個性“空気圧縮”を使う、ジグマール隊長のような緑谷出久です。
性格は昔からジグマール隊長だったので爆豪にも一目置かれる存在です。
体育祭最終種目2戦目。
個性“空気圧縮”を使い、空気を打ち出すことで心操に勝利した緑谷出久。
対するは個性“半冷半燃”を持ちながらも氷結のみで瀬呂を降し勝ち上がった轟焦凍。
その二人の戦いの幕が切って落とされようとしていた。
「…もう一度聞く。君は左の力を使わず、右の個性のみで私と戦うわけだな?」
「…………」
「…なめられた物だ。良かろう…だが!そちらが本気を出さないのであろうとも!こちらが全力を出さない理由にはならない!!」
出久の叫び声と共にフィールドが削られ、出久の周囲と正面に虹色の光源が現れる。
「ちょ、ちょっと緑谷君!まだ試合開始の合図は…て言うか何コレ!?」
「相手への攻撃ではなく準備するための物は問題ないと聞いている!」
「準備って……えぇっ!!?」
審判であるミッドナイト、そして観客も驚愕の声を上げる。
それはそうだ。
出久は入学試験から今まで圧縮という個性を発動する時は他の人達と同じように素手で行っていた。
だから驚愕するのも無理はない。
虹色光源が晴れたその場所に…
武装された出久と、その前方に佇む隻腕のロボットが現れたのだから。
「えっ、ちょ…緑谷君!?」
『な、なんだぁありゃぁ!!!』
『ここで使うか……緑谷』
『おいイレイザー!何か知ってるのか!?ちょっと説明!!』
『……個性同士が混ざり合い変質していく中、“個性特異点”と呼ばれるもう1つの可能性……最近ヒーロー協会が発表したアレだ』
『アレ……って!まさか緑谷が…!?』
『周囲の物質を分解、そして再構築して現す個性』
『Alteration…通称“アルター”、それが緑谷の個性だ』
本人からは著しく体力を消耗するのと個性の特質上悪目立ちするため、自分の命に危機が迫らない限り発動しないと相澤は聞いていた。
だが今、それを覚悟した上でアルターを発動させた出久を相澤は目を細めて様子を見る。
「…初めて見せることになるかな。空気圧縮の個性をアルター化させた物、名は“アルター・エイリアス”。ヒーロー協会から与えられた名前だ」
轟の顔から冷や汗が流れる。
試合前で突然変貌した出久と、目前に現れた隻腕のロボット。
出久の空気圧縮ですら脅威と感じているのに、ロボットの性能がどういう物か…轟に推し量る術がなかった。
「さあ、侵攻と攻撃を開始しよう。自覚と覚悟はいいかね?轟焦凍」
「…一位になるならどの道お前を倒さなきゃならねんだ。…そうだ、誰であろうとやることは同じだ」
「んんっ…気を取り直して。レディファィト!!」
ミッドナイトが咳払いをし開始の合図を出す。
先手必勝。
出久が攻めて来る前に氷結で一回戦同様会場半分を凍らす轟。
「攻撃される前に封殺する、考えはいい」
「ッ!?」
凍らせたはずの出久の声に目を向け警戒する。
「まさか、周囲の空気を圧縮して放出を…そんな芸当…」
「できるからやっている。私に物理的攻撃は無意味ということを伝えておこう…エイリアス!!」
「!!」
出久と共に凍らせたはずの隻腕のロボットが目前に現れた事に驚愕しながらも、氷結で牽制しつつ後方へ下がり距離を取ろうとする。
そう、下がろうとした。
だが轟は何かに吸い寄せられるような力を感じ、急いで足と地面を氷結で繋ぎ止めた。
「これは…」
「ほぅ…エイリアスの吸引、自らの足を凍らせて回避したか」
「だが…!」
エイリアスが接近し、轟に隻腕の一撃を喰らわせる。
足を凍らせていた轟にこれを回避する術はなく、なんとか腕で防御するももろに攻撃を受けてしまう。
「グゥッ…!」
吹っ飛びながらも轟は受け身を取り体勢を立て直す。
「さあ、使いたまえ!左の力を!!」
「……うるせえよ」
「…いざという時にも力をセーブしようとする、中途半端に明日を夢見る。それが敗北を招くのだ、轟焦凍!!」
氷結のみで倒すと決めている轟。
だがエイリアスの猛攻に対して防戦一方となるのだった。
僕のヒーローアカデミア(若本規夫)