転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1209話

 マーズゼロを含む火星のハイヴ攻略作戦についての兵力の派遣を各世界へと打診してから数日。SEED世界、マクロス世界、修羅達からは既に参加の返事を貰っていた。

 マクロス世界は、S.M.Sが民間軍事会社……つまり傭兵の集団だ。

 そのS.M.Sが参加するという事で、あっさりと大統領のハワードから許可が出た。

 ただ、シャドウミラーがS.M.Sを雇うのではなく、シャドウミラーに要請された惑星ミュートスの政府がS.M.Sを雇ってマブラヴ世界へと派遣する事になったらしい。

 この辺は政治的な問題だったり、外聞的な問題だったりがあるのだろう。

 SEED世界の方でも、オーブはあっさりと参加を決定して連絡をしてきた。

 ただ、ちょっと予想外な事に大西洋連邦とザフトからそれぞれ10機ずつのMSを派遣してくる事になったらしい。

 まぁ、オーブとしてもSEED世界の盟主的な立場にはあっても、絶対的な存在って訳じゃないから、その辺もまた政治的な問題なのだろう。

 唯一にして最大の問題は、派遣されてくる艦隊にカガリが同行する事だが……ま、まぁ、指揮権がある訳じゃなく、あくまでも見届け人的な存在らしいし。

 多分、カガリ辺りが主張したんだろうけど……

 ともあれ、カガリはアークエンジェルに乗って指揮には口出ししないという事になっているので、俺としては受け入れるのに吝かでもなかった。

 その3つの世界に比べると、ギアス世界、ネギま世界は色々とまだ議論が紛糾している。

 ギアス世界の方は、会議の時にも話題になった黒の騎士団の扱いについて揉めているとか何とか。

 やっぱり、ゼロを派遣するとなると色々疑心暗鬼になる奴も多いらしい。

 実際、警戒されるだけの実績を上げてきているからな。どうしても警戒せざるを得ない者が多いんだろう。

 また、ネギま世界の方も色々と揉めている。

 こっちはやっぱり生身だというのが問題になっているらしい。

 BETAの中でも小型種である兵士級、闘士級、戦車級を相手にするとしても、純粋に小型種のスペックが高い。

 生身の人間の1人や2人なら軽く殺せるだけの力を持っているからな。

 魔法使いとしては、その辺の対策が大変なんだろう。

 全員が全員、身体能力の強化が出来る訳じゃないだろうし。

 高畑くらいの実力があれば、それこそ中型の要撃級や、下手をしたら要塞級ですら倒せるのかもしれないけどな。

 ちなみに、ネギま世界の火星に居を構えている修羅達は真っ先に参加の意向を示してきた。

 戦えればそれでOKって奴も多いし、寧ろ今すぐにでも戦わせろって奴も数多い。

 実際、修羅の連中は以前に地球で行われたハイヴ攻略戦でもかなり張り切っていたからな。

 基本的に火星で戦いはないし、どうしても鬱憤が溜まっている者が多いんだろう。

 一応魔法界の拳闘場があるけど、そこで戦うのはあくまでも生身であって修羅神は使えない。

 そういう意味では、修羅にとってマブラヴ世界での戦いというのは娯楽に近い存在といったところか。

 そんな風に火星のマーズゼロや、その周囲にあるハイヴについての攻略について考えながらホワイトスターにある交流区画を歩いていると……

 

「やぁ、アクセル。待ってたよ」

 

 何故か近くのオープン喫茶でコーヒーを飲んでいたフェイトに、そう声を掛けられる。

 いきなり過ぎるその行動に一瞬唖然とするが、フェイトだしと納得し、溜息を吐いてからその向かいに座る。

 

「紅茶とショートケーキ、シュークリーム、ショコラをそれぞれ2つずつ」

「はい、少々お待ち下さい」

 

 ウェイトレスが、特に驚く様子もなく俺の注文を受けて店の中へと入っていく。

 ……珍しいな。普通のウェイトレスなら、大抵俺の注文量に驚くんだが。もしくは、俺の正体に気が付いてとか。

 

「相変わらず紅茶派なのかい?」

 

 俺の注文に口を挟んできたのは、ウェイトレスではなくフェイトだった。

 どこか理解出来ないといった視線を俺の方へと向けている。

 俺は紅茶派とされているけど、そこまで本格的な紅茶派って訳じゃない。

 それこそ、ペットボトルに入っている紅茶風飲料で十分に満足してしまう程度の似非紅茶派と言ってもいい。

 ただ、コーヒーがどうしても美味いと思わないから、紅茶派という事になってるんだよな。

 

