転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0997話

 花見が終わって数日。その間にもマブラヴ世界の方ではハイヴを基地化するという作業のせいで、国連軍や大東亜連合、欧州連合、日本、ソ連といった国々は忙しく、当然最大の国力を持つアメリカや、それに次ぐオーストラリアにしても、それに手を貸しているおかげで非常に忙しい日々を過ごしていた。

 そういう意味で忙しくなかったのは、アンバールハイヴを基地としている中東連合とアフリカ連合くらいだろう。それでも近くにオリジナルハイヴのカシュガルハイヴ、2番目に作られたマシュハドハイヴがある以上は、他の国に対して人員を派遣する訳にもいかなかったのだろうが。

 それでも、BETAの大氾濫により周囲のハイヴにいたBETAの数が大きく減った事もあり、以前と比べると切迫感は少なくなったらしい。

 他にもハイヴの基地化をするという理由もあり、門世界で入手した資源は結構な数がマブラヴ世界に格安で渡っている。

 これ程の量の資源をマブラヴ世界に格安で輸出してもホワイトスターにはまだ大量に在庫があるのを考えると、門世界の資源の多さに感心すべきか。

 ……その代わり俺達が資源を掘り尽くしてしまったせいで、将来的に色々と困る事になるかもしれないが。

 いや、ならない、か?

 何しろレアアースとかレアメタル、そして何よりも原油の類が必要になるのは、基本的に科学技術が発展しているからこそだ。魔法が発展している門世界では、恐らく科学技術が発展する事は……ああ、俺達が介入したから、その辺も分からないか。

 ともあれ、それは将来的な問題であって今の俺達には関係ない。

 そもそも侵略行為をしてきて戦争になり、その上で敗戦国となった帝国だ。資源を取られるくらいで一応とは言っても許してやったのだから、寛容な方だと思う。

 ……まぁ、帝国という国そのものがなくなったり、皇帝とか貴族とかは公開処刑されたけどな。

 それと、帝国によって連れ去られた人物。こちらもある程度は確保出来た事が関係しているだろう。

 この辺についてはエザリアやレオンが攻撃的に……いや、超攻撃的に連合国へと情報の提出を求め、ホワイトスターから連れ去られた民間人を取り扱った奴隷商人に関しては、半ば拷問のような事までして情報を集めたとか。

 その結果、あの時の帝国の襲撃で俺達が帝国軍を鎮圧するまでにホワイトスターから連れ去られた民間人の数は全部で13人。1人は既にあの大地震の時に取り戻しているから、残り12人。そのうち、鉱山での奴隷や裕福な商人、貴族といった者達に買い取られて生きていたのが10人。残り2人は既に死亡が確認されている。

 正直半分も生き残っていれば上出来といった感じだったのだが、まさか10人も生き残っていたとは思わなかった。

 だがよく考えてみれば、ホワイトスターにいたという事は出身世界から優秀だと認められて派遣されていた人物だ。そしてホワイトスターのような、ある意味で奇想天外と表現してもいいような場所に派遣されたのだから、臨機応変というか周囲の環境に慣れるという能力が重視された筈だ。

 そう思えば不思議ではない……か?

 当然ながら連れ去られた民間人は既に引き渡されており、自分の世界に戻っている。

 ……奴隷として買われたにも関わらず、何故か買い取り先の貴族のお嬢様といい仲になっていたりした、ネギま世界出身の1人を除いてだけどな。

 ちなみにその1人は、結局その貴族の婿養子となる形で門世界に残るという事を決めている。

 何だったか……テュエリ家のシェリーとかいう女……正確にはまだ12歳の子供だな。

 男の方は20歳過ぎだったので、色々な意味で大丈夫かと言いたくなったんだが……まぁ、子供を騙しているとかそういうのじゃなく、普通に相思相愛だったので問題はないんだろう。……多分。

 ちなみにテュエリ家というのは、帝国の内乱時にはすぐに連合王国側に協力したおかげで、今でも普通に貴族としての立場を保っている。

 これに関しては、奴隷として買われた男が従属国が起こした反乱の後ろにシャドウミラーがいるというのを察知して、従属国側に付く事を勧めたんだとか。

 ……さすがにホワイトスターに派遣されただけあって、有能だよな。12歳の子供と相思相愛になっている割には。

 いやまぁ、門世界では12歳くらいの相手が許嫁になったり、早ければ結婚するのはおかしくないらしいけど。

 ともあれこの男は例外としても、向こうに連れ去られた者は全員がその行方を追う事が出来た。

 その結果、従属国の幾つかや、奴隷として扱った商会の類に関しては、異世界間連合軍として相応の処罰を望むように連合国へと要請する事になり、その殆どが何らかの処罰を受ける事になった。

