転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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番外編052話 凛の夢 8話

「……うん? ここは……」

 

 凛の意識がふと目覚めると、目の前に広がっていた光景は一面の桜。

 それと、大勢の人間がそれぞれに飲んで食べてと騒いでいる光景。

 

「遠坂、これって……」

 

 隣から声が聞こえてくるが、その声に驚くようなことはない。

 ここは凛と綾子の2人と魔力的に繋がっているアークエネミーの記憶だと理解していた為だ。

 それでも尚驚いたのは、目の前に広がっている光景が昨夜の夜に見た夢と全く同じだったからか。

 

「ええ、昨日の夜の続き……かしら?」

 

 呟く凛の視線の先では、見覚えのある人物が手に持っている茶色い液体の入ったコップを口元へと運んでいた。

 

「アークエネミー」

「本当だ。……けど、あのウサギの娘はいないね。昨日の夢だとアークにベッタリだったのに」

 

 綾子の言葉で、前日の夢を思いだしながら周囲を見回す凛。 

 確かにその言葉通り、娘や妹のようにアークエネミーに懐いていたウサギの耳のようものを着けている少女の姿はどこにもない。

 

「まぁ、アークエネミーはそういう趣味じゃなかったって事でしょ」

 

 安堵しながらも、凛はそれを見せずに告げる。 

 凛にしてみれば、自分を抱いてたアークエネミーがそういう趣味を持っているというのは絶対に思いたくなかった出来事だった。

 

「……あ」

「え?」

 

 綾子の口から出た言葉に、凛は慌ててアークエネミーの方へと視線を向ける。

 そこでは、赤紫色の髪をした凛や綾子よりも年上の女が、アークエネミーにしな垂れ掛かっていたのだ。

 それも、同じ赤紫色の髪でも、今まで何度か出て来たアークエネミーとのベッドシーンを迎えていた人物とは違う人物。

 ただし、こちらもまたこれまでに見てきた者達同様に、人並み外れた美貌と見て分かる程に男好きのする身体つきをしている。

それに対して微妙に思うところのある凛だったが、今はそれよりも気になることがあった。

 それは即ち……

 

「何で白衣?」

 

 そう、白衣。

 その人物が身に纏っているのは、紛うことなき白衣だった。

 とても花見には相応しくない格好なのだが、不思議とその人物が白衣を身に纏っているのを見ても違和感はない。

 違和感はないのだが……

 

「結局、あの人もアークエネミーの恋人の1人だったりするのかしら」

 

 呟く凛。

 実際、今まで凛と綾子が見てきたアークエネミーの恋人と思しき人は全員が全員豊満なボディラインをしていた。

 それを思えば、恐らく間違いないのだろう。

 ……明日にでもこの苛立ちをアークエネミーにぶつけてやる。

 そんな風に思いながら、意識がシャットダウンされるのを感じるのだった。

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