転生とらぶる1   作:青竹(移住)

116 / 2849
0098話

「馬鹿な、ゲイム・システムだと!?」

 

 スリサズと俺の通信内容を聞いていたハガネの部隊から動揺が伝わってくる。

 それも無理はないだろう。ハガネは前大戦でゲイム・システムを搭載しているヴァルシオン改と激闘を繰り広げたのだから。そして、リクセント公国のシャイン王女を助け出した。

 それ故にそのシステムの危険性を誰よりも知っている。

 だが俺は原作知識のおかげでベルゲルミルにゲイム・システムが搭載されているのを知っていた為、特に動揺もなく武器ラックからガン・レイピアを取り出す。同時に、ビームガトリング砲とリニアレールガンの砲身を展開。

 

「ふん、ゲイム・システムを起動させた僕にそんな攻撃が当たると思っているのかい?」

 

 嘲笑を浮かべつつ通信をこちらに送ってくるが、こちらも口元に侮蔑の笑みを浮かべて返してやる。

 

「新世代の人類とやらは実力を示すのに行動ではなく、良く回る舌を動かすらしいな。さすが新世代。俺より実力は下でも、口の巧さは上という訳か」

「下等なヒト如きが、僕を馬鹿にする気か!?」

 

 怒りの叫びと共に撃ち込まれるベルゲルミルのライフルだが、いくらゲイム・システムを使っているとは言え、頭に血が上っている状態では狙われてもそれ程危機感を覚えない。

 と言うか、本当にこいつらが新人類だというのならこの頭に血が上りやすいのはどうにかした方がいいんじゃないだろうか。いや、確か原作ではオリジネイターと呼ばれているウルズ以外のマシンナリー・チルドレンは意図的に不安定な部分を与えられている筈だ。となると、こいつは正確には新人類ではなくて、新人類の為のテストケースなのだろう。

 そんな事を考えつつも、機体を小刻みに動かしベルゲルミルの射撃を回避し続ける。

 

「新人類を自称する割には旧人類の俺を相手に一発も攻撃を当てる事が出来ないんだが、これは新人類の仕様か?」

「黙れ! 旧人類如きが新人類たる僕に意見するなんて100年早いんだよ!」

 

 その叫びと共に、ベルゲルミルがその背に装備されている半円状の雷太鼓のようなものを展開する。その半円状の装備は空中で1つの円となり、ベルゲルミルを中心にして素早く回転、勾玉のようなものをこちらへと射出する。

 

「ちぃっ、アダマン・ハルパー展開、ナイン・テールモード!」

 

 9条の鞭と化したアダマン・ハルパーを振り抜き、勾玉を4つまでは斬り裂く事に成功する。同時に頭部横に装備されたバルカンポッドからバルカンを発射。勾玉の1つを破壊する。残り1つ!!

 

「T-LINKシステム、フルコンタクト! 念動フィールド、最大出力!」

 

 最後の1つの勾玉が、念動フィールドへと衝突する。その隙にアダマン・ハルパーを基本の大鎌状態へと戻し、勾玉を斬り裂く。

 

「馬鹿な、ヒト如きが僕の攻撃をこうも容易く防ぎきるだって?」

 

 呆然としているベルゲルミルを尻目に、クロノスのブースターを使いリニアレールガンとランツェ・カノーネの砲身を展開しながらその懐へと潜り込む。

 

「この程度で新人類だと? 先程も言ったが己の分、というものを多少は弁えろ!」

 

 ガン・レイピアで右腕を、リニアレールガンで左腕を破壊し、ランツェ・カノーネでその両足を吹き飛ばす。

 四肢を吹き飛ばされ、達磨状態となったベルゲルミルの頭部を掴みアンサズの乗っているベルゲルミルへと通信を送る。

 

「さて、自称新人類のスリサズがこうして惨めに負けた訳だが……どうする? お前もやるか?」

「くっ、分かった。ここは退いて上げるよ。だが、この事はパパに報告させて貰うよ?」

「好きにしろ。力尽くになるというのはフェフ博士も了承している」

 

 最後に憎悪を込めた目で俺を睨むと、そのままアンサズのベルゲルミルはアースクレイドルへと飛び去っていく。

 ……って、おい。スリサズはどうするんだ? 俺が連れて行くのか?

