ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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第95話

「き、来たぞ!」

 

「すぐに報告だ!」

 

「よしっ俺が行く、後は任せた!」

 

「お、俺が足止めとか無理だって!」

 

「「「お前なら出来るさ!」」」

 

「お前らも逃げんなよ!」

 

 

ふむ、賑やかなことだが、誰かの出待ちか?

少なくとも俺の知り合いでは無いようだが。

 

「うーん。先生が壁とか壊したのバレたん

じゃないですか?」

 

可能性は・・・無いな。

 

「いやいや、ロキファミリアの連中や

アレンもオッタルもまだ戻って来て

無いだろ?誰がばらすんだよ」

 

そもそも俺が春姫を担いで、リリルカが

ナァーザを担いだ上での全力疾走だぞ?

 

攻撃喰らって右往左往してたアイツらが

追い越せるはず無いじゃないか。

 

つまりヤツらはリリルカか春姫の

出待ちの可能性が・・・いや、

ナァーザか?

 

「ナァーザ、もしかしたらミアハが何か

やらかしたとか、上位のファミリアの

幹部連中の胃が殺られたとかで、お前の

帰還を待ってる連中が居るんじゃないか?」

 

「・・・後者なら頑張ります!で済む

話なんですけどね。前者ならもう

手遅れかなって」

 

うむ、なんか諦めの境地よな。

 

「イシュタルファミリアの皆様が旦那様と

春姫を待ってると言うのは・・・無い

ですよね。それならアイシャ様とか団長様

とか、旦那様の顔見知りが来ますよね」

 

だな。足止め云々言うならアイツ等が来れば

良いだけの話だ。あとは・・・あぁ、

リリルカファンクラブの可能性が微レ存。

 

罪袋たちがリリルカの無事を祈る

ついでにノータッチを確認しに来たか?

 

性的に手は出してないが、普通に殴ってる

よなぁ。まぁ俺は紳士同盟加入者じゃ無い。

 

それに・・・鍛えるのは有りだよな?

 

「とりあえず出てみよう。罠とかなら

こんな地上に近い所ではやらんだろ」

 

あえて衆目に晒すってパターンも

有るが、そんなこと気にしてたら

外に出れんしな。

 

「ですねー。とりあえず、さっさと

お風呂入って一休みしたいですよ」

 

立て続けのダンジョンだからなぁ。

俺のサポーターとしての仕事はあまり

出来なかったが、コイツのおかげで

春姫とナァーザは楽に修行できた。

 

「ですねぇ。旦那様と離れるのは辛いですが

ステイタス更新と残ってる食材とかの

確認もありますし、ソフィアさんの指導も

考えないと駄目です。

お部屋のお片付けもありますから・・・」

 

内縁の妻として頑張ってくれとしか言えん

 

「はぁ・・・帰りたくない」

 

OLか。時と場所によっては男を誘う

決め台詞だが、目が死んでるのがなぁ。

 

自宅が職場だから、そのまま職場直行

と思えば中々に辛いところだろう。

 

『貴方の帰還を待っていたわ農家!

いえ、農家君!いや、農家さん!!』

 

「「「・・・」」」

 

こらこら君たち。「やっぱりお前じゃん」

みたいな顔は止めなさい。

俺だってコレは予想外だよ。

 

フレイヤだのイシュタルとつるんで

るから、大体のファミリアは俺との

接触を諦めてる風だったし。

 

しかしヘファイストスとはなぁ。

そりゃ知り合いは居ないか。

そもそも付き合いねぇもんな。

 

狙いは俺やリリルカの装備品か?

いや、それにしてはなんかいつもとは

感じが違うような気もするが・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なんじゃフィン。えらい疲れた

顔しとるの。リヴェリア達は別行動か?

 

「あぁ、上層でちょっとした演劇が

あってね。リヴェリア達は遅れて来るよ」

 

アッチが狙われる可能性もあるけど、

彼からの手紙をリヴェリアに持たせた

から、さっきみたいに問答無用の

攻撃がこない限りは交渉も出来る

はず・・・だよね。

 

「演劇?」

 

「後で説明するさ、こっちも

ちょっと考えを纏めたいんだ」

 

ちょっとどころじゃないけど。

いやいや、遠征の最初っから

クライマックスってどうなんだろう?

