ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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主人公くんは男です
むしろ漢です

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原作とは何かね?

嫌いな人は読み飛ばし




第9話

「旦那ぁ!勝負だぁ!!ブギャッ!!」

 

二メートルを越える巨体が盛大にひっくり

返る音が拠点に響き渡った。

 

今となってはイシュタルファミリアの

名物になりつつあるカエルの醜態は、

普段から彼女に見下されて

暴力を振るわれている戦闘娼婦からは

いい気味だと笑われ、戦闘技術を

学びたがる戦闘娼婦からはその動きを

参考にするために観察されている。

 

つまりはみんな見てるのである。

 

慣れない客はなんだ?!と慌てるが

慣れてる客や娼婦たちはソレを肴に

酒を飲み、一段落したら部屋に戻って

いつもの営みに戻るのが彼がココに来た

時のサイクルになっている。

 

その結果、彼は娼館を訪れた日時が衆目に

晒されると言うある意味拷問にも等しい

行為を受けている。

 

それに対して怒るどころか当然のように

受け入れ、堂々と来店する彼を、

一部の神や男たちは尊敬の念を込めて

無双先生と呼んでいるとか。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

・・・あのヒキガエル、また先生に

ちょっかい出してやがる。

レベル4の先生にだって勝てなかったん

だからいい加減諦めろってんだ。

 

「ふむ、前に比べて虚実はそこそこ成長

したが、その分踏み込みに歪みがあるな。

それでは最初からフェイントだとバレて

しまう。

 

それにその笑い方の矯正が必要だ。

相手に圧力をかける場合は良いが、

自分より技術が上の相手に呼吸が

読まれるのは致命的だと言ってるだろう

 

アイズだったか?お前が言う小娘にも

そのせいで粘られたんだぞ?

 

それと折角片手でメイスを持てるだけの

腕力があるんだから、左手にも何か

武器を持ってみたらどうだ?

お前の体格なら・・・そうだな盾でも

いいかもしれん。

右のメイスを囮にして

左のシールドバッシュで仕留める形も

不自然じゃなさそうだ。

盾なら普段は背中に背負えるしな」

 

「な、なるほど・・・参考にするよ」

 

・・・なんだかんだでアレを普通に

相手してる先生が凄いよ。

 

あんな扱い受けたの初めてだから

ヒキガエルも普通に教えを受けてるし。

 

アレ、イシュタル様に行動を制限

されて無かったら先生に惚れてるん

じゃないかい?

 

「待たせたなアイシャ」

 

「いや、こっちがちょっかい

出したんだ。謝るのはアタシらさ」

 

ほんと、客に喧嘩売るって娼館の商売として

どうなんだろうね?

 

『いや、ほんとに悪いね。いつもどおり

値引きはするし、帰りに土産を包むから

叔母様に持って行っておくれよ』

 

相手の主神もイシュタル様の神界での知り合いで、

魅了が効かなくてもそれが当たり前みたいな

感じで接してるのがなんとも・・・

 

「土産は有難く頂くが、値引きまでして

もらうのは気が引けるな。商売はいいのか?」

 

『ウチの団長を鍛えてもらってるし、

アンタが居るだけでフレイヤとかロキに

対する抑止力にもなるからねぇ

その保障料みたいなもんさ』

 

そうなんだよねぇ。ロキはともかく

ウチの主神様がフレイヤを嫌ってるから、

どうしても奇襲を警戒しなきゃいけない

んだよねぇ。

 

「抑止力も何も、多分お前からちょっかい

を出さなけりゃ何もされんぞ?

