転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1213話

 目の前に広がる、赤茶けた惑星。地球から最も近くにある惑星でもある火星。

 昔からこの火星には火星人がいるとか言われてきていたが、まさかBETAのような存在がいる事になるとは誰も思わなかっただろう。

 まぁ、ネギま世界では超が火星人だって言ってたが……BETAと一緒にされれば、さすがに超でも怒ると思う。

 いや、あのタコともクラゲともつかない、一般的な火星人のイメージよりはマシだと考えるか?

 

『では、これより火星に……攻略目標でもあるマーズゼロの近くにシステムXNで転移します。転移が完了したら、恐らくBETAはすぐにでもこちらを攻撃してくるでしょう。速やかに所定の計画に基づき行動を開始して下さい』

 

 マリューの通信が流れる。

 火星の息吹作戦に参加する者全員に聞こえているだろう通信だ。

 ちなみに、火星の息吹作戦は幾つかのフェイズで成り立っている。

 もっとも、それは地球で使われているハイヴ攻略作戦を参考にしたものに、幾らかの修正を加えたものだ。

 その最初のフェイズ、フェイズ1はマーズゼロとその周辺にあるハイヴに存在するBETAを地上に誘き寄せてBETAの数を減らしつつ、地球のBETAと違うBETAがいないかどうかを念の為に確認する。

 そうして地上に出てくるBETAの数をある程度減らしたら、次にハイヴの内部に侵入してBETAの数を更に減らしていくフェイズ2。

 フェイズ3はハイヴの中にあるだろうアトリエを探し出し、G元素を確保。

 そして最終フェイズとして、可能であれば反応炉を壊さずに確保。勿論それが無理なようなら反応炉を破壊してマーズゼロを含めたハイヴからBETAを追い出し、殲滅する。

 地球圏最大のハイヴがマーズゼロである以上、恐らく非常に激しい戦いになるだろう。

 いや、戦いに苦戦をするとは思っていない。

 心配なのは、やはりBETAの数だ。

 シャドウミラーのメンバーや無人機であれば、BETAの物量にも対抗出来るだろう。

 だが他の世界の者達にしてみれば、延々と出てくる敵の数にはどうしても体力的な問題が出てくる筈だ。

 尚、マーズゼロを攻略するのがニヴルヘイム部隊で、シロガネが1艦でハイヴを1つ、ギアス世界、SEED世界、マクロス世界から派遣された3つの派遣兵団でハイヴを1つの、合計3つのハイヴを攻略予定になっている。

 マーズゼロがフェイズ9、他2つのハイヴはフェイズ8という、地球とは文字通りの意味でレベルが違うハイヴだ。

 シミュレータで色々と繰り返しながら組み合わせを考えたんだが、これがベストの組み合わせとなったのは……いやまぁ、予想通りと言えば予想通りなんだけどな。

 勿論シロガネにも……そして混成艦隊の方にも、メギロートとイルメヤ、そしてシャドウは派遣されている。

 ……尚、派遣兵団の方に派遣した部隊はG元素を含めて持ち出したりしないように見張る為という理由もあった。

 幾ら余計な行動をしないように前もって言ってあり、非常に厳しいペナルティを提示しているにも関わらず、その辺を理解しようとしなかったり、そもそも理解出来ない奴とかも多い以上、これは仕方がない。

 

『では、各自戦闘準備を。5分後にシステムXNにて火星に突入します』

 

 再び流れるマリューの通信。

 自力で大気圏外に脱出出来たり突入出来たりしないってのは、これだけの機体が集まっている以上はしょうがないだろう。 

 そもそも、メギロートやシャドウは艦に入りきらないって事で宇宙空間に浮かんでいる。

 そんな風に外の光景を見ていると、不意にムウからの通信が入る。

 

『アクセル、いよいよだが……どうだ?』

「どうだって何がだ? 何を言いたい?」

『いや、アクセルとしては火星のハイヴ攻略作戦は本来ならこの1年の間に行われていた代物だろう? それが今こうしてようやく叶ってるんだから、色々と思うところがあるんじゃないかと思ってな』

「そうだな。……出来ればG元素は入手したいとは思っている。まぁ、火星にはハイヴが大量にあるし、G元素養殖施設的な役割をする事になると思うから、そういう意味では少し楽しみな気がするな」

『……俺が聞きたいのはそういう事じゃなかったんだけど』

「じゃあ、どういう意味だ?」

『いや、普通にあるだろ? 感慨深いとか、いよいよこの時がやって来た! とか。そんな具合に』

「あのなぁ。他の世界との時差を忘れてないか? ムウにとっては俺がFate世界に行ってから1年位経ってるのかもしれないけど、俺の場合はほんの少し前って感じだぞ?」

 

