転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0104話

「アクセル大尉!」

 

 シロガネでアースクレイドルへと帰還し、久しぶりにゆっくりしようという事で都市部へと出かけたのだが、突然後ろから声を掛けられた。

 振り向くと、そこには笑顔を浮かべているゼオラと、困ったような顔だがそれでも笑顔を浮かべているオウカの姿があった。

 どうやら俺に声を掛けてきたのはゼオラらしい。オウカの脇腹を肘で突いているようだがゲームか何かだろうか。

 

「久しぶりだな。元気にしていたか?」

「ええ。大尉も怪我をしてないようで安心しました」

 

 顔を赤くしながら微笑むオウカ。ゼオラは何故かそんなオウカの様子を見て笑いを堪えている様子だ。

 

「……そう言えば、アラドとラトゥーニに会ったぞ」

「え!? アラドとラトに?」

「その、2人は元気でしたか?」

 

 さすがにアラドとラトゥーニの名前は聞き逃せないのか、食い付いてくる。

 

「そうだな。お前達2人を取り戻す為に頑張っていたようだが……」

「もしかして、大尉と戦闘に?」

「え!?アラド大丈夫でしたか!?」

 

 オウカの言葉に過剰反応するゼオラ。まぁ、ゼオラにしてみればアラドは操縦技術の未熟なパイロットという認識なんだからしょうがない。

 

「ああ。アラドは新型機のパイロットになっていた。ゼオラ、お前が乗っているビルトファルケンとセットで運用する為に開発された機体らしい」

「ビルトファルケンと……」

「ラトゥーニに関しては、テスラ研で開発された新型……新型? まぁ、とにかく珍しいリオンに乗っていたな」

「えっと……ラトは大丈夫なんでしょうか?」

 

 オウカの質問に、フェアリオンの事を思う。シャイン王女と共に、自由に空を駆ける2機のフェアリオン。

 

「そうだな、取りあえずパイロットの仕事がなくなったらアイドルになってもやっていけると思うぞ」

「ラト……貴方一体……」

 

 何故か額を押さえるオウカ。

 

「ところで大尉、これから時間はあるんですか?」

 

 ゼオラの問いに少し考える。時間自体は問題無い。それにこちらとしてもオウカやゼオラに話しておきたい事があったし丁度いいだろう。

 

「ああ、問題無い。俺もお前達に話しておきたい事があったしな」

「え!? わ、私に話しておきたい事ですか!?」

 

 再び顔を赤くしたオウカだが、ゼオラが苦笑しながらオウカへと声を掛ける。

 

「姉様、私じゃなくて私達、です」

「え? あら。ごめんなさい」

「? いや、まぁいいが。で、話だが……もう少ししたら、俺達はオペレーション・プランタジネットに参加する為にアースクレイドルを出撃する。その時に、オウカとゼオラ、クエルボ博士も一緒にシロガネに搭乗して貰う。ヴィンデル達に見つからないように、だ」

 

 自分達にとっても重要な話だという事を理解したのだろう。2人とも先程までの和やかな雰囲気ではなく、真面目な顔をして俺の話を聞いている。

 

「そしてその作戦中にハガネやヒリュウ改と接触したら俺達も出撃する事になるだろう。その時には恐らくヴィンデルも出撃する筈だから、シロガネの内部に対する警戒も薄くなる筈だ。お前達はその隙を突いてビルトファルケンで脱出しろ。その際、ちょっと狭いが3人ともビルトファルケンに乗って出撃してもらう。そしてそのままあっちの戦力と合流しろ」

「あの、分かりましたけど……大尉は?」

「ん? 俺はもちろんオペレーション・プランタジネットに参加するが?」

 

 もっとも、その参加方法はノイエDCを裏切ってインスペクターに加勢するという参加方法なのだが、それは教えない方がいいだろう。

 

「え? 大尉も私達と一緒にハガネに行くんじゃないんですか!?」

 

 オウカの質問に答えた俺に向かって、ゼオラが叫んでくる。どうやら俺もオウカやゼオラと共にハガネやヒリュウ改に合流するものだとばかり思っていたらしい。

 

「元々の約束は、お前達をアラドやラトゥーニと再会させるというものだ。それに俺は関係ないだろう?」

「でも、それだともしかしたら私達はアクセル大尉と戦う事になるかも……」

「それも、戦争では良くある事だ」

「大尉……」

「そんな顔をするな。ほら、可愛い顔が台無しだぞ」

 

 悲しそうな顔をしているオウカの頭を軽く撫でてやる。

 

「それに、インスペクター相手のこの戦い。恐らくそう長くは続かないだろう。近いうちに戦いが終わる事になると思う」

 

 そう。オペレーション・プランタジネットが終了すれば、そう長くは続かない筈。

 インスペクターとアインストをハガネとヒリュウ改が倒してくれさえすれば、この戦いは一応の決着を迎える。

 俺がオウカやゼオラをアラドに合流させるというのも、何も俺の代わりに奴等と戦って貰う礼だけという訳でもない。オウカにしろ、ゼオラにしろ、パイロットとしては十分に一線級の力を持っているのだから。

 

「それは本当ですか?」

「ああ。俺の予想が正しければだがな。そうすればまた会える日が来るかもしれない」

 

