ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

75 / 127
異端児と骨、ときどき弟子

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


第75話

「こ、この魔石は一体・・・」

 

「あーちょっと前にエインさんが

沢山持ってきてくれたんだ!

コレから下に戻るから邪魔になるんで

あげるって!

タダであげるからみんなで分けなさい

って言ってくれてさ!沢山くれたの!」

 

「そ、そうか」

 

・・・グロスとウィーネが黙々と

食ってるがコレって最初はどれくらい

あったんだ?

 

「みんなで分けましたので残ったのは

大体10分の1くらいですね」

 

「そ、そうか」

 

コレで残り10分の1だと?!

 

「ウム、オカゲデ大体ノ仲間ガレベルアップ出来タ」

 

「ですね。一気に2レベルのアップは

危険ですから、皆さん1レベルアップ

くらいしましたかね?」

 

「そ、そうか」

 

そうなるとグロスやリドはレベル6相当!

マリィやウィーネもレベル5?!

 

「……フェルズさんが何を心配してる

かはわかりますけど、別にこっちから

冒険者に喧嘩売ったりはしませんよ?」

 

「ダナ、俺タチダケガ強クナッテモ

絶対的ナ数ガ違ウ。

自衛ト仲間ヲ守ルノヲ躊躇スル気ハ無イガ、

俺タチカラ火種ヲ作ル気ハ無イ。

不安ガ有ルナラ闇派閥トヤラヲ片付ケテクレ」

 

・・・言いたいことはわかる。

あまり強くなりすぎて人間に

対して復讐に走って欲しくない

と言うのはコチラの言い分。

 

彼らにしてみれば今も人間によって

仲間が捕獲され、傷付けられているのだ。

自衛の為の力を求めるのは当然の話。

 

「やっぱり自衛くらいできないとねぇ。

こないだもエインさんが来て双頭竜を

水揚げして冒険者に倒させてたし!

高レベルの冒険者って言うのがみんな

あんなことが出来るんだったら、変に

遠慮しちゃダメだよね!」

 

「は?」

 

双頭竜だと?冒険者はおそらく紅魔

たちなんだろうが、水揚げ?釣ったのか?

 

「それはそうですよね。この辺にも

我々のお仲間が生まれることも

あるでしょうが、巣に水場を造って

無理やり運び込む訳にもいきません。

そうなるとマリィ殿が保護するしか

ありませんからね」

 

そうだな。レイのように空を飛べるなら

まだしも、水中でしか生きられない魔物は

どうしてもマリィが保護する必要がある。

 

「今のマリィ殿なら双頭竜相手でも

逃げるどころか時間稼ぎだって出来ます。

でも油断したら捕まるのは変わりません」

 

「ソウダゾ、マリィハ甘イトコロガ

有ルカラナ!人間ニ騙サレナイカ

不安デショウガナイ!」

 

確かに。マリィは水中での移動は早いが、

性格的に甘いところが有るから罠とかを

張られる可能性は高い。

 

「大丈夫だって!なんだかんだで

エインさんも忠告くれるし、それにね」

 

「「それに?」」

 

「・・・あの水揚げを見て人間とは

絶対に関わらないって決めたんだ!」

 

「「「・・・」」」

 

・・・よっぽど衝撃的だったようだな。

まぁ高レベル云々は関係ないような

気もするが、彼女は実際に危ういから

関わらないのが一番ではある。

 

「あ~それで、フェルズさんはどうして

ココに?何か連絡事項でも?」

 

そ、そうだった!最初から想定外な

ことが有ったから忘れかけてたが、

本題は魔石についてだったな。

 

「あぁ、エイン殿と会ってきてな。

マリィに魔石を渡したと聞いたが、

無料配布と言うじゃないか。

あまり借りを作るのもアレだと思って

せめて代金くらいはと思ったんだが・・・」

 

コレで10分の1ならどれだけの

代金が必要か・・・

だが自分から払うと言った以上、まさか

「やっぱり止めました☆」等と言ったら

ただでさえ低い信用が無くなるだろう。

 

「あぁ、確かに無料で良いと言われたとは

言え、何も返さないのもシツレイですよね」

 

は?

