明石「此処が武器倉庫なんですけど、ちょっと手が足りてなくて……」
>武器倉庫と言われた、文字通り倉庫な建物の中にいるわけだが……
吹雪「兵装のチェックを頼まれたので、これでもお手入れはしたんですけど……」
夕立「散らかり放題っぽい」
鳴上「だな……」
>まず、思った以上に物が多い。収納スペースが機能せず、床に転がっている兵装もある
他にも、錨やらの鎖は絡まって個別に取り出せそうにないし、足の踏み場を探す方が大変かもしれない
鳴上「手が足りてないだけで、ここまで酷くはならないのでは……」
明石「め、面目ない……」タハハ
明石「で、でもでも! 一応私が分かるようには並べてあるんですよ?」
吹雪「私達が把握できないと意味ないですよぉ」
明石「……ですよね」
>ですよねー
>とりあえず分かったのは、片付けから入らないと作業自体が困難だという事だ
ならば……
鳴上「片付けと整理からやろうか」
夕立「えー……」
吹雪「この量を今からですか……」
>すごく嫌そうな顔をしている……
しかし、こればかりは放置していても始まらない
>ここはビシッと決めなくては……
鳴上「放っておいても、何も解決しないだろ?」
鳴上「今やっておけば、今後大変な思いをしなくて済むし、な?」
夕立「……でも提督さんも面倒くさそうな顔してたっぽい」ジトー
鳴上「え、いや」
吹雪「してましたね」ジトー
鳴上「……」
>面倒くさがってもいいじゃないか、にんげんだもの……
夕立「それにぃー……、今から点検までやるなら、出撃出来ないっぽい……」
>今から点検作業まで漕ぎ付く場合、出撃中に日が暮れるのは目に見えている
今回の出撃では練度の問題もあり、夜間の捜索は行わない方針だった
>というか既に、今日の出撃自体が難しいのだが……
鳴上「とりあえず、大淀からの連絡があるまで足の踏み場くらいは作っておかないか?」
吹雪「……まぁ、仕方ないですよね」
夕立「ぽい~……」
>渋々だが、何とか了承は得られたようだ……
鳴上「明石は……」
明石「あ、はい……。勿論手伝わせていただきます……」
明石「一応なんですけど、私、片付けが出来ないとか、そんなんじゃないですから……」
>凄くメンタルに響いていたようだ……
―――
>片付けを始めてから幾ばくかの時間が経った
途中で間宮が差し入れを持ってきてくれたおかげで、士気も十分である
>そして本来なら、この作業は次の日まで持ち越しだろうと考えていたが、思わぬ助っ人が現れた
工廠妖精s「これはどこにおきます?」
吹雪「それは夕立ちゃんが今一纏めに仕舞ってるので、持ってってあげてください」
工廠妖精s「がってんしょうちのすけ」フヨフヨ
>妖精さんって、なんなんだろう……
>自身の体よりも大きいものを、何人も集まって運搬している
>運搬の際は浮いているお陰で、足場を気にしなくていい
その為、自分が運ぶより効率よく行動してくれている
工廠妖精s「ていとくのあにき」
鳴上「……ん? どうしたんだ?」
工廠妖精s「……おこってない?」
鳴上「……?」
>今朝の事だろうか……?
鳴上「怒ってないよ、今日も有難うな」ナデナデ
工廠妖精s「わあぁー」ゴロゴロ
>アーゴクラクー、モットナデナデシテーと喜んでくれたのは良いが、他の妖精さん達も集まりだしてしまった……
工廠妖精s「ろうどうにはたいかがひつよう」
工廠妖精s「ただではころばぬさきのつえ」
工廠妖精s「つまりなでなでしてー」
>どういうことだ……
それにしても数が多い、一体どこに隠れていたのだろうか
明石「ほらほら、片付けが終わらないと提督さんも困っちゃいますよー」
工廠妖精s「それはこまりんこ」
工廠妖精s「ふぁー……ぶるすこ……ふぁー……」
>わあぁー、と皆片付けに戻っていった
明石「妖精さんがここまで懐いているのは初めて見ました。何かコツでもあるんですか?」
鳴上「いや、特には……」
>寧ろ懐かれている理由をこっちが知りたいくらいだ
提督は皆妖精さんに好かれるとか……?
明石「提督という役職で、妖精さんが気を許すわけではないですよ。……多分」
明石「少なくとも、鳴上提督には特別懐いてると思います」
鳴上「そうなのか?」
明石「妖精さんを撫でられた方は、あまりいないと思いますよ?」
鳴上「そうなのか……」フーム
明石「っとと、あんまり話してると今日中に終わりませんね」
鳴上「確かに、……あと少しだ、頑張ろう!」
>点検作業が終わるまで、残り数時間……
>夕立がずっと口を尖らせていた以外は、順調に作業は進んだ……
夕立「っぽーい!」ポーイ
明石「危ないから投げないで!」アセアセ
>順調? に進んだ……
―――
大淀「……」(唖然)
長門「……」(目が点)
>……
妖精s「われわれおやくだちです?」ピッタリ
妖精s「あしたもおやくだちします?」ベッタリ
妖精s「なでなですればもっとおやくだちですが?」ガッチリ
>どうにかしてくれ……
大淀「え、えーっと、妖精さん達? 提督さんが困ってるので……」
妖精s「ぶー」
妖精s「ぶーぶー」
長門「ここまで妖精さんに好かれた提督も居ないだろうな……」
大淀「懐かれてますね、提督」
>見てないで助けて……
>執務室まで移動することが、ここまで困難になるとは……
妖精さんに体中に引っ付かれて、動きづらい……
間宮「大淀さん、妖精さんの姿が見えないんです……が……」
間宮「だ、大丈夫ですか!? 提督さん!?」
>……
>……!