 ゲイム・システムと機体を破壊された時の衝撃からか、気絶しているスリサズをモニタ越しに見て溜息を吐く。

 てっきりアンサズが連れて帰ると思っていたから達磨にしたんだが……まぁ、レイディバードで来て正解だったな。

 

「さて、ハガネの部隊諸君。色々と騒がせてしまったが俺はこの辺で失礼させて貰う」

 

 通常周波数で通信を送り、その場を去る……前に、ふと出撃している部隊の中にビルトビルガーの姿を発見する。

 

「その機体、アラド・バランガだな」

「お、俺? 俺に何か用か?」

「今俺が戦ったこいつはお前を執拗に狙ってくるだろう。この前の戦いのような無様を晒していては自分が最も守りたい者すら守れないぞ」

「分かってるさ! ゼオラとオウカ姉さんは必ず取り戻してみせる!」

「そうか、なら強くなれ。奴等よりも、インスペクターよりも、そして俺よりも。そうすれば比翼の鳥は再び羽ばたくだろう」

「え? 何言ってんの?」

 

 困惑しているアラドを尻目に、ASRSを展開してその場を離脱する。

 

「量産型W、聞こえているな」

「はい、アクセル隊長。聞こえています」

「合流地点で待っていろ。俺もすぐに向かう」

「了解しました」

 

 四肢を失ったベルゲルミルだが、さすがにマシンセル対応型というべきか。既にその手足は半ばまで再生されている。

 フェフとの約束は、ウルズを無事に返す事。すなわちスリサズは死んでも別に構わない訳だ。一瞬、このまま吸収するかどうか迷う。原作ではマシンナリー・チルドレンは例外なく天才のスキルを持っている。これはPP消費で覚える事が出来ない上に、命中・回避・クリティカル率に補正が掛かると言うかなり強力なスキルだ。普段なら問答無用で吸収している。

 もちろんそうしないのには理由がある。スリサズがマシンナリー・チルドレンだという事だ。

 マシンナリー・チルドレン。すなわちブーステッド・チルドレンの遺伝子の優秀な部位を基にマシンセルを用いて製作された人造人間の総称だ。ここで問題になるのがマシンセル。これはエアロゲイターの技術であるズフィルード・クリスタルを研究して作られた物で、自己再生と自己進化する能力を持っている。もし吸収して暴走したら洒落にならない事態になるのは間違いない。デビルガンダムならぬ、デビルグロウセイヴァーになってその生体パーツになるなんてのは絶対に御免だ。

 ……今回は天才を諦めた方が良さそうだな。

 

「このままここで2ラウンド目に突入なんて事になったらハガネに察知されそうだな。少し急ぐか。加速!」

 

 ベルゲルミルの頭を掴んだまま加速を使い、レイディバードとの合流地点へと向かった。

 

 

 

 

 

 レイディバードと合流する事に成功し、グロウセイヴァーを格納庫の中へと着艦させた。同時にベルゲルミルを格納庫の隅へと放り投げる。既にその手足は殆ど修復されており、俺に破壊された勾玉のような物も再生している。

 

「さて、修復したんならこのまま放り出しても構わないんだが……俺が捕獲した手前、そうもいかないか」

 

 グロウセイヴァーのコックピットから降り、そのままベルゲルミルの方へと近つき、装甲を軽く蹴る。

 

「おい、寝たふりはもういいからさっさと出てこい」

 

 そう告げた瞬間、ベルゲルミルのコックピットが開き、スリサズが素早く飛び出してきた。

 

「下等なヒト如きが僕に命令するんじゃないっ! 戦闘でやられたのは機体性能の違いであって、僕が君に劣っている訳じゃないと証明してやる!」

 

 叫びながら、ナイフを俺の身体目掛けて突きだしてくる。その素早さはさすがに新人類と自称するだけあるものだったが、俺のステータスやスキルだって伊達ではない。

 ナイフを持って突き出されたスリサズの右腕を、身体を半身にする事で回避してそのまま伸ばされた右腕の肘を狙い蹴りを放つ。

 ただでさえ転生能力で成長率が高い上にインファイトを習得している俺の蹴りは、鈍い音をたててスリサズの右肘を砕いた。

 

「がぁっ!」

 