 

「マァソウダナ」

 

ど、どう言うことだ?この二人は異端児の

中でも人間嫌いの代表格だぞ?!

 

「ならちょうど良いですね。代金の支払の時に

コチラも渡してもらえませんか?」

 

な、何があったんだ?

ソレにコレは?布に包まれた・・・鱗?

 

「私は希少種なんでしょう?」

 

「あ、あぁ、確かにそうだが」

 

「ならこの程度の返礼でも、少しは

エインさんとやらの心意気に答える

ことになりませんか?」

 

「・・・そう言うことか」

 

そうか、珍しいが故に冒険者に狙われ

人間を信じなかったこの子も

エイン殿の無償の善意には感じ入る

モノがあったか・・・

 

「少しでも代金の足しにしてください。

お礼の気持ちもありますしね」

 

「わかった。確かに届けよう」

 

異端児たちにとって貴重である

布まで使っての気持ちだ。

無碍にするわけには行かんし

こういった一歩が彼らとの融和に

つながるのだ!

 

「俺ハ特ニ無イガ、感謝ハシテイル。

何カ協力出来ル事ガ有ルナラ手伝ウト

伝エテクレ」

 

「・・・あぁ。確かに伝えよう!」

 

あ、あの人間嫌いのグロスまでっ!

やはり私の目に狂いは無かった!

彼女のような知性と寛容さが有れば

人と魔物も分かり合えるんだ!

 

・・・いや、エイン殿にしてみたら

強者を作って戦いたいと思ってる

可能性もあるが、それならマリィを

強化したりしないよな?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なんかフェルズさん感動してました

けど、絶対勘違いしてますよね?」

 

大事に抱えてたから落とすとかは

無いでしょうけど、ちゃんと届けて

欲しいですね。

 

「ソウダナ、俺ガ人間ヲ信ジルハズ

無イダロウニ。

コレモ歩ミ寄リト言エバソウダロウガ

今ハエインヲ敵ニ回ス気ガ無イダケダ」

 

「ですよねぇ。双頭竜を一人で狩る

ようなヒトです。

私たちに敵対する気が無いなら、

私たちを狙う人間相手に戦ってくれる

かもしれませんからね」

 

もし師姉様なら、あんな賊崩れの

冒険者なんかよりコッチの方が

面白いって感じで味方してくれますよ。

 

「アァ、オ前ノ作戦ハ見事ダト思ウ。

人間ナンカ勝手ニ戦ワセテオケバ良イ」

 

「ですね。それに、もしかしたらその

エインさんだって私たちのお仲間かも

しれませんし」

 

師姉様じゃなければただの人外でしょ。

立派なお仲間ですよね?

 

「ウム、話ヲ聞イタダケデモ普通ノ

人間デハ無イノハ確カダ」

 

グロス殿は人間は嫌いですが、仲間は

大事にするヒトですからね。

現状灰色のエインさんは、少なくとも

敵ではなく魔石をくれる有用な存在。

私としても間違っても敵に回す

つもりはありませんから、友好的に

接することが出来るならソレが一番です。

 

それにグロス殿が認めたなら、骨も

巣に招待してくれる可能性もありますしね。

 

「あとはロキファミリア?の遠征

ですか・・・」

 

また隠れなきゃ行けませんね。

ただでさえ24階のゴタゴタや

18階のゴタゴタでリド殿達が

巣から出してくれなくて移動も

大変だって言うのに。

 

「地上ヲ代表スル強者ラシイナ。

オ前ハ目立ツカラ様子ヲ見ルノモ

危険カモ知レンガ、俺ハドウシタ

モノカ・・・」

 

「下手に戦えば我々を警戒して

大勢で来るかもしれません。

ただ、彼らは闇派閥も標的にしている

ということですから・・・」

 

「連中ヲ潰ス好機デモアルノカ」

 

「ですね。連中の拠点がある18階層で

何かしらの動きを見せますか?」

 

私は目立つから無理ですが、連中の拠点

の近くから魔法を使うとか射撃で注意を

引きつけるとかやって見るのも良いと

思うんです。

 

「悪クナイナ。連中ノ拠点ノ中ニ

入レンノハ変ワランガ、入口ヲ

見張ッテル連中ガ居レバ我々ノ仲間ヲ

ドウコウスルコトモ出来ンシ」

 

「そうですね。あの付近に怪しい

何かが有ると分かるだけで、

連中には十分な牽制になりますよ」

 

常時入口付近を見張られてたら、

我々のお仲間を連れて入ることも

出来ません。

つまり奪還しやすくなる。

 

お仲間だからと言って無条件に仲良く

する気は有りませんが、戦いは数です。

実際地上の戦力がどれほどのモノかは

わかりませんが、とりあえずレベル5相当が

30人とレベル6相当が10人もいれば・・・

防衛くらいは出来ますよね?