 俺が凛のサーヴァントになってから、聖杯戦争が終わるまでは2週間も経っていない。

 そう考えれば、時間がどうとかは殆ど感じていないのは当然だろう。

 ……そうか。俺が凛や綾子とくっついたのも、そう考えてみれば2週間弱足らずの出来事だったんだよな。

 まぁ、その代わりに偉く充実した……というか、濃密すぎる日々だったけど。

 それも当然と言えば当然か。歴史上の英雄達と戦っていたのだから。

 これで濃密な日々じゃなければ、何が濃密な日々なのかって感じだろう。

 

『うん? ああ、そう言えばそうだったか。何しろ、シャドウミラーで時差を実際に体験してるのはアクセルだけだからな。どうしてもこっちの時間で考えてしまうんだよ』

「……だろうな。それは否定出来ない事実だ」

 

 時差があるとか何とか言っても、ムウの言ってる通りにそれを実際に体験しているのは俺だけだ。

 これはこの前のFate世界は別にして、基本的に最初に転移するのを俺がやっているからこそだろう。

 何しろ、リュケイオスで転移した先がどんな世界なのかは全く不明なのだから。

 それこそ、宇宙空間やマグマの中にいきなり出るという事もある以上、物理攻撃は効果がない俺が転移するのが最善策だ。

 ……まぁ、シャドウミラーの代表でもある俺が真っ先に危険な目に遭うのはどうかという意見もあるにはあるんだが、ぶっちゃけシャドウミラーの場合は俺がいなくても普通に回るようになってるし。

 そんな風に考えていると、時間になったのだろう。再びマリューの声が通信で流れてくる。

 

『では時間になったので火星へと突入します。地球から転移した時のようにシステムXNで転移しますが、システムの都合上ニヴルヘイムの周囲にいる機体はそのままニヴルヘイムの側に転移します。つまり、この場にいる全機がマーズゼロのすぐ側に転移しますので、他のハイヴを攻略する部隊は転移終了後、速やかに作戦行動に移って下さい』

 

 この辺はシステムXNの改良予定事項だよな。

 まぁ、最悪システムXNを積んでいる機体を増やせば転移による奇襲攻撃という、インスペクターお得意の戦術が使えるんだが。

 今にして思えば、向こうの転移装置を奪っておけば良かったな。

 

『システムXN、起動。転移フィールド生成開始。転移座標入力……OK。転移フィールド生成完了。……では、皆が無事に作戦を完了する事を祈ります。……転移』

 

 マリューの言葉と共に、光の繭のような転移フィールドが消滅し、次の瞬間には既にニーズヘッグの映像モニタには巨大な……それこそ、地球で見たハイヴとは比べものにならない程に巨大なハイヴが存在していた。

 これがマーズゼロ、か。

 小さく頭を振り、ニヴルヘイムの外の光景を映し出している映像を消す。

 そうして、機体を射出カタパルトへと移動し……

 

「ニーズヘッグ、アクセル・アルマー、出るぞ!」

 

 その言葉と共に、ニーズヘッグがニヴルヘイムから射出される。

 外へと出た俺が見たのは、この戦域から離れていくシロガネと派遣兵団。

 両方共にシャドウとメギロートが付き従っており、恐らく戦闘が開始されればイルメヤを始めとして艦に乗っている機体が射出されるのだろう。

 マリューの言葉にもあったが、無事にこの作戦が終わる事を祈る。

 そう考え、空中で機体を静止させる。

 ニヴルヘイムのいたる場所から射出されている無数の機体の数々。

 シャドウとメギロートは空を飛び、イルメヤは火星の大地へと足を付ける。

 修羅神も、修羅王のアルティスの機体でもあるマルディクトが真っ先に出撃し、それに続くようにヤルダバオト、ビレフォール、ペイリネス、アガレスといった幹部達の機体、そして下級の修羅が乗っている烈級修羅神も無数に飛び出してくる。

 戦術機の方は数が少ないが……崇継や恭子、それに護衛が乗っているTSF-TYPE00が出撃しているのや、A-01部隊のTSF-TYPE94の姿も見えた。

 また、そのような機体とは別に細かい何かが飛び出しているのはネギま世界から派遣されてきた魔法使いや関西呪術協会の者達だろう。

 近衛詠春自らが出撃してるんだから、やっぱり組織の長が先頭を切って出撃するのは別におかしい事じゃないんじゃないかという風に思ってしまう。……勿論それは気のせいでしかないんだが。

