転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1201話

 ん……んん……んがっ!?

 突然息苦しくなり、目を開く。

 目の前に広がっているのは、肌色の柔らかい何か。

 俺の頭を固定するかのようにその柔らかい何かに押さえつけられていたが、頭を固定している何かをそっと外す。

 

「ん……あん……」

 

 聞こえてくる甘い声を耳にしながら、ここがどこなのかを理解する。

 そうか、そう言えば俺はホワイトスターに戻ってきたんだったな。

 視界に入ってきたのは、先程まで俺を抱きしめ、その豊満な胸で窒息させようとしていたマリューの姿。

 ……身体中に色々な液体がついてたり、赤いキスマークや薄らと歯形が付いていたりするが、それはマリューだけではない。

 部屋の半分以上を占める巨大なベッド。そのベッドの上で皆が昨日、あるいは今朝方の行為が終わってからそのまま眠った為、全員が全裸のままだ。

 それでも風邪を引いていないのは、2月だったFate世界とは違い、このホワイトスターは気温が一定に保たれている為だろう。

 そのおかげで、こうして全員が全裸のままで眠っていても風邪を引くという事はない。

 まぁ、元々全員が一定以上身体を鍛えているので健康的だというのも理由の一つだが。

 

「見れば見る程に目の毒だな」

 

 改めてベッドの上を眺めながら告げる。

 レモン、コーネリア、マリュー、スレイ、シェリル、あやか、千鶴、円、美砂。

 合計9人。

 全員ちょっとその辺では見る事が出来ない程の美女であり、そんな美女9人全員が全裸のしどけない姿で寝ているのだ。

 普通の男なら、血の涙を流してこの光景を羨ましがるだろう。

 

「う、ん。……アクセル? 随分と早いわね……」

 

 俺の近くで眠っていたシェリルが、ストロベリーブロンドの髪を掻き上げながら告げてくる。

 寝起きという事もあって、その気怠げな様子が色々な意味でこっちを刺激してくる。

 だが、まさか朝からそんな事をする訳にはいかない。

 ……寧ろ、魔法球の中に入って暫くそういう日々を送ってみたかったというのもあるかもしれないけど。

 そんな風に考えながら、口を開く。

 

「おはよう。まだちょっと寝不足だろうけど、そろそろ皆を起こしてくれ。昨日は何だかんだでシャドウミラーのメンバーにも俺が帰ってきた事を知らせる暇がなかったけど、さすがに今日も報せないって訳にはいかないだろ? ……まぁ、今日1日くらいはシェリル達と酒池肉林の日々を過ごすのもいいと思うけど」

「……あのね、肉林はともかく酒池だけはごめんよ。アクセルの場合、アルコールを摂取すると色々な意味で危険じゃない。大体、平常時でも私達9人でこの有様なのに、よく凛や綾子って言ったっけ? 学生の2人を相手にして我慢出来たわね」

 

 寝起きでジト目を向けてくるシェリルから視線を逸らし、シェリルの滑らかな肌へと手を伸ばす。

 そんな俺の様子を見ていたシェリルは、呆れたように呟く。

 

「全く、このシェリル・ノームが身体を許すのはアクセルだけなんだから、光栄に思いなさいよ? こんなサービス、アクセルだけにしかしないんだから」

 

 そう告げ、近づいてきたシェリルと唇を重ねるだけの軽いキスを交わしてから、力尽きたように眠っているレモン達を起こすのだった。

 

 

 

 

 

「さて、昨日は色々な意味で色々とあって、色々有耶無耶になってたんだけど」

 

 レモンが意味深な笑みを浮かべつつ、マリューと千鶴が用意してくれたトーストへと手を伸ばす。

 昨夜の件で体力がまだ完全に回復しておらず、少し気怠げだった2人が用意した朝食は、トーストとベーコンエッグ、サラダ、デザートといった典型的な洋風の朝食だった。

 勿論、俺が食うという事で量はかなり多目になっているが。

 

「そうだな、まずシャドウミラーのメンバーに知らせるのが最初だろ? その後、各世界に知らせる形だろうな」

「知らせる世界の順番は?」

「……取りあえず、マブラヴ世界は最後で、それ以外は全ての世界を一気にといったところか」

 

 マブラヴ世界は、まだ国がバラバラの状態でどこか一国が支配……とまではいかないが、それでも主導権を握っているという状況でもない。

 まぁ、それを言えばネギま世界も麻帆良という学園都市と雪広財閥、那波重工くらいとしか取り引きしていないんだが。

 ただ、この場合は俺達シャドウミラーという存在を知っているのがその3つだけだというのがマブラヴ世界とは違う。

 マブラヴ世界では、俺達シャドウミラーという存在を知っているのは世界規模での出来事だ。更に世界中には幾つもの国が存在している。……まぁ、ユーラシア大陸をBETAに占領されているので、滅亡した国も多いのだが。

 いや、滅亡はしてないのか。亡命政府とかそんな感じで生き残ってたのか?