 

この調子でレベルアップできたなら

2年も有ればいけそうです。

まぁ調子を保つためにはエインさんを味方に

しなくてはいけませんけど。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「エイン殿!」

 

おや、また骨が来ましたか。地上に戻って

代金を持ってきたにしては早すぎる。

ナマモノに会って来ると言ってましたが、

魔石の量や質を見て驚いた?

それで代金の支払について何か考えること

でもあったのでしょうか?

 

「妙に興奮気味ですが、何かありましたか?」

 

やっぱり止めました☆とか言ったら骨を

外してその辺のスパルトイに飾り付けますよ?

 

「あぁすまない。先ほどマリィに会って来たの

だが、その場に彼女の友人が居てな」

 

「ほう。お友達とやらが居るのは聞いて

いましたが、本当に居たのですね」

 

いや、空想上の友人で無くて良かった

ですよ。

私には見えない友人とか言われても対処

出来ませんからね。

 

「エイン殿はまだ会ったことが無かったか。

まぁ彼女は特に珍しい種族でなぁ」

 

彼女ですか。どんな種族かはわかりませんが、

骨やナマモノも十分珍しいと思うんですがね。

 

「人間に狙われ続けてしまい、どうしても

人間と言う種族を信用出来なかったのだよ」

 

「なるほど」

 

いや個人ならまだしも、組織や種族なんて

信用しちゃ駄目でしょう。

一人の人間が良い人だから全ての人が

良い人ではないですし、反対に一人の人が

悪い人だからと言っても全ての人が悪い

わけでも有りませんからね。

 

それに人間と言う種族は生き物として絶対に

信用してはいけない生き物だと思いますよ?

 

「そんな子が、エイン殿に感謝の気持ちを

渡して欲しいと言ってきてな!」

 

「はぁ、それはまた律儀なことですね」

 

お礼は大事。師も言ってました。

 

「あぁソレでコレを預かって来たのだよ!」

 

布?中に何かあるようですが・・・

いや、なるほど。そうですか。

 

 

 

 

貴女も居たのですね。

 

 

 

 

「エイン殿?布ではなくて、中の白い

鱗が彼女からの気持ちなのだが・・・」

 

・・・まだ骨が居ました。

未熟未熟。弟子未熟。いや、弟子だから

未熟で当然なのですけどね。

 

いやいや、落ち着いて思考を纏めなさい。

素数を・・・いや、大丈夫ですね。

 

まだ骨にはばれてはいません。焦るな。

こう言う時に焦ると失敗するのです!

 

「あぁ、そうでしたか。しかしナマモノの

友人と言う事でしたので、布も貴重品なの

ではないかと思いまして」

 

実際赤髪もローブとか言って、一枚の

布を大事に使ってますからね。

 

「流石エイン殿!確かにその通りなんだ。

彼女達にとっては布も立派な貴重品。

その辺の心意気も酌んであげて欲しい!」

 

やはり貴重品でしたか。わざわざ骨経由で

知らせて来たのは、私だと確信が無かった

からでしょう。

布に書かれた文字ですが、骨はコレを理解

出来て無いようです。

ですが偶然出来るようなただの模様ではない。

 

さてさて、私はどうやって師妹の

情報を得たものか。

 

「鱗がこの大きさと言うことは、彼女と

言うのは龍種?まだ子供なのでしょうか?」

 

まずは触りからいきますか。今はどんな

情報も欲しい。

何年くらい生きてるのかわかれば

彼女がどれくらい苦労してきたかも

わかってあげられますし。

 

「詳しくはわからんが保護されたのは

二年ほど前だな。魔物の成長過程が

良く分かってないが、彼らの中では

子供扱いされているよ。それが何か?」

 

なるほど、保護された時期は

私と似たようなモノですか。

 

ただ、保護されるまでどれくらいの時間が

あったのかはわからない。

魔物は生まれつき大きさや強さも大体

決まってますから、外見だけでは年齢も

わかりませんよね。

 

「いえ子供だとしたら、幼い女子が

自分の鱗を剥いで私にくれたのでしょう?

