転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1223話

 マーズゼロを攻略し、その周辺にあったハイヴも攻略は完了した。

 俺が協力していた派遣兵団の方の攻略が完了するのと、ほぼ時を同じくしてシロガネが攻めていた方のハイヴの攻略も完了している。

 こうして火星の息吹作戦は無事に予定通り完了し、現在はそれぞれのハイヴについての後処理をしているところだった。

 

「取りあえず今回の作戦で出たBETAの死骸に関しては、メギロートとイルメヤ、シャドウに集めさせているわ。それと、こっちが占領したハイヴを取り戻しに他のハイヴからBETAが送られてくるかもしれないから、そういう意味でも戦力を残しておく必要はあるわね」

 

 ニヴルヘイムの司令室にて、レモンがそう告げる。

 尚、現在他の世界から派遣された派遣兵団の者達は、それぞれが自分達の母艦や、もっとゆっくりしたいという者にはニヴルヘイムの空き部屋を貸してゆっくりして貰っている。

 今後このマーズゼロを始めとしたハイヴを管理するのは、あくまでも俺達シャドウミラーなので、一応この場所……マーズゼロやその周辺のハイヴをどうするかって会議には参加を遠慮して貰っていた。

 それでもまだそれぞれの世界に帰っていないのは、この後で大々的に宴会をやる事になっている為だ。

 もっとも、それはホワイトスターでの宴会なんだが。

 今は戦闘の疲れを取って貰っている。

 

「まぁ、それが無難だろうな。とにかくBETAの死骸は悪臭が酷い。火星にあるハイヴを基地化して、私達が普通に暮らせるようにするという事は、つまり密閉する必要がある。その密閉された中にBETAの死骸があれば……ちょっと考えたくはないな」

 

 レモンの意見にコーネリアが同意し、シャドウミラーの幹部陣が全員その意見に頷く。

 基本的に女が多い――俺の恋人が多いという理由もあるが――シャドウミラーだけに、臭いとかその辺にはかなり敏感だったりする。

 

「BETAの死骸はどこか一ヶ所に集めて、その後コンテナに積めてからアクセルが空間倉庫に収納。ホワイトスターのキブツまで運ぶ……って事でいいのよね?」

「まあな。正直、あまり気は進まないけど」

「そうは言っても、アクセルが一番被害が少ない状態で持って行けるんだろ? ならアクセルがやるのが一番じゃん」

「……なら、アウルにも協力してもらうか」

 

 そんな俺の言葉に、ぎょっとした表情を浮かべるアウル。

 

「ちょっ、待ってくれよ。俺そんなの嫌だよ!」

「自分がやられてはいけない事は、人にしては駄目だって習わなかったのか?」

 

 ……もっとも、アウルには半ば嫌がらせに近い状態でこんな事を言ってしまったが、俺がBETAの死骸の入ったコンテナを持っていくのが一番被害が少ないってのは事実でもあるんだよな。

 

「ま、取りあえず持ち帰るのをどうするのかはともかくとして、一ヶ所に集めるように命令だけは出しておくわね」

 

 レモンがそう告げ、ニヴルヘイムの装置を使ってマーズゼロと2つのハイヴで掃除をしているメギロート、イルメヤ、シャドウにそれぞれ命令を出す。

 そのやり取りを見ていて、ふとイザークの方へと視線を向けて尋ねる。

 

「ああ、そう言えばマーズゼロのアトリエも見つかったんだってな」

「うん? ああ、大きいのの他に小さいアトリエも何ヶ所かあったらしいぞ。それがマーズゼロだからなのかどうかは分からないが」

「G元素の方は?」

「かなりの数があるって話だ。それこそ、俺達が地球で受け取ったものとは比べものにならない程の量らしい」

「なるほど。なら、ホワイトスターと時の指輪の融合に関しては完成出来るか?」

「使用するG元素が急激に増えるというのでなければ、問題はないだろう。それに、俺達が占領した3つのハイヴで足りなければ、他のハイヴに攻め込んでアトリエから奪取してくればいいだけなんだから」

 

 イザークの言葉に、確かにと頷く。

 元々火星の息吹作戦を実行しようと思ったのは、火星にある他のハイヴからG元素を継続的に得る為というのに近い。

 養蜂……というにはちょっと危険度が高すぎるが、似たようなものだと思って間違いはない。

 

「そうなるとG元素の方は早めにホワイトスターに運んでおきたいな。BETAの死骸もそうだが、そっちの方も優先して欲しい」

「そうね、ある程度はそっちに回すわ。……どうしても死骸回収の方が時間が掛かるのよ。ハイヴも広いし」

 

 レモンの言葉に皆が納得の表情を浮かべる。

 実際にハイヴを攻略しただけに、その言葉には実感あった。

 

「防衛戦力の方は?」

「問題ないわ。BETAの死骸を集めている機体が、何かあったらすぐに防衛戦力として活動可能よ」

「となると、BETAの死骸を掃除、G元素の収集、ハイヴの防衛。……ってところか?」

「そうね。そして死骸の収集が終わったら、基地化の作業を開始。勿論これもメギロートやイルメヤ、シャドウを中心として行うつもりよ」

「頼む」

 

 ハイヴ3つを基地として稼働させるには、それなりに時間が掛かるだろう。

 それでもマブラヴ世界とは違って無人機を24時間動かし続けられるのだから、1年掛かったりはしないだろうが。

 