 

「そうか、まだ遠征は始まった

ばかり。気を詰めすぎるなよ」

 

「了解だ。とりあえず他の皆

には彼女たちが来るまで待機

・・・いや、今日は休息にしよう。

明日出発するからキャンプの

準備をするよう伝えてくれ」

 

いつ来るか分からないのを待つのは

キツいからね。

いっそ休ませた方が良いだろう。

 

「ふむ・・・まぁ良いじゃろ」

 

「頼んだよ」

 

さて、コレであとはゆっくり考察

できるな。

 

ジャガーノートを瞬殺した二人と

合流して此処まで急いできたけど

アレ以降筆頭さんからは特に干渉は

無かった。

コレはどう見るべきだろう?

 

「ティオネ、今回の件どう思う?」

 

筆頭さんのことは考えるより

彼女に聞くのが早いよね。

 

「えっと、まずフレイヤがベル少年を

気に入り試練を与えたことですよね?」

 

あぁ、質問が漠然としすぎてたか。

だけど今回は時系列を追って考えた方が

良いかな?

 

「そうだね、最初はソレだろう」

 

そこには問題点はないよね。

 

いや、他所の子供だとか、ダンジョンで

やるなとか、言いたいことはいくつか

あるけど、今更って感じだし。

 

相手がフレイヤなのは確定。

そうじゃなきゃ彼処でオッタルは

出てこない。

今回のアレは、邪魔が入らないように

見張るのと、少年が試練を突破できるか

どうかの見届け人ってところかな。

 

「次に、エマ少女がなんとか逃げて、

私たちに援軍を要請しました」

 

ここからだ。

 

「あの少女はオッタルの存在を

知っていたよね?」

 

「はい、アイズに連れ去られる時に

そう言いましたね」

 

その上で僕たちに助けを求めた・・・

という事はオッタルと僕たちを

戦わせることが目的だった?

 

ヘルメスの眷族の企みとしては

妥当だけど、不自然だよなぁ。

それに、不自然な点はまだある。

 

「ベル少年はミノタウロスへの攻撃を

上半身に集中していた。

つまりナイフ使いがミノタウロスと

戦う際の定石を知らなかったということ。

一度5階層でミノタウロスに襲われた彼が

ミノタウロスのことを調べないまま

ダンジョンに潜るなんてあり得るのか?」

 

普通なら次に遭遇しても逃げれるように

臭玉的なのを用意したり、戦闘に

なっても攻撃が届くような武装を

持つだろう?

 

そもそも彼は特別な訓練を受けてない

素人だったはず。それが何故ナイフだけ

特別製なんだ?普通ソロの冒険者は

汎用性の高い剣とかも持つだろう?

 

武装のランクがちぐはぐ過ぎる。

 

冒険者としての知識や覚悟もなく、

一度命に関わる事故にあったにも関わらず

二度目の事故を警戒していない?

 

普通はトラウマになってダンジョンに

潜れなくなるほどの案件だろう?

対策も何も取らずにダンジョンに潜れる

モノか?・・・普通は無理だ。

 

アイズとの鍛錬の時にもアドバイスの

一つも貰わなかったのもおかしい。

 

いやまぁアイズにアドバイスが出来る

とは思えないが、ガレスやリヴェリア

だって居たんだぞ。

 

馬鹿にされた僕たちにそんな話題を

降るのは難しいと言うなら、そもそも

弟子入り自体あの出来事が切っ掛けだ。

 

普通なら接触すらしないだろう?

 

それでも接触するということは、ある

程度彼の中では決着が着いている。

 

ならミノタウロス対策をしないのは

おかしい。

 

ティオネが言うように、彼は明らかに

成長促進系のスキルの保持者だろう。

 

さらにヒューマンにも関わらず魔法も

覚えていて、ヘファイストスのロゴ入の

特別な武装もある。

その上で高レベル冒険者のアイズに

修行を付けてもらう?

 

どんな駆け出しの冒険者だ。

 

もしかして特別扱いされて自惚れた?

そういう感じには見えなかったが・・・

 

それに先日の襲撃も、僕たちの意図の

確認もあっただろうけど、彼らの

戦力調査もあったんだろうね。

その上でミノタウロス程度なら大丈夫と

判断した結果の試練の筈だ。

 

普通、此処までお膳立てされて

ミノタウロスに勝てないものか?

 

何者かに勝てないように誘導

されたんじゃないか?

