転生とらぶる   作:青竹(移住)

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マブラヴ編
0999話


 門世界と繋がっていた門が消えてから数日。一時の混乱が収まり、技術班の方でもある程度の調査が完了したという事でようやく会議が行われる事になった。

 本来であればこの手の会議はシャドウミラー内だけで行われるのが普通なのだが、門世界に関しては異世界間連合軍として軍隊を派遣していた。その為、この会議にはギアス世界からは星刻、SEED世界からはウズミ、ネギま世界からは近右衛門、マクロス世界からはグラスがそれぞれ通信で会議に参加している。

 シャドウミラーからは、それぞれの場所のトップ以外にも幹部達で余裕がある者がこの場に来ていた。

 そんな俺たちの前にまず出てきたのはレモン。

 ブリーフィングルームの映像モニタに、旧交流区画の門があった場所を映しだしてから口を開く。

 

「まず、現状で一番気になっている事を報告するわね。アクセルが向こうの世界に置いてきたマーカーは、やっぱり何の反応もないわ」

 

 それはつまり、少なくてもシステムXNを使っての転移は不可能という事になる。

 

「マーカーが反応しない理由は不明。ただ、向こうの世界と繋がっている時にもマーカーは反応していなかったのを考えれば、恐らく門を開いたという存在が何らかの影響を及ぼしている可能性が高いわ。……まぁ、今更言ってもしょうがない事だけど」

 

 小さく肩を竦めたレモンは、映像モニタを動かす。

 そこに映し出されたのは、門が消える時の状況。黒い渦のようなものが現れ、収縮していき……やがて、それはまるで何もなかったかの如く消えさる。

 

「それでブラックホールみたいに消滅した門だけど……ああ、そうそう。少なくてもあれはブラックホールみたいなものであって、ブラックホールじゃないわね。重力の類は一切関知されなかったし。恐らくは魔法的な何かと表現するのが正しいんでしょう。ともあれ、現状では門世界との再度の接続は絶望的と言うしかないわ。研究自体もG元素研究のせいで殆ど進んでいなかったし」

 

 まぁ、それはそうだろう。門世界とG元素の研究。そのどちらが重要かと聞かれれば、俺は問答無用でG元素を選択する。

 勿論門の解析を全く行っていなかった訳ではない。ある程度の人数は割いていただろうが、それでもやはり技術班の大多数はG元素の研究の方に集中していたのだ。

 何しろ、時の指輪をホワイトスターに融合させるという研究なのだから、当然だろう。

 

「残念なのは、竜騎兵が使っていたワイバーン……翼龍がこれ以上入手出来なくなった事かしら。一応全部で100匹程度はいるけど、これだと将来的に繁殖させるのはいずれ限界に来るでしょうね。オーガに関しては、帝都での戦いで十分な数を捕獲して貰ったけど、気性が荒すぎて色々と問題だし、オークやゴブリンに関しても同様」

 

 飛龍の方はともかく、それ以外に関しては他の面々の表情は特に変わらない。

 まぁ、ホワイトスターを襲った主戦力だしな。そんな風になるのも当然だろう。

 

「ただ、オーガは純粋な膂力という意味ではかなり高いから、その辺の解析が済めば量産型Wに対して技術的な応用が出来ると思うわ。残念だったのは、以前捕らえた魔法使いが誰もいない事かしら。……まぁ、その辺に関してはハイエルフやダークエルフがいるから、それ程大きなダメージって訳でもないんだけど」

 

 エルベ藩王国に捕虜を譲渡した時、当然幾ばくかの魔法使いは魔法を研究する為にこっちに残った。

 だがレモンが言う通りハイエルフやダークエルフがこっちの傘下に入った事もあり、帝国との戦争終結後には、これまで魔法の研究に協力してきたと貢献を認め、解放したのだ。

 ……中にはホワイトスターでの生活が気に入り、是非残りたいと言ってきた奴もいたが、問答無用で全員解放となった。……この場合は追放か?

