転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1203話

 魔法球でレモンとの打ち合わせや、技術班とのやり取り、エヴァと久しぶりに行われた模擬戦を終え、次の目的地へと向かう……前に、ちょっと中華料理を食べたくなったので超包子へと向かう。

 

「きゃあああっ!」

 

 ……おう?

 いつも通り影のゲートで超包子の店内に姿を現した途端、聞こえてきた悲鳴。

 多少警戒しながら声の聞こえてきた方へと視線を向けると、そこでは神楽坂が驚愕の声を上げながら俺の方へと視線を向けていた。

 

「どうしたんだ?」

「どっ、どどどどどど、どうしたもこうしたもないでしょ!? あんた確か行方不明だった筈じゃない!? 何で普通にここにいるのよ! いや、それもだけど、影から出て来たらびっくりするでしょ!」

 

 うん? ああ、そうか。神楽坂は超包子で働いてはいても所属はネギま世界……正確には麻帆良なんだよな。バイトである以上、俺の件は知らされていなかった訳か。

 

「ま、ご覧の通り無事だよ。俺としては最後に神楽坂に会ってから殆ど時間が経ってないんだけど」

「え? ああ、そう言えば時差があるとか何とか……」

「ま、そういう事だ。……とは言っても、こうして見る限りだと神楽坂は殆ど変わってないように見えるけど」

「あー……それは、あれよ。結構長い間超包子でバイトしてたから。これもあるし」

 

 年齢相応に……それこそ、凛が見れば少しムッとするくらいには豊かな双丘がチャイナドレスの胸元を盛り上げており、その少し上にはホワイトスターに融合した時の指輪の効果を受ける為のネックレスが存在していた。

 

「ああ、なるほど」

 

 頷きつつも、1年程度だとそう変わらないんじゃないか? という思いもあるが、この状況でそれを口に出せば、まず間違いなくいらない騒動に巻き込まれるのは確定なので黙っておく。

 女にとってはその辺色々と譲れないものがあるんだろうし。

 

「それより! あんた、行方不明じゃなかったの!?」

「いや、だからそれは間違ってない。行方不明だったぞ。ただ、昨夜こっちに戻ってくる事が出来ただけで」

 

 正確には戻らされたって方が正しいんだが。

 

「昨日? うーん、でも普通なら自分達のリーダーが戻ってきたら、皆大騒ぎしない?」

「シャドウミラーにしてみれば、俺がいないってのはそう珍しい話でもないしな。実際、新しい世界に転移する時は時差の影響でかなり消息不明になる時もあるし。まぁ、今回はリュケイオスじゃない別の要因で転移したから色々と問題があったんだけど」

――ご無事で何よりです。これはアクセル君が戻ってきたお祝いの品です――

 

 四葉が肉まんの入った蒸籠を俺の方へと置く。

 

「悪いな。……で、超包子はこの1年で何か変わった事があったか?」

――毎日騒がしくも楽しい日々でしたよ。幾つか新しい料理を出すようになったので、よければ後で食べてみて下さい――

 

 見てるとどこかほんわかとする笑みを浮かべる四葉。

 相変わらず癒やし系だな。

 

「さっちゃん、肉まん5つ持ち帰りでお願い」

 

 超包子に飛び込んできた客がそう告げると、四葉は笑みを浮かべて厨房の方へと向かう。

 確かにこうして見ていると相変わらず超包子は超包子って感じだな。

 

「神楽坂、じゃあ取りあえず適当に頼む」

「……あんたね、メニューあるんだからきちんと見なさいよ」

 

 そう愚痴りつつも、メニューの中から適当に選んでいく神楽坂。

 周囲の席に座っている客達の何人かは、俺へと恨めしそうな視線を向けていた。

 神楽坂も大学生になってかなり女っぽくなったからな。神楽坂を目当てにしてきている者も多いんだろう。

 厨房にいる四葉に注文を済ませると、何故か神楽坂は俺の前に座る。

 

「いいのか、ウェイトレス」

「いいのよ、少し休憩」

 

 厨房の方からは特に何も言ってこないところを見ると、四葉的にも問題はないんだろう。

 

「で?」

「うん? 何が、で? 何だ?」

「いや、だからあんたが今までどういう世界に行ってたのか教えなさいよ。それともシャドウミラーの人じゃなきゃ話しちゃいけないとか?」

「いや、別にそこまで厳しく考えてる訳じゃないな。世界的にはネギま世界と大して変わらない世界だったよ」

「あら、ロボットじゃないの?」

「ああ。魔術が存在していた。その魔術を使って何でも願いを叶える事が出来る聖杯ってのを巡った殺し合いに、召喚獣的な感じで呼ばれたんだよ」

 