 また、あの集団の中にはエヴァや茶々丸、フェイトといった者達もいるだろう。

 魔法が使えるかどうかは……多分使える筈だ。

 こうしてニーズヘッグに乗っている限りでも、普通にそう思える。

 やっぱり火星自体が高い魔力を持っているんだろうな。

 ネギま世界で魔法界を長年維持出来ていたのは伊達じゃないって事だろう。

 勿論、それ以外の場所からシャドウミラーの機体も出撃は始めていた。

 だが……

 

「BETAが出てこないな」

 

 マーズゼロのそそり立つ異様を眺めながら呟く。

 本来であればBETAがそろそろ姿を現してもいい筈なのだが。

 ニヴルヘイムを始めとした俺達がここに姿を現してから、既に数分。

 エマージェンシー的な感じで姿を現せば……そう思っていると、まるでそんな俺の思いに答えるかのようにワラワラとマーズゼロからBETAが姿を現した。

 突撃級、要撃級のような中型BETAの他にも、戦車級、闘士級といった小型BETAもいる。

 蟻が巣穴から一気に飛び出てくるような、そんな感じの様子にどこか嫌悪感を抱くのは当然だろう。

 要塞級のような大型のBETAが姿を現していないのは、やはり出てくるのに時間が掛かっているからか。

 

『うわぁ……何て言うか、うわぁ……』

 

 ムウのそんな言葉が通信で聞こえてくる。

 ムウが乗っている機体はアシュセイヴァーだが、俺が見知っているのと違うのは、背中から生えている羽根……エナジーウィングだ。

 そう言えば幹部の機体には全機――特機以外――は搭載したって話だったな。

 機体そのものは見た事があったけど、こうして実際にエナジーウィングを展開している様子を見ると、驚く。

 一応シミュレータでは見たんだが、実物はやっぱり違う。

 それは、コーネリアの乗っているラピエサージュを始めとした他の機体も同様だ。

 ……殆ど全機がこうしてエナジーウィングを装備しているとなると、今度からシャドウミラーの機体を見分けるのはこれって事になりそうだな。

 改めて見ると、シャドウもエナジーウィングを展開している機体がかなりある。

 少し意外だったのは、エナジーウィングを装備しているのに展開していない機体、そもそもエナジーウィングが取り付けられていない機体もいるという事か。

 ただ、量産型Wも活動場所によって戦闘方法とかが違ったりするんだろうから、考えてみればその辺は当然なのか?

 エナジーウィングも、エネルギー消費の問題は解決したがその展開していると通常よりも場所を大きく取るという欠点……と呼ぶにはちょっと言い過ぎだが、そういうのもある。

 

『アクセル、BETAに攻撃をするが構わないな?』

「ああ」

 

 実働班を率いるコーネリアからの通信に頷きを返す。

 シャドウミラー全体では俺がトップだが、実働班という意味ではコーネリアの方が全軍を上手く動かせる。

 そうである以上、全体の指揮はコーネリアに任せておいた方がいいだろう。

 結局のところ、どうあっても俺という存在はあくまでも個としての戦力に特化しているのだから。

 ……まぁ、その個としての戦力がシャドウミラー最強であるが故に俺がシャドウミラーの長という事になっているんだけど。

 大体、精神コマンドとかにしても個人で戦う為のものが多いしな。

 そう思っていたんだが……

 

『アクセル、済まないが最初の攻撃の号令に関してはお前に任せてもいいか? シャドウミラーがこの作戦を仕切っている以上、最初はアクセルの号令から始めておきたい』

「……分かった。けど実際の指揮は頼んだぞ?」

『任せろ。私を誰だと思っているんだ? シャドウミラーの実働班を率いている女だぞ?』

 

 自信に満ちた笑みを浮かべるコーネリアに、俺も笑みを返す。

 そうして、こちらの方……特に地上に存在している修羅神や戦術機、何よりイルメヤといった機体へと向かってくる無数のBETAへと視線を向けながら、オープンチャンネルで口を開く。

 

「全機、汚らしいBETA共に俺達の力を教え込んでやれ。この火星にお前達の居場所はないと。お前達がいるべき場所は地獄しかないと、それを思う存分に見せつけろ。嘲笑する虐殺者、ニーズヘッグの名の下に!」

 

 その言葉と共に、ヒュドラから18門のビーム砲が放たれ、ランツェ・カノーネとメガ・バスターキャノンからも巨大なビームが、腹部拡散ビーム砲からも無数のビームが、エナジーウィングから無数の刃状のエネルギーが射出され、BETAへと向かって降り注ぐ。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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