ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない 作:カツヲ武士
オリ設定!
オリ展開!
嫌いな人は読み飛ばし!
「「・・・」」
「・・・」
むぅ、ティオネもティオナも全然動かない。
何かをしてるのはわかるけど
何をしてるのかがさっぱりわからないから、
見て覚えるとか全然出来ないぞ。
「ふっ!」
「ハッ!」
あ、動いた。・・・やっぱり早い。
ティオネの上段の廻し蹴りを
ティオナが左手で受けて、蹴りの反動を
利用して体ごと回転、その勢いのまま右足で
下段蹴り・・・アレ?
蹴らないで回っただけ?
「チィっ!」
じゃない!さらに半回転して左の踵で
ティオネの胴体を・・・違う!
防御に回した腕を狙ったんだ!
なるほど、最初から防御されることを
前提にした攻撃か。
最初の一手目でお互いの左手が壊れたけど
ダメージ的には回って衝撃を逃がした
ティオナの方が少ない。
このままなら今回はティオナの勝ち?
「あー負けたぁ!」
「ふふん、やっぱり後半戦は私の
方が有利みたいね!」
え?!終わった?しかもティオナの負け?
ナンデ?!
「ベートさん?」
「・・・わからねぇ」
だよね。
「フィンはわかる?」
「・・・多分だけど、ティオネが攻撃を
受けたときにティオナの左足に何か
したんじゃないかな?」
そうなの?でも何かって何?
「あぁコレで今日は1勝2敗2引き分けか。
やっぱり後半になると負けが多くなるなぁ」
「ま、そのへんは性格よね。改善しないと
ダメだけど、そう簡単には行かないわよ。
まずは意識して調節するようにしないと」
むぅ・・・レベル以外でも置いて行かれた
感じがする!
「次、次は私!」
「あ、私は左足がアレだからティオネお願いねー」
やっぱりティオネが何かしたんだ。
フィンに見えたのはレベルの差かな?
「はぁ?・・・まさかあんたワザと
受けたんじゃないでしょうね?!」
「ハハッ」
むぅぅぅぅ!最近扱いが雑だぞっ!
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「はい、今日はコレで終わりよ」
「まだ!まだ一回もティオネを倒してない!」
「だーめ。私も疲れたの!」
「むぅ!」
いや、そもそも無理だってば。
レベルも違うし、観測とだらしなさを
戒める心を得た私たち相手じゃ
アイズもべートも隙だらけなんだもの。
出来るだけ指摘してあげてるけど、
呼吸がおざなりだから力の流れや魔力の
調節がわかって無い。その結果
どうしても動作にムラが出るのよね。
そこを突くだけで倒せちゃうんだもん
コレじゃ私の練習にならないわよ。
きっと筆頭様や先生から見たら
私たちもこんな感じなのよね?
「そうじゃアイズ、お前はそろそろ
下がれ!次は儂じゃ!」
「なんでガレスもやる気になってるのよ!」
アンタはそう言うキャラじゃないでしょ?!
「若いモンに負けてられんからの!
教える側じゃなく教わる側なんぞ久方ぶり
じゃから楽しみでしょうがなかったわい!」
・・・コレは今まで教えてきたんだから
借りを返せって言ってるのよね?
「シカタナイわね!一本だけよ!」
「三本先取じゃ!」
「疲れてるって言ってるでしょ!?」
いや、疲労してる状態で強者と
戦うのは必要な訓練ではあるし、
ガレスから一本取れるのが当たり前に
なったって言う自分の成長は正直
嬉しいけど!嬉しいんだけど!
「フィン、まだだ!まだ俺の番だ!」
「もう疲れたんだってばー!」
「さて、僕も久しぶりに本気で
行こうか?」
「いやーーーー!」
くっ!団長がティオナの方に?!
まぁ団長と殴りあうのはアレだし
縄鏢も無いから仕方ないけど・・・
仕方ないんだけどっ!!