住み分けも出来てるみたいだし」

 

それはそうなんだけど

 

『その住み分けが気に入らないのさ』

 

美と愛欲の女神様だからね。

国境も種族もないモノが住み分け

されてるのが許せないとかなんとか。

 

まぁ、嫉妬だよね

 

「お前にはお前の美しさがあるんだから、

特に気にすることはないだろうに」

 

『そ、それはそうなんだろうけどさ!』

 

・・・なんだかんだで魅了されてない男に

褒められるの慣れてないんだよねぇ。

 

「ではアイシャを借りるぞ?」

 

『あ、あぁ!次は私を指名しておくれよ?』

 

さりげなくアピールしてるし

 

「お前を買うには懐がな、もう少し

余裕ができたら頼むとするさ」

 

『べ、別にアンタなら格安でもいいんだけど?』

 

むしろタダにしそうな勢いだねぇ。

……気持ちはわかるけど。

 

「気持ちは嬉しいが美を謳う神が自分を

安売りするもんじゃない」

 

『そ、そうかい!それもそうだね!!』

 

断られて残念なのと、嬉しいのが

半々か・・・これで本心なんだから

主神様にしたら堪らないよねぇ。

 

「じゃ、行くかアイシャ」

 

「はいよ」

 

さぁて、これから朝まで逝くとするかね。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

むぅ・・・やっぱりダメだ。

私には剣の先生が必要だと思う。

 

「リヴェリア?」

 

「ダメだ。接触禁止令はこちらの

都合で解除できるものではなく、

あちらが許して初めて解除される。

現状で我々が彼に許される理由がない」

 

「そもそもよぉ!あんな奴に何を習う

って言うんだよ?!」

 

「ん?あの人なんだかんだで

色々教えてくれるよ?」

 

・・・私には何も教えてくれないけど。

 

「あぁ、英雄譚とかのついでに呼吸とか

武器の持ち方とか体捌きとか、色々

教えてくれたわね」

 

「ティオネもかよ?!」

 

そういえばレベル3から4になる時に器用の

上がりが大きかったとか言ってた気がする。

 

「なんか「せっかくの身体能力が勿体無いから

基礎的なことは教えてやる」って言われてさ」

 

「そうそう、私は最初いらないって

言ったんだけど、帰ってきたティオナに

簡単にあしらわれてね。

悔しかったから次からは私もついてって

素手の戦い方や小刀を使った戦い方を

教えてもらったのよ」

 

・・・私には教えてって言っても

教えてくれなかったのに。

 

「なるほど。お前たちの技術的な成長は

ソレか。だが他所のファミリアに教えを

受けたならちゃんと報告はしろよ?」

 

「団長に話したわよ?」

「フィンに話したよ?」

 

「・・・そうか、フィンにはあとで話を聞いておく」

 

むぅ・・・ずるい

 

「その呼吸?とかは私にもできるの?」

 

とりあえず強くなるならなんだって覚えないと。

 

「うーん。無理かな」

 

「・・・」

 

そうか、無理なのか。

 

「おい!独占する気か?!」

 

「独占って・・・もともと教えなきゃ

いけない理由はないんだけど」

 

「まぁ確かに今のはべートの言い方が悪い。

強くなる方法は人それぞれだし、同じ眷属

でも秘匿するべきことはある」

 

・・・そうだよね。

元々ティオナとティオネが教えて

もらったのを、ただで教えてもらおうって

言うのがダメだよね。

 

じゃが丸くん何個あったら

教えてくれるかな。

 

「あぁ、いやそうじゃなくて

何て言えばいいのかな?」

 

「ん~そうね。秘密とかじゃなくて

単純に私たちには教えられないのよ」

 

「「「教えられない?」」」

 

どういうこと?

 

「そう、難しくてねー!」

 

「難しいって・・・呼吸なんだろ?

