小野寺さんの楽への恋路絶対完成させるマン(旧題 ハツコイ) 作:ゾード
最初の彼への印象は、どうしてほかの男の子のように、お外で遊ばないんだろうって思った。
優しそうで、どちらかというと、落ち着いた雰囲気に他の子もどう接すればいいか、わかんなかったようだ。
彼は、わたしと同じようにひとりで椅子に座って。暇そうに本を読み漁り、ぼーっと何かを考えては、校庭を見てほんの少しだけ悔しそうにしていた。
たまに勉強のあいまに周りを観察してると、そんなことがだいたいわかった(ディケイド )
最初は全く話しかける気もなかったから、生まれた疑問に蓋をして、この先もずっと関わることはないと思ってた。
ある日、いつものようにおかーさんとおとーさんに褒めてもらう為に少しづつ進めていた、
家にあった難しい本を解いていると、
彼が突然話しかけてきて、びっくりしたので、あまりちゃんと話せなかったら、
彼が私が難しくて何回も解いて答えを覚えたページを指して、先に解いた方が勝ちっていうしょーぶをしようと言ってきた。
私は答えを知っていたので、慣れもあってポンと答えを出したら、彼はすごく驚いて、にしゅうめ?や、てんさいか?って小さな声で呟いていたけど、
わたしはよくわからなかったので、くびをかしげた。
次の日、また彼が話しかけて来た、勉強以外は何してんの?とかどうしてそんなに勉強してるの?って聞かれたから、おかーさんたちの話をしたら、へんな顔をされた、すっごく驚いた顔だった。
そこから、彼は、相智くんはわたしを学校のいろんな知らない場所に連れて行ってくれた、ただ、私が早く次に行きたいと少し走ったら、すっごく息苦しそうにしながらついてきてくれた。
また次の日には、一緒に折り紙をしてくれた、いままでおかーさんとしかしなかったから、とっても楽しかった。
他の子もしたそうにしてたから、一緒にやろって言ったら、仲良くなれた。ぜんぶ相智くんのおかげだった。
ただ、相智君だけ鶴を折ったのに、ホウオウみたいなのができたのはすごかった!
一緒に遊んで1ヶ月くらい経って、初めて相智君が休みの日に遊びに誘ってくれた。
なんだろうと思って行くと、テストをやろうって、りべんじだって言って一緒に勉強をした。
彼が私の紙を最後にまる付けして、すごく落ち込んだ顔でおつかれぇと言ったのでわたしはまたねっ!って言った。
《?月??日》
彼のおかーさんと私のおかーさんが友達だったみたいで、とある山にある建物で一週間を過ごした、彼は小さな子たちの起こす面倒を引き受け、わたしは、体が弱い子が一人にならないように、ずっと一緒にいた。
楽ちゃん、千棘ちゃん、小咲ちゃん、つぐみちゃん、そしてまりかちゃん。
みんな仲良く過ごせて、とても楽しかった。
最後に思い出を残そうって、錠と鍵のお話のような鍵を作ろうって話になったけど、相智君が、みんなの思い出だからって。
特別な思い出を楽ちゃんの錠に入れて、閉めた。
相智君には、多分みんな忘れちゃうけど、みんな揃うまで内緒って約束をした。
相智君とは、離れ離れになっても、いつか、また会えるって思えたから、なぜか嬉しかった。
彼と遊ぶ日々はとても楽しくて、でも、先生に飛び級を勧められた。
偶然彼がいない時に先生に問題集を見られて、飛び級しましょうって言われた。
多分彼もするだろう、と思って、あまり考えずに、はいって言った。
新学期に、飛び級したことを伝えた、彼は知らなかったようでびっくりしていた。来年は一緒だと思って、、クラスが別々になったぐらいだろうと思って、彼も来年はすると言ってたし、大丈夫、そう、大丈夫。
新学期の挨拶をして、先生からわたしが紹介された。
「羽さんは学力が素晴らしく、我が校では過去に何人かの飛び級生徒が居て、彼らと同じように、みんなと年は違いますが、同じ勉強ができるので、今年の1年間、みんなと一緒に勉強します。
みんな?なかよくしてあげてくださいね。」
なぜかクラスのみんなの反応が薄かった。
本当にずっとずっと後から考えれば当然だった。
自分より年下が自分たちと同じ、またはそれ以上の勉強ができるから、学年を飛ばしてくるなど、前代未聞、幼くても彼らは、私のことを他とは違う、異質な子として扱った。
もう5年生だし、友達やグループはほぼ固まっていてわたしは1人になった。
彼に会う時に相談しようか迷ったけど、彼に甘えてばかりじゃダメだよねって思って、我慢した。
同級生のわたしによく嫌がらせのようなちょっかいをかけてくる男子に校舎裏でいじめられそうになった時、彼が鬼のような形相とプレッシャーで彼らを追い払ってくれた時は、思わず泣いて彼に抱きついてしまった。
後から考えるとすごく恥ずかしい..........///
来年が楽しみ、卒業の遠足、彼と行きたいな。
海外でおとーさんとおかーさんが難しい病気にかかったらしい。
中国の叉焼会の関係で、もしおとーさんたちが倒れたら、わたしが小さい頃からお世話になったみんなをまとめなきゃいけないらしい。
じゃなきゃみんなが困るらしい。
わたしは早く大人になってみんなを助けることに決めた。
でも相智くんやみんなとの別れが怖くて、誰にも言えなかった。
12月のクリスマス、彼と出かけると、彼はなんでこんなに人がいるんだ?クリスマスって家で家族みんなで祝うイベントだろっ?なんてこの時期のことをあまり知らないような口ぶりで、わたしは冗談だと思った。
そんな空気だからか、わたしは彼に中国に引っ越して大学に通うことを伝えれた。
彼は初めてあった日のようにびっくりしていて、少し悲しくて、笑いながら泣いてしまった。
彼はわたしの説明を茫然としながら聞き、わたしの最後の別れの言葉にも、生返事で返すなど、どこまでも彼らしい最後でわたしを見送ってくれた。
んなわけねーべ