東方新記伝 : リメイク版   作:黒鉄球

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テスト期間から風邪をひき、治ったと思ったら合宿が始まり、終わったと思ったらまた風邪をひいた黒鉄球です。

はぁ、沖田さん宝具3で止まっちゃった、


第十四話 宴会〜紅魔館〜

 

 

 

不快極まりなかった。何がと問われれば迷わず答えられるくらい不快な思いをした。宴の席だからと思っていたけれど限界だった。一体何度手を出せば良いのか。一体何度言えばわかるのか。本当に、不愉快だ。

 

「それでそれで僕とお友達から始めてそのままゴールインしてくださぎゃあああああああああ!!!!」

 

本当に何度目よ。同じセリフを吐いた烏天狗(・・・)を殴り飛ばしたのは。

 

 

 

 

 

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アリスとの会話を一頻り楽しんだ俺は彼女たちと別れて紅魔館の面々がいる方向へと足を運んでいた。度々妖力が膨れ上がっていたからさっきからとても気になっていた。酒の席ゆえに誰かが酔って喧嘩でもしてるのかと思ったが何やら感じ取ったことのある妖気だったからまさかと目を逸らしながらもアリスと話をしたり文の質問責めに答えていた。ちょうど手持ち無沙汰になったし事実を確かめに行こうとしているところだ。だが足取りは少しだけ重い。何故ならさっきから俺の向かっている方向から男の叫び声が聞こえてくるからだ。「ぎゃあああ!」だの「のぶぁぁぁぁぁぁ!」だのそれはもう次から次へと。

 

「なーにやってんだか。まぁあたりはつけてるんだけどさ」

 

多分レミリアが酒に酔って片っ端からボコボコにしているのだろうと勝手に決めつけている。フランが俺から離れてすぐに酔うわけないし咲夜はこういうのはちゃんとしている。美鈴は多分咲夜が見てるから羽目を外さないだろう。パチュリーとこあは多分嗜む程度にしか飲まないだろう。とするとレミリアしか考えられないのだ。レミリアからもちろんそういうイメージは湧かないが感じる妖力はレミリアのそれに限りなく近い。とするとそれはもうあたりと言ってもいいだろう。紅魔館の面々でレミリア(酔っ払い)を止められるのは多分パチュリーかフランくらいだろうが多分何もしてない。と言うことは俺しか止められないかもしれない。そしてその考えは改めなければならないかもしれない。

 

「ありがとうございまああああああす!!」

 

「あっぶな!?」

 

俺めがけて人が飛んできた。咄嗟に横に避けた。危うく男とぶつかって二人が被さって誰得状態になるところだった。よく見れば黒い羽が生えていたから烏天狗だろう。いくら吸血鬼だからといって幼女が大の大人をぶっ飛ばすとか近づきたくなくなる。マジで怖いが、さっき烏天狗は「ありがとうございます」とお礼を言っていたが……。

不意に目線を前に戻すとそこには肩で息をしているレミリアと顔の引きつった咲夜がいた。フランは笑っていてその他3名は我関せずと3人で飲んでいた。

 

「………これなんて言う状況だ?」

 

思わず声が出てしまうくらい、意味がわからない状況だった。

 

 

 

 

 

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「成る程。つまり酒の席なのをいい事に咲夜に言い寄ってくる烏天狗たちを片っ端からぶっ飛ばした、と」

 

「そうなのよ!縄張り意識が高いから変なアプローチはないと思ってたのに咲夜にやれ文通だのけ、けけ、結婚だの!万死に値するわ!」

 

レミリアは大変ご立腹だった。それもそうだろう。烏天狗もそうだが吸血鬼たるレミリアと縄張り意識というか仲間意識が強い。自分の従者を家族同然に扱っているレミリアにとっては不快でしかないだろう。私に勝てる男じゃなきゃ認めないわ!とか言い出してもおかしくない。

 

「お、お嬢様。私は別にどうということも……」

 

「咲夜は黙ってて!あんな下心丸見えの男共にして渡してやる程咲夜は安くないわ!あー!また腹立ってきた!一層の事滅ぼしてしまおうかしら!」

 

頭に血が上りすぎてて心配になってきた。流石に烏天狗対吸血鬼の全面戦争は見たくない。多分弾幕勝負とかそんなレベルでなくレミリアの一方的な虐殺になるだろう。そんな未来が本当に見えそうだから笑えない話である。

 

「落ち着けレミリア。弾幕勝負ならともかく殺し合いとなったら紫が黙ってねぇ。むしろお前が殺されるかもしれないぞ」

 

レミリアはうっ、と少し詰まった声を出した。それもそうだろう。『幻想郷の賢者』と名高い八雲紫は恐らくこの世界において最強の位置に君臨する存在だ。至高の吸血鬼の末裔のレミリアといえど一筋縄じゃいかない。

 

「くっ、ここに来て幻想郷のルールが邪魔するのね。……ってちょっと待った。弾幕勝負ならいいのよね?」

 

「え、あぁ、まぁ、そうだが……」

 

咄嗟のことで反応が少し遅れてしまった。少し考えれば分かることだが、俺は言葉を言い終わった時に気付いてしまった。レミリアは弾幕ごっこでボコボコにする気だ(・・・・・・・・・)と。

 

「おい待て、レミリア」

 

「それじゃあここは任せたわ!」

 

レミリアは俺の言葉を聞かずに勢いよく飛び出して行った。フランと咲夜が小さな悲鳴をあげ、レミリアのいたところからは土埃が立った。あぁ、やっちまったかもしれない。すまん、名も知らぬ鴉天狗の諸君。アーメン。

 

「おらぁぁぁぁぁ!!!顔は覚えとるんじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「「「え、ちょ、まっ、ぎゃああああああああぁ!!!!!」」」

 

「ちょっ!?レミリア!アンタ社の前で何暴れてんのよ!ってきゃああああ!!私のお酒がっ!?」

 

遠くで聞き覚えのある怒号と野太い叫び声と霊夢(よっぱらい)の悲痛な叫び声が聞こえた気がしたが俺はサッと目を逸らして目の前の酒に逃げることにした。咲夜がお酌をしてくれたあたりこいつも現実逃避しようとしているのだとわかった。

 

「ね?だから関わらない方がいいって言ったでしょ?」

 

「ありがとうございますパチュリー様!」

 

………ほんと、関わらない方が良い。

 

 

 

 




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