 その言葉を聞いたときの神楽坂の顔は、うわぁ……と表現するのが相応しいものだった。

 

「こういう時、どんな顔をすればいいのかしら」

「笑えばいいと思うよ」

「……とてもじゃないけど、笑えないんだけど」

 

 ちっ、ネタを入れたのに反応しなかった。……まぁ、当然か。元ネタを知らないんだから。

 

「アクセルを召喚か。敵対した相手を哀れめばいいのか、間違いなく自分の思い通りにならなかっただろう召喚した人に同情すればいいのか。どっちだと思う?」

「さてな。少なくても俺を召喚した相手は不幸な事にはならなかったと思うぞ」

 

 第5次聖杯戦争において、間違いなく俺が最強のサーヴァントであったことは間違いのない事実なのだから。

 まぁ、色々と振り回したという思いがない訳でもないが。

 

「大魔王を召喚するとか。聖杯っていうくらいなんだから、属性的に正反対なんじゃない? 良く浄化されなかったわね」

「お前、俺の事を何だと思ってるんだ」

「だから、大魔王でしょ?」

 

 そう言えば、俺を最初に大魔王とか呼び始めたのは神楽坂だったか。

 まさか、ここまでその呼び名が広がるとは思わなかったけど。

 まぁ、相手を萎縮させる的な意味で大魔王って呼び名は便利だし、俺自身自分を正義の味方なんて思ってないから、積極的に採用してるんだが。

 

「ま、何はともあれこうして無事に戻ってきたんだ。心配掛けて悪かったな」

 

 肉まんを食べながらそう告げる。

 一応空間倉庫に超包子の肉まんは大量に詰め込まれているけど、こうやって店で食べると、やっぱりホワイトスターに戻ってきたって感じがする。

 特にみじん切りにされているタケノコの食感や、みじん切りというよりは細かいぶつ切りにされて肉々しい感じをまだたっぷりと残している餡が食欲を掻き立てる。

 

「ちょっ、べ、別に私はアクセルの心配なんか殆どしてなかったわよ!? ただ、いいんちょとかが心配してたからちょっと気になっただけで。勘違いしないでよね!」

 

 典型的なツンデレだな。

 まぁ、デレはないんだが。

 

「そうか。その言葉はありがたく受け取っておくよ。……ああ、そうだ。もしネギに会う事があったら、俺がアーサー王とクー・フーリンに会ったって言っておいてくれ。多分、かなり驚くと思うから」

 

 ネギの出身はイギリスだったから、セイバーは間違いなく知っているだろう。

 同じ地域という事で、クー・フーリンの事を知っている可能性も高い筈だ。

 まぁ、特に意味がある伝言って訳じゃないけどな。

 単純にふと思いついたから頼んだだけだ。

 

「ネギに伝言? うーん、まぁ、いいけど。今は別に暮らしているし、いつ会えるか分からないわよ?」

「だろうな。まぁ、会ったらでいいんだよ」

 

 もし本気でネギに伝えたいのなら、それこそ直接言えばいいだけだ。

 これは単純に、伝わったら面白いかも? 的な感じなんだし。

 ちなみに俺がネギま世界で学校に通っていた時に住んでいた寮には、当然ながら今神楽坂達が住んでいる訳じゃない。

 元々あそこの寮は中学の時で、そこを卒業したらまた学校ごとの寮になったらしい。

 ……あやかが改造したあの部屋、次に住んだ奴はラッキーだったな。広さ的な意味で。

 そんな訳で、今の神楽坂がどこに住んでいるのかまでは分からないが、それでもネギと一緒に住んでいるって事は有り得なかった。

 友人関係的に、近衛や桜咲辺りと一緒に暮らしててもおかしくないけど。

 そんな風に話をしながら、四葉が持ってきてくれた青椒肉絲、麻婆豆腐、スープチャーハン、春巻き、水餃子といった料理を平らげていく。

 麻婆豆腐か。凛の作った麻婆豆腐も美味かったよな。さすがに四葉には及ばなかったけど。ただ、いずれ将来的には凛を何とかして見つけ出すのは決定事項なんだから、その時に四葉から教えて貰うとかすれば、面白いかもしれない。

