転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0982話

「んん……アクセル君……」

 

 そんな声が耳に入り、意識が覚醒していく。

 まず最初に視界に入ってきたのは、全く見覚えのない光景。

 見慣れたホワイトスターにある俺の家の寝室ではない事に驚く。ここは……どこだ? 一瞬混乱したが、すぐに思い出した。そうそう、ここはエヴァの魔法球の中だったな。でもって、昨夜は……

 そこまで考え、眠っていた周囲を見回す。

 するとそこには、あやか、千鶴、円、美砂の4人がそれぞれ見事な裸体も露わに、ぐっすりと眠っている。

 ……さすがに4人一緒でも、体力の消耗が激しかったか。

 何しろ、魔法球に入ってからはあやか達との初夜を過ごす事になり、こっちとしても当然色々と抑える必要があった。その結果が今俺の目の前に広がっている、色々な意味で強烈な光景だろう。

 

「んん……ん……アクセル君……?」

 

 俺が上半身を起こした動きで目を覚ましたのか、千鶴が微かに目を開けて俺の方へと視線を向けてくる。

 体力的にもまだ全然回復していないのだろう。見るからに眠そうだ。

 

「まだ眠ってていいぞ。どのみちもう暫くここから出る事は出来ないんだし」

「うん……そう、ね……」

 

 それだけを答え、そのまま再び深い眠りにつく。

 レモンやマリューに対して勝るとも劣らぬ程のその巨大な胸にシーツを掛けてやり、他の3人へも視線を向ける。

 全員が全員、まるで泥のように眠っている。

 いや、うん……まぁ、色々な意味で頑張りすぎたな。

 それでもついさっき千鶴に言ったように、この魔法球から出るにはまだ相当の時間が掛かる。ホワイトスターにある魔法球と違い、内部で1日が過ぎないと出る事が出来ないからな。この辺は色々と不便極まりない。

 もっとも、今回は寧ろその仕様のおかげで助かったんだが。

 そのままあやか達4人が起きるまで数時間。俺はベッドの上で眠っている4人と共に過ごすのだった。

 

 

 

 

 

「全く……全く……全くもう。少しは加減ってものを覚えてよね」

 

 朝食……というよりも昼食を食べながら、円が顔を真っ赤にしてそう告げる。

 それは他の3人にしても同じであり、皆が多かれ少なかれ頬を赤く染めていた。

 4人の中で最も色事に興味津々だった美砂ですらもそうなのだから、4人共がどれ程恥ずかしがっているかが分かるだろう。

 

「大体、私……じゃなくて、私達全員まだ2回目だったのよ? なのに、あんなに……シェリルが言ってた、壊されるって言葉を実感するとは思わなかったわよ」

「ま、まぁまぁ、円も落ち着きなさいよ。アクセル君が絶り……じゃなくて、夜に強いってのはレモン達から話を聞いていて分かってた事でしょ? 実際、私はアクセル君がハーレムを作っている理由をしみじみと実感したね」

「それは……そうですわね。もし私がアクセル君の唯一の恋人であったとしたら、昨夜のアレを全部私1人で受ける事になる訳ですし……」

 

 昨夜の事を思いだしたのだろう。ほうっと艶っぽい溜息を吐くあやか。

 色々な意味で扇情的なその仕草は、他の男が見たら一目で恋に落ちる事間違いなしの魅力的な表情だ。

 

「そうね。寧ろ私としては毎夜あんなアクセル君を受け止めているレモン達がある意味で凄いと思うわ。女としての幸せには違いないんでしょうけど……」

「ちょっ、千鶴。生々しすぎるから。もう少しオブラートに包んで」

「あら、そんなの今更でしょ? 昨夜私達は全員が全員を見てない、触ってない場所はないってくらいの体験をしたんだから」

 

 ホホホと、言っている内容とは裏腹に慈母の如き笑みを浮かべる千鶴。

 色々な意味でいい性格をしているな。

 

「ん、コホン。まぁ、何はともあれ、これで私達は正式にアクセル君の恋人になった訳よね。時の指輪も貰ったし」

 

 千鶴の言葉に頬を薄らと赤くしながらも、美砂は自分の左手の薬指へと嵌まっている指輪に視線を向ける。

 それを見て、他の3人も同様に同じく左手の薬指に嵌まっている指輪へと視線を向けていた。

 

「そうだな。これから俺達は長い……それこそ、永遠に等しい程に長い付き合いになるだろう。その間に勿論喧嘩する事もあるだろうし、あるいは離れ離れになる事もあるかもしれない。けど……俺がお前達を愛しているというのは決して変わらない。あやか、千鶴、円、美砂。お前達もずっと俺の側にいてくれ」