 ともあれ、そんな理由でマブラヴ世界に関しては後回しとなる。

 一応オーストラリアが俺達の窓口ではあるが、それでも世界の代表とするにはちょっと難しい。

 

「いいんじゃない? あやか、千鶴。政治班としてはどう?」

「問題ないと思いますが……エザリアさんには昨夜連絡しておいた方が良かったのでは?」

「そうね。多分この調子だと色々怒られる事になると思うんだけど」

 

 あやかと千鶴の2人がレモンに愚痴るように答えていた。

 紅茶を飲みながら、そんな風に言葉を交わし、それぞれにゆっくりと朝食を済ませていく。

 そうして朝食が済めば……いよいよ、戦場だ。いや、本物の戦場って意味じゃなくて、忙しいって意味での。

 今朝に続いて今夜のお楽しみを胸に……俺は戦場へと向かって足を進める。

 

 

 

 

 

「そういう訳で、色々とあったが異世界……Fate世界から昨夜帰還した。転移自体はリュケイオスとは違う方法によるものだったが、少なくても俺に異常はない。また、向こうの世界で得た物も非常に多い。向こうの世界がどのような世界で、どのような技術を得たのかというのは、レモンを通して技術班に知らせてある。後日詳しいレポートをシャドウミラーのメンバーなら誰でも見る事が出来るようにしておくので、気になったらそっちを見て欲しい。俺がいない間、無事にシャドウミラーを運営し、ホワイトスターを守り切ってくれた事に礼を言う。ありがとう」

 

 シャドウミラーに所属している者全員へと向けて送った映像はこれで終了となる。

 一応映像データを受信したら皆がきちんと分かるようになっているし、同時に部外者に見せないようにというのもきちんと映像の最初の方に注意事項として喋っている。

 エルフ族の者達も何人かはPDAを持っている筈だから、今の映像を見る事は出来るだろう。

 ……俺を神として崇めているって話だし、一応後で顔を出した方がいいのかもしれないな。

 収容所の方は……まぁ、別に知らせる必要はないだろ。

 というか、そろそろアズラエルとパトリックをそのままって訳にもなぁ。

 かといって使うかと言われればちょっと困るし。

 鵬法璽? うーん、考えとしてはありなんだが。

 ともあれ大まかな連中には全て知らせたから、次は各世界の代表者達だな。

 向こうにはどんな世界に転移したのか、ある程度きちんと説明する必要がある、か。

 本当に忙しい。

 転移したのは俺が望んだ事ではないんだから、何だか理不尽な思いもするが……かといって一方的にマイナスって訳じゃない辺り、少し悔しい。

 そんな風に思いながら、影のゲートへと身体を沈み込ませていく。

 

 

 

 

 

『ほう!? アーサー王にヘラクレス、クー・フーリン、メデューサ、メディア、佐々木小次郎。更にはギルガメッシュとな!?』

 

 映像モニタに映し出されている近右衛門が、その細い目を大きく見開き、驚きを露わにしている。

 それは近右衛門だけではない。他の映像モニタに映し出されている人物……SEED世界からウズミ、ギアス世界から星刻、マクロス世界からハワードといった面々がそれぞれ驚きの表情を浮かべていた。

 ここにいるのは、いずれも自分の世界を代表している人物。

 普通ならまず驚きを素直に表情に表すなんて事は滅多にないのだが、今回は違った。

 それだけFate世界の情報が大きかったという事だろう。

 

『そのような歴史上の英雄と武を交わす事が出来たとは……羨ましい』

 

 この中で、星刻だけがそんな事を言っていた。

 しかもその口調は心の底から思っている言葉だ。

 まぁ、以前の星刻ならともかく、今の星刻は病気も完治して元気一杯だからな。

 サーヴァントと戦うのは無理でも、半サーヴァントの綾子となら互角に戦えるかもしれない。

 

『ふむ。しかし、それ程に特異な世界であるというのなら、ゲートを設置出来なかったのは痛いな。魔法という意味ではネギま世界があるが、その手の存在は貴重だからな』

 

