ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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地上のお話

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第91話

「なるほど・・・農家の言う通りだな」

 

基本的に反撃せずに受けるだけ。

 

最初の段階で相手の武器が壊れたり

しても向かって来るヤツを対象とする。

 

逃がさないように袋小路に追い込んで

休息を与えつつ鍛錬すること。

 

野生動物は基本的に痛みで学習するから

俺に攻撃した反動で自分がダメージを

受ければ攻撃をしてこなくなる。

そのため柔らかい素材で攻撃を受けつつ

効果的でない攻撃をした場合に痛みを

覚えるような受け方をする。

 

そうなれば効果的な攻撃を学習するし

疲労で握りや構えが雑になったら

武器破壊して回復薬を与えて休ませる

ようにすれば、より効果的な鍛錬になる。

 

最後の追い込みはその辺の魔物を使えば

魔石を喰らって強化種になる恐れがある

から、上層の弱いモンスターを襲わせて

中途半端に空腹な状態にすれば良い感じ

に仕上がる・・・か。

 

「ヤツの言う事に従うのは癪ではあるが、

効果的なのも事実。

俺にモノを教える才能など無いのは自覚

しているし、フレイヤ様の命令を完遂する

為ならば俺の好き嫌いなど言ってられん」

 

しかしこのタイミングで白兎が剣姫に

弟子入りとはどういうことだ?

 

今は基礎の基礎を固める段階なはず。

 

俺が言えた話では無いが、あの人形に

他者を導くなど不可能だ。

 

むしろ監督している九魔姫や重傑が

教えたほうがマシだろう。

上級冒険者としての心得云々もアレ

から教わる必要は無い。

 

そもそもレベル1の冒険者が師事する

ようなモノでもない。

 

一緒に居たヘルメスの眷族が何か

怪しい動きをしているらしい。

ソフィアの妹だが、別の魂が宿って

いるとか?

 

農家が言うように、ヘルメスがフレイヤ様の

試練に便乗し、自分の物語の主人公を作ろうと

しているというのも強ち嘘ではなさそうだ。

 

なにせ農家も白兎が剣姫に弟子入りして

いることは知らなかったようだしな。

 

農家がダンジョンに潜った後で

ヘルメスの眷族が白兎に接触した。

 

コレを偶然と見るのは難しいだろう。

 

・・・この延々とミノタウロスを鍛える

作業の成果を、横からかっ攫おうとする

連中をどうしたものか。

 

フレイヤ様はヘルメスの策に気付いて、

今回はあえて便乗するようだったな。

 

フレイヤ様の指示がある以上、手を

抜く気はない。

だからといって無条件でヘルメスの

行動を認めるわけでもない。

 

農家はロキファミリアの遠征前には

戻ると言うことだったな。

 

もしかしたら白兎の試練とぶつかる

かもしれんか。

 

・・・その場合はまた弁当でも提出

させよう。

 

帰りだから食材が不足してる可能性も

あるが、味気ない保存食よりはマシ

だろうよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『それで、何で僕に断りもなく剣姫に

弟子入りを?』

 

普通さぁ、もう少し考えるよね?

 

「え?そもそもヘルメス様は迷宮都市に

居ませんでしたし、指示を出してない

ときは各自で好きにしろって言って

ませんでした?」

 

・・・言ってるね。

 

「今のは確かにヘルメス様が悪いわ。

いえ、今だけじゃなく大体ヘルメス様が

悪いんだけど」

 

『アスフィ?!』

 

更に遠慮が無くなってきたな!

まぁ仲間がみんな死んだからね。

精神的な余裕もないんだろうけど

 

「私もダンジョンに潜ってて、帰って

来たらディオニュソスファミリアで

療養だもの。貴女が連絡を取れなかった

のもわかるし、そもそも逐一連絡を取る

ようなファミリアじゃ無い。

本来なら貴女を責める理由が無いわ」

 

そうなんだよなぁ。僕が居ない時は

好きにしろって言ってるのも事実だし、

責めるようなことじゃ無いんだよなぁ。

 

ベル君と出会った経緯に嘘は無い。

偶然助けてもらって、そのまま

つるんでるだけってのも事実みたいだし。

 

恋愛感情に関しては微妙だった

けど、ソレはそう言うもんだしね。

 

「えっと、本来ならって言うのは?」

 

あぁ、この子はギルドへの報告書を

読んでないか。

・・・普通のレベル1の冒険者

はそんなの気にしないよね。

 

「・・・私たちの主力の壊滅と

ロキファミリアは無関係じゃないわ。

私も一方的に助けてもらった以上、

これ以上借りを作るのは良い事

ではないのよ」

 

実際はソレだけじゃないんだけどね。

彼女に言っても意味ないから言わないけど。

 

「借りですか?あぁ、それなら

大丈夫ですよ!」

 

『「・・・何が?」』

 

いや、ほんと何が大丈夫なの?