「……もう。そんな真面目な顔をして言われたんじゃ、断れないじゃない」

「あら? 円はアクセル君の話を断るつもりなの?」

 

 そんな美砂の言葉に、円はすぐに首を横に振る。

 

「そんな訳ないじゃない。私だってアクセル君と常に一緒に……それこそ、永遠に共にいるのは望むところよ」

「そうですわね。それは私も変わりませんわ。永遠にこの身はアクセル君と共に」

 

 円に引き続いてあやかがそう告げると、千鶴と美砂の2人もその言葉に同意するように頷く。

 それを見ながら、俺の心は改めてこの4人が俺という存在の全てを受け入れたのだと知り、胸の奥がジンワリと暖かくなるのを感じる。

 身も心も燃やし尽くすような大きな炎ではない。だが、燃えさかる炎ではなくジンワリとした炎だからこそ永遠に燃え続けているような、そんな暖かさ。

 

「……俺がレモン達に引き続いてお前達に会うことが出来たのは、幸福以外の何ものでもなかったんだろうな。今は心の底からそう思うよ」

「ふふっ、そうですわね。ですけど忘れないで下さいまし。アクセル君が私達に出会ったのが運命であったのと同様に、私達がアクセル君に会ったのもまた運命であったという事を」

「そうねぇ。まさか夏美ちゃんの合宿先に陣中見舞いをした帰りにアクセル君と会うとは思わなかったわ。しかも、その時は10歳くらいに縮んでたし」

「ああ、それは私達も似たようなものね。強引なナンパ男に絡まれて困っているところをアクセル君が助けてくれたのよ」

 

 千鶴の言葉に同意するように頷く円だったが、その口元には苦笑が浮かんでいる。

 

「正直、まさかあの時は私が5歳近くも年下の子供に恋するなんて思わなかったわよ」

「そうよね、円は自分がいいんちょの同類じゃないーって必死にアクセル君に対する想いを認めようとはしなかったし」

「ちょっと、円さん!? それは一体どういう事かしら?」

 

 あやかの言葉に、円がそっと視線を逸らしながら口を開く。

 

「まぁ、その……ねぇ? 散々あやかをショタコンって馬鹿にしてきたのに、まさか私がアクセル君を好きになるなんて思わなかったでしょ。そういう趣味は絶対にないと思っていたし。……もっとも、今も別にそういう趣味はないんだけどね。私がアクセル君を好きになったのは、アクセル君が子供だったからじゃなくて、アクセル君がアクセル君だったからよ。その証拠に、今の20代のアクセル君でもこうして普通に好きだし」

 

 俺の方を見ながらそう告げてくる円に、あやかが言葉を返す。

 

「円さんがアクセル君に対しての好意を自覚したのは、修学旅行……でしたわよね?」

「そ。朝倉達が企んだラブラブキッス大作戦ね。あれで美砂に背中を押されて、私はアクセル君に恋していると気が付いた。……まぁ、まさかその私の背を押した美砂までアクセル君に恋するとは思ってもいなかったけど」

「あははは。恋は突然訪れるって奴よ」

「あの時、本当はあやかが参加する予定だったんだけどね。美砂に出場枠をもぎ取られてしまったのよ」

 

 千鶴の説明を聞き、俺は過去の美砂に感謝をする。

 もしもそこで美砂が円の背を押していなければ、恐らく円とこういう関係になったかどうかは分からなかったからだ。

 個人的には、何だかんだと色々あって最終的には円と美砂とこういう関係になっていた……と思いたいところだが。

 その辺はifの話だし、今考えてもしょうがない。あるいは円や美砂の代わりに、神楽坂とこういう関係になっていたって可能性もあるんだし。

 

「こうして考えると、そもそも3年越しの想いが叶ったって事なんだろうけど……色んな意味で私達って特殊よね」

「確かに美砂さんの言葉も分かりますわね。まさか中学校に入学した時にはシャドウミラーという組織に入るなんて全く予想していませんでしたわ。てっきり雪広財閥の方の仕事をするかとばかり……」

「それなら、私は幼稚園の先生を目指していたわよ?」

「確かに千鶴は子供の世話が好きだったしね。私はなんだろう……公務員辺り?」

「あはははは。確かにその辺は真面目な円っぽいわね。うーん、なら私はコンシェルジュとかどう?」

 

 美砂の言葉に、全員が似合いそうとばかりに頷く。

 確かに美砂の場合、そういう職業が似合っているかもしれない。

 そんな風に褒められた美砂は、笑みを浮かべながら俺の方へと視線を向けてくる。

 