 もっとも酷いのは扱いが酷くて殺した2人を買った連中で、連合国側としてはこちらに対する印象を良くしたかったのか、財産没収の上で斬首という形になっている。

 確かに俺達がどれだけの力を持っているのかを理解していれば、下手にこっちの機嫌を損ねて再び戦争をしたくないと思うのは当然だろう。

 ……戦争というか、寧ろ蹂躙だしな。

 

「で、取りあえず向こうに連れ去られた民間人に関してはこれで終わり、と」

『そうなるわね。正直、向こうに連れ去られて死んだのが2人しかいないというのは、予想を超えていい結果だったわ。下手をすれば全員死亡なんて未来も想像してたから』

 

 送られた報告書に目を通した俺に、映像モニタに映し出されているエザリアが溜息を吐きながら告げる。

 SEED世界のオーブからも何人か連れ去られていたからな。多少は気になっていたんだろう。

 そうそう、他世界への移動と言えば……

 

「プラントからのネギま世界の火星への移住に関してはどうなっている?」

 

 以前から何度か話を聞いてはいるが、話が進んでいる様子が全く聞かない。まさかポシャった訳じゃないだろうが……

 すると案の定、エザリアが複雑そうな表情を浮かべて口を開く。

 

『アイリーンから世間話ついでに聞いた話によると、色々と議論になっているようよ』

 

 アイリーン? いつの間にか名前で呼び合うようになっていたらしい。

 プラント時代はザラ派、クライン派で思い切り敵対していたんだが。

 その辺に関しては、エザリアがプラントを出てシャドウミラーに入り性格が丸くなったのが影響してるんだろう。

 それでも以前のこの2人を知っている者にしてみれば、まさか世間話をするようになっているとは思わない筈だ。

 ……出来れば、アイリーンをこのままシャドウミラーに引き込んでくれればいいんだが。あやかと千鶴が政治班に配属になったとしても、エザリアやレオンに比べるとまだまだ勉強途中の身だ。それを思えば、アイリーンは即戦力として政治班で働けるだろう。

 もっとも、今のアイリーンはSEED世界での戦争が終わった時と同様に最高評議会議長のままだ。そんな人物を引き抜ける筈もないか。

 原作ではアイリーンはすぐに政治から足を洗ってデュランダルが議長となったが……俺達が介入した結果、その辺は原作と大きく外れているしな。

 デュランダルのデスティニープランについても既にそういう物があると知られている以上、秘密裏にデスティニープランの為に動くのも難しいだろう。

 アイリーンの方にもデュランダルの動きに関しては、注意しておくように連絡がいってる筈だし。

 

「揉めてる、か。ブルーマーズ計画の方は幾ら人数がいてもいいんだけどな。……コーディネーター至上主義者とかブルーコスモスなんかが出てこられると、ちょっとどころではないくらいに困るけど」

『でしょうね。その関係もあるわ。どうしても大人数を送り込む以上、その中にはコーディネーター至上主義者とかが入り込む可能性が高くなるでしょうし』

「……その結果火星でコーディネーターが独立運動とかしようものなら意味がない、か」

『そうね。ただ、火星には修羅やギアス世界の関係者、魔法使いといった人達がいるから、もしそんな真似をしたらすぐに潰されそうだけど』

「だろうな」

 

 魔法使いやギアス世界関係者はともかく、修羅は勢力丸々が火星にいるのだ。それに対してコーディネーターは幾ら大人数が移住するとしても、コーディネーター全体にしてみればほんの一部に過ぎない。

 もしもそれがSEED世界で地球連合軍に対してやったように戦いを挑もうものなら、まず間違いなくあっさりと鎮圧されるだろう。

 そして、SEED世界に対する偏見が生まれる可能性もある。

 それを思えば、確かにエザリアの思うようにそう簡単に移住者を決める訳にもいかない、か。

 生身での戦いでは魔法使いに勝てず、MSと修羅神で戦っても性能的には修羅神の方が高い。そんな状況で優良種だとか進化した人類だとか言ってもな。

 

「取りあえず、そっちに関してはアイリーンに任せるしかないだろうな。他に何かあるか?」

『そう。ね。門世界の件なんだけど……』

「まだ何かあったか?」

『ええ。ただ、向こうじゃなくてこっちにだけどね。技術班から、龍の捕獲要請が来ているわ』

「捕獲要請? ……ワイバーンじゃなくてか?」

『ええ。出来ればまだ私達が接した事のない、飛龍を希望しているわ』

 

 飛龍ってのは、確か翼龍……いわゆるワイバーンよりも上で、新生龍よりも下に位置する種族か。

 確かにどうせなら欲しいよな。

 特に新生龍や古代龍はその数が少ないが、飛龍辺りはその2種族程には数が少ないって事はないらしいし。

 

