転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1221話

 BETAの追撃戦が終わり、マーズゼロのある場所へと戻ってくる。

 するとそこには、既に戻ってきた他の機体が数多く存在していた。

 ……ちょっとのんびりし過ぎたか?

 そんな風に思っていると、やがて近くにいたヴァルシオン改から通信が入ってくる。

 

『アクセル、これでマーズゼロの攻略は完了したな』

 

 ギルフォードの表情に浮かんでいるのは、当然笑み。

 まぁ、ギルフォードの場合は確かにマーズゼロの攻略をしたのは嬉しいんだろうが、それ以上にコーネリアが無傷だったのが嬉しいのだろう。

 

「うん? コーネリアはどうした?」

 

 いつもであれば、ヴァルシオン改はコーネリアの機体でもあるラピエサージュの近くに控えている筈だ。

 だが、今はラピエサージュの姿は近くにない。

 

『姫様は少し周囲を見回ってくると』

「珍しいな、ついていかなかったのか?」

『たまには私にも1人でゆっくりして欲しいそうだ』

 

 そう告げるギルフォードだが、嬉しそうかと言われれば、そうでもない。

 まぁ、ギルフォードにしてみれば、コーネリアと一緒にいる方が嬉しいんだろう。

 この状況で俺がギルフォードに嫉妬しないってのは、ギルフォードがコーネリアに抱いているのが女に対するものではないと知っているからこそだろう。

 ……そう言えば、ギルフォードのそういう話は殆ど聞かないな。

 何だかんだで、ギルフォードはコーネリアと同い年だ。

 コーネリアは時の指輪の効果で28歳のままだが、コーネリアと同年齢のギルフォードは既に30代。

 今でこそホワイトスターに融合した時の指輪の効果もあるので、これ以上の年齢は重ねていないが、それでもそろそろ身を固めて欲しい。

 お見合いの席でも用意するか?

 そうなれば、誰を相手にするかってのも問題になってくるが……

 特にギルフォードはシャドウミラーの幹部という立場であり、コーネリアの騎士という立場でもある。

 つまり、それなり以上に重要な役職にいる人物な訳で、下手にお見合い相手を募集なんかしようものなら、ギアス世界以外にも色々な世界から自薦他薦してくる者が現れるだろう。

 それこそ、下は幼女から上は老婆まで。

 ……いや、さすがにそれはないか。

 ともあれ、シャドウミラーの男の中でも年上組としては恋人の1人や2人いてもいいだろう。

 まぁ、ギルフォードの場合は誰かに決めれば一途になりそうだけど。

 ちなみにムラタの方が当然ギルフォードよりも年上なんだが、今のところそんな気配は一切ない。

 いっそ門世界にいた時にロゥリィとくっついていれば、後腐れはなかったんだろうけど、結局無理だったからな。

 

『アクセル?』

「ああ、悪い。ギルフォードの見合いをどうしようかと思ってな」

『ア、ア、ア、ア、アクセル!? こんな時に一体何を言ってるんだ!?』

 

 俺の言葉に、心底驚いたといった様子のギルフォード。

 

「そこまで驚くような事か? お前の年齢を考えれば、そうおかしな話でもないと思うが」

『いや、それはそうだが……だが、私には姫様をお守りするという役目が』

「今のコーネリアが、そうそう誰かにやられるような事があると思うか?」

『それは……』

 

 言葉に詰まるギルフォード。

 それも当然だろう。シャドウミラーの実働班を率い、数々の激戦を潜り抜けてきたコーネリアは、純粋な強さだけで言えば、元々の素質もあって非常に高い技量を持っている。

 それこそ、今のコーネリアに操縦技術で勝てる相手がいるかと言われれば、そこで上げられる人数はそれ程多くないだろう。

 生身での戦闘に関しても、エヴァとの訓練を重ねてあやか達従者組と同等レベルの強さは持っている。 

 そう考えれば、今のコーネリアに対して害を与えられるような者は殆どいないだろう。

 更に、俺もいる。

 自分の恋人を害するような相手を、そのまま放っておく気は一切ない。

 そんな相手がいるのなら、コーネリアに手を出す前に俺が滅ぼすだろう。

 

「ま、そういう訳だ。それに今更だがムウも結婚している。俺も……まぁ、こう言っては何だけど、コーネリア達と同棲して、事実婚に近い状態になっているんだし」

『……正直、その辺は余り好ましくないと私は思っている。その辺りの法整備はまだ決まっていないらしいが、きちんと政治班に言って、一夫多妻制を公式に認めた方がいいのではないか?』