 ウズミの言葉に全員が頷き、ハワードが何かに縋るように俺の方へと視線を向ける。

 

『アクセル代表、そのFate世界という場所に何とかゲートを繋げる事は出来ないのですか?』

「残念ながら出来ないな。こっちも好きでそうしている訳ではなく、出来れば繋げたいと思っている。向こうには置いてきた女もいるし」

『……アクセル代表は相変わらずお盛んじゃのう』

 

 近右衛門の言葉に全員が頷いていた。

 色々と言い返したい事はあるが、凛と綾子という2人をこの手に抱きたいと考えているのは事実である以上、迂闊な事を言えば藪蛇だろう。

 取りあえず、話を逸らすべく空間倉庫からゲイ・ボルクを取り出す。

 その赤い槍を目にした近右衛門達は、全員が息を呑む。

 誰しもがこの場にいるような者達だ。当然本物を見る目はあるのだろう。

 幾つもの芸術作品や工芸作品を見てきた者達でさえ息を呑む、圧倒的な雰囲気を放つ槍。それが、このゲイ・ボルクだ。

 

「ランサー……クー・フーリンから形見分けされた槍、ゲイ・ボルクだ」

『これは……何と……』

 

 誰が漏らした声なのかは分からないが、感想はその一声だけで十分だった。

 特に星刻は、自分も武術を嗜んでいるだけに、この槍の凄みをこれ以上ない状態で受け取っている。

 まぁ、普通ならそうだよな。

 

『他にも……何かあるのですかな?』

 

 ハワードの言葉に、ルール・ブレイカーを取り出す。

 だが、それを見て浮かべられた表情は、ゲイ・ボルクの時と比べると大分劣っている。

 ……近右衛門だけはルール・ブレイカーに何かを感じ取ったのか、ゲイ・ボルクを見た時よりも強張った表情を浮かべているが。

 まぁ、魔法使いにとっては致命的な宝具ではある。

 特にネギま世界の魔法使いの場合、仮契約とかでパートナーを有している事が多いが、それを全て無効化出来るのだから。

 特に俺の気配遮断や影のゲートを使った奇襲方法を考えれば、仮契約している相手はいい獲物でしかない。

 

『ふむ、確かにアクセル代表にとっては便利かもしれないが……魔法がまだあまり広まっていないこちらとしては、それ程使い勝手は良くなさそうですな』

 

 ハワードの言葉にウズミや星刻が頷いているのが分かる。

 まぁ、こっちはこういう反応でもおかしくはない。

 

「ちなみに、こういうのもあるが……残念ながらこっちは金ぴか……ギルガメッシュから奪った宝具で、真名解放というのが出来ない奴だ」

 

 金ぴかから奪った何本かの剣や槍といったものを空間倉庫から取り出す。

 だが、真名解放というのを実際に見た事がないこいつ等にしてみれば、こうして見ただけでは違いが分からないだけに、こっちでも十分だったらしい。

 

『ほう、そちらもまた素晴らしいですな。もしかしてホワイトスターの輸出品目に加わったりもするのですかな?』

「さすがにそれは無理だ。これはこっちで作り出す事は出来ないからな」

 

 100本近くの武器を金ぴかから奪いはしたが、それでも数は有限である以上、気軽に売る訳にはいかない。

 ムラタのような、シャドウミラーのメンバーに対してであれば話は別かもしれないが。

 王の財宝を使えれば、その中に大量の宝具が入ってたんだろうけど。

 ……鍵剣の方を一応技術班に渡してあるが、実際にどうにかするってのは難しいだろう。

 こちらとしても、既に王の財宝については半ば諦めている状況だし。

 まぁ、他にも大量に宝具の類を入手している以上、総合的に見れば黒字なのだし、無理もない。

 それから20分程話をし、近右衛門が再起動したところで宝具の類を全て空間倉庫へと収納する。

 ……それを見て、他の面々が残念そうな表情を浮かべていたが、それは無視して口を開く。

 

「ともあれ、だ。こうやって行方不明になっていた俺が帰ってきたのは間違いなし、暫くは……火星の件が一段落するまでは新しい世界の探索をするつもりはない」

 

 Fate世界の座標を調べるという目的もあるしな。

 

「そういう訳で、シャドウミラーも安泰だという事を覚えて貰っていればいい。異世界間貿易の方も、今まで通り全く問題なく……あるいはそれ以上に活発にやっていきたいと思うので、よろしく頼む」

 

 そう告げ、一先ず俺の帰還報告は終了するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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