 自分の発したその言葉に、ふとあちらの世界のユーリアの事を思い出す。この約束もまた、叶えられる可能性はかなり小さい。

 なにせオペレーション・プランタジネットでシャドウミラーはノイエDCを裏切りインスペクターと手を組む事になるのだ。このまま事態が進行した場合は俺達がオウカの前に立ちふさがる事になるだろう。

 ……もっともそうならないように色々と動いてはいるんだが、な。

 

「さて、じゃあこの話をクエルボ博士にも伝えておいてくれ」

「分かりました。では早速セロ博士に伝えたいのでこの辺で失礼させて貰いますね」

 

 小さく頭を下げて、去っていくオウカとゼオラ。その後ろ姿を見送りながら、俺も作戦司令室へと戻る事にした。

 

 

 

 

 

「ああ、アクセル。呼び出す手間が省けたな」

 

 作戦司令室へと入って来た俺に向かって最初にヴィンデルが口に出した言葉がそれだった。

 

「どうしたんだ?」

「オペレーション・プランタジネットについての打ち合わせをしようと思ってな」

「W17の自爆で損傷したシステムXNの修復具合はどうだ?」

「レモンが現在修理しているが、後2日くらい必要だそうだ」

「ならシステムXNの修復が完了したら……」

「ああ。ノイエDCとは袂を分かち、本命に接触する」

「インスペクター、か。だが、向こうの世界に残っている記録で奴等の性格なんかは知っているだろう? こちらを見下しきって病原菌扱いする連中を相手に上手く御せるのか?」

 

 インスペクターのメンバーは、幹部が人間でその部下がバイオロイド。その辺を考えると、俺達シャドウミラーとよく似ている組織構造と言ってもいいだろう。しかし自分達の方が上の存在だと思い込んでいる奴等が、こちらの思い通りに踊ってくれるかどうか。

 

「なに、その辺は私に任せてくれればいい。そういう奴等の相手はあちらの世界の上層部相手に嫌となる程やってきた。そして奴等の力と技術さえ手に入れる事が出来れば私達の理想にまた1歩近づく事になる」

「もっとも、ローズがしくじれば計画の見直しが必要になるがな。その辺は大丈夫なのか?」

「インスペクターはこちらの技術に興味を持っている。特に転移装置としても使えるシステムXNにな」

 

 システムXNの本来の用途、次元転移装置についてはインスペクターも気が付けないと思われる。自分達が転移装置を実用化しているので、インスペクターとしての物事の見方以外が出来ないんだろう。

 

「それにオペレーション・プランタジネットがある程度まで進んでしまえば嫌でも戦力が足りなくなり、こちらを当てにせざるを得なくなる」

「バン大佐の性格を考えれば、まず間違いなく最前線で戦闘に参加するだろうな」

「ああ、そしてそのままプランタジネットが彼の終焉の舞台だ。それに上手く転がればハガネやヒリュウ改、ヘリオスもその場にいる可能性がある」

「奴等か……あの連中を相手にするとなると、不確定要素が強いんだがな」

 

 そして、その時にオウカとゼオラはアギラの枷から解き放たれる事になる。

 

「私はその様子を想像するだけで楽しくてしょうがない。……この感じ、これこそが闘争というものだ。そしてそこから産み出される混沌こそが私達の望むもの」

「お前が、だろう?」

「……言っただろう? 私達が、だ」

 

 

 

 

 

 そして数日後、トリニティゲインの修復も終わった事により戦闘準備を整えた俺達は戦力となる者はシロガネに乗り込み、それ以外の者やアースクレイドルで開発していた兵器やその他諸々は根こそぎギャンランドに搭載し、その地を後にする。

 もちろんビルトファルケンもこっそりと積み込みは完了してある。

 修理がまだ完全ではないが、ワンダーランドもギャンランドの側に付き従っている。これ以降アースクレイドルに戻るかどうかは流動的なので、取りあえず動かすのは可能と言う事で一緒に持ってきたのだ。

 

「姉様」

「ゼオラ?」

「あんな事があった場所でもやっぱり離れるとなると少し寂しい気がして」

「ええ、そうね。色々とあった場所だけど、あそこが私達のホームであった事には違いないのね。それに、アースクレイドルにいたからこそ私は大尉に会う事が出来た」

 

 オウカとゼオラ、クエルボに与えられた個室で2人が会話している。モニタでアースクレイドルの姿を見ているのだろう。そんな2人の背中へと声を掛ける。

 

「どうした、やっぱりいざ離れるとなると寂しいのか?」

「た、大尉!? いつからそこに?」

 

 顔を真っ赤にして慌てながらオウカが尋ねてくる。その隣にいるゼオラはそんなオウカの様子を見て笑みを浮かべていた。

 

「丁度今来たばかりだが。そうしたらオウカとゼオラが何か深刻そうに話していたので気になってな」

「そ、それならいいんですけど……私達の話を聞いていましたか?」

「いや。さすがにそこまで野暮じゃないさ。それよりもクエルボ博士にも言っておいて欲しいんだが、なるべく部屋の外には出ないようにしろ。ヴィンデルは鋭い。下手な行動をしてボロを出すというのは面白くないからな」

「はい、セロ博士にも言っておきます」




名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:40
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.8
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:135

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