吸って吐くだけだろ?」

 

「「はぁ。これだからベートは」」

 

なんか二人揃ってるのって珍しいよね。

あ、そうじゃなくて

 

「・・・どういうこと?」

 

「農家さんが言うには、ヒトそれぞれで

筋肉とか骨格が違うから、身長も体重も

内臓の位置も全部違うんだって!」

 

・・・それはそうだよね。

 

「それで、その人その人に合った最適な

呼吸のタイミングってのがあってね。

私たちは自分のタイミングは教えて

もらえたけど、他の人のタイミングを

見れるほど精通してるわけでもないから

教えられないの」

 

「なるほど。言われてみれば確かにそうだ。

それに戦いの際、呼吸は大事な要素。

基礎的なことだからこそ深く考える

のが彼の流儀か・・・」

 

リヴェリアは納得してるけど、

問題はその大事なことを教えて

もらえない今の私であって・・・

それもこれも全部

 

「ベートさんのせいだ」

 

「ぶべらっ!!」

 

「ほんと、困るんだよねー」

 

「誰彼構わず噛み付くからよ。少しは反省しなさい」

 

 

・・・ティオネが言うと説得力あるね

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『・・・なぁフィン』

 

「ん?ロキかどうしたんだい?」

 

コイツ、わかっとるくせに。

 

『どうしたやあらへんやろ。

あの農家、どないすんねや?』

 

野郎!ウチのアイズたんだけじゃなく

ティオナとティオネにまで

触手伸ばしておったんかい!

 

「いや、どうするもなにも・・・

元々無礼を働いたのはコッチで、悪いのも

コッチだよ?恩を仇で返してる状態だね」

 

『いや、それはそうなんやけど!』

 

ほんとにそうなんやけど!

 

……だってアイズたんが弟子入りしたい

とか言ったら普通調べるやろ?

それが無礼言われたらその通りやし

素行が悪い冒険者が多いのも事実やけど!

 

「この状況で何かしたら罰金が酷い

ことになる。予定されてる遠征も

出来ないし、何より・・・」

 

・・・名が落ちるわな。

名声を得ることがフィンの目的の一つだし。

 

さらに言えば相手はレベル5以上。

噂では6になっとるかもしれん。

そんなヤツに何かするなら三人を使わな

あかんけど、フィンもリヴェリアも

アレを特に敵とは思っとらんし

ガレスも関わりがないからなぁ。

 

「リリルカさんに嫌われるじゃないか」

 

『ソッチかい!!!』

 

この野郎!確かに嫁探しもコイツの目的ではあるけど!!

 

「さすがに今回は理由もなく敵対行動を

とったべートに非がある」

 

『理由もなくって、無礼やないの?!』

 

未だに名乗らんとか、普通に無礼やろ?!

 

「最初に言われた通りさ。僕たちの行動が

名乗るに値しないから名乗らない。

当たり前の話だね」

 

『ぐっ』

 

行動がって言われるとなあ、ウチも品行方正言う訳やないし。

 

「そもそもロキ、彼に謝ってないよね」

 

『なんで謝らなあかんの?!』

 

ウチ神様やで?

ロキファミリアの主神やで?

 

「ま、ロキがそういうならいいさ。

それがファミリアとしての決定だ。

ティオネとティオナについては・・・

こっちからの接触は禁止だけど

あっちからはそうでもないから、

個人的な付き合いで鍛えてもらえたら

鍛えてもらう程度でいいと思う」

 

『それもや』

 

「それ?」

 

『なんで二人が鍛えてもらってたことを

アイズたんやベートに教えんかった?』

 

ウチもリヴェリアも知らんかったけど?

 

「いや、教えたら迷惑かけに行くだろ?」

 

『・・・』

 

・・・アイズたんが押しかけたら

ベートとレフィーヤとウチが押しかけて、

最後にリヴェリアが謝罪に行くまで見えたわ。

 

うん間違いなく迷惑やな。

 

「そういう事だよ。僕としても彼から

教えは受けたいけど、それで迷惑をかけて

リリルカさんに嫌われたくないし」

 

ティオネも迷惑かけるやろなぁ。

 

「それに彼女が強くなる時間を

奪うわけにはいかないじゃないか」

 

あぁ、勇者の伴侶が弱かったらあかんもんな。

コイツも難儀な性格しとるわ。

 

「ロキだって他人事じゃないだろ?」

 

『あぁ?ウチはアイツの世話になった覚えなんてないで?』

 

眷属が迷惑かけたのはあるかもしれんけど。

 

「ソーマファミリアの新作は、ほとんど

彼が関わってるけど?」

 

『せやった!!』

 

食前酒とか色々開発しとるんやった!

