pipipi!…… pipipi!……
鳴上「うん……?」
>朝だ……、正直まだ眠い……
>書類整理の後、仕事自体は終わったのだが、どうも気持ちが落ち着かなかった
>なので所謂自習というものをしていた
おかげで昨日教わった部分は、なんとか身に着いた
>……多分
夕立「提督さーん! おはようっぽいー!」
>ドア越しでも少しうるさいくらいだ……
>早く身支度を済ませよう……
―――
吹雪「霧が晴れてよかったね!」
夕立「ぽい! これで安心して出撃出来るっぽい!」
>外を見れば、確かに霧が晴れている
>……だが、なんだろう
この言い表せない奇妙な感覚は……
大淀「……はい、わかりました。こちらでも協力致します。では……」ガチャン
大淀「依然、行方不明の艦娘は見つかっていないそうです、各鎮守府へ捜索任務として協力要請が来ています」
鳴上「此処にも?」
大淀「勿論です。ですが駆逐艦二隻での捜索となると、かなり範囲が限定されますね……」
鳴上「何故?」
大淀「練度もありますが、単純に人数と戦闘力の問題ですね。昨日の見回りのように近海であれば、ある程度大丈夫だと思います」
大淀「ですが深海棲艦は、此処から遠くに行くにつれて警戒網を強めています」
大淀「なので当然、遠くへ行けば行くほど、強い敵艦に遭遇するのです」
大淀「そしてこちらは遠くに行くために燃料が必要ですし、戦闘があれば弾薬を消費します」
大淀「目的地が遠ければ遠いほど、こちらにとって不利になるのです」
鳴上「なるほど」
>駆逐艦二隻では遠出するのに危険らしい
となると……
鳴上「建造……、かな」ピラ
大淀「大本営からの任務ですね。任務を行えばそれに見合った援助も大本営から届きますので、いい手だと思います」
夕立「なにかするっぽい?」
大淀「ええ、もう一度建造を行います。吹雪さん、お願い出来ますか?」
吹雪「勿論です! さぁ司令官、行きましょう!」
夕立「夕立もついてくっぽい~」
―――
明石「鳴上提督! 朝早くにどうしたんです?」
>やっぱり提督はこそばゆい
明石「あ、ちょっと照れてます? 表情がぎこちないですよ」ニシシ
鳴上「建造をしようと思って、あ……」
吹雪「?」
>そういえば昨日……
>鳴上「資源はどのくらいあるんだ?」
>工廠妖精s「……えーと」
>工廠妖精s「……すずめのなみだ?」
>工廠妖精s「ないにひとしい」
>工廠妖精s「ごくひんせいかつ」
>鳴上「」
鳴上「あー……」
明石「どうしました?」
鳴上「資源に、余裕が……」
明石「ああー、昨日も建造したからって、そういう事ですか?」
>そういうことです
明石「大丈夫ですよ。鎮守府には本当に微々たるものですが、資源の自動生成機能があります」
明石「無理に使わない限りは、早々枯渇なんてしませんよ」
>自動生成機能! そういうのもあるのか!
>ともかく、大淀が言うには戦力がまだ足りないという事だった
駆逐艦より強力な艦種が必要だろう
明石「行方不明の艦娘捜索……ですか。なるほど、確かに今の戦力で行うのは危険かもですね」
明石「妖精さん達に、巡洋艦クラスの建造をお願いすると良いんじゃないでしょうか?」
鳴上「わかった」
工廠妖精s「はなしはきいたぜ」
工廠妖精s「つよいかんむす、よわいかんむす、そんなのひとのかって」
工廠妖精s「ちからがほしいか」
吹雪「相変わらずですね」ニガワライ
夕立「妖精さんっていつもこうなの……」
>話を聞いていたらしいが
……というか、すでに背後が慌ただしいのだが
もしや、勝手に建造が開始されている……?
工廠妖精s「おれにー、まーかーせーとーけー」
>すごい妖精だ。
明石「さてさて時間は……、え゛っ」
明石「こ、これって長門型……?」
吹雪「うぇ!? 長門型!?」タタッ
鳴上「どうかしたのか?」
夕立「ぽい?」
明石「せ、戦艦クラスを引き当てました……」
鳴上「巡洋艦ではなく?」
明石「さ、最低でも五時間は掛かると言われてますね……」
>五時間で戦艦が出来るのか……
吹雪「建造レシピは……、やっぱり巡洋艦狙いよりも多いですね」
明石「と、とにかく戦力としては最高クラスでしゅっ……」アタフタ
鳴上「落ち着け」
明石「い、いきなり長門型戦艦を引き当てるなんて……、何者ですか……」
>鳴上です
>とにかく、戦艦の建造にはかなり時間がかかるという事なので、別業務へ移ることとなった
工廠妖精さん達が吹雪と明石に叱られている……
>そっとしておこう……
―――
>話が長くなりそうだったので、先に執務室へ戻った
鳴上「ただいま」
夕立「ぽいー!」
大淀「お帰りなさい提督、……吹雪さんが見当たりませんけど?」
夕立「吹雪ちゃんなら、明石さんと一緒に妖精さんを叱ってるぽい」
大淀「叱る? 何かあったのですか?」
鳴上「戦艦が建造されるみたいで」
大淀「せ、戦艦ですか!?」
鳴上「は、はい」
>戦艦というだけで皆驚くのはなぜなのか?