 

「技術班からは大体そんなところね。詳しい説明とかに関しては、また何か分かったら報告させて貰うわ」

 

 そう告げてレモンが座ると、映像モニタに映し出されていた門跡地の映像も消される。

 そして周囲のざわめく中、次に前に出たのはエザリアだった。

 

「政治班からの報告よ。まず門が崩壊する時に向こうに取り残された人はいないわ。まぁ、例のネギま世界の人は向こうに残ったままだけど」

 

 チラリ、と視線を向けられたのは近右衛門だが、フォフォフォと笑って誤魔化す。

 相変わらずの狸だ。

 ただ、自分のところの人員が向こうの貴族に婿養子として迎え入れられたのだから、色々と画策はしていたんだろうが……それも全てパーになった形だろう。

 

「それで、門世界から得た資源だけど……24時間体制で採掘し、精錬し、ホワイトスターに運び込むというのをやってたから、備蓄的にはかなり……いえ、これは正確な表現じゃないわね。マブラヴ世界に安く譲渡する分も含めて、10年以上の余裕はあるわね。もっとも、全部が全部マブラヴ世界に行く訳じゃないけど」

 

 向こうで得た資源に関しては、当然異世界間連合軍での賠償という形なので、俺たち以外にもある程度の所有権はある。ただ、あまり欲張ってもしょうがないという事で程々にという形になっているが。

 にしても、10年分か。俺が予想していたよりも結構多いな。

 

「それと、人材ね。ハイエルフとダークエルフは結局全員がホワイトスターへの移住を希望したわ。そういう面で見れば、収支的にはプラスでしょうね。……もっとも、ホワイトスターに来ないで去って行った人もいるけど」

 

 そう告げるエザリアの視線が向けられているのは、ムラタだ。

 そう、門世界で常にムラタと行動を共にしていたロゥリィは結局向こうの世界に残る事を決断した。

 亜神としての本懐があるとか何とか言っていたらしいが、その辺の詳しい事情はムラタしか知らない。

 ただ、ちょっと残念ではあるよな。生身での戦いでムラタとまともにやり合え、更には性格的にも相性が良かったロゥリィだ。出来ればあのままシャドウミラーに所属して欲しかった。

 門の崩壊前に会った時に後悔しない道を選べと言って、その結果ロゥリィが選んだのがこの道である以上、俺から特に言うべき事はない。

 ムラタ自身も残念には思っているようだが、後悔はしていないみたいだからな。

 その辺を考えると、この別れは当然だったのだろう。

 そんなシャドウミラー幹部陣や映像モニタ越しに視線を向けられたムラタだったが、特に表情を変える様子もなく口を開く。

 

「奴には奴の進むべき道があった。そういう事だろう」

 

 その言葉で取りあえずこの話題は終わったと判断したのか、エザリアは次の話題に移る。

 

「少し話が前後するけど、向こうの世界で資源を採掘していた機械の数々。量産型Wやメギロートの行動ログを確認したけど、確かに持ち帰れる物は持ち帰ったけど、それが無理な物は破壊してきたのを確認したわ」

 

 その言葉に安堵の息が漏れる。

 当然シャドウミラーの技術というのは、門世界にしてみればオーバーテクノロジーだ。迂闊に機材の類を残してきて、それが原因で妙な事になったりしたら面白くないしな。

 特にネギま世界から婿養子に行った奴なら、ある程度機械に関しては理解出来るだろうし。

 量産型Wにその辺を命令しておいて良かったというところか。

 その後も細々とした質問がエザリアやレモン、あるいは俺へとされるが、それに答えていくような時間が過ぎる。

 そして30分程が経ち……

 

「他に何か質問のある人はいる?」

 

 レモンのその声に特に誰も口を開かないのを確認し、大体の報告は終わる。

 

『ふむ、大体の流れは分かった。それで、これからどうする予定かね?』

 

 映像モニタ越しに尋ねてくるウズミの言葉に、小さく首を傾げる。

 

「どうする予定、とは?」

『再びあの世界、門世界に転移出来るようにするかどうかという事だ』

 

 尋ねてくるその理由は分からないでもない。オーブは島国だけあって資源に乏しい。そんな中、門世界からは多くの資源を手に入れられたのだ。そして、資源の採掘に関してはまだこれからも期待出来たのだから、ウズミとしては是非再び門世界と行き来出来るようにしたいだろう。

 だが……俺はそんなウズミの言葉に首を横に振る。

 

「残念だが、既に向こうとの繋がりは失われている。結局何が理由で門が出来たのかすら判明してないんだ。そうである以上、もしシステムXNで向こうの世界に転移しようにも、座標すら分からない。努力すれば再び座標が判明するかもしれないが、正直な話、そこまで労力を掛ける必要性を見つけられない」

 

