良いタイトルが浮かべば、そちらに変えるかもしれません
吹雪「なんですか! なんなんですかさっきの! 説明してください!」プンプン
鳴上「い、いや、だから……」
吹雪「あんな話信じられません! ちゃんと! 説明!」
>困った……
明石! 連絡網の手伝いお願い!
はいはい~っと、にしても問題はいつも重なってくるよねぇーもう!
吹雪「……って、執務室が騒がしいですね……。吹雪です! 入ります!」コンコン
鳴上「俺も」
吹雪「……」ジトー
吹雪「……吹雪と鳴上の二名入ります!」ガチャ
間宮「お握り握ってきました。置いておきますね……あら?」
大淀「はい……はい……」
明石「今すごい忙しいから! 吹雪ちゃんもこっち手伝って!」クイクイ
間宮「お帰りなさい鳴上さん」
鳴上「これは?」
間宮「なんでも、急に各地から艦娘の被害報告が増えたって」
間宮「中には艦娘が行方不明になった……、なんていう報告もあるみたい」
鳴上「つまり、鎮守府から鎮守府へ連絡が飛び交っていると」
間宮「そう、私も皆さんのお手伝いをしないといけませんから、失礼しますね」ペコリ
鳴上「こちらこそ、引き留めてしまってすいません」
間宮「いえいえ、……あ! 良かったらお握りどうぞ?」
>……
>お握り、いただきます
―――
大淀「……、ふー……」ガチャン
明石「やっと落ち着いてきたぁ……」グデー
間宮「はい、ではそのように……、わかりました」
吹雪「間宮さんすごい……」
明石「そういえば、間宮さんはそっちも本職だったっけ……」カキカキ
>……
鳴上「なぜ俺も……」カキカキ
明石「緊急事態で猫の手も借りたかったの、許して?」
鳴上「なるほど」
>手を貸すのは構わないのだが
その、軍事機密とかそういうのは……
明石「……他言無用、ですよ?」(冷や汗)
>ですよねー
大淀「……厄介ね。霧が晴れてないのに、新手の深海棲艦が現れるなんて……」
鳴上「……その深海棲艦なんですけど、特徴とかは……?」
大淀「これも他言無用ですよ? まず多く現れたのが丸くて舌を出した裏表に顔がある、とのことです」
吹雪「それって……!」
大淀「続けます、他にも……イルカ? 鳥類、大きなカブトムシ、人の手……十字架……サイコロ……テーブル……」
大淀「……」ポー
間宮「大淀さん!? 何か口から抜けてますよ!?」
大淀「……っは!?」
大淀「なんですか……、なんなんですかこの報告は……!」
明石「でも、うちに届いたどの連絡も全部そんな感じでしたねー」
吹雪「あ、あの! 私も見ました、その舌が出ている深海棲艦!」
鳴上「同じく」コクリ
間宮「み、見たって、大丈夫だったんですか!?」
吹雪「い、いや……、それが」(目配せ)
鳴上「…」メソラシ
吹雪「なーんーでー! 目を反らすんですか!?」
>そっとしてくれ……!
吹雪「無理です! ちゃんと説明して下さい!」
鳴上「だ、だから……」
大淀「……話して、くれますよね?」ニコッ
鳴上「いや、あの……」
明石「大丈夫です、悪いようにはしませんから」
>それは完全に脅し文句では……?
間宮「明日からご飯抜きですよ?」
>飢える……!?
鳴上「吹雪に話した通りなんですけど、信じてもらえなくて……」
大淀「聞きましょう、話してください」
鳴上「は、はい……」
>事のあらましと、自身が行ったこと
そして断片的だが思い出した記憶の事を話した
鳴上「つまりあれは、自分の知る限り『シャドウ』という存在で、俺は『ペルソナ』を使って撃退した」
鳴上「自分が言えるのはこれだけです」
大淀「……」(頭抱え)
明石「な、なるほど……」(目が点)
間宮「うーん……」(微妙な顔)
吹雪「……」ツーン
>あ、信じてもらえてないなこれ……
吹雪「当たり前です!」
大淀「でも鳴上さんは記憶が無かったとなると……」
間宮「作り話なんてするでしょうか? 記憶喪失なのに……」
明石「い、いや~……、でもなぁ~……」(頭抱え)
明石「……あ、ちなみにそのペルソナっていうの、今出すことは出来ます?」
鳴上「お望みであれば」
明石「え、ちょっと待って、出来るんだ、出来ちゃうんだ、ま、待って待って!」
大淀「ちょ、ちょっと、心の準備を……」
>待ちます、いくらでも
自分の為ですから……
―――
鳴上「じゃあ……」
鳴上「――ペルソナ!」バリィン!
シュウウゥゥゥ……
イザナギ「……」
間宮「あらあら……」
大淀「これが……?」
明石「ほ、ほんとに何か出た……」
吹雪「このイザナギ……さん? と鳴上さんのおかげで私は助かったんです」
吹雪「で、でもこれがどういう原理なのか分からないです」
鳴上「げ、原理か……」(困り顔)
>なんと言えばいいだろうか……
……そもそも言葉に迷っている時点で、どう伝えても駄目なのでは……?
>……!