 

 藪蛇って訳じゃないけど、ちょっとギルフォードの気になっていた部分に直撃してしまったらしい。

 ただ、シャドウミラーが国という扱いになった以上、その辺をしっかりと整備しておかないといけないのも事実なんだよな。

 ムウとナタルみたいに結婚している夫婦もいるんだし。

 もっとも、一夫多妻制をシャドウミラーとしてきちんと法整備した場合、ムウとナタルの間で色々と騒動になりそうな気がするのは……決して俺の気のせいではないだろう。

 いや、別にムウが他に女を作るって決まってる訳じゃないけど、男として……特にムウの性格を考えれば、絶対に気になるだろうし。

 で、ナタルがムウのそういうのを許すかと言えば……

 うん、ご愁傷様って奴だ。

 ムウがどう頑張るのか、楽しみにさせて貰うとしよう。

 将来に必ず起きるだろう騒動を考えていると、丁度タイミング良くコーネリアからの通信が入る。

 

『アクセル、これからの方針だが……うん? どうした?』

「いや、何でもない。ちょっとギルフォードと話をしていただけだ。お見合いとか」

『おいっ、アクセル!? 何も姫様に言わなくても!』

『ほう。……そうだな。私の立場でこう言うのもなんだが、愛する者が出来れば、それを守る為に人は強くなれる。お前にも私だけではなく、愛する者を守って欲しいものだ』

『姫様!? いえ、これはアクセルが勝手に言っているだけで……』

 

 慌てて言い訳を口にするギルフォードの様子に、思わず笑みを浮かべてしまう。

 それを見たのだろう。ギルフォードが俺の方へと、どこか呆れた視線を向けていた。

 

『アクセル、頼むからもう少し真面目にやってくれないか』

「いや、俺としては心底真面目なつもりだったんだが。……まぁ、それはいいとしてだ。コーネリア、用件は? これからの方針とか言ってたけど」

『ああ、そうだ。シロガネと派遣兵団の両方で現在ハイヴを攻略中だろう? それに援軍として向かうのか、それともマーズゼロの中を探索するのか』

「なるほど、確かに迷うな。確かアトリエはまだ見つかってないんだよな?」

『うむ。また、アトリエの捜索と同時に、マーズゼロの中にBETAが残っていないかどうかを確認し、もし残っていればそれを撃破するという役目もある』

 

 元々この火星の息吹作戦を計画したのがG元素を求めてのものだった以上、どうしたってアトリエの探索は必須だろう。

 BETAの生き残りに関しても、地球での常識を考えれば残っている事はないと思うが、そもそもここは火星だ。

 何らかの理由でここにBETAが残っている可能性は十分以上にある。

 だとすれば……

 

「無難な線として、部隊を3つに分けるか」

『……ま、アクセルならそうだろうな』

 

 戦力分散の愚を犯している。

 何も知らない者にとっては、そう思っても仕方がない。

 だがシャドウミラーの戦力を考えれば、寧ろここは戦力分散をした方がいい。

 イルメヤはビームガトリング砲を持っていたとしても、空を飛べないしバリアの類を持っていないので、基本的にアトリエの捜索に回した方がいいだろう。

 数も多いし。

 同じバリアを持っていないという意味ではメギロートもいるが、そっちは普通に空を飛ぶ事が出来て、BETAには対空攻撃の方法が要塞級の尾によるものくらいしか存在しない。

 だとすれば、ハイヴ攻略の方に回って貰った方がいい。

 ここから攻略中のハイヴに移動するには、ニヴルヘイムとニーズヘッグのシステムXNがある。

 つまり、それぞれのハイヴを攻略するのに丁度いい訳だ。

 コーネリア、ギルフォード、ムウ、イザーク。この4人をどんな風に分けるかが重要になるな。

 ああ、勿論俺とマリュー……正確にはニーズヘッグとニヴルヘイムは別々で。

 

「ニヴルヘイムの方には、戦術機部隊と魔法使い達も入れる必要があるから、俺の方にシャドウミラーの戦力を多くしたいんだけど、構わないか?」

『ふむ。では、アクセル、ギルフォード、ムウ、イザークの男組と、私とマリューの女組という事でどうかな?』

 

 コーネリアの言葉に一瞬ギルフォードが何かを言いたそうな表情を浮かべていたが、結局は何を言うでもなく、黙り込む。

 多分さっきのやり取りが効いたのだろう。

 

「じゃあ、それで決まりって事でいいか。メギロートとシャドウは半々でいいよな?」

 

 その言葉に、シャドウミラーのメンバーの皆が頷きかけ……

 

『待て、いざという時の為にここに誰かを置いて行った方がいいんじゃないのか?』

 

 イザークがそう告げてくる。

 

「修羅達をここに置いて行く以上、確かにそれもありかもしれないが……量産型Wで指示出来るんじゃないか?」

『アクセル、修羅達に過剰な期待を寄せるな』

 

 何故か悟ったような表情で呟くイザークだが、俺がFate世界に行っている間に修羅達と何かあったのか?