 そもそも、向こうの世界の座標を探すとなれば駆り出されるのは当然技術班だ。

 だがその技術班は、G元素の研究という最優先課題がある。

 あるいはそのG元素の件が終われば、何人か回しても構わないが……少なくても、今この状況で技術班を動かす予定はない。

 ……ホワイトスターにキブツがなければ、もしかしたら最優先課題で門世界の座標を突き止めていたのかもしれないな。

 

『むぅ、そうか。さすがに無理を言う訳にはいかないか』

 

 残念そうに呟くが、それでも言い募るのではなく、あっさりと退くのはさすがと言うべきだろう。

 ものの道理を分かっていないような奴の場合だと、更に強硬に自分の言う通りにしろと命令してきて、結果的にこっちの印象が悪くなるのだから。

 そうなれば、これから俺たちと付き合っていく上で損にしかならないと理解しているのだろう。

 そもそも、今のオーブがSEED世界の盟主的な立場にあるのは、シャドウミラーの後ろ盾があってこそだ。もしもここでシャドウミラーがSEED世界から手を引けば、プラントはともかくロゴスやブルーコスモス辺りは何を企むやら。

 間違いなく戦争を引き起こそうとするだろう。そうしてDESTINYの原作通りにユニウスセブンが落ちてくる可能性も……

 いや、今のロゴスにとって一番の邪魔者はコーディネーターよりもオーブか。

 そうなると、ユニウスセブンの落下地点をオーブに向けて、オーブを消滅。それをコーディネーターの仕業だとして、再び宣戦布告する。……そんなところか?

 勿論オーブとしても、俺たちと同盟関係にあるからといっても防衛戦力の全てをこちらに任せている訳じゃない。

 例えばアークエンジェルがあるし、水中でM1アストレイを使えるような装備も開発している。当然新型MSの開発も進んでいるだろう。

 だが、それでも……オーブだけの戦力でロゴスに対抗出来ないというのは事実なのだ。

 確かにオーブ軍は精鋭が揃っている。それは間違いない。だが同じ精鋭でもシャドウミラーの精鋭とは大きく異なり、質で量を覆す事は出来ない程度の精鋭でしかないのも事実だ。

 ……そういう意味では、やはりシャドウミラーは色々な意味で異常なんだろうな。

 

「他に何か質問のある者は?」

『今回の件についてではないが、いいか?』

 

 そう告げてきたのは星刻。

 

「ああ、問題ない。折角こうして各国の代表も集まっているんだ。ならこの機会に話しておくべき事は話しておいた方がいい」

 

 まぁ、映像でのやり取りが出来る以上、それ程距離やら時間やらは問題にならないんだけどな。いざとなれば普通に連絡が取れるし。

 

『そうか、助かる。実はマブラヴ世界のソ連からガン・ルゥのライセンス生産を許可して欲しいという要望が来ている』

「へぇ」

 

 思わず感心の声を上げる。

 ソ連もいよいよ本気で動き出したか。

 オペレーション・ルシファーで国内のハイヴを1つ攻略出来たのがやはり大きかったのだろう。

 だが……どうするべきか。

 ここでソ連に対してガン・ルゥのライセンス生産を許可してしまえば、ソ連は大量にガン・ルゥを生産するだろうう。

 それ自体は構わない。いや、マブラヴ世界の状況を考えれば歓迎すると言ってもいい。

 しかしソ連一国が力を付けると、絶対に面倒臭い事が起きる。

 となると……

 そんな風に考えながら視線を政治班のいる方へと向けると、それを待っていたかのようにレオンが口を開く。

 

「アクセル代表が心配しているのは、戦力を増したソ連が妙な行動を起こさないかどうか、という事ですね?」

「ああ。これまでの経緯を考えると、な」

「では、他の国にもライセンス生産を許可するというのはどうでしょう? それならば、ソ連一国だけが突出した戦力を持ち合わせる事になりませんし、マブラヴ世界全体の戦力も向上します」

 

 ……なるほど。確かにそれはありと言えばあり、か?

 

「……分かった。レオンの意見を採用する。ただし、イギリスに対しての説明はきちんとして、若干でいいから優遇してやれ。向こうが不愉快な思いを抱くと、色々と余計ないざこざが増える」

「はい、分かりました」

 

 こうして、マブラヴ世界でのガン・ルゥのライセンス生産が決まる。

 ちなみにウズミからはリニアガン・タンクのライセンス生産に関しても持ちかけられたが、残念ながらガン・ルゥよりも数段高い技術が使われているので、今のマブラヴ世界では難しいんだよな。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167

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