流石に何か報いるモノが必要では無いかなと」

 

「なるほど!たとえ魔物であっても対等に

扱おうとするエイン殿らしい気遣いだ!」

 

なんか妙にテンション?高いですね。

躁病ですか?

 

「たがそもそもがエイン殿が無料で

渡した魔石に対する返礼だ。

次にマリィに会った時に感謝の言葉を

伝えてくれるだけで十分だよ!」

 

なるほど、この骨は魔物と人間の融和派と

言ったところですか。

ソレで人間を嫌いだった伯師妹が初めて

人間に感謝と言う形で歩み寄ったことに

感動してる。

私は私で魔物だからと言って差別をしないので、

骨から見たら私たちは理想の具現化

したモノと言ったところですか?

 

確かにダンジョンに拘る冒険者はアレな

連中しか居ないと言うのはリリルカからも

聞いてますし、私のようにリリルカのような

存在に情報を貰うことが出来なかったのなら

冒険者と人間は一纏めにしてしまいますか。

 

いや、文化的には蛮族で間違いがないよう

ですから、一纏めにしても良いでしょうけど。

 

・・・もう冒険者は皆殺しで良いのでは?

 

師は自分で魔石を加工出来るようですから

必要な分が有れば自分で調達出来るし、

近くに海や湖が有って師の農園も有る

のでしょう?

 

迷宮都市なんて要らなく無いですかね?

 

それともお茶の普及のために生かしてる?

……ここでいくら考えても、師の考えは

わかりません。接触の機会を待ちましょう。

 

しかしそうなると闇派閥は伯師妹の敵。

師との関係によりますが積極的に

狩る必要がありますよね。

 

ナマモノの友達とやらもしっかりと保護

する必要もありそうです。

18階層で連中が出入りしてた場所を

重点的に見張るか・・・いや、それだと

ここを空にしてしまう。

優先順位をつけなければいけません。

普通なら師一択なのですが・・・

 

「ちなみにその彼女は自衛は出来る

のですか?

珍しいなら色々狙われるような気も

するのですが」

 

もし事情が有って自衛ができないなら

こっちを優先しないと師に折檻

されてしまいますよね。

 

「お気遣い感謝する!だが大丈夫だ!

彼女はエイン殿の魔石のおかげで今や

レベル5相当の強者。

自分の身を守ることは十分できる!」

 

レベル5相当?2年前から居て?

私からの魔石の供給があったのに?

・・・コレは怠慢ですかね?

それとも何か事情が?

 

ふふふ、師にお会いする前に師妹に

会わねばなりませんか?

それとも師と共に鍛えますか。

 

「いやはやコレは会うのが楽しみです」

 

「そうか?!まぁ彼女も直接会うのは

まだ難しいかも知れんが、いずれ必ず

紹介しよう!気難しい奴らも居るが

仲間想いのいい奴らなんだ!」

 

・・・こんなに熱い骨でしたか?

まぁ華佗殿に比べたらマシですけど。

 

それにいずれ紹介してくれるという

なら、無理をせずに待ちましょう。

 

伯師妹の情報を得た師がどんな行動を

取るかはわかりませんが・・・ね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「・・・?!」

 

「ドウシタ?イキナリビクットシタカト

思ッタラキョロキョロト?」

 

「いえ、何か寒気が・・・」

 

「ソウカ。ナラサッサト巣ニ戻ロウ」

 

「・・・えぇ、そうですね」

 

 

 

 

嫌な予感がします。強くならねば

取り返しがつかないことが起こりそうな

・・・そんな予感です!




骨、喜びのあまり急いで持っていく。

弟子、妹弟子の存在を知る

妹弟子、なんかヤバいと思う の三本ってお話

白っ子に襲いかかる悲劇とは?!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告