとおり、ココで引き返せば

誰も死なずに任務を達成できる。

レベル5の上位者が罠を貼って待ってる

可能性があるなら、ココは撤退が当然。

 

もし進めば間違いなく団員に犠牲者が出るわよね。

 

問題はココで問題解決をしないで帰還

した場合、依頼者がどう思うか、よ。

 

「問題を発見しました。原因もおおよそ

わかりました。あとは我々では力不足

ですので他のファミリアへ協力要請を

して下さい」

 

コレで通用するの?異変の調査って

私たちにどこまで求められてるの?

 

あぁもう!ルルネの馬鹿が怪しいヤツの

依頼なんて受けるからっ!

 

ココで引き返せば後はロキファミリアか

フレイヤファミリア。もしかしたら

仇討ちの為にガネーシャが来るわよね?

私たちはお役御免で万々歳だけど

ヘルメス様は自分が蚊帳の外に置かれる

ことに耐えられる?

また問題行動起こしたりしない?

 

未来のヘルメス様の行動は問題だけど

現在の問題も大きすぎるわ。眷族死亡の

確率もある事案なんだから、一度団員を

帰還させて、指示を仰ぐべきよね。

 

「一度撤退しましょう。怒蛇が言うように、

予想される危険の度合いが違うわ。

依頼の未達成になった場合に生じるであろう

何かしらの罰則も痛いけど、団員の命には

代えられないもの」

 

後はルルネに接触してきたヤツと

どうコンタクトを取るか。

18階層とか地上に出る前には一度

コンタクトを取って来るとは思うけど。

 

「だ、団長!」

 

何ようるさいわね!元はと言えば

アンタが変な依頼を受けたから!

ってどこ指さしてんのよ?後ろ?

 

「・・・はぁ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

不味いな。このままだと彼女達が

帰ってしまう。

 

怒蛇の言うことも、万能者の判断も

冒険者としては何ら間違ってはいない。

だがココで帰られてこれ以上汚れた

精霊に養分を吸われても困る。

 

だがこれだけの冒険者が見てる中で

私が出るわけにも行かん・・・

18階層に何かメッセージを残すか?

それとも団員を拐って壁の向こうへ

連れて行くか?

 

その場合ギルドに敵意が向く可能性は

どれほど有る?

 

ディオニュソスがロキファミリアを

動かすということだったが・・・

この状況でロキファミリアが来たら

ギルドに対する信頼が無くなるぞ?

ディオニュソスは焦りすぎだ。

 

リリルカ・アーデやアレン・フローメル

が協力してくれれば良かったのだろうが

情報の拡散は抑えねばならんし、

エイン殿は・・・ダメだな。

今からでは間に合わんし、

私にそこまでの信用は無いだろう。

 

やはり18階層にメッセンジャーを

立てて行動を促すのが一番確実か。

 

では動くと・・・ん?なんだ?

彼らの動きが止まった?

 

「・・・は?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

どういうつもりだアノ阿呆!

 

「万が一に備えて壁付近で待機。

もし壁を破ってきたら全員入れた

上で挟み撃ちにする」って言うのが

基本戦術だったはずだぞ!

 

あくまで内部に入ってこないことが

第一なのはわかってるだろ?

 

黙ってれば帰ったモノを!

 

アレか?そのまま帰らせるのが

気に入らないとかそんな訳の

わからない理由で壁を崩したのか!

 

わからんのか?あのアマゾネスはお前

の手に負えるような練度じゃないぞ?!

 

クソっ。ヤツに出入り口の開閉と魔物の

指揮権を譲ったのは失敗だった!

 

アレは頭までイカレた阿呆で、

エインのような理知的な策士とは

根本から違うってことを忘れてた

私の責任かっ!

 

・・・いや、どう考えてもアレが

悪いよな。自省は必要だけどバカを

フォローする必要も無い。

 

しかしどうする?死兵どもはまだ

隠してるけど。このまま誘うか?

 

いや、今更魔物を撤退させても

怪しまれるだけか。

 

奇襲が通じる相手でもないだろうし、

今からでも撤退の準備をするしかない。

 

あぁもう!地上から帰ってきて喚いてる

時点でさっさと殺しておくべきだった!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「「「・・・」」」

 

明らかに誘いなんだけど、コレに

乗らなかった場合は・・・特に

問題ないわね。

逆にコレに乗った場合は・・・

間違いなく敵との戦闘か。

 

普通なら帰るんだけどさ

 

「・・・」

 

アイズがチラチラこっち見てるのよね。

アレかしら?コレなら自分は悪くない

よね?とか思ってるのかしら?