 

誘導したのは・・・エマ少女か。

 

「普通ならありえませんが、何者かに

ミノタウロスのことを意識させない

ようにされれば、そういうことも

あるのかも知れません。

怖い思いをした冒険者がそれを記憶

から消そうとするのも決して珍しい

ことではありませんから」

 

そうだな。普通ならトラウマとして

心に傷を持ち続けるか、何も無かった

かのように忘れてしまうかのどちらかだ。

 

「だが・・・一ヶ月程度だぞ?アイズ

との鍛錬が終わった後もダンジョンに

潜っていたと言うじゃないか」

 

ギルドだって他の冒険者に対して、

一か月前に5階までミノタウロスが来た

ということで警戒を呼びかけてる。

 

それは僕たちが倒したけど、生き残りが

居ないとは限らないし、再度同じことが

起こる可能性もあるんだからな。

 

それらの警戒、警告を完全に無視

なんか出来るのか?

 

「えぇ、不自然過ぎます。調子に乗った

だけではなく、思考誘導された挙句に

ナニカサレタ可能性もあります」

 

「ナニカ?・・・そうかヘルメス

ファミリアにはっ!」

 

「アスフィがいますからね。

差し入れの食事や飲み物に

一服盛ることは難しいことでは

ありません」

 

・・・有り得る。

エマ少女が何を知ってるかは

別としても、ベル少年がフレイヤの

お気に入りだと言うなら、彼を操れば

フレイヤと僕たちの間に溝を作ること

も可能だ。

 

実際アイズは彼に感情移入し始めている。

 

しかし自分のお気に入りに手を出されて

あのフレイヤが大人しくしているモノ

なのか?

 

もしくはフレイヤはヘルメスの狙いに

気付いて、あえて僕たちとの戦闘を

避けてるのか?

 

それなら試練の邪魔をするために

先行したアイズやべートが無事な

のも繋がるな。

 

「エマ少女か、普通ならアイズや

ベートに警戒させるんだが」

 

「あの二人に腹芸は出来ませんから、

すぐにバレてしまいます。

そうなればヘルメス達は彼女を

切り捨てて無関係を装うのでは?」

 

「・・・だろうね」

 

オッタルが居たことをどのタイミングで

知ったかだけでも聞き出せれば良いの

だけど、リヴェリアは聞き出せるか?

 

アイズに気を取られてエマ少女の

言った言葉を聞いてない可能性も

あるけど・・・いや勝手に過小評価

するのはダメだな。そのへんは合流

したら聞いてみよう。

 

「あとは演劇を見ていた僕たちに

対する警告か・・・」

 

最終的にアレが全部持っていったよ。

『演劇なんか知らねぇ!』と

言わんばかりの一撃?だった。

 

「筆頭様だとしたら、煩いから

もしくは先生のお見送りの邪魔だと

判断された可能性もあります」

 

「あぁ、彼もダンジョンに潜ってた

からね、その帰還に付き合ってた

可能性もあるのか」

 

想像が難しいけど、リヴェリアの

周囲に居るエルフ連中みたいな

感じかな?

アレがレベル7相当でちょっと、

いや、かなり過激になってると思えば

・・・もうダメだな。

 

「その場合、とりあえす彼に苦情?

を言うべきかな?」

 

苦情と言っても、実際は

ダンジョンで煩くしてたら

怒られたって感じだからね。

誰が悪いかと言われると微妙に

なるんだけどさ。

 

「苦情と言いましても、実際被害は

被ってませんし証拠もありません。

あえて言えばジャガーノートくらい

ですが、筆頭様の折檻がアレで済む

ならむしろ感謝した方が良いです・・・」

 

「そ、そうか」

 

実際僕たちに被害は無かったからね。

もし怒るとしたら試練を潰された

フレイヤファミリアになるのか?

いや、別にダンジョンはアイツ等の

モノじゃないから、文句を言う筋合い

でもないよな。

 

あくまで殺ったのはダンジョンの

壁とミノタウロスだけだし。

 

・・・もしかしてそこまで計算した

上であの攻撃を加えてきたのか?

 

文武に秀でた英雄にして王様って

話だけど、敵に回したらかなり厄介な

相手みたいだね。

 

第一、まずは一度会って話をしてみない

ことにはどんな人物かも分からないし、

対策の立てようがない。

 

今後の課題だな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『なるほど・・・それで一度退いたのね?』

 

「「はっ!」」

 

まさか筆頭さんとやらが神の力を

斬り裂くほどの使い手だったなんて。

 

しかも不意打ち・・・ではないわね、

ちゃんとアレンに警告を与えた上で

攻撃をしてくるという事は、

私に対して無条件に敵対行動を

取ったわけではないということ。

つまり、何かしらの理由があったと

考えるべきよね?