 

「もともとロキファミリアはベル君に

失礼なことをしてたんです!

その借りを返してもらう形の弟子入り

ですから、ヘルメスファミリアと

しては何の問題もありません!」

 

『「・・・」』

 

はぁ?コイツ何を言ってるんだ?

 

いや、ロキファミリアがベル君に何を

したのかは知らないけどさ。それって

「断られない事を前提としたお願い」だよね?

脅迫とか脅しでは無いだろうけど、ソレ

に近い行為だって自覚は・・・無いか。

 

あぁぁぁ。コレは確実にロキにも警戒

されてるよね。どんどんドツボに嵌って

行くよ。

 

いや、自由にさせすぎた僕が悪いって

言われたらどうしようもないけどさ!

 

それにしたって程度が有るんじゃない

かなぁ?

どうしよう。このままだと仕込みの

ほとんどが無駄になるぞ。

 

かといってこの子のステイタスは順調に

伸びてるから、真面目に訓練してる

みたいだし。今更「弟子辞めます」と

言ったところで悪印象を与えるだけ。

 

これ以上不自然な真似は出来ないし・・・

まずはベル君との縁を結べたことを良し

として、計画の練り直しだな。

 

今後はコイツも使うか。

うん、新人の時からの付き合いで

苦楽を共にした戦友だ。

 

悲劇にも喜劇にも使える配役を

得たと思えば・・・

 

『とりあえずエマに関しては今まで

通り、そのベル君とやらと仲良く

してくれて構わないよ』

 

あくまで僕はベル君を知らない風にしないとね。

 

「はい!ありがとうございます!」

 

『剣姫への弟子入りについては・・・

彼女たちの遠征の前日までだったよね?』

 

「はいっ!あと2日ですね!」

 

それならこれ以上問題が起こることは

ないだろう。

 

『最終日はちゃんとお礼を言うように。

アスフィ、何かお礼になるような

モノを作れるかな?』

 

貸し借りがあるのはあくまでベル君で

あってこの子じゃないからね。

最低限何かしないとシツレイだって

怒られそうだ。

 

「はぁ・・・わかりました。

何か用意しておきます」

 

「お、お手数おかけします!」

 

そう思うならもう少し加減してくれ。

 

『あぁ良いの良いの。コレはファミリア

としての礼儀だからね』

 

台本と配役の練り直しか。

何事も上手くいかないからこそ

下界は面白いって言うけどさ。

 

それでも計画通りに行ったほうが

面白いに決まってるじゃないか。

 

あぁフレイヤが何か動いてるみたいだから

そっちにも注意を払う必要があるな。

 

イシュタル以外に個別に親交があるのは

ヘファイストスか?

ヘスティアにはエマがベル君に接近してる

から面白くは思われてないだろうし。

 

問題は今回の件に農家が絡んでるか

どうかだな。

地上に居ないことは無関係と言う

証拠にはならない。

僕だって迷宮都市に居なくても

悪巧みや仕込みは出来るんだから。

 

剣姫は最初勇者に何かを聞きに行ったと

言っていたな。

 

普通に考えれば許可なんだけど、

それだけではないだろう。

こっちは双剣を使うエマとナイフを

使うベル君の二人だ。

その師匠は剣姫ではなく怒蛇が妥当なはず。

 

ファミリアとしての貸しがあると言うなら

勇者の性格なら師匠として役に立たない

剣姫より怒蛇を出すはず。

 

それでも剣姫に指導を任せたのは何故だ?

 

農家の教えを受けた怒蛇が何かしらの

情報を得たからじゃないのか?