「ま、何はともあれ……結局私達の将来を思いっきり変えたんだから、アクセル君にはきちんと最後まで責任をとって貰わないとね」

「そうですわね。確かにアクセル君にはその……私達の初めてを捧げたのですから、その辺の責任をきちんと……」

「うわ、あやか大胆。別に私はそういう事を言った訳じゃないのに。……もしかして昨日の件でそっち関係に目覚めた?」

「なっ!? み、み、美砂さん!」

 

 元々の肌が白いだけに、頬が赤くなると余計に映えるな。

 そんな風に思いつつ、俺は頷いて口を開く。

 

「勿論責任は取らせて貰うさ。いや、寧ろ何があってもお前達は絶対に手放さないからな。覚悟しておけよ?」

「うふふ。まさに女冥利に尽きるわね」

 

 幸せそうに微笑を浮かべる千鶴に、他の3人も同意するように頷く。

 そのまま食事を終え、デザートも食べ終え、現在は紅茶を飲みながら皆で寛ぐ。

 

「そう言えばさぁ、アクセル君とネギ君で紅茶派とかいうのを結成したって話を聞いたんだけど……コーヒー派に押されてるんだってね」

 

 ソファに座りつつ、俺にしなだれかかりながら美砂が告げる。

 

「どこから聞いた? いや、それは事実だけど」

 

 元々紅茶好きよりもコーヒー好きの方が多いという事もあって、紅茶派は押され気味だ。

 マブラヴ世界でシャドウミラーと親しい関係にある夕呼も、完全にコーヒー派だしな。

 崇継はその辺どっちでもいいって感じだし、恭子もまた同様。敢えて言えば緑茶派だったりするんだろうか? 日本の五摂家の出身だけに。

 

「あらあら、なら私も紅茶派に入らせて貰いませんか? こう見えて、それなりに紅茶には詳しいですわよ?」

 

 美砂とは反対側に座って俺にしなだれかかっているあやかの声。

 確かに以前かなりの紅茶農園を所有していると聞いた事があったな。

 ……まぁ、缶紅茶やペットボトルの紅茶で満足している俺にしてみれば、紅茶派としては色々と失格なんだろうが。

 しかし……これで紅茶派は俺とネギ、あやかの3人か。SEED世界やマブラヴ世界にいるコーヒー派と比べると、随分と偏ってるな。

 

「ま、後でネギにでも言っておくよ。……それよりもお前達、引っ越しの準備の方はどうなっている?」

 

 一応予定では明日、明後日辺りを使ってホワイトスターにある俺の家へと引っ越しをする事になっている。

 勿論普通に荷物を運ぶのは大変だし、まさか引っ越し業者を使う訳にはいかないので、俺の空間倉庫を使った引っ越しになる予定だ。

 俺が住んでいる家は屋敷と表現してもいいような規模なだけに、この4人が引っ越してきても全く影響はない。

 ……もっとも、レモン達同様に自分の私室は荷物置き場的な感じで、寝室は全員一緒になるんだが。

 それでもまだ余裕がある、部屋の殆どを占拠しているあのベッドは凄いとしか言いようがない。

 まぁ、色々な意味で特注品だしな。

 引っ越しと部屋の整理に約2日。それが終われば、いよいよこの4人もシャドウミラーとしての正式な日々の始まりだ。

 ただ……

 

「私達はともかく、聡美と五月の引っ越しは色々と大変そうよね。そっちも手伝うんでしょ?」

 

 どこか意地の悪い笑みを浮かべつつ尋ねてくる美砂に、俺は遠い目をして頷く。

 四葉は各種調理器具に、レシピやら何やらが書かれている本の類。これも何だかんだでかなりの量があるらしく、引っ越しの話をした時に申し訳なさそうにしていた。

 そして何よりも、葉加瀬だ。こっちは各種諸々の実験器具やら何やら、あるいはPCも含めて持っていく必要がある以上、かなりの難事になるのが予想される。

 四葉はホワイトスターの居住区画にある家でそれなりに暮らすだろうが、葉加瀬はこのまま魔法球の中に住み着きそうな感じなんだよな。

 エヴァの魔法球と違って、中に入っている限り年を取らないし。

 当然葉加瀬の家も居住区画に用意してある……というか選ばせておいたんだが、そっちに帰るのは月に何度……下手をしたら年に何度なんて事にもなりかねない。

 

「色々と……そう、色々と大変な2日間になりそうだな……」

 

 思わずそう呟き、その後も魔法球を出る時間まで5人で甘い時間を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 魔法球を出て、未だに卒業パーティをしている面々に合流した時には散々に冷やかされる事になったのだが……5人で夜を過ごしたという話になると、顔を真っ赤に染めて倒れる人物が数人程出る事になる。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167

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