転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1026話

 三つ巴の模擬戦という、ちょっと変わった訓練を見せたその日の夜。お別れ会……というのはちょっと大袈裟だが、明日にはマブラヴ世界に戻る6人の為に再びパーティを行っていた。

 まぁ、歓迎会の時にやったような超包子に料理を頼んで……とかの立派なものではなく、いわゆるホームパーティっぽい感じで大量の手巻き寿司を用意したのだが。

 勿論シャドウミラーには生魚を食べるという文化を持たない者も多いので、ハムやカイワレ、シーチキン、ボイルした海鮮物といった風に、そういう者達も楽しめるような具材は準備されている。

 

「おお、手巻き寿司はやはり素晴らしい。手伝っておいて何だが、アクセルがこれ程のものを用意してくれるとは……ありがたい」

 

 そんなパーティ会場を見て、崇継が珍しく喜色満面の笑みを浮かべてそう呟く。

 崇継だけではない。恭子や真壁、如月の4人も同様の表情を浮かべており、更には驚いた事に夕呼までもが小さくではあるが、唇に笑みを浮かべていた。

 この辺、つくづく日本人だよな。

 それに比べると、ソ連出身の霞としては別に手巻き寿司でも特に驚きや嬉しさはないらしく、いつものように表情はあまり変わっていない。

 ちなみに、ここまで崇継達が喜んだのには訳がある。

 現在基本的にマブラヴ世界の海で獲れる魚というのは、対レーザー弾頭でもあるAL弾頭で生み出される重金属雲により汚染されている。

 それでも食料が足りないマブラヴ世界としては、そんな魚でも捕らえて汚染物質を除去してから合成食に回しているらしいが、当然そんな魚を生で食う訳にはいかない。

 重金属の汚染がないとされているハワイとかの海域で獲れた魚にしても、気分的には生で食うというのは避けたいだろう。

 特にそれが日本の重要人物でもある五摂家ともなれば尚更だ。

 そうなると、寿司の具というのはかなり限定される。それこそキュウリとか、カンピョウとか納豆とか、煮込んだ椎茸とか、そういうのになるだろう。

 ちょっと変わったところで、川魚とかもあるだろうが……寄生虫の問題で生って訳にはいかないだろうし。

 勿論、ホワイトスターを通して他の世界との貿易が活発になっている以上は生魚の類も輸入してはいるんだろうが、それでもやっぱり気軽に食べるという訳にはいかないのだろう。

 そういう意味で、やはり寿司というのは日本人にとって衝撃的だった、と。

 ……折角なので、出来れば握り寿司の職人でも呼ぼうかと思ったんだが、結構急だった事もあって手が回らなかった。そもそもホワイトスターに連れてくる寿司職人自体が麻帆良にしかいないんだよな。

 他の世界は色々と日本とは縁遠かったり、日本と関係があっても微妙に俺が思う寿司とは違っていたり……敢えて挙げるとすればSEED世界のオーブだが、あそこの寿司も寿司で、微妙にアレンジされてたりするんだよな。アボガド巻きとかならまだ許せるんだが、マンゴーの寿司とかはさすがにちょっと……

 以前俺が食った寿司屋とかなら大丈夫そうだったが、それでもホワイトスターの中でもシャドウミラーの代表でもある俺や技術班を纏めているレモン、実働班を纏めているコーネリア、歌姫として銀河規模で人気のシェリルといった面子のいる、最重要機密のこの家に連れてくる手続きは複雑で時間が掛かりすぎる。

 その結果、そこまで手間や時間を掛けるのもどうかって事で、こうして皆が楽しめる手巻き寿司パーティになった訳だ。

 これだと、料理の準備とかもかなり簡単だしな。

 海苔を切って、酢飯を作って、各種の具を用意すれば完了。

 ……まぁ、人数が人数だから用意する海苔、酢飯、具材は莫大な量になったけど。

 その辺に関しては大量の人数を繰り出す事で何とかなった。

 普段はマリューや千鶴が料理をしているんだが、海苔や具材を切ったり、皿に乗せたりするのは俺達でも出来るし。

 酢飯を作るのは技量がいるので、マリューや千鶴に任せたんだが……何よりも驚いたのは、恭子も酢飯を作るのが上手いって事だ。

 如月から聞いた話によると、五摂家の女として家事に関してはしっかりと仕込まれているらしい。

 逆に夕呼は完全にそっち方面は駄目で、霞と一緒に海苔を切っては皿に乗せていた。

 崇継や真壁の方も、具材を切ったり皿に乗せたりしてはパーティ会場となる居間へと運ぶ係だ。

 こういう風に出来るのも、今回のパーティに関してはシャドウミラーのメンバー全員を招待するとかじゃなくて、パーティ参加者はあくまでもこの家に住んでいる俺やレモン達だけだからだろう。