「そうだな。相変わらず紅茶だよ。そっちは相変わらずコーヒーらしいな」

「ああ。この店には僕達のブレンドした豆を卸しているんだよ。その味のチェックも含めて、時々寄らせて貰ってる」

「……何だか、この1年で随分と派手に動いてるようだな」

 

 元々各世界のコーヒー好きが多く集まっているというのは知っている。

 代表的なのは、SEED世界の某砂漠の虎とか。

 マブラヴ世界の夕呼もコーヒー派だが、向こうはまだ正確に異世界間貿易に参加していないからな。

 だが、参加すれば間違いなくコーヒー派に入るだろう。

 

「コーヒー豆はブレンドする事によって、色々と特徴を出せるというのは知ってるだろう? 1つの世界だけでも多くのブレンドがある。そんな中で世界が違うコーヒー豆の事を考えれば、そのブレンド方法はまさに無限大と言ってもいい」

「……まぁ、確かにそうだろうけどな。オリジナルブレンドとかあるらしいし」

 

 俺がFate世界に行く前にも、フェイトを含むコーヒー派はオリジナルブレンドを売りに出していた。

 この喫茶店に卸しているというのは、そこから発展していったものなのだろう。

 コーヒーのブレンドってのは良く聞くけど、紅茶の茶葉をブレンドしたりってのはしないのか?

 紅茶にそこまで詳しくない身としては、後であやかにでも聞いてみようと思う。

 そんな事を考えている間に、先程のウェイトレスが大きめの皿にケーキをのせ、取り分け用の小さな皿と一緒に持ってくる。

 

「お待たせしました」

 

 そうして俺の前には紅茶とケーキの皿が並べられる。

 一礼し、去って行くウェイトレス。

 それを見送り、早速ショートケーキを皿に取り移し、一口食べてから口を開く。

 

「それで、結局ここにいたのはコーヒーの自慢を俺にする為か? まぁ、それはそれで聞いていて驚いたけど」

「別にそんなつもりじゃないさ。勿論きちんとした用件はあるよ。……修羅から聞いたんだけど、マブラヴ世界の火星を攻めるんだってね。しかも麻帆良にも応援を要請しているとか」

「ああ」

「じゃあ、その援軍に僕も入れてくれないかな」

「……は?」

 

 何を言ってるんだ、こいつは。真顔で冗談を言っても面白くないぞ。

 それが、フェイトの口から出た言葉を聞いた俺が最初に思った事だった。

 確かにフェイトはシャドウミラーの一員という事になってはいる。

 だが、基本的にはネギま世界の火星をテラフォーミングする作業に集中しており、たまに息抜きとしてこんな風にコーヒー関係で動く事はあっても、所詮はそれだけだ。

 シャドウミラーとして何か動く時には手を出してくる事は、今までなかった。

 シャドウミラーの一員ではあっても、その立場はあくまでも外部スタッフに近い存在と言える。

 そういう意味では、エヴァよりも更にシャドウミラーとしての自覚は薄いだろう。

 そんなフェイトが、何故急に俺達に力を貸すと言ってくるんだ?

 

「何が狙いだ?」

「そんなにおかしいかい? 僕だってシャドウミラーの一員だ。である以上、君に助力する事はおかしな話じゃないと思うけど」

「確かにその話だけを聞けばそうかもしれないけどな。だが、何故今までは手を貸してこなかったのが、急にそんなつもりになった?」

 

 フェイトの感情を感じさせにくい目を、じっくりと見つめる。

 だが、やがて向こうが根負けしたのだろう。あるいは、最初から話す気だったのかもしれないが、持っていたコーヒーのカップをテーブルの上に置いて口を開く。

 

「まぁ、そうだね。確かにそれだけが全てって訳じゃない。……ただ、場所が場所だからね。どうしても気になってというのが正しいところさ」

 

 一旦そこで言葉を止め、周囲を見回し、そこにいる人々を眺めるフェイト。

 その視線を追うと、そこでは多くの人物が交流区画にある店で買い物を楽しんでいる姿を見る事が出来る。

 そこには普通の人以外にもシャドウミラーに所属しているエルフ、マクロス世界の住人であるゼントラーディらしい肌の色をした人といった者達の姿もあり、見て分かる程に賑やかな買い物風景だ。

 交流区画そのものも、俺がFate世界に行ってる間にある程度拡張されていたりする。

 

「火星のテラフォーミングをしている身としては、マブラヴ世界の火星の状況を許しておけないという理由もある。勿論それだけじゃなく、本格的な戦闘をしてみたいというのもあるけどね」