 

「アスフィ、誘いに乗るかどうかは

アンタが決めなさい。ただしココは

ダンジョンよ。

罠が前だけとは限らないわ。

悠長なことをしている余裕は無いと

思いなさい」

 

結局最終的にはこうなるのよね。

何だかんだ言ってもべートや

アイズが戦えた程度の敵よ。

喩え新種のイモムシや大型のアレに

襲われても今の私たちなら生きて

帰ることは出来るでしょう。

 

イザとなったらジャガーノートを

出してこの辺全部破壊させても良い。

今の私とティオナならこの階層の

ジャガーノートくらいなら倒せるわ。

 

「・・・そうですね。先ほどの段階で

撤退を決めてましたし、ここまで

あからさまに誘われたなら、相手に

相当の備えがあると言うことです。

ソレを考えれば私たちの戦力では

この先は危険すぎます」

 

「「「団長!」」」

 

団長!じゃないわよ。

ギルドのアドバイザーは、冒険者は

冒険しないとか言ってるらしいけどね。

 

正確には【賢い】冒険者は【無駄な】冒険をしないの。

 

自分に出来ることと出来ないことを

しっかり考えて判断するのは常識。

 

私たちが名乗る冒険者とは無謀な冒険する

ヒトの総称ではなく、あくまで職業なのよ。

 

物事を冷静に考えて、周りに迷惑を

かけないのがプロの仕事。

 

崖の向こうの未知を探るために

時間短縮のため一か八かで崖の向こうに

飛び出すのは冒険じゃないわ。

見てる方はハラハラして面白いかも

しれないけど、そんなのは英雄願望に

取り憑かれた馬鹿のすること。

時間をかけて崖に橋を造って、その先の

未知を探るのが私たち冒険者なのよ。

 

「じゃあ撤退・・・はぁ。ティオナ?」

 

「うん。新種に囲まれてるね・・・

そりゃ18階層まで連れて行けるなら

ココでもこれくらいはできるよねぇ」

 

そうよねぇ。罠は前だけじゃないって

自分で言ってコレですもの。筆頭様に

見られたら矯正よね。

 

「え?え?囲まれてる?」

 

アスフィは気付かないか。

 

「溶解液を使う新種が上と後ね。

見た目がイモムシだから落ちてきた

ところを咄嗟に殺しちゃうかも

しれないけど、殺したら弾けて

溶解液をバラまくから必ず一定の

距離を取りなさい。

落下の衝撃で死ぬ可能性もあるから

落下地点には行かないこと。

あぁ、溶解液はアダマンタイトを

溶かすし不壊属性の付いた装備にも

影響を与えるから、人間が喰らったら

溶けるわよ」

 

「「「え、えぇ?!」」」

 

さて、この状況で安全地帯は・・・

イモムシが居る後ろよね?

まさかこれ見よがしに誘ってる壁の

向こうに行こうとはしないでしょう。

だけど傷を負ったら分からないわ。

治療のためにとか言って一見魔物が

居ないあっちに行こうとするかも。

あぁ、忘れないうちに言って置かないと

 

「アイズ!使っちゃダメよ!」

 

「え?あ、うん!」

 

何をって感じだったわね?

だけどココで魔法は使っちゃダメ。

せっかく前回隠したんだから切り札は

残しておきなさい。

 

それにココまで操られてるなら魔力

云々じゃないわね。

調教師が直接指示を出してるだろう

から釣るのも難しいか・・・

 

「あの・・・」

 

「どうしたのアイズ?あぁ前の壁に

開いた穴は誘いだから、あっちはもっと

ヤバいわ。だから行っちゃダメよ?」

 

この子は単純だからねー。

 

「えっと違うくて、何かあったときの

ために、私から半日遅れでベートさんや

ラウル達が来ることになってるの」

 

ほほう。なんで今まで黙ってたの?って

言いたいところだけど、たぶん団長から

「何かあるまで誰にも言うな」って

言われてたんでしょうね。

 

団長命令ならシカタナイ。

 

それに、ベートはともかくラウルは正直

ありがたいわ。

私だってコイツ等の纏め役ではある

けど指揮官って訳じゃないからね。

 

ふう、こうなったらラウルと合流して

ヘルメスファミリアの護衛をする部隊と

前進して問題解決に当たる部隊を編成

するのが妥当よね?