 

彼相手には油断なんか出来ない。

・・・本当にやりづらい相手だよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『アレン、アノ子の習熟度合いを

確認するにはどうしたら良いかしら?』

 

当初の予定では低レベル者による

襲撃を予定していたけど、今の段階で

私が火種を作るわけにも行かない。

 

かといってコレ以上アノ子にお人形や

ヘルメスの手が入るのは面白くないわ。

 

正直にロキに話を通せば彼女にも

彼の存在が気付かれるし、面白

半分で試練に横槍を入れて来る

可能性もあるのよね・・・

 

「あの阿呆も重傑も九魔姫も襲撃を

警戒しています。そのため当初の

予定の襲撃は取りやめが妥当。と

言いたいところですが」

 

『ですが?』

 

あえて襲撃すると?

 

「ソフィアの妹の所属はヘルメス

ファミリアです」

 

『あぁ、なるほど』

 

確かにそれなら

「イシュタルに弁明の使者を出して

おきながらヘルメスファミリアの

眷族を鍛えているのは何故か?」

と言う形での詰問が可能になるわね

 

「阿呆をガリバー兄弟で抑え、

九魔姫や重傑は私が抑えます。

残る2人はレベル2の冒険者数人

で襲撃させるのがよろしいかと」

 

『ソフィアは参加させないのね?』

 

「ハッ!レベルも違いますし、妹に

取り憑いているモノの狙いがまだ

不明瞭です。

暫くは泳がせるのがよろしいかと」

 

それはそうよね。さらに言えば妹を

助けるために無理するかもしれない。

 

ヘルメスの狙いよりも、取り憑いた

モノがどういう存在かわからない

以上は、下手な干渉は控えてボロを

出すのを待ったほうが良いか。

 

『下手に正体を隠すより、しっかり

正体を明かして堂々と襲撃を行う。

そうすれば無駄な憶測も無いし

後暗い連中に対しても牽制になる。

・・・アレン見事よ』

 

本当に見事。この発想の柔軟性が

余裕を生み、視野を広くするのね。

 

「ハッ!ありがとうございます!」

 

『その提案を採用するわ。決行は

訓練最終日。つまりは明後日ね。

ロキファミリアの遠征の前日になるわ」

 

この日程もね・・・ミアの店でわざわざ

周囲に聞こえるように話をしていたのは

何かの策かしら?

 

まぁ好きに企むといいわ。私たちは

その策すら利用して見せましょう。

 

『メンバーは貴方が集めて頂戴。

あぁ、ガリバー兄弟には私から

直接命令するわ』

 

「ハッ!」

 

あの子たちは癖が強いから、アレン

の指示に逆らってアノ子に襲撃を

掛ける可能性もあるのよね。

しっかり言い含めなきゃ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「フィンよ、今日がアイズの訓練

最終日なんじゃが」

 

「あぁ・・・仕掛けて来るとしたら

今日しかないね」

 

相手が修行の日程を知っていれば

の話だが、エマ少女はヘルメスの

許可も取ったと言っているから、

確実にヘルメスは日程を知っている。

 

「ティオナやティオネも警戒に

当てるか?」

 

「いや、あの二人は温存だ。

まずはガレスとリヴェリアが

二人で行ってくれ」

 

最終日だからね、世話になった

二人にもアイサツさせる機会を

あげよう。

コレで無礼な態度をとられたら

今後僕たちが彼らに対して気を使う

必要も無くなる。

 

「まずはと言うことは?」

 

「後続として僕も出る」

 

ラウル達は・・・待機だな。

下手に数を集めたらその分犠牲者

が出るかもしれないし、あえて

最大戦力で動くことで敵の動きを

封じよう。

 

「ほう、潜むか?」

 

「いや、迎えに来たと言う形で

堂々と動くよ」

 

襲撃されたら負けだからね。

 

戦力として万全を期すならティオネや

ティオナとベートも居た方が良いのは

確かだけど、温存と・・・ベートはまた

無礼を重ねられても困るからね。

 

ティオナとティオネの2人に抑えさせれば

万事解決だ。

 

なんならそのまま気絶させても

良いと伝えておこう。

 

べートもジョウヒョウと流星錘をもった

2人を相手にした訓練なら喜んで

するだろうさ。

 

僕としても、あの武装をもった二人との

訓練は勉強になるから、ソッチの方が

良いんだが、今回は垂れ流し・・・

いや、襲撃の恐れがあるからね。

 

そちらを優先しようじゃないか。

 

それでも襲撃を仕掛けてきたら、

敵は戦争を求めてるということに

なるだろうね。

 

イシュタルとは連絡が取れた。

ヘルメスも主力は壊滅状態。

 

残るはギルドかゼウス、ヘラかな?