「……また物騒だな」

 

 基本的には冷静なフェイトの口から出て来たとは思えない、物騒な台詞。

 それに目を見開くが、フェイトはそんな俺に対して笑みを浮かべてくる。

 

「僕の立場としては、それなりにストレスが溜まるんだよ。修羅の件とか、修羅の件とか、修羅の件とか……ね」

「いや、それって修羅だけだろ」

 

 そう言うが、納得出来る事でもあった。

 上級の修羅はそれなりに理性的な判断が出来るが、下級の修羅ともなれば感情と行動が結びついている事が多い。

 唯一女の修羅で、猫型の機体でもあるシトリーに乗っている修羅はある程度理性的な判断をするが、男の修羅は……

 それが今まで幾度となく騒ぎを起こし、その度に上級の修羅や、フェイト、あるいは思い切り巻き添えでギアス世界から向こうに移住した者達といった具合に被害を受けているというのは知っている。

 

「……ま、まぁ、そういう事ならこっちとしても歓迎する。フェイトの戦闘力は折り紙付きだしな」

 

 実際フェイトは生身ではあっても、KMFや戦術機程度であれば大隊程度なら容易に倒す事が出来るだろう。

 フェイトが得意としている、相手を石化するというのは機体に乗っていれば難しいかもしれないが、それでも他に攻撃手段は幾らでもある。

 その辺を考えると、石化攻撃の効果があるBETAを相手にした場合は要塞級が相手でも有利に戦闘を進められるだろう。

 唯一の不安は光線級や重光線級だが、こいつらの場合は生身を相手にするより高度な機械を持つ相手にレーザー照射するしな。

 そもそも、火星に光線級や重光線級は確認されていない。

 

「そうかな。とにかくそういう訳で、お願いするよ」

「分かった。詳細が決まったらそっちにも流す」

 

 取りあえず話は決まったという事で、皿の上に乗っているケーキの方に意識を集中する。

 生クリームと苺がたっぷりと使われているショートケーキを味わい、紅茶を飲んでから口を開く。

 

「ちなみに、お前が今回の件に噛むって事はお前の部下達は知ってるんだよな?」

 

 フェイトの部下。それは、フェイト親衛隊とも呼べる女達だ。

 フェイトに対する愛情はかなり高く、ネギま世界で俺が魔法界にいた時は敵視された覚えがある。

 基本的には魔法界の住人で、それ故に現実世界に出られないので、会う事は少ないが。

 ちなみに、親衛隊の方は扱い的にシャドウミラーの一員という事にはなっていない。

 あくまでも、フェイトにしか仕えたくないらしい。

 一応勧めたんだが、断られたんだよな。

 あの女達がフェイトに対してどんな気持ちを抱いているのかは、見れば俺でも分かる。

 その割りにフェイトが気が付いた様子はないのだから、鈍いというか、自覚がないというか。

 ……もっとも、以前食事中にその辺の話が出た時には、レモン達全員からお前が言うなと言われたけど。

 

「うん? まだ言ってはいないね。君からきちんと返事を貰ってから話すつもりだったから。今日向こうに帰ったら話すつもりだよ」

「そうか。頑張ってくれ」

 

 向こうは基本的に俺と連絡を取るような事もない。

 連絡をする相手は直接フェイトだし。

 だが、今日の夜にでも向こうで色々と騒ぎになるというくらいは、簡単に予想出来た。

 もしかしたら通信で怒鳴り込んでくるかもしれない。

 そうも思うが、向こうにしてもフェイトがストレスを溜めているという状況は不満なので、意外と何とかなるか?

 

「ふぅ、うん。やっぱりここのマスターは腕がいいね。豆の旨味が十分に引き出されている」

 

 満足そうにコーヒーを飲むフェイト。

 ……本当にこいつ、ストレス溜まってるのか?

 いや、こいつが協力する理由が何であれ、フェイト自身の戦闘力が極めて高い事は事実だ。

 麻帆良の中でもトップクラスである高畑と比べても引けを取らない……いや、恐らくフェイトの方が強いんじゃないんだろうか。

 咸卦法があっても、今のフェイトを相手には……

 

「ああ、そうだ。フェイト、お前武器を使う気はあるか?」

「うん? いや、僕の攻撃方法は格闘だから武器を使うつもりはないよ」

「そうか」

 

 金ぴかから奪った宝具を幾つか渡してもいいかと思ったんだが……まぁ、確かにフェイトは格闘がメインで武器を使ったりはしないしな。

 ともあれ、こうしてマーズゼロ攻略作戦にフェイトの参戦も確定したのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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