 ホームパーティだからこそ、招待客でもある崇継や恭子達を使ったり出来たんだが。

 改めてテーブルの上に並んでいる各種手巻き寿司の具材を見ながら、俺は冷えたウーロン茶の入ったコップを持って口を開く。

 

「さて、取りあえず今回の日本から招待した面々とは上手い具合に楽しむ事が出来た。また機会があれば、こうしてホワイトスターで楽しみたいと思う。では、シャドウミラーと日本の友好と発展を祈って……乾杯!」

『乾杯!』

 

 俺の言葉に合わせるように全員がそう告げ、手巻き寿司パーティが始まる。

 皆が近くにある海苔へと手を伸ばし、酢飯を取って具材を巻いて醤油へと付けて口へと運ぶのだが、レモン達のように生魚をあまり食べないグループは茹でたイカやウィンナー、中にはローストビーフやハムとかを巻いて食べていく。

 

「あら、結構美味しいわね。和食はうちでもそれなりに食べるけど……」

「簡単なようでいて、奥が深かったりするんですよ」

 

 レモンと千鶴の会話を聞きながら、俺も取りあえずとばかりにネギトロとカイワレ大根、青ジソを巻いて食べる。

 うん、美味いな。普通に定番のメニューだが、定番だからこそ美味いと言うべきか。

 

「アクセル、このようなパーティを開いてくれてありがとう。感謝しているよ」

 

 声のした方へと視線を向けると、そこにはマグロやヒラメの手巻き寿司を皿の上に乗せて上機嫌な崇継の姿が。

 その後ろには、イカと納豆の手巻き寿司を手にしている真壁の姿もある。

 ……京都を含む関西だと、納豆はあまり好まれないって話を以前聞いた覚えがあるけど、真壁はそうでもないのか。珍しい。

 そんな風に思いながら、俺もまた口の中に入っていたネギトロの手巻き寿司を飲み込む。

 

「別に気にするな。確かにパーティという面もあるけど、単純に俺が食いたかっただけってのもあるしな」

 

 実際、基本的に俺の家での食事は洋食が多い。

 最近でこそ千鶴が住むようになって和食も増えてきたが、それ以前は洋食5、中華2、和食1、その他1って感じだったしな。

 だからこそ、たまに寿司や蕎麦といった和食を無性に食いたくなる事がある。

 そういう時は、基本的にネギま世界やSEED世界の方に顔を出して食べたりしているんだが。

 俺の場合、食べた料理は即座に身体の中で完全に吸収されて魔力へと変わる。だからこそ、満腹感とかはなく幾らでも食べられるんだが……それは逆に考えると、大量の食費が掛かるって事でもある。

 まぁ、異世界間のハブステーション的な地位であるホワイトスターの主でもあるシャドウミラーだ。黙っていても金には困らないんだが、それはそれ、これはこれだ。

 今度、大食いの店……30分以内にカレー5人分を食べて賞金1万円とか、そういうのにチャレンジしてみるか。

 あるいは、いっその事大食い選手権とかに出てみるのも面白いかもしれない。

 ただ、問題はその手の企画をやってる店がありそうなのはネギま世界くらいしかないって事なんだよな。

 

「出来れば寿司職人とか呼んでやれれば良かったんだが、一応ここはホワイトスターの中でも最重要区画の一つだからな。そう簡単に誰でも入れる訳にもいかないんだよ」

「へぇ。……けど、そんな場所に私達を入れてもいいのかな?」

 

 どこかからかうように告げてくる崇継だったが、俺はそれに小さく笑みを浮かべて返すだけにして、ハマチと青ジソを巻いた手巻き寿司を作って口へと運ぶ。

 実際、ここが重要区画だとしても、それはあくまでもシャドウミラーの代表である俺や、俺の恋人でシャドウミラーの幹部でもあるレモンやコーネリア、シェリルのような人物の居住区だからという理由からだ。

 もしこの場所を襲撃しようとしても、それこそシャドウミラーのメンバーは生身でも相当の戦闘能力を持っているし、あやか、千鶴、円、美砂の4人は生身での戦いには滅法強い。