そうだ、話は逸れてしまうがこれもあった!
鳴上「この眼鏡をかけて外を見てください」スッ
大淀「め、眼鏡ですか?」
>そう、眼鏡
今日自然とこの眼鏡を使用し、効果が分かった
恐らく過去にも、この眼鏡を使って霧の中でシャドウと戦っていたはずだ
大淀「……! 霧が……!」スチャ
間宮「霧? 霧ならまだ出ていますよ?」
大淀「いえ……、この眼鏡をかけてください」
間宮「なんですか大淀さんまで、……あっ!」スチャ
間宮「き、霧が晴れて見えます! すごい……!」
明石「な、なんですとー!?」
―――
吹雪「うー……」
>吹雪を含め納得出来ないという顔をしている
そっとしておこう……
大淀「……現状では、鳴上さんの言うことは鵜呑みには出来ません」
大淀「出来ませんが、その……」
イザナギ「……」
大淀「……出来れば戻して頂けますか?」
鳴上「仰せのままに」シュウゥ
大淀「えー……状況が状況な中で、有力な情報と戦力?が舞い込んだ」
大淀「今私はこの状況をそう判断しました。そうしました」プシュー
明石「パンク寸前……」
大淀「なので現状の鎮守府の指揮を鳴上さん、あなたに頼もうと思います」
吹雪「……え?」
間宮「……んん?」
鳴上「……は?」
明石「……あれー? もしかしてもうパンクした後だったかなー?」
大淀「鳴上悠、現時刻を以て貴方を『八十神鎮守府の提督』として迎えます」
吹雪「いやいやいや!? 大淀さん!?」
明石「大丈夫? 修理する?」
間宮「高速修復材はどこに置いたかしら……」
>落ち着け
大淀「私は本気です、あと正気です」
>落ち着いてた……
大淀「鳴上さんの言動から察するに、シャドウとの交戦方法を心得ている。そうですよね?」
鳴上「まぁ……」
>確かに自分が言った通りならそうなる
だがそれだけで……?
大淀「いいえ、『それほど』なのです」
大淀「私達は現在指揮官がいない状況です。その上得体の知れない敵が味方を攻撃しています」
大淀「その敵は海の上だけでなく、鎮守府……、つまり陸上のものに攻撃した個体もいた。そういう報告があったのです……」
大淀「そんな状況でも、艦娘は『指揮官がいなければ動けません』。常に受けの体制になってしまいます」
大淀「加えて艦娘という存在は、指揮官がいない状態では、性能が100分の1になるとまで言われています」
大淀「実際はそこまでではありませんが……、確かに力を十分に発揮出来ないのは事実なのです」
鳴上「そこで俺が現れた」
大淀「はい、都合が良すぎる、曖昧すぎる展開、ですが……」
大淀「……私達は藁にも縋り、現状を打破しなければいけないのです。どうかご理解ください」
鳴上「……」
吹雪「わ、私は反対です!」
吹雪「今日起きたばかりで明らかに学生さんの一般人、しかも記憶喪失なんですよ!?」
大淀「彼は提督としての資質を持ち得ています。吹雪さんも確認済みですね?」
吹雪「そ、それは……」
大淀「提督の資質を持っている方は、そう多くは居ません」
間宮「だとしても、無茶が過ぎるんじゃないかしら?」
明石「そうですよ! 無茶も無茶だって!」
大淀「……鳴上さんは?」
鳴上「俺……、俺は……」
>以前にもこんなことがあった気がする
……最初こそ簡単に決まってしまったが、後にその役目が重要で、重くなっていった
そんな記憶があった気がする
鳴上「――俺でよければ、……皆が力を貸してくれるのなら」
明石「案外乗り気!?」
間宮「……本気ですか?」
鳴上「はい、本気です」
吹雪「考え直してください鳴上さん!」
鳴上「吹雪」
>今回の条件は確かにおかしい
――だがなぜだろう、断ったら、何もかもがそこで終わる気がするのだ
>別に責任を感じているわけじゃない
己惚れているわけでもない
ただ、大淀からの思いに応えたい
>ただそれだけで今の自分は動いている
鳴上「任せろ」ニッ
吹雪「……」
鳴上「……」(凝視)
吹雪「……、うー……」
大淀「……決まりですね」
大淀「では『鳴上提督』、私達は可能な限り提督のサポートを」
大淀「加えて現時刻から、新たな深海棲艦を八十神鎮守府では『シャドウ』と呼称します」
大淀「先ほどの連絡から、現在はシャドウの動きも減少しているとのことです。……今日は明日に備えて休息を」
鳴上「……分かった」
>正直提督と呼ぶのは止めて欲しいが……
とにかく大淀に言われたように、明日から『提督』としての生活が始まる
いつ終わるのかも分からない、記憶も戻らないままだが……
>自分が出来ることを一つ一つこなしていこう
そのために今日はもう休んだほうが良いだろう……
予約投稿にしてみました。上手く出来てるといいですが……
そして今回の投稿で、書き溜めの半分程になりました
もうそろそろ更新ペースが落ちるやもしれません、ご了承いただければと思います
もっと砂糖吐くような展開を書きたいですが、まだ先になりそうですね……