>……、……!
鳴上「た、助かった……」
長門「何故あそこまで妖精さんを引き連れていたんだ? 大変だっただろうに……」
鳴上「こっちが知りたい……」
大淀「あまり提督さんを困らせては駄目です。分かりましたか?」
>ぶー、と妖精さん達は膨れている
妖精s「われわれがんばりました」
妖精s「なでなでをしょもう」
妖精s「なでぽもじさない」
大淀「どこでそんな言葉を……」
>妖精さん達のお陰で色々助かったのは事実だ
改めてお礼はしなければと思うが……
間宮「……お礼を考えてるなら、お菓子がいいですよ」コソ
鳴上「お菓子?」
間宮「妖精さんでも食べられる小さめの……」
鳴上「……金平糖とか?」
間宮「はい、今度お持ちしますので、配るのを手伝って頂けませんか?」
>そういうことなら、勿論協力します
>妖精さん達にもその事を伝えると、上機嫌で帰っていった……
―――
鳴上「今日は大変だったな……」
大淀「作戦の立案から倉庫整理まで、本当にお疲れさまでした」
>仕事ですので……
大淀「本来なら倉庫整理は私達で行うものだったんです……、申し訳ありませんでした……」
鳴上「妖精さんも手伝ってくれたから、大丈夫」
>……で、だ
恐らく此方が落ち着くまで待っていてくれたであろう、長門の方へ視線を送る
長門「うむ、……事情は大淀と間宮から聞いた」
長門「まずは非礼を詫びよう。……すまなかった」
長門「提督の資質を持った人物は、慢性的に不足しているのは知っていた」
長門「此方への人材を割けないという中で、貴方が此処へやってきた事でこの鎮守府が陥落しなかった」
長門「……そう考えられる程、今回の襲撃は非常に危険なものだった」
長門「吹雪共々、この鎮守府を守ってくれた事、次も守ると意志を固めてくれた事、……感謝している」
>……どうやら懸念していた蟠りは、大淀が上手く取り持ってくれたようだ
ここまで感謝されるとは思っても見なかったが……
長門「だが同時に別の疑問がある。貴方の、提督のいう『シャドウ』と『ペルソナ』について知りたい」
長門「その、私にもペルソナを見せては貰えないだろうか?」
鳴上「勿論」
>心を研ぎ澄ませ、自身の力の顕現をイメージする……
>だが……
鳴上「……?」
長門「……どうした提督? 心の準備ならとっくに出来ているが」
>で、出ない……!?
>ペルソナが……、使えない……!?
大淀「あの力が使えないんですか?」
長門「……どういうことだ大淀」
大淀「私は嘘は伝えていません! 現にシャドウとの交戦記録は、各鎮守府に伝達されているじゃないですか……」
長門「新型の深海棲艦だという連絡だったな、……となると」
長門「うーむ、……疲労が原因か?」
>確かに疲れはしているが、それが原因なのだろうか……
鳴上「……分からない」
長門「記憶が無い、というのも厄介だな……」
長門「……問い詰めたようで悪かった。今日はゆっくりと休んで欲しい」
長門「ああそれと、次の捜索任務なんだが……」
>そう、未だ問題は残したままである
捜索任務を始めることが出来ず、「出撃したかったぁ~」と夕立が残念そうにしていた事を思い出す
長門「今回、というより当分になるかもしれないが、この長門を運用する事は難しいそうだ」
鳴上「そうなのか……」
大淀「資源を確認しましたけど、戦艦を恒常的に運用するとなると、資源が枯渇して鎮守府が機能しなくなりそうなんです……」
>やはり資源の問題が出てきた
提督不行き届きで申し訳なく思う……
大淀「ですが、今日の建造任務の内容を大本営に送っておきました」
大淀「長門型戦艦の建造成功には彼方も驚いていたようで、援助も申し分なく受け取れそうです」
鳴上「それは良かった」
>ただではころばぬさきのつえ……
>いやいや、妖精さんが移ってしまった……
援助が受けられるなら、今後の行動もしやすくなるだろう
大淀「なので、私達からの立案として、提督に意見具申があります。それは……」
今更ですが、妖精さんのイメージは某人類が衰退したアレです
完全に寄せてるわけではないので、あくまでイメージ程度
何処からともなく現れ、鎮守府に住まう人々に手助けします
今回で書き溜めを使い切りました。
構想は練れてるので、後は文章に変えるだけなんですが……
なので、毎日投稿が途切れたり途切れなかったりすると思います。