フレイヤは無いと思うけど・・・

闇派閥の可能性もあるか。

 

ふっ、現状闇派閥よりギルドが怪しい

って言うのもどうかと思うけど、

実際アイツ等の上層部は中立を

謳ったロクデナシだ。

 

真面目な受付やアドバイザーを

隠れ蓑にして僕たちからの敵意を

受けないようにする作戦は見事

なんだけどね。

 

いい加減小細工が過ぎる。

 

何を仕掛けてくるかは知らないが

受けて立とうじゃないか。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「くそっ!まだだ!まだやれる!」

 

「・・・あぁ何て言うか、ティオナが

言ってた気持ちがわかったわ」

 

いやほんと、ただ突っ込んでくる

だけならどんな敵でも餌よね。

 

「でしょ?24階層に居た闇派閥も

爆弾抱えてたけどさー。結局一直線に

来るだけだったから、芋虫と一緒

だったよ」

 

死を覚悟するならもっと効率的に

死になさいって話よね。

 

「俺をあんなのと一緒にするん

じゃねーよ!」

 

「いや、軌道が丸見えでフェイント

も何も出来てないじゃない。

まっすぐ来てるのと変わらないわよ」

 

最短距離を無駄なくと言えば聞こえが

良いんだけど、それ故に読みやすい

のよねぇ。

 

「だよねぇ。「これを当てる」って

言うのが丸わかりだから、こっちは

ソレを狙ってカウンター入れれば

良いだけだもん」

 

そうそう。動きに無駄を取り入れるには

基礎が足りないから、本当の無駄にしか

なってないのよ。

 

魔物相手には良いけど、対人戦に

おいてはダメダメね。

 

「じゃあどうしろってんだよ!」

 

「「母趾内転筋鍛えなさい」」

 

「またソレか!」

 

いや、実際つま先・・・じゃなくて

母趾内転筋は重要よ?

コレがちゃんとしないと踏み込みが

甘くなるし、踏み込みが甘く

なったら全体が甘くなるんだもの。

まさに基礎の基礎よね。

 

「アンタだって足の親指がどれだけ

重要かは知ってるでしょ?ソレを

効果的に鍛えることに何か問題

でもあるの?」

 

「いや、問題はねーけどよぉ」

 

それに筆頭様の蹴りみたいに芯に

響く蹴りを放つには自分と相手の

重心を理解しなきゃ駄目なのよね。

 

自分の重心と重さを攻撃に

載せる為には絶対に必要な部分よ。

 

相手に関しては・・・同レベルの

ティオナ相手だとまだ難しいけど、

べートになら試せるわ。

 

まさしく教えて学ぶの理。

 

流石筆頭様よね!

 

「とりあえず、何度も言うけど蹴りで

相手を吹っ飛ばすのは未熟の証。

衝撃が逃げてるってことだからね。

まずは角度的に、少しでも良いから

上から下に向けて蹴りを打つように

しなさいって言ってるでしょう?」

 

「・・・あぁ」

 

地面を使って力が逃げないように

するのが第一段階。

 

上段回し蹴りも頭を砕くのではなく

頭を揺らすように打つことが大事。

 

ガレスも蹴りで壊すことは出来なく

ても、頭を揺らせば倒れたもの。

 

力の流れと方向性を理解するには

呼吸と魔力の流れを知るのが

手っ取り早いんだけど、流石に

そこまでは見れないしねぇ。

 

せいぜい私たちがボコボコにして

体に教えてあげるわ。

 

恨むなら団長の前でバカゾネスだの

何だのを連呼していた自分を恨むのね!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

おいおい、まさかロキファミリアの

幹部三人が揃い踏みかよ。

どんだけ襲撃を警戒してるんだ。

 

・・・まぁ下手したら師匠と筆頭殿に

新血愁・心霊台と命奪崩壊拳だから

警戒するのも当然か。

 

「アレン、どうする?」

 

どうするもこうするも。

警戒されてるのは初めから

わかってたことだろうに。

 

「お前たちは予定通り阿呆に当たって

くれ。あの三人は俺が止めよう」

 

「・・・そうか」

 

それに、勝とうと思えば普通に

勝てそうだし。

だからと言って下手に勝っても

無駄な諍いを生むんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




修行も終わりそう。

監視役(エマ、樽、王族)が
居るので膝枕やお昼寝は無い模様

そのため色白女神もそれほど
嫉妬してないんだよってお話
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