その場合私とティオナは別れて配置

したほうが良いか。

 

「ティオナ、ヘルメスファミリアの

護衛と、奥に進んで調教師の相手を

するのだとどっちが良い?」

 

調教師が筆頭様の知り合いだから

喩え単純な戦闘で勝てるとしても

後方の警戒と護衛は必要。

 

本当は分散なんかしたくないけど、

そうしないと間違いなく後方に

被害が出るもの。

そのまま足手まといを抱えて戦闘に

なったら不覚を取る可能性もある。

なにせあの方々は相手の弱点を突くのは

当然で、卑怯は褒め言葉なんですから!

 

「ん?・・・あぁラウルと合流すれば

そうなるかぁ。

うーん。悩みどころだよねぇ」

 

そうよねぇ。後ろも警戒は必要だけど

前だってアイズとべートの面倒を

見ながらの戦闘ですもの。

単純な戦力としては足手まといとは

言わないけど、連携は難しいわよね。

 

「私がアイズとべートの面倒見たほうが

良いかな?流星錘ならともかく縄鏢だと

程よいところで止めれないよね?」

 

「・・・そうね、今の私の腕じゃ

正直手加減は難しいわ。

斬るか殺しちゃうかだものね」

 

なぎ払いや捕縛もできるけど、そこまで

ヤれば動きが拘束されちゃうし。

かといって普通じゃ止まらないからねぇ。

流星錘でど突くくらいがちょうど良いか。

 

ソレを考えたら筆頭様は凄いわ。

鏢の先端でしっかりど突くんですもの。

・・・なんで刺さらないのかしらね?

 

「りょーかい。ラウルは半日遅れで来る

らしいけど、ベートはアイズと合流する

ために急いで来ると思うわ。

アレも不壊属性の装備を持ってるから

しばらくは雑魚退治ね」

 

「だね。上から来るのは直上のを除いて

石で殺ろうか、後ろのは・・・これも

石でいいかなぁ」

 

悩みどころよね。慣熟訓練になるから

このまま戦っても良いけど。

あぁ、別に私たちが全部相手を

しなきゃいけないってわけでもないか。

 

「アイズー。今は少し休んでなさい。

アンタはもう少ししたら壁の

向こうで調教師とヤるんだからねー」

 

ココまでやられたら仕方ない。

もう殺っちゃおう。

 

「あ、そうか。じゃあ休まないとダメだね」

 

そうそう。別にヘルメスファミリアが

戦えないわけじゃないんだし。

今まで楽してきたんだから働けってね。

イモムシ相手に経験値稼ぎなさいな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なっ?!」

 

この状況で休憩?深層の魔物に完全に

囲まれてるのに?!

 

「あぁ、イモムシは石で倒せる程度の

防御力しかないから焦らずに距離を

取って殺れば大丈夫よ。

直上のはそのまま殺ったら溶解液が

降ってくるからアレだけど、ソレ

以外は普通に石で落とせば良いし。

数も200匹程度だし、他の魔物とも

連動してこないから落ち着いて行けば

何の問題もないわよ」

 

「そ、そうですか。貴重な助言

ありがとうございます」

 

こ、コレが第1級冒険者の余裕?!

200匹程度って言うけどそんな

簡単なもんじゃないわよね!

 

さらに剣姫が奥に行くことが確定してる?

この状況なら包囲を突破して帰還するのが

妥当じゃないの?

 

わからない。今の私たちには情報が

少なすぎるわ!

 

「とりあえず円陣!怒蛇さんの助言

通り遠距離攻撃で仕留めます!」

 

「「「応っ!」」」

 

「あ、一応言っておくと魔力に反応

してくる可能性もあるから、安易に

魔法は使わないほうが良いわよ」

 

剣姫が魔法を使わない理由はソレかっ!

 

「了解です!聞いたわね?溶解液に

注意しつつ石や弓で攻撃よ!」

 

「「「了解!」」」

 

前に進むにしても後ろに退くにしても

魔物を片付けないと何にも出来ないわ。

 

彼女たちは休憩と言いながら油断せず

敵の奇襲に備えてる・・・のよね?

 

実際レベル5相当の敵が来たら任せる

しかないんだから、雑魚はコッチで

相手しなきゃ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来なさい魔物ども!万能者の名は伊達では無いってことを教えてやるわ!」




褐色姉妹は敵を過大評価してますが
正体不明の敵を警戒するのは
当たり前です。なにせ筆頭様の
知り合いですからね。

骨、複雑な気分になるも目的が
果たされそうなので撤収。
18階で待機するもよう

赤髪さんは姉妹の戦力をきっちり
把握してるので、撤退準備に入ってます

万能者・・・万能?ってお話

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