電「んぅ……」スースー
龍田「……寝ちゃいましたねぇ」
東堂「此処の所、あまり眠れてなかったみたいだからな。緊張の糸が解けたんだろう」
東堂「悪いが寝かせてやってくれ、確かその辺に毛布が……」
龍田「はいはい毛布ですね~」ガサゴソ
東堂「はい は一回だ」
龍田「はぁい……」
龍田「……でもそれを言うなら提督もですよ~、天龍ちゃん達は大丈夫って言っても、ちぃっとも聞いてくれないんだからぁ」
東堂「お前がなんでそう言い切れるのか、俺には全く分からんな」
龍田「ん~? 勘、かしらぁ……?」
東堂「……そりゃ分からんはずだ」
東堂「まぁ、霧が出る前に見つかったのは僥倖だ。最悪霧が出ようが捜索する羽目になった」
龍田「捜索は中止しないんだ~? こんなに提督に思われて……、二人は幸せ者ね~」クスクス
東堂「やかましい、貴重な戦力を失う訳にはいかんからな」
龍田「そうでしたね~」クスクス
東堂「しかし、八十神鎮守府に拾われるとはなぁ……」(項垂れ)
龍田「最近になって稼働したらしいですねぇ」
東堂「最近どころか、受け入れ態勢が出来てからまだひと月も経ってない」
東堂「それにあの鳴上とかいう提督、名前すら聞いたことがねぇ」
龍田「ふ~ん…… 通信では問題なさそうに聞こえましたけど~?」
東堂「……そうだな、どうせ明日には帰ってくるんだ」
東堂「こっちに着いたら色々話を聞かにゃならんか……」
龍田「そうですね~」ジー
東堂「……」
東堂「あー分かった、俺ももう寝る、お前も電連れて早く寝ろ」
龍田「ふふ、はぁい」
東堂「……あぁそれと、明日真壁の奴がこっちに来るのは知ってるな? 準備どうだ?」
龍田「大丈夫ですよ~、だから早く寝てくださいね~?」
―――
>……霧だ
>お菓子作りの後、片付けを終えれば良い時間帯だった
取り急いでする事もなく、各々自由に行動するよう伝えた後、自分は早めに就寝した
>その為なのか、早めに起床し、現在窓からうっすらと霧がかった景色を眺めている
漠然とした、耐え難い不安感が心に刺さる……
>今日は天龍・響の二人が横須賀に帰る事になっている
迎えが来るらしいが、何時頃だろう?
>また、昨日慌ただしかった為に、鈴谷へ何の説明もしていない
時間を作ってこの鎮守府などの話をしよう
>静かな朝だ、支度をして執務室へ向かおう……
―――
大淀「……あら? 提督?」
>執務室へ着いてみれば、大淀が既に本日付で送られてきた書類を纏めてくれていた
大淀「今日は随分早いんですね?」
鳴上「そう言う大淀もな」
大淀「んー……? 確かに、気が付いたら大体この時間にはお仕事してますね……」
大淀「皆さんがまだ起きてこないこの静かな時間が、なんだか好きなんです」
>早朝独特の静けさは、確かに心地よく感じる時間だと思う
鳴上「手伝おうか?」
大淀「駄目です。これ以上提督に手伝われたら、私のお仕事が無くなりますから」キッパリ
鳴上「……そっか」
大淀「仕事しないでと言って、普通残念そうにしますか……」
>少なくとも大淀は残念にしそうだ……
大淀「むむ…… 否定できませんね……」
大淀「長門さんと私が色々お仕事の事を教えた後、効率が目に見えて上がったのは良いんですけど……」
大淀「私達の立つ瀬がないというか、ちょっと複雑です……」
鳴上「俺が出来ることは、出来るだけやろうと思って」
大淀「無理だけはしないで下さいね?」
>皆一様に無理をするなと釘を刺してくる
それほど無茶をしているように見えるのだろうか……?
>今後は程よく力を抜いて、物事に取り組む事にしよう……
―――
>今日は朝食などもしっかりと頂き、問題なく朝の仕事を進めている
天龍「……昨日に比べると手が遅いな」コソッ
響「昨日のクッキーが効いてるのかな?」コソッ
通信妖精s「ていとくさん」
>妖精さん……?
今回は何だろうか……
通信妖精s「らいほうしゃ、あらわる」
>……!
横須賀の二人の迎えだろうか
鳴上「二人とも」
響「うん、行こうか」
天龍「待ちくたびれたぜぇー!」ノビー
―――
天龍「……」
響「まさか、ね……」
漣「やーやー! 横須賀の水雷戦隊筆頭のお二人ー!」
漣「漣ちゃんがお迎えに上がりましたぞ?」
吹雪「ありがとうね漣ちゃん」
響「う、うん、ありがとう漣……」
漣「いいのいいの! 同じ特型のよしみだし? おねぇちゃんみたいなものだしー?」
響「う、うん……」タジ
>なんというか、独特な雰囲気の子だ……
天龍は固まり、響は押されている……
漣「あーっと貴方がここのていー…… んー?」
漣「んー……?」ジー
鳴上「な、何……?」
漣「いやー、若いなーって」
>そ、それだけか……
???「すいません、車を停めていたら遅れてしまって……」
漣「ご主人様遅いー」
>ご主人様!?
