転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0978話

 意識が浮き上がる感覚。

 その感覚に身を委ねて目を覚ますと、真っ先に視界に入ってきたのは俺の方を見て笑みを浮かべているあやかの姿だった。

 

「……早いな」

 

 俺も朝は早いと思っていたが、まさか俺よりも早くあやかが起きているとは思わなかった。

 そんな思いで告げた言葉に、あやかは幸せそうに微笑みつつ口を開く。

 

「私もつい先程起きたばかりですわ。それに……アクセル君の寝顔を見ていたらいつの間にかこんな時間になっていました」

 

 そう告げてくるあやかは、当然の如く一糸纏わぬ姿だ。

 俺の部屋に来た時に着ていた扇情的なネグリジェや下着に関しても、今はベッドの外へと落ちているだろう。

 不意に手を伸ばし、あやかを抱きしめる。

 滑らかな肌の感触に、柔らかな触感。そしてあやかの匂いが渾然一体となって俺を刺激してくる。

 

「あんっ、もう……アクセル君。今は朝ですわよ。そういうのは夜になさって下さいな。悪戯をしては駄目ですったら」

 

 ベッドの上で2人、絡み合い、笑みを浮かべ、言葉を交わし、抱きしめ、唇を交わす。

 そんな状態でお互いだけが側にいる時間を過ごしつつ、ふと気になって口を開く。

 

「何だ、その……身体の方は大丈夫なのか?」

「ええ。まだちょっと異物感はありますが……これも、アクセル君と初めての夜を過ごした証ですもの。3年越しの想いが叶った証と考えれば、寧ろ愛おしい痛みですわ」

「……あやか」

 

 そのまま再び唇を交わし……だが、その甘い時間も次の瞬間には終わりを告げる。

 

「アクセルさん、あやかさん。皆さんがそろそろ起きる時間ですので、身を清めるのなら今のうちになさった方がよろしいかと」

「ちゃ、茶々丸さんっ!?」

 

 部屋の中に響くあやかの悲鳴の如き声。

 慌てた様子で下着やらネグリジェやらに手を伸ばすが、扉の外から聞こえてくる声はそんな事には全く構わずに言葉を続ける。

 

「ベッドに関してはこちらできちんと整えておきますので、心配はいりません。シーツの方もきちんと洗っておきますから」

 

 では失礼します。と、それだけを言って去って行く茶々丸。

 そして俺の横では、数十秒前の甘い雰囲気が一切残っていない様子で、頭を抱えるあやか。

 その際に千鶴程ではないが、十分に大きいと表現すべき胸がベッドに潰されているその光景は、こんな時であっても扇情的と表現するべき光景だった。

 

 

 

 

 

「きゃあああああああああああああああっ!」

 

 風呂から上がり、朝食用に皆が集まっていた部屋に入った瞬間、そんな悲鳴の如き歓声が俺を出迎える。

 俺の方を見ている殆どの者達が頬を真っ赤に染めている辺り、そして何よりもその中心にいるあやかが頬どころか顔、身体全体を真っ赤にしているのを見れば、何がどうなってこうなったのかは理解出来る。

 

「アクセル君、アクセル君、アクセル君。いいんちょの左手の薬指の指輪について一言頂戴! これって、もしかして他の3人からいいんちょを選んだって事!? それにアクセル君には他にも恋人がいるって話だけど、そっちはどうするの!?」

 

 がーっと質問を重ねてくるのは、当然の如く朝倉だ。

 そんな朝倉の背後には相川が興味津々の表情でフヨフヨと浮かびながら俺の方へと視線を向けている。

 

「その件に関してはシャドウミラーの極秘事項でもあるから、ノーコメントだ」

 

 別にこれは完全な嘘という訳ではない。実際、時の指輪を身につけた者が時の流れの外に存在する事になり、不老になるというのは、シャドウミラーの中でも限られた人物しか知らない極秘事項なのだから。

 この中でそれを知っているのは、あやか達4人にエヴァ、茶々丸、葉加瀬といったところか。

 シャドウミラーに所属することになったとはいえ、政治班の下である生活班の四葉ですら知らない秘密なのだから。

 だがまぁ、この年頃の女にとって指輪……それも左手の薬指に嵌まっている指輪というのは、確かに色々と重大な意味を持つものなのだろう。

 

「えー、ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃない。それと、出来れば昨夜のいいんちょとの甘い一時に関しての感想をお願い」

 

 ……寧ろ、朝倉の狙いとしてはこっちが本命だったらしい。先程よりも更に興味津々といった表情で迫ってくる。 

 だが俺が断りの言葉を口にする前に、朝倉の頭をガシリと掴む手が……

 