「分かった。メギロートとイルメヤとシャドウを数機ずつ……」

 

 そこまで告げた、その時。いきなり緊急の通信が入る。

 

『アクセル代表、大変です! 門世界のアルヌスの丘にて、これまでにない程に大規模な地震が発生しました。うおっ、おいそこ! 危ないぞ!』

 

 映像モニタに映し出されたのは、量産型Wではなく普通の人間の男。異世界間連合軍として他の世界から派遣されている人材だろう。

 男の後ろでは、確かに激しい揺れを現しているかのように他の人間が右往左往している光景が見える。

 ちっ、また地震か? ったく、このところ随分と多いな。

 

「慌てず冷静に対処しろ。そもそも、その世界で地震が起きるのは珍しい話じゃないだろ。今までに何度も地震を体験している筈だ」

『は、はい。分かりまし……何ぃっ!?』

 

 映像モニタに映し出された男が俺の言葉に頷こうとした、その瞬間。男が何らかの報告を受けたのだろう。突然叫ぶ声が聞こえてくる。

 おいおい、もうこれ以上悪い報告の類は止めてくれよ?

 チラリとエザリアが映し出されている方の映像モニタに視線を向けると、そこでは何やら忙しく手を動かしている様子が映し出されている。 

 何をしているのかは分からないが、恐らくは量産型Wを通して指示を出しているのだろう。

 ただし、その顔は厳しく引き締まっている。

 

『あ、ああああ……そんな……』

 

 信じられないとばかりに混乱したように呟く男。

 

「落ち着け! 何があったのかすぐに報告しろ!」

 

 その声でようやく我に返ったのだろう。男は息を呑むと改めてこちらに視線を向けてくる。何よりも異常なのは、まだ地震が続いている事か。

 これまでにも何度か門世界の地震は体験したが、その殆どは、最初に帝都のものを除いて1分もしないうちに納まっている。

 だが、今は地震の報告があってから数分。未だに揺れ続けているのだ。

 

『門が……門が……』

「門が? どうしたんだ?」

『門が、崩壊していっているそうです!』

 

 ……何?

 門が崩壊? 地震で門が崩れ始めているって事か? 確かに向こうの技術で作り上げた代物だし、色々と不思議物質であるのは事実だ。 

 だが、それでも……いや、不思議物質であるからこそ、地震程度で崩れ落ちるものか?

 とにかく、今は一刻を争う事態だ。もしも本当に門が崩れたとすれば、ホワイトスタートの接続が切れて向こうの世界に取り残される奴が出ないとも限らない。

 

「確認するが、門は崩壊しているってことは、もうこっちに戻れないのか?」

『いえ、報告に寄れば崩壊そのものはゆっくりとしたもので、まだ通る事は可能だと』

 

 なるほど。そもそも通信が可能な時点でまだ完全な崩壊ではないってことか。

 

「分かった、ならすぐにアルヌスの丘にいる者達は全員ホワイトスターに戻れ。それと、門世界で活動している者達にも至急連絡を付けて、ホワイトスターに戻ってくるように伝えろ」

 

 不幸中の幸いだったのは、基本的に門世界で活動している者達は何らかの移動手段を持っているって事か。これで何も出来ずに向こうの世界に取り残されるという事にはならないだろう。後は、門の崩壊までに向こうからこっちに戻ってこられるかどうか……

『分かりました。至急連絡します』

「それと、その基地に置いてある武器弾薬の類も出来るだけそっちに残さずに持ってきてくれ。どうしても無理なようなら、完全に破壊するように」

『は!』

 

 その言葉と共に通信が切れ、まだ通信の繋がっているエザリアの方へと視線を向ける。

 向こうでも同じような情報を得ていたのだろう。表情が厳しく引き締まっていた。

 

「聞いてたな?」

『ええ。こっちでもすぐに対応するわ』

「ああ。それと俺は一旦門世界の方に出向く」

『なっ! アクセル、貴方……いえ、何か言っても無駄だったわね。けど、いい? 向こうに取り残されるようなことにはならないでね? あやかや千鶴を悲しませたりしたら許さないから』

「分かってる。別に門が絶対に崩壊すると決まった訳でもないだろ。もしかしたら崩壊が止まる可能性も十分にある。それより、そっちは技術班に連絡してくれ。もしかしたら、門の崩壊を止められるかもしれないからな」

『ええ。……気をつけて』

 

 短く言葉を交わし、エザリアとの通信を切る。

 ……さて、何が起きたのかは分からないが、それでもやるべき事をやるとするか。

 内心で呟き、一刻も惜しいと影のゲートへと身を沈めていくのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167

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