???「はいはいゴメンって……」
>しかもスルー……
>車でやってきたのは漣と名乗る艦娘と、車を運転していた方と、……二人だけだろうか?
???「あー悪いんですけど、此処の提督さん呼んできて貰えます?」
鳴上「はい、八十神鎮守府提督の鳴上悠です」
???「はいはい鳴上さんね、うん」
???「じゃあその鳴上さん呼んできて貰えます?」
鳴上「……えっと、俺がその鳴上です」
???「……ハイ? 冗談キツイですって……」
鳴上「冗談ではなく……」
吹雪「ホントに司令官です……」
天龍「ぷっ……」フフ
>後ろで天龍が声を抑えて笑っている……
漣「……うっそー」
???「……」
???「しっ、失礼しましたー!」
真壁「わ、私舞鶴鎮守府の真壁って言います! ま、まさかこんなに若い子が提督になってるとは……」
漣「ご主人様が初見さんを見間違うとは……」
真壁「いやいやいや! 若い子とは聞いてたけど! 私より若いと聞いてたけども!」
真壁「学生さんとは想像つかない!」
漣「まぁ確かに……」
吹雪「思いませんよね……」
吹雪「……今日来られたのはお二人だけですか?」
漣「うんうん、ご主人様と二人だけー」
鳴上「提督さんは一緒では?」
真壁「へ?」
鳴上「艦娘でも運転出来る年齢の方がいるんだな……」
漣「……お前は何を言っているんだ?」
真壁「コラ」ゲシッ
漣「あてっ!」ペシン
吹雪「し、司令官さん?」
鳴上「うん?」
吹雪「真壁さんは、その、真壁司令官です……」
>……うっそー
>だ、だって鎮守府に居る女性は艦娘じゃない方が珍しいって……
漣「面白くなって参りました……!」
天龍「煽るな煽るな……」
響「どうどう……」
真壁「か、艦娘に間違われるとは……」
鳴上「す、すいませんでした……」
真壁「い、いやいやお互いね……? 間違っちゃったし、うん……」
>女性の提督も存在するんだな……
適性が云々と言っていたが、女性でも適性があれば提督になれるという事か……
漣「でもご主人様? 最初から女性として見られたのって初めてでは?」
真壁「初めては言い過ぎだから……」
天龍「オレも最初男と間違えそうになったっけ……」
響「東堂司令官は間違えてたね」
>真壁提督は確かに中性的な顔立ちをしている
髪も伸ばしているわけでもなく、肩に掛かるかどうか位の長さだ
>どちらかと言えば背丈も高い
男性用の服装であれば、確かに見間違えたかもしれない……
吹雪「……あれ? でもなんで横須賀のお迎えに舞鶴の方が来られたんです?」
>確かに、通常であれば横須賀から迎えが来る方が自然だ
なぜ別の鎮守府である舞鶴から……?
>というか、自分の事を予め誰かから聞いていた様な口ぶりだったが……?
真壁「うーん、今回横須賀の二人を送り届ける為に来た」
真壁「……のは間違いなくそうなんだけど、別の理由が本命だったりするよね」
漣「いかにも! 今日は此処へ視察官もとい、視察艦として来ますた!」
吹雪「し、視察!?」
>視察か……
八十神鎮守府はまだ運用されて間もない鎮守府なのだが……
真壁「元帥さんから直々に連絡があってね、悪いけど色々チェックさせて貰うね?」
吹雪「こ、この事、大淀さんに伝えて来ましょうか?」
>大淀には伝えておいた方が良いハズだ
ではこの事は吹雪に任せておこう……
吹雪「はい! 任されました!」
真壁「というわけで、二人はもう少し此処に居ることになるけど……?」
天龍「視察…… 視察ねぇ……」
響「此処に来た先客として一言だけ」
真壁「うんうん、何かな?」
響「普通が通用しない」
真壁「はい?」
響「私はもうクッキーが怖くて仕方がない……」
天龍「オレは工廠だな…… あの数は二度と忘れねぇ」
漣「何言ってんだおまいら?」
投稿ペースが目に見えて落ちてますが、理由は多々あります。
執筆の時間確保を怠って全然書けてません、頭の中で構想は練れてるのに……
後これは若干関係の無い話になるんですが、執筆に使用しているソフトの話です
「Art OF Words」という某赤い弓兵の方の宝具名に若干似てる奴を使ってます
時系列とか展開とか、管理がコレ一つで出来ます
展開に名前つけたりも出来て、そこからサブタイを引っ張ったり……
ちなみに、前回のお菓子作りシーン名は「ファーストブラッド(炭)」です