「朝倉さん。乙女の秘密を暴こうとするのは感心しませんわね。ちょおっとお話しましょうか?」

「あああああああああああ、痛い痛い痛い痛い。いいんちょ、頭が割れる砕ける粉砕されるぅっ!」

 

 そんな風に悲鳴を上げつつ去って行く朝倉を眺めていると、次に俺の前に姿を現したのは神楽坂だった。

 こっちを見る目には、どこか呆れた様な……それでいて、納得するような色が浮かんでいる。

 

「ま、いいんちょの気持ちがアクセルに……それこそアクセルだけに向いているってのは、3年前から分かっていたしね。だから私からはアクセルがいいんちょをだ、だ、だ……その、一緒の夜を過ごしたところで何も言わないわ」

 

 やはり色々と照れがあるのか、頬を赤くして言い直す。

 だが、次の瞬間にはパクティオーカードからハマノツルギを取り出し、その剣先を俺の方へと向けてくる。

 そのまま強い眼差しで……それこそ、何かの切っ掛けがあれば俺をそのハマノツルギで叩き斬ると言わんばかりの緊張感と気迫を発しながら口を開く。

 

「けど、いいんちょを泣かせるような真似をしたら、絶対に許さないわよ。例えアクセルがどんなに強くても後悔させてみせるからね。くれぐれも忘れないように」

「……そうだな」

 

 何だかんだ言っても、あやかと神楽坂の2人は仲がいいんだよな。

 小学校の頃からだって話だから、10年近い付き合いなのだろう。

 

「あやかを泣かせるような事は絶対にしないと約束しよう」

「……そう。なら、いいわ。今は信じておいてあげる」

 

 俺の言葉を信じたのか、ハマノツルギをパクティオーカードへと戻す神楽坂。

 だがそれでもまだ言い足りない事があるのか、頬を薄らと赤く染めたまま口を開く。

 

「けど、その……あんまり激しい行為は慎みなさいよ。いいんちょ、歩きにくくしてたじゃない」

『あー……』

 

 周囲で聞いていた他の3-Aメンバーが、同意するように頷く。

 いやまぁ、その件はどうしようもないというか……

 

「って言うか、まさかこのクラスで最初に経験するのがいいんちょだとか……ちょっと予想外にも程があるよね」

「まぁ、女子校だと出会いそのものがないし。……今思うと、中学校の時はアクセル君とかネギ君がいた分恵まれてたんだねぇ」

「何言ってるのよ。ゆーなはバスケ部で男の人との触れ合う機会とかもあったじゃないの」

「ええっ!? いやいや、そういうのはまだいいから」

「18歳にもなってファザコンは色々と問題あると思う」

「ちょっ、アキラ!? 大体、それを言うならアキラだって大会の度に他の高校の男達を前屈みにさせ……んんんんんんーっ!」

 

 何だか色々と危険な事を口走りそうになった明石は、半ば無理矢理大河内に口を封じられる。

 いやまぁ、その男達の気持ちは分からないでもない。スタイルが高校生離れしているのに、そこに水泳部ということで、くっきりとしたボディラインが強調されるのだ。それこそ高校生どころか、男の教師にとっても目に毒以外の何ものでもないだろう。

 結局この日は、あやかの初体験に関しての情報収集やら、高校時代の思い出話を聞かされたりとか、そんな風にして過ごす事になる。

 ちなみに俺もリス型、子犬型、子猫型といった炎獣を作り出しては皆から羨ましがられていた。

 

 

 

 

 

 そして夜。皆でわいわいと騒ぎながら夕食を食べ、その後も色々と話をしていたが、そろそろ時間も時間だという事で俺は自分の部屋へと戻ってきて、部屋の中が綺麗に掃除されており、昨日の痕跡が全く残っていない事に驚く。

 この辺は茶々丸か、あるいは茶々丸の姉妹がやってくれたのだろう。

 出来れば茶々丸でなければいいんだが……

 そんな風に考え、ベッドの上に倒れ込むように寝転がると……

 コンコン、という扉をノックする音が聞こえてきた。

 昨日の今日だし、あやかか? そう思って扉を開けると、そこにいたのは……

 

「こんばんは、アクセル君。ちょっといいかしら?」

 

 透けるようなネグリジェを身に纏った千鶴の姿だった。

 昨日のあやかと同じような格好だが、違うところはそのネグリジェの色か。白だったあやかに対し、こちらは黒。透けて見える下着の色も黒であり、千鶴自身の反則的と言ってもいいようなスタイルと合わせて、非常に扇情的な姿だ。

 