「とりあえず死ねぇ!!」
「ふははは!気合十分じゃな!」
この滾りはガレス!アンタにぶつけてやるわ!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「……久し振りに全力で訓練できたよ」
ボコボコにされたけどね!
「うむ、最後の方は二人共容赦なかったの!」
いやまったく、流石はアマゾネス。
一度殺る気になったら容赦が無いよ。
もう素手じゃ勝てないね。
「彼女たちが手を抜かなかったおかげで
良い訓練になったのも確かだ」
最近の強敵と言えば思考能力のない
魔物だからね。
そういった連中の相手には搦手を使うのが
常態化してたから、ソレが通用しない
オッタルみたいな力で押し通るタイプは
相性が悪いと思ってたけど・・・あの二人
のように技を持った相手にも搦手は
通用しないか。
うん、やっぱり基礎は大事だな!
「アレでジョウヒョウや流星錘を持てば
近・中距離戦闘を網羅できるんじゃろ?
下の教導は二人に任せて儂らは上を
目指しても良さそうじゃの!」
「あぁ、後輩に教えることで彼女たちも
人間的に成長できるだろうし、新しい
スキルの影響でお互いの練習でも随分と
効果が出るらしいね」
自他のだらしないところを戒めるスキルか。
それにアビリティの【観測】が備わって、
かなりの確度で相手の弱点や隙を突ける
らしいけど・・・それでも筆頭さんには
勝てないって断言してるんだよなぁ。
「レベルアップした後はただでさえ
ステイタスが上がりやすいからの。
コレに成長補正が付くなら今後
しばらくは訓練場の練習でも
さぞかし楽しかろうよ」
「だね。アイズやべートの相手だと
不完全燃焼みたいだけど・・・
その辺は先にレベルアップした者の
宿命と思って諦めてもらおうかな?」
実際僕たちもそんな感じだったし。
これからはしっかりと鍛錬していこう
「しかしあの、だらしなさを指摘する
と言うスキルは凄いモノじゃの。
アヤツにはコレに加えて成長を促進させる
【教導】や試練を与えるスキルまで
あると言うんじゃから、リリルカの
カンストやレベルアップが早いのも当然じゃ」
「そうだね。ステイタスだけじゃなく
他の知識や技術を学ばせるために、
あえてレベルアップをさせてないと
言うのも本当の話だろう」
彼といい筆頭さんといい、レベルに
頓着しない強さがある。
さらに筆頭さんは槍を使ってアレンを
子供扱いできるほどの実力者。
次の遠征で筆頭さんに会えたら一手
教授願いたいものだ。
・・・垂れ流しは断固拒否するけどね。
「あえてレベルアップさせないのぅ。
もしかしたらあやつはレベルアップの
条件を知っておるのかもしれんの?」
レベルアップの条件か。
最低限のステイタスと上位経験値や
偉業と言うが、あまりにも曖昧過ぎる。
だが彼はティオネやティオナに自分の
試練を受ければレベルアップ出来ると
断言したし、実際レベルアップしている。
それを考えれば・・・
「有り得る話だ。教育者とは研究者。
リリルカさんやナァーザ、繚藍や麗傑
をサンプルにして彼なりの理論は
出来てると思うよ」
アレンがレベル7になってれば尚更だよね。
彼も忙しいだろうからお礼は僕たちの
遠征が終わったあとになるだろうけど、
その際にレベルアップ出来なかったら
彼の意見ってヤツを聞いてみたいね。