 そして何よりも俺がいるんだから、襲撃して来た奴等は寧ろ誰が襲ってきたかの情報源にしかならないだろう。

 それに、当然この家の周囲は量産型Wが人知れず警護をしているし、何かあればすぐにメギロートやイルメヤが駆け付けるようになっている。

 本当にシャドウミラーにとっての重要区域……例えば魔法球を設置してある魔法区画や、量産型Wを作り出す為の培養ポッドがある部屋、キブツのある区画、機体を収容している格納庫、更にはシロガネやニヴルヘイムの収容区画といった場所に関しては見せていないしな。

 そんな俺の態度から、大体の話は理解出来たのだろう。崇継は小さく肩を竦めただけで何を言うでもなく、真壁を引き連れて去って行く。

 

「ふふっ、ホワイトスターというのは非常に興味深い場所よね。色々と興味が出てきたわ」

 

 次にそう声を掛けてきたのは、夕呼だ。手に持っているのは王道的にマグロとイカの入っている手巻き寿司。

 そんな夕呼に、口の中に入っていたものを飲み込んでから話し掛ける。

 

「そうか? ならいつでもシャドウミラーに所属してもいいんだぞ。俺としては、お前のような有能な人物はいつでも大歓迎だ。……霞とかも一緒でもいいしな」

 

 チラリと千鶴の作った手巻き寿司を食べては耳をピコピコと上下させている霞を見ながらそう言う。

 あー……やっぱりな。基本的に子供好きな千鶴だ。霞みたいな小動物系の子供は好みなんだろう。

 穏やかに笑っているその顔は、俺と一緒にいる時が女の顔だとすると、今は母親の顔か。……年齢は……

 そう思った瞬間、グリンッと千鶴が何の予備動作もないままにこちらの方へと視線を向けてくる。

 

「何かしら、アクセル君。今妙な事を考えたりしなかった?」

「いや、特に何も。霞と仲が良いようで何よりだと思っただけだよ」

 

 さすがにそれなりに長い期間千鶴と付き合っていれば、こういう時の対処法に関しても十分に理解出来る。

 隣で夕呼がどこか呆れた表情を浮かべているが、今は気にする必要はない。

 

「そう?」

 

 笑みを浮かべた千鶴のその問い掛けに、再び頷き……

 

「アクセルさん。これ、美味しいです」

 

 千鶴の側で手巻き寿司を食べていた霞が、そう言って皿に幾つか入った手巻き寿司を俺の方へと持って来る。

 ツナやハム、カイワレ大根、エビフライ、ハンバーグといった風に、子供が好きそうなものが幾つも巻かれていた。

 

「……これ、食べてみて下さい」

「そうか? わかった。なら1個貰おうか」

 

 渡された手巻き寿司のうち、エビフライが入ったものを醤油につけて口へと運ぶ。

 エビフライが入っているけど、ソースとかタルタルソースとかはついていないので、醤油をつける。まぁ、世の中にはエビフライに醤油を掛けて食べる人もいるんだから、特におかしい事ではないのだろう。

 俺はソース派だけどな。

 

「ふふっ、随分と賑やかですね」

「恭子か。楽しんで貰っているか?」

「ええ。まさかホワイトスターで手巻き寿司を食べられるとは思いませんでした。アクセル代表のお心遣いには感謝します」

 

 嬉しそうに笑みを浮かべつつ、恭子が頭を下げる。 

 崇継といい、恭子といい……やはり日本人にとって寿司というのは色々な意味で特別なものなのだろう。

 いや、実際俺も好きだけどな。

 

「マブラヴ世界でも、いずれ食べられるようになればいいな」

「……そう、ですね。そうなればいいと思います。私が生きている間にというのはちょっと難しいでしょうが」

 

 呟き、恭子の目はどこか悲しげに遠くを見る。

 確かにまずはBETAを地球から追い出して、その後に地球環境の回復をしていかなければならないしな。

 その辺に関しての技術は、幾つもの惑星をテラフォーミングしてきたマクロス世界や、ネギま世界で火星をテラフォーミングしている俺達が力になれるだろう。

 

「いずれ……そう、恭子が生きているうちに、地球からBETAを追い出して、マブラヴ世界の地球環境を回復してみせるから、その時を楽しみに待っててくれ」

「……アクセルさん」

 

 俺の言葉に、一瞬ポカンとした表情を浮かべてこっちを見ると、やがてクスリと小さく笑う。

 

「そうですね。その時を楽しみにしています。もしそうなったら、私達の世界で獲れた素材を使って作った私のお料理を一緒に食べて貰えますか?」

「そうだな。恭子の知り合いの……何て言ったか。篁家で食べた肉じゃがはなかなかに美味かったから、ああいうのを楽しみにしているよ」

「……全く……」

 

 何故か俺の言葉に薄らと頬を赤くしながらも、そう呟く恭子だった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179

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