 

それなら私の許可なく敵対は

出来ないというのもわかるわ。

 

『それで、アレンは彼女の意図は

なんだと思うの?』

 

まずは彼女を知るアレンの意見よね。

 

「はっ!おそらくダンジョンで騒ぐな。

喧しい。師の帰還の邪魔をするな。の

いずれかかと思われます」

 

あぁ、そういえば少し前に彼も

帰還してたわね。

その際に彼女らしき存在は

居なかったから、また深層に

修行に戻ったか・・・

いえ、それとも深層に居る知性ある

魔物の保護を彼に命じられてる?

 

そう考えれば長期に渡って深層から

出てこないのも分かる。

 

もしかしたらその作業の邪魔に

なったから彼らを追い出した?

 

・・・単純に試練の邪魔をした

だけならこちらも報復を考えるけど、

一応試練の目的は果たしたのよね。

 

それに何より、私が知性ある魔物に興味がある。

 

ふむ。今回の件は、一度彼に連絡して

魔物のお弟子さんの紹介をしてもらう

くらいで勘弁してあげても良いかしら。

 

『とりあえず一度、彼に手紙を出すわ。

その返事が来るまでこの件は保留ね』

 

「はっ!」

 

そっちは後でアレンかソフィア

に連絡させれば良いわ。

 

彼とて試練のことは知ってたんだし、

弟子が邪魔したとなれば何か補填は

するでしょう。

 

・・・オッタルに腕相撲で負けた

腹いせとかじゃないでしょうね?

 

 

ま、まぁいいわ。問題は次よ。

 

『それでオッタル。エマとか言う

ソフィアの妹についてだけど?』

 

コレが問題よ。オッタルの存在に

気付いていた事といい、試練の内容を

知っていた事といい、それなのに

対策を講じていないなんて不自然過ぎる。

 

「はっ!最初はロキファミリアと

私を戦わせることで、抗争状態を

作ろうとしていたのかと思いましたが、

アレはそこまで考えているようでは

ありませんでした」

 

『・・・つまりアレに取り憑いている

存在は試練を利用してアノ子を育て

ようとしてるだけ。

ヘルメス達は私たちを戦わせようと

しているけど、そもそもこの二つは

別ということかしら?』

 

そう考えれば最低限の説明は出来るか。

 

「ハッ!おそらくはその通りかと!」

 

あの小娘に取り憑いている存在が、

ヘルメスとは無関係と考えれば・・・

 

アレは小娘に対して啓示のような

形で夢か何かを見せてるのかしら?

 

予知夢のような形で未来を視る巫女の

ような存在は下界にも居るし、

ヘルメスの恩恵を受けたときにソレに

近い存在と融合したか、スキルか魔法で

依代になった可能性もある?

 

それならミノタウロスの存在を

知ってても対処はしていない。

本物を見て本気で怯える。

オッタルやロキファミリアの

存在も知っていたことも一応

納得は出来るわね。

 

だけど、ならばアノ子を育てようとして

いるのは何故?という話になるわ。

 

考えられるとすれば自分が依代と

している小娘を守らせる為かしら?

 

うーん。身近な少女を守る為に

強くなるというのは確かにアノ子の

モチベーションにはなる。

彼を彩る物語にもなるでしょう。

 

だけど・・・ソレを操るヘルメスの

介入が邪魔になるわよね。

 

変な色が着く前に殺す方が良いかしら?

 

それとも今のままアノ子の側に置いて

情操教育の一環とするべき?

 

ヘルメスが自分の物語の主人公に

する為に試練に便乗しようとして

差し向けて来た存在と言うだけ

ならそれで終わりだったけどねぇ。

 

そもそも、ヘルメスは小娘とソレに

憑いてる存在を知ってるのかしら?

 

場合によってはヘルメスの策を

根底から破壊する存在にもなる。

 

そう言った存在を許容できないのが

連中の特徴だから、おそらくは

知らないわよね?

 

よし、殺すのはいつでも出来るわ。

 

今は生かして利用する方向で調整

しましょう。

 

知恵者気取りの阿呆どもが策に

溺れて溺死する有様を見て

楽しむのも一興。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルメス、その爆弾は処理を誤れば

全て台無しよ?せいぜい用心しなさいな。




主人公くん、歓迎される

勇者、怪しむ

色白女神、考えた の三本

いや、将来子供にその地位を奪われる
って言われて子供飲み込んだり
殺す連中ですからね。
普通に禅譲するとかそう言う発想
無いのかよ?

態々伝える預言者も預言者だけど
預言した奴は大体殺されてるし。

何がしたいのやら・・・ってお話
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