戦力としては最高クラスらしいが……
夕立「長門型って言ってたっぽい、大当たりっぽいよ提督さん!」
鳴上「そうなのか?」
大淀「な、ナガトガタ……?」フラッ
鳴上「お、おい!」ガシッ
>危うく、大淀が倒れてしまうところだった
大淀「す、すいません……」
大淀「しかし、随分羽振りよく資源を使用したみたいですね」
>自分がしたわけではないのだが
だがこの場合、監督不届きとして自分が責任を負うのか……
>提督になって、早々に躓いてしまったようだ……
夕立「妖精さんが勝手にレシピを変えちゃったっぽい」
大淀「妖精さんが? ……ふーむ」
>何やら考え込んでしまったようだ
それならこちらでやるべきことを進めよう
鳴上「夕立、手伝ってくれるか?」
夕立「勿論! あ、でもあんまり難しいのはわかんないっぽい……」
鳴上「大丈夫だよ、一緒に考えよう」
>今回のプランは、あくまで捜索を兼ねた鎮守府近海の警戒警備になる
戦力を補強出来たので近海なら問題ないだろう
夕立「海図にも、別に危険なポイントは書いてないっぽい」
鳴上「どのあたりまで捜索する?」
夕立「小島とか、陸地があるならそこを優先して捜索して~」
夕立「……あ、えっとね? 陸地なら深海棲艦も基本的には追ってこないから、隠れて救助を待つなら一番の手段ぽい」
>深海棲艦というのだから、海からやってくるのだろう
つまりは陸地への危害は加え辛い為、逃げるなら小島等の陸地がうってつけという事か
夕立「えっとー、んー……、遠くてもこの辺りまでが限界っぽい」
夕立「後は妖精さんと、羅針盤が向く方向に~っぽい!」
>羅針盤が向く、とは
風の向くままという言葉は聞いたことがあるが
>ちら、と時計を横目に見てみるが……
鳴上「建造にはまだ時間は掛かりそうだな……」
夕立「早く出撃したいっぽい……」ムー
―――
大淀「先ほどは失礼しました、提督」
鳴上「考え事の方は大丈夫か?」
大淀「……また後で考えることにしました。……コホン」
大淀「今回の建造の件もあり、吹雪さんにはそのまま工廠で明石と別の事に当たってもらっています」
大淀「なので、今回の座学は不肖ながら、この大淀が受け持たせて頂きます」
鳴上「宜しくお願いします」
大淀「そうですね……、今回の授業はどうしましょうか」ピラピラ
鳴上「先生」
大淀「はい、大淀です。なんでしょうか提督」
>戦艦を建造した時の、皆の驚き様が気になったことを伝えた
大淀「なるほど、では今回の題材は建造にしましょう。と言っても私達に分かっている範疇での説明になりますが……」
大淀「まず私達艦娘は、艦娘システムを使用できる女性だという事は学ばれましたよね」
大淀「建造はその艦娘の艤装、そして艦の魂を呼び戻すこと……」
大淀「とどのつまり、戦闘可能な艦娘をサルベージする工程の事を指します」
鳴上「魂を、呼び戻す……」
大淀「はい、建造の説明は受けられましたよね? 資源を調整して、望んだ艦種の艦娘をサルベージする準備をする」
大淀「後は妖精さん達が働いてくれますので、現在のようにただ待つだけになります」
鳴上「なるほど」
大淀「提督は艦種がどれだけ存在するかご存知でしょうか?」
>吹雪の説明では大まかに、戦艦・空母・巡洋艦・駆逐艦・潜水艦が存在すると教えてもらった
大淀「そうです。中でも現在建造中の戦艦クラスになれば、戦闘に関してトップクラスの性能を備えています」
>そうなれば、近海の捜索も可能だろう
これで一安心だ
大淀「反面、行動に消費する資源の量がとても多いので、繰り返し行うような行動……遠征や哨戒にはあまり向きませんね」
>駄目じゃないか……
大淀「先ほど吹雪さんに大まかな資源状況の確認と、私達艦娘が扱う装備の点検をして欲しいと伝えました」
大淀「建造後すぐに任務行動に移れるか、こちらで備蓄の計算などしておきますね」
鳴上「お願いします……」
大淀「ちなみにですが、戦艦と空母は戦力的に強力な反面、入手難度が非常に高いんです」
大淀「二回目の建造で戦艦を引き当てるなんて、凄い事なんですよ?」
>そうだったのか……
喜ばしい反面、この状況なので素直に喜べないが……
大淀「簡単な説明になってしまいましたが、今回はここまでにさせて頂きます」
大淀「分からない部分があれば、遠慮なく仰ってくださいね?」
>ありがとうございました……
投稿してから一週間が過ぎましたね
稚拙な文章ですが、読んでくださっている方に感謝……!