 そのまま痛みに耐えかねて右肘を抱えたまま踞ったスリサズの顔面を上へと蹴り上げ、空中へと浮かせる。そして顔面を蹴り上げられた影響で無防備に晒されている喉を右手で鷲掴みにする。

 

「ぐふっ」

 

 いくらマシンセルがあるとは言え、喉を鷲掴みにされたまま身動きが出来ない状態では碌に身動き出来ない為、ただ俺を睨みつけるしか出来ない。

 

「どうしたんだ? 自称新人類。下等なヒト如きにいいようにやられてばかりだが、新人類の力はその程度なのか?」

 

 嘲りの言葉を聞き、その目は既に憎しみに染まっている。

 

「……反省の色がないようだな。これは多少の躾が必要か。どうせお前等マシンナリー・チルドレンはマシンセルが再生してくれるんだろう? ならどれ程怪我をしても死ななければ大丈夫だという事だな」

 

 喉を握っている右手へと徐々に力を加えていく。既に普通の人間なら喉の肉ごと毟り取れる程度の力を入れてはいるのだが、さすがにマシンナリー・チルドレンと言うべきか。その身体はかなり頑丈に出来ているようだ。

 だが、身体が頑丈でも心まで頑丈とは限らない。スリサズのその目は、つい数秒程前までの憎しみではなく、恐怖の色を浮かべている。

 

「さて、どうする? このまま俺にここで躾をされるか。それとも素直に俺の言葉に従うか。好きな方を選べ」

「わ……かった……従う」

 

 喉を掴まれていてもどうにか声を出す事が出来たらしく、屈服の言葉を告げる。

 その言葉を確認した俺は、勢いをつけて喉を掴んでいた手を離し、スリサズを壁へと叩きつける。

 

「いくらマシンナリー・チルドレンとは言え、世の中上には上がいるというのは理解出来たな? これからはもっと自分と相手の力の差を考えて口に出す事だ。分かったか?」

 

 壁へとぶつかった衝撃を堪えているスリサズへと声を掛ける。俺の顔を見たスリサズは何度も激しく頷いている。

 

「アースクレイドルに着くまでは好きにしていろ。あっちに着いたらフェフ博士に引き渡す事になる」

 

 それだけを告げて、格納庫から出て行く。今回の戦いで無様に負けた自分を反省してより強い力を手にするか、あるいは敗北を認めずに己の小さい殻に閉じこもるか。どちらを選ぶかはスリサズが自分で決めるだろう。

 

 

 

 

 

「アクセル大尉、今回は迷惑をかけたな」

 

 アースクレイドルに到着した俺を待っていたのは、フェフだった。その傍らにはオリジネイターであるウルズの姿もある。既にスリサズがどのように扱われたのかを聞いているのだろう、マシンナリー・チルドレンを相手にもしていない俺に対して挑戦的な目を向けていた。

 

「いや、気にしなくてもいい。ただ出撃前にも言った通り、こちらの言う事に耳を貸さなかったからな。結局は力尽くという事になってしまった」

「それはしょうがない。俺も納得ずくで頼んだ事なんだし、気にしなくてもいい」

 

 俺とフェフの見ている横で、レイディバードからベルゲルミルが運び出される。スリサズの姿が無い所を見ると、恐らくコックピットで待機しているのだろう。

 

「しかし、スリサズは自分の事を新人類とか言っていたが……その割には妙に感情的になったり情緒不安定な所が見えたんだが、あれがマシンナリー・チルドレンの特徴か何かなのか?」

「いや、そういう訳でもない。現在の所完全なマシンナリー・チルドレンと言えるのはこのウルズだけでな。他はまだまだ試行錯誤している所だ」

 

 なるほど、やはりスリサズはマシンナリー・チルドレンのプロトタイプの1人でしかない訳か。

 

「了解した。だが、あまりこちらの手を煩わせないでくれると助かる」

「ああ、気をつけよう。今回は助かった」

 

 フェフは俺をマシンナリー・チルドレンに対する経験値としか考えていなかった筈だが、そんな事は表情に欠片すらも出さずに礼を言ってきた。

 マシンナリー・チルドレンよりも、この男こそが警戒すべき対象だろうな。




名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:40
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.8
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:135
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。