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「あーうー」
おぉ、めっちゃダレてるわね。
「ティオナーだらしないわよー」
私も気持ちはわかるけどさぁ。
レベルアップして一日休んで
今日はあくまで慣らしの訓練って
言ったのに初日からコレだもんねぇ。
「いやー。流石に疲れた・・・
まともに技撃軌道戦をできるのが居な
かったから、疲れただけでまともな訓練に
ならなかったのが更に疲れた原因
なんだけどさー」
「わかるわ。正直ガレスがあそこまで
力任せで、フェイントとかもあんなに
拙いモノだったなんて思わなかったもの」
ドワーフだからって言われたら
その通りなんだけどさ。
「んーフィンはそれなりに複雑だったけど
展開が遅いんだよね。
そのせいで本命とフェイントが丸わかり
だし、私の「こう来たらこう返す」
に対する防御や捌きもアレだったなぁ。
やっぱりフィンが全力を出すには
槍が必要なんだろうね」
「そもそも団長は小人族だからね。
普通なら素手で戦うようなことは無いから
私たちと比べたらどうしても後手に
回ちゃうのよ。槍を持ってたらまるで
違う結果になると思うわよ?」
アイズは模擬専用の剣持ってたし、
べートも普通に鉄靴履いてたけどあの
二人相手なら素手でも十分だった。
だけど流石にガレスや団長が武器アリで
こっちが素手なんて勝負にならないのは
わかる。長年の経験から自分なりに
最適化された技術を持ってるのよねえ。
「だよね。それに素手だったからこそ
こうして無傷で休めるんだろうけどさー」
「そうね、寝る時にドコも痛くないって
言うのはありがたいけど・・・」
正直自分が劣化していく感じが
わかるのよね。
「やっぱり?ティオネもそうだよねぇ。
平和なのはいいけど本気で強さを
求めるなら、筆頭様みたいに常に修行!
って感じじゃなきゃダメだったんだね」
「そうね。テルスキュラのやり方は
効率が悪いってだけで、戦士を作るには
それなりに有効な方法だったってことか」
……その効率が悪いのが最大の問題
なんだけどね。
「なんていうかさ、今の自分がぬるま湯に
浸かってるのがわかるんだよねー。
今までは強くなりたい!ってのはあんまり
なかったかもしれないけど、流石に弱く
なるのは嫌だなぁ」
それは嫌よね。この衰えるって感じは本当に嫌。
「リリルカさんはこんな感じにならないのかな?」
「リリルカは先生の教えがあるからね。
ダンジョンの知識の他に礼儀作法に
一般教養とか。それに杜氏としての
仕事もあるから、私たちみたいな
感じにはならないんじゃないかしら?」
探索系は強くなることが仕事みたいな
もんだけど、生産系は強くなって素材を
持ち帰ってからが仕事だからね。
「そっかー。そういえばそうだよねー。
リリルカさんは杜氏でサポーターさん
なんだもんね」
先生の後ろについていくのも大変
なんでしょうけど、自分で決めた道
だから楽しそうに歩いてるわよね。
強さに囚われない強さか。ホント歪みないわ。
「ま、リリルカについては良いじゃない。
私たちは私たちのやり方を見つけないと」
「そうだね、参考に聞いてみることは
あっても、多分真似はできないだろうし」
今更生産職につくのは難しいわ。
あ、だけどティオナは報酬次第じゃ
いけるんじゃない?