あかん!これ以上ヤツの印象悪くしたら、

ソーマファミリアからの酒の供給が

止められてしまうってことに?!

 

クソっ不味い、不味すぎる!!

 

 

 

『・・・謝罪、しに行こか?』

 

「接触禁止中だよ」

 

『ベェェトォォォォォォ!!』

 

あの野郎っ!何してくれてんの?!

 

「・・・ベートだけのせいじゃないと思うんだけどなー」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

ウカツッ!まさか蟹の甲羅や蜂の外殻が

お金になるなんて思ってもいませんでした。

・・・普通に捨ててましたよ。

 

そうなると今後はダンジョンでモンスターを

倒して、身と魔石を食べて、残った殻を売る。

 

一見無駄がない生活に見えますが

まんま蛮族みたいですね。

 

地上の連中もそんな感じらしいですけど

・・・卑弥呼殿がそのへんの野生

動物狩って食べてるのと一緒ですか。

 

 

むぅ。私も文化的とは言えませんが

いくらなんでもアレじゃないですかね。

 

魔石を加工したり、いつでも風呂に入れる

ようになっていたりと技術的には発展してる

ようですが、文化的には殷とか周の時代以下

なような気がします。

 

衣食足りて礼節を知る。

 

少なくとも私より長く生きてて

今の私より強いレヴィス殿が

あんな貧相な格好をしている

くらいだから、やはり生活は

厳しいのでしょうね・・・

 

もしくは孫家のような痴女の

可能性もありますが、その場合は

付き合いを変える必要があります。

 

……とりあえずはレベルアップですね。

レベルが2つ違えば抵抗はできないと

言われるようですから、あと一つ上げれば

阿呆程度には抵抗が出来るでしょう。

 

その後は双頭竜でしたか?

アレを殺して喰らえば5にはなれそうです。

今のままだと攻撃を当てても斬れませんからね。

 

斬れるようになれば水揚げして捌くだけです。

 

・・・水揚げと言えば人魚の生き血は怪我や

疲れも癒す道具だとか?

今の段階でも水は斬れますから、追い込んで

みますかね。戦闘力は無いみたいだから

無明察相翫が通じるかどうかも試して

みたいですし。

 

何より回復手段は切り札として

持っておいたほうが良いですよね。

 

とりあえずはこんなところでしょうか。

 

その後は・・・今はまだ良いですね。

 

魔石もレヴィス殿に分ける必要は無い。

あくまで彼女は彼女の都合で動いている

みたいですし。

頼まれたら協力する姿勢で良いでしょう。

 

ただ、修練や身のこなしに我々と

同じような匂いがするんですよね。

 

師の教えにしては粗がありますから、

もしかしたら師の弟子に教わったか

似たような流派があるのか、

それとも近くに居ないからどうしても

我流が交じるのか。

 

そのへんの情報ももらうためにも

さっさとレベル6相当にならなくては。

 

 

 

しかし食事のついでに魔石を食えば

飽きないとは・・・随分と温い。

 

強くなる理由があって、その方法がはっきり

しているならば後は好き嫌いじゃないでしょうに。

 

地上の人間なら毒でも、我々にとって毒性がないとわかっているなら尚更です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わざわざ教えを授けようとは思いませんが、

一体何がしたいやら・・・」

 




なぜかアイズが嫌い?な主人公くん
理由が明かされる時が来るのか?

普通に娼館行きますよ?
だって漢だもの。

なぞのオリキャラはさっさと
レベルをあげたいようですってお話
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