 綾子の場合は……まぁ、コーネリアやスレイみたいに料理が苦手だったり、出来なくもないって奴がいるのを考えれば、無理をする必要もない……と思う。

 料理を食べてる途中で俺の周囲にいた客の何人かがうんざりとした表情を浮かべて去っていったけど、何なんだろうな。

 そんな風に暫く神楽坂と会話をしながら近況を報告し、軽く食事を済ませてから店を出る。

 何だか神楽坂にジト目を向けられてはいたが、取りあえずは気にしない方向で。

 そのまま超包子を出て、大通りを歩きながらたこ焼きやらクレープやらを買っては摘まんでいく。

 ああ、ちなみに当然ながらゴーヤクレープはスルーしてある。

 大通りを歩いている途中、何人かのエルフが俺を見て、その瞬間に驚き、固まり、そのまま去って行く。

 以前よりも交流区画にいるエルフの数が増えているけど、それは当然の事でもあるんだろう。

 元々、テュカの父親と一緒にいたエルフは人との交流を望んでいた者達だ。

 そんな状況である以上、ホワイトスターでも交流区画に顔を出すのはおかしくない。

 実際、昨夜あやかや千鶴に寝物語で聞いた話によると、各世界に顔を出したりもしているらしいし。

 マクロス世界ならエルフに似た人種もいるから、それ程目立たないだろうが……ギアス世界、SEED世界、ネギま世界辺りは色々目立ちそうな気がするな。

 やがて大通りを通り過ぎ、エルフ達が暮らしている自然区画へと到着する……と、そこでは大勢のハイエルフやエルフ、ダークエルフの者達が俺を待っていた。

 

「アクセル様、ご帰還おめでとうございます」

 

 そう声を掛けて優雅に一礼をしたのは、ハイエルフのテュカ。

 うん? この一団の長はテュカの父親のホドリューだった筈だが。

 

「ああ、急に行方を眩ませて悪かったな」

「いえ、アクセル様でしたら亜神や正神が相手であろうと、その身が傷つく事はないと分かっていますので心配はしていませんでした」

「それは俺を買い被りすぎにも思えるぞ」

 

 確かに今の俺は強い。それもちょっとやそっとの相手ならどうとでもなるだけの強さは持っていると自負している。

 だが、だからといって決して無敵という訳じゃないのも理解していた。

 ダークブレインやシュウ・シラカワといった存在を相手にして、もう一度戦って確実に勝てるかと言われれば……勝つ自信はあるけど、確実にとなると否と答えるしかない。

 まぁ、基本的に表に出さないように言ってはあるが、エルフ達は俺を神と崇めている。

 それを考えれば、この信頼も理由のないものではないのだろう。

 今敬っているのは……1年も行方不明だったのを考えれば、それを止めるようには言えないが。

 

「それで、ホドリューはどこに?」

「……すいません。父はマクロス世界の方にちょっと出掛けてまして。……アクセル様が帰ってきているとは知らなかったもので。申し訳ありません」

 

 再び深々と一礼をするテュカ。

 まぁ、昨日戻ってきたのにレモン達の方を重視して、他に連絡をしなかった俺のミスだな。

 

「別に謝る必要はない。知らせなかった俺のミスだ。それに、ホドリューにしてもたまには羽を伸ばすくらいはいいだろ」

「……そうですね。たまに、ならいいんですけど……」

 

 何だか俺に仕える巫女的な立場から、一気に駄目親父に怒る娘的な感じになったテュカ。

 それだけで、ホドリューが何をしにマクロス世界に行ったのかというのを理解してしまう。

 恋人を9人……いや、凛と綾子を入れれば11人も持っている俺が言うべきことじゃないが、ホドリューは非常に女好きだ。

 それこそエルフ以外との交流というのは、エルフ以外の女との交流と表現した方がいいだろうくらいに。

 つまり、そういう事なのだろう。

 そこまで話して、ふとテュカ達が普通に話している事に気が付く。

 以前までは通訳の機械を使っていたにも関わらずだ。

 

「こっちの言葉を覚えたのか」

「はい。アクセル様の御言葉をきちんとこの耳で聞きたいと思う者も大勢おり、次にアクセル様へお目に掛かる時には……と、皆で勉学に励んだ結果です」

「そうか。……よくやった」

 

 崇められるのは色々と照れくさいものがあるが、それでもテュカ達がそこまで熱心になってくれたのは嬉しい。

 俺達が活動する上で十分な利益になるというのも大きいが。

 

「暫くはマブラヴ世界で火星の方に手を出す事になると思うが、もしかしたらその際にエルフの力を借りるかもしれないな」

「ありがとうございます。……そう言えばエルフの中にもPTとかいいましたか。それを使って訓練を始めた者もいます。今はストライクダガーという機体で練習をしていますが、近いうちにアクセル様のお役に立てるかと」

 

 その予想外の言葉に、俺は目を大きく見開く事になる。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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