「そういえばアンタ魔道書貰うって
話だったけど、まだ貰って無いわよね?」
魔法も戦うモノだけじゃないし。
視野が広がればソレがそのまま可能性に
なるのが魔法でしょ。
「まだだねー。とりあえず先生に
会わないとダメだし」
「そうか。流石に私の美術品や魔道書は
ナァーザの店で預かったりは出来ないか」
・・・先生の装備があるってわかったら
ゴブニュとヘファイストスのところの
連中が大挙して押し寄せて行きそうだけど。
「そうだねー。魔法に関するアドバイス
も欲しいし、そういうの聞いてから
貰って読もうかなって思ってるんだー」
「あぁなるほど。リヴェリアや
他の魔法使いと違って前衛だから
基本からしてが違うもんね」
今までは憧れだったけど、ソレが手に
届くとなれば色々考えるわよね。
「詠唱とかカッコイイって思ってたけど
筆頭様みたいな戦い方もかっこいいじゃん?」
憧れの英雄様だもんねぇ。
私も【何が来ても真正面から叩き潰す】
っていう戦い方は正直憧れるし。
「筆頭様は『魔法?必要ですか?』って
言ってたけど、やっぱり欲しいし。
けど詠唱は唱えてる時間がないよね・・・
でも詠唱が無いと威力は弱いんでしょ?」
「一概にそうとも言い切れないけど、
長ったらしい詠唱にはそれなりの
意味があるのは事実よ」
そうじゃなかったらタダの時間の無駄って
ことになっちゃうからね。
「短文で攻撃に回せるのだとアイズの
テンペストだけど、アレは特殊な魔法
らしいし・・・」
魔法なんて全部特殊だと思うけど
「・・・難しいけどコレは嬉しい悩み
だから、もう少し悩みたいんだ!」
「・・・そう」
夢があって目標とする人が見つかって
愛する人も居る。その上で妹も
幸せそうに笑ってるんですもの。
やっぱりテルスキュラを出てココに来た
のは正解だったわね。
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「相手にならなかった・・・」
こっちは武器有りであっちは素手だった
のに、なんて言えばいいんだろう?
「ココ甘い」とか「踏み込みダメ」とか
「剣を振りすぎ」とか散々指摘されて、
投げられて、蹴られて、飛ばされて、
殴り倒されて、関節決められたよ。
最後は勝負とか試合と言うよりは普通に
教わってる感じになってたよね。
「・・・クソっ!レベルで負けてんのは
わかるが、まさか純粋な体術であそこ
まで差がつくとはな」
ベートさんも散々だったしね。
流石に異性だから組み技はされてなかったけど、
その分蹴りとかは容赦が無かった。
「むぅ、確かに基礎を教えてもらえたし
何を直せば良いのかもなんとなくだけど
教えてもらったけど・・・」
「あぁ、コレから勝手に修行は出来ねぇ。
アイツ等が監修してないところで
我武者羅にやっても変な癖が付くから、
基礎訓練だけにしとけって話だったからな」
今までの私たちの鍛錬は無駄が多いから
出来るだけその無駄をなくさなきゃダメ。
その上で一定以上の技を修めたら
次は無駄を技に取り入れる?
わけがわからないよ
そもそもその基礎訓練だって
なんというかふわっとした感じでしか
教えてくれなかったよね。
『私たちは筆頭様や先生じゃないから
上手く教えるのは無理』って言われたら
そうなんだって納得するしかないけどさ。
「とりあえず私は踏み込みが魔法頼り
だから、もう少し走れって言われた。
あとは重心が高いって」
「・・・重心は俺も言われたな。
「前に偏りすぎだから簡単に
転がされるんだ」とか言ってやがった」
「重心は走りながら確認するように。
しっかり母趾内転筋?を鍛えろだって。
ねぇ・・・母趾内転筋って何?」
「・・・知らねぇよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「母趾内転筋と短母指屈筋がまだ甘いぞ」
「はいっ!」
「ココをしっかり鍛えんと、踏み込みを
力に変換するときに歪みが出る、お前の
装備の重さを力に変えるには絶対に
必要なモノだ。踏み込みはスキルに頼るな。
それに単純につま先と考えるなよ。
意識するだけでも効果は違うということを
忘れるな」
「はいっ!」
チャ○さんとア○カさんも言うように、
そもそも人体に余計なモノなんか無いんだが、
武術家にとってココの筋肉は特に重要だ。
卑弥呼殿も何度も残さず言ってたから、
弟子も白っ子もネコモドキもこの
筋肉だけはちゃんと理解してたし。
ネコモドキが「つま先で良いじゃん!」
とか言って卑弥呼殿に叱られてたのも、
今じゃいい思い出よな。
筋トレは意識してやると効果が出るらしい
主人公くんは「筋肉を褒める」まではしません
実際武術や格闘技では踏み込みに関わるため
母趾内転筋と短母指屈筋はスゴク・重要ってお話。
いや、もちろん他の筋肉も全部重要ですよ?