 まぁ、修羅もイザークも基本的に気が短いというのは事実だ。そうである以上、何らかの理由でぶつかったとしてもおかしくはないけど……

 

「じゃあ、どうするんだ?」

『俺がここに残って修羅やイルメヤを使ってマーズゼロ探索の指揮を執ろう』

 

 さすがにこれは予想外。

 イザークの様子から見て、修羅を嫌っているんだとばかり思っていたが……まさか自分から残るとか言い出すとは。

 いやまぁ、確かにそうなってくれれば助かるんだが。

 どちらのハイヴの援軍に行くにしても、数という面で重要なのは結局シャドウとメギロートの数なのだから。

 元々両方のハイヴに向かっている戦力は、十分にハイヴを攻略出来るだけのものだ。

 その辺を考えれば……

 

「分かった。俺はイザークの提案に賛成する」

『私も同じくだ。……まぁ、修羅王のアルティスが来ている以上、問題はないと思うが』

『それでも念の為って事でしょう』

 

 コーネリアとマリューがそれぞれ賛成し、ムウやギルフォードも同様に賛成する。

 こうして全員一致で話は決まった。

 

「じゃあ、そういう事で……まず俺の方から行くか。シャドウとメギロート、それとムウとギルフォードはこっちに集まってくれ。俺が向かうのはどっちだ?」

『ふむ、そうだな。ニーズヘッグがいるし、戦力的には私達よりも多いのだから、派遣兵団の方を頼めるか? 向こうもメギロート、イルメヤ、シャドウといった機体がメインだが、派遣兵団という事もあって色々な機体が混ざっている筈だ。もしかしたら混乱してBETA相手に手間取っている可能性もある』

「……あるか?」

 

 コーネリアの口から出た言葉に、首を傾げる。

 S.M.Sやオーブ、陽光の部隊はそれぞれがこれまでにもマブラヴ世界のハイヴ攻略作戦に手を貸した事がある。

 だとすれば、BETAを相手に手こずるような事があるとは思えないんだが……

 あ、いや。でもアークエンジェルの艦長をしていたナタルがシャドウミラーに移ってしまった以上、もしかしてアークエンジェルの新艦長はこれが最初の大規模作戦なのか?

 今のSEED世界はオーブの権勢に勝てるような国は存在しないし。オーブに敵対すれば、自動的にシャドウミラーとも敵対する事になる。

 そんな状況である以上、大西洋連邦を始めとしたかつての地球連合軍がどうにか出来るとも思えない。

 ブルーコスモスは今や風前の灯火に近いし、ロゴスにいたっては何とかオーブやシャドウミラーに擦り寄ろうとしてきている。

 プラントの方も一応敗戦国ではあっても、原作よりは遙かにいい条件で終戦してるし。

 そう思えば、オーブが大規模な戦いに参加するのは殆どない訳だ。

 そこまで考え、コーネリアの通信に確かにと頷く。

 

「そうだな、オーブに関しては少し心配があるかもしれないな。S.M.Sは問題ないだろうし、陽光の方も星刻自らが率いているから心配はいらないと思うが」

『だろう? なので、アクセルは派遣兵団の方に行って欲しい』

「分かった。……ムウ、ギルフォード、準備は?」

『あいよ、こっちは大丈夫だ』

『こちらも問題ない』

 

 メギロートやシャドウも既に俺を中心にして集まってきているし、確かに問題はないだろう。

 

「分かった、じゃあ行くぞ。……システムXN、起動。転移座標入力……OK、転移フィールド生成開始」

 

 その言葉と共に、光の繭のような転移フィールドが俺達を包み混んでいく。

 

「じゃあ、コーネリア、マリュー。火星の息吹作戦が完了したらまた会おう。イザーク、マーズゼロの探索については任せた」

『ああ、また後で会おう』

『頑張ってね』

『ふん、言われなくてもしっかりやってやるから、お前は後ろを気にせず戦ってこい』

 

 それぞれの返事を聞きながら、転移フィールドの生成が完了したのを確認し、口を開く。

 

「転移」




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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