「千鶴……」

「入ってもいいでしょう?」

 

 薄らと頬を染めているところを見ると、この部屋に来た目的は明らかだろう。 

 そして、俺に千鶴を拒むという選択肢は存在しなかった。

 千鶴を部屋の中に迎え入れ、そのまま昨日と同じように千鶴をベッドに座らせる。

 ただし、昨日と違うのは俺が座ったのが椅子ではなく、千鶴の隣だった事だろう。

 18歳となり、俺と出会った3年前と比べても比較出来ない程の艶を発するようになった千鶴。

 それでも、こうして夜に男と2人で……それもこんな誘うような格好でいるというのは慣れないらしく、どこかぎこちない。

 

「お前達、もしかして示し合わせていたのか?」

「……ふふっ、それは秘密よ。でも、そうね。高校を卒業するという時にアクセル君と結ばれるというのは、色々な意味でいい思い出になるでしょう? レモンさん達にしても賛成してくれたし」

「その言葉を聞いて、示し合わせていないと思えって方が無理だと思うけどな」

 

 昨日があやかで、今日が千鶴。となると残り3日あるんだから、明日は円で明後日は美砂ってところか?

 そんな風に考えていると、不意に千鶴の手が伸びてきて俺の頬を抓る。

 

「あのね、アクセル君。アクセル君が楽しい夜に思いを馳せるのは分かるけど、それでもベッドの上で私と一緒にいるのに、他の女の事を考えるってのはマナー違反だと思うのよ」

「ごもっとも」

 

 頬を抓っている手を外し、そっと握る。

 それだけで薄らと頬を赤くする千鶴をそのまま抱き寄せると、千鶴も特に抵抗をせず……寧ろ自分から俺の腕の中へと収まってきた。

 そのまま潤んだ瞳で俺の方へと視線を向け、小さく口を開く。

 

「アクセル君。この3年間。私は貴方を忘れる事は決してなかった。それこそ1日たりとも。こうして、貴方の腕の中にいる今こそが……ずっと夢に見てきた光景よ」

 

 そう告げ、俺が何かを答えるよりも前に身体を動かして自分の唇で俺の唇を封じる。

 俺と千鶴の、数年ぶりになるだろうキス。

 俺はマクロス世界に行っていた影響で体感した時間が千鶴よりも少ないが、それでも千鶴にしてみれば待ちに待った瞬間なのだろう。

 瑞々しい唇との深い口付けを1分程交わし、それからお互いに離れると銀糸が俺達を結ぶ。

 俺の目の前には、潤んだ目をした千鶴の姿。

 そんな千鶴に向け、空間倉庫から取り出した時の指輪を差し出す。

 

「千鶴。……知ってると思うが、この指輪を填めると時の流れの外に身を置く事になり、不老となる。そうなれば、いずれ3-Aの皆とも死に別れる事になるだろう。だが……それでも、俺と共に生きてくれるか?」

「はい。私は永久にアクセル君と共に。……それに、あやかやレモンさん達のような人がいれば、永遠に生きるというのは決して不幸な事だけじゃないわ」

 

 そう告げ、差し出されるのは当然の如く左指。

 その左手を手に取り、薬指へとそっと時の指輪を填める。

 瞬間、その指輪は効果を発揮して千鶴の身体を時の流れの外へと弾き出す。

 これにより、千鶴は時の指輪を填めている限り不老の存在となった。

 勿論指輪を外せば再び時の流れに身を戻す事になるのだが……今のところ本人にそのつもりが全くないようで、俺としても嬉しい限りだ。

 

「これで……私も、アクセル君とずっと一緒に……?」

 

 潤んだ瞳でこちらを見つめてくる千鶴に頷き、今度は千鶴からではなく俺からの行動で千鶴の唇を塞ぐ。

 それを受け入れ、身を委ねる千鶴を抱きしめ……そのまま俺は千鶴をベッドに押し倒すのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル君……」

 

 そんな声で目を覚ます。

 暖かさと柔らかさを感じてそちらへと視線を向ければ、そこには昨夜身体を重ねた千鶴の姿が。

 色々な意味で体力を消耗したのだろう。横で俺に抱きつきながらぐっすりと眠りの底に沈んでいる。

 ……にしても、あやかも千鶴と同じくらい体力を消耗していた筈だが、よく俺よりも早く起きる事が出来たな。

 この辺は体力の回復速度の違いって奴か?

 昨夜の行為の影響でほつれ、非常に色っぽくなっている千鶴の髪をそっと撫でつつ、俺はこの日も茶々丸から風呂の用意が出来ているという知らせがくるまで気怠くも愛しい時間を過ごすのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167

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