「今回の火星の息吹作戦での死傷者は?」

「重軽傷者はそれなりの人数になるけど、幸いな事に死者に関しては0よ。まぁ、各世界から派遣兵団に送られてきたのは腕利きばかりだったんでしょうし、そのくらいは当然かもしれないけど」

 

 レモンの言葉に一瞬驚くが、すぐに納得の表情を浮かべる。

 各世界の者達にしてみれば、お互いの世界を知っているからこそ、自分達の世界から出す戦力が練度不足な者達だった場合、侮られる原因になりかねない。そうならない為には、当然のように腕利きやベテランのエースパイロットといった者達を送ってくる必要があった。

 そう考えれば、確かにBETAを相手にしての戦闘で死者が1人も出なかったってのも納得出来る。

 そもそも、火星のBETAには光線級、重光線級がいない以上は近接攻撃しか攻撃方法がない。

 一番射程が広いのは、恐らく要塞級の尾による攻撃だろう。……あるいは、母艦級の一撃か?

 

「なるほど、なら何の憂いもなく完全勝利を喜ぶことが出来るな。……イルメヤとメギロートの被害は?」

「小破、中破、大破、撃破。それぞれがある程度以上はあるわね。それでも数日程度で回復出来るくらいだから、心配はいらないわ」

 

 メギロートとイルメヤはやっぱり被害を受けるか。

 バリアの類がないのも問題だが、他の世界からの派遣兵団に死者がないのに、こっちに被害を受けているのは……純粋にこっちの主戦力がメギロートとイルメヤだったってのもあるか。

 そもそも、比較する数が違い過ぎるのだから。

 

「それはしょうがないだろ。となると、大まかに見た場合は特に大きな被害がなかった。火星の息吹作戦は全面的に成功したと思ってもいいのか?」

「そうね、負傷者はともかく死者はいないし、シャドウミラーの被害は数日で回復出来る程度のもの。G元素の類も予定通り大量に入手したし……唯一残念だったのは、反応炉を稼働したまま確保出来なかった事かしら」

 

 残念そうに告げるレモン。

 そう、結局俺が援軍として向かったハイヴも、そしてシロガネが攻略していたハイヴも、その両方で反応炉を稼働したまま確保することは出来なかった。

 BETAの数を考えれば、しょうがないのかもしれないが。

 ちなみに、俺が戦ったように自己防衛機能付きの反応炉という訳ではなかったらしい。

 

「取りあえず話は分かった。他に何かある奴はいるか?」

 

 そう告げると、ナタルが手を上げる。

 

「実はオーブからBETAの死骸を幾つか貰いたいという話が内々に来てるのだが……構わないだろうか」

「そう言えばギアス世界やマクロス世界からも要望が来てたわね」

 

 ナタルの言葉にマリューが同意するように呟くのだが……俺はそれに首を傾げる。

 

「確か以前BETAの死体を渡した事があっただろ? あの時の分だと足りなかったって事か?」

 

 俺達がマブラヴ世界である程度の地盤を築き、ハイヴ攻略もそれなりに行われていた時、BETAを各世界に提供したという報告書を見た覚えがあった。

 勿論BETAの解析は技術班でもやっていたが、他の者達が解析する事により思いも寄らない観点からの発見が見つかるというのは珍しい事ではない。

 それだけでは足りなかった。そういう事か?

 だが、そんな俺の疑問にナタルとマリューは首を横に振る。

 

「欲している理由に関しては聞いていない。ただ、恐らくだが火星のBETAという事で以前と違う検査結果が出るかもしれないと思っているのだと思う。勿論何も出てこない理由はあるが……」

「……なるほど。まぁ、別に生きているBETAが欲しいって訳じゃないんなら、こっちとしても特に構わないが。……構わないんだよな?」

 

 一応、とばかりにレモンの方へと視線を向けるが、レモンは俺の問い掛けに頷きを返す。

 

「ええ、BETAの死骸を別にする手間は掛かるけど、それは量産型W辺りにやらせれば問題ないでしょうし。それか、自分達で損傷の少ない死骸を選びたいというのであれば、派遣兵団の中から選んで貰ってもいいかもしれないわね」

 

 レモンの方でも特に問題はないらしい。

 

「一応、こっちでも調べたりはするんだよな?」

「ええ。特にアクセルの空間倉庫に入っている、反応炉と一体化していたBETAや門級だったかしら。それに関しては興味深いし、調べたいと思っているわ。まぁ、突撃級とかの地球にもいるBETAも一応調べるけど……」

 

 突撃級を始めとしたBETAに関しては殆ど期待していない。

 そんなニュアンスで告げてくるレモン。

 実際、ハイヴを攻略している時に戦っても、殆ど地球の奴と変わりはなかったからな。

 恐らく特に何の変哲もないだろうってのは、俺でも予想出来た。

 ……まぁ、こういうところから変化が現れる可能性ってのはあるかもしれないんだが。

 その辺に関しては技術班が調べているんだから、見逃す事もないだろう。

 

「アクセル君、他の世界に渡すのであれば、麻帆良にも渡してはどう? 麻帆良でも調べるでしょうし、雪広財閥や那波重工でも調べたいと思うんじゃない?」

 

 円の言葉に、少し考える。

 いや、別にBETAの死骸を渡すのは別にいいんだよ。

 シャドウミラーとしてだって、死骸に関しての使い道はキブツに使う原材料くらいにしか使い道はないんだし。

 寧ろ貰ってくれるって言うんなら、こっちで調べる分を除いてどんどん貰ってくれても構わないというのが正直なところだ。

 ……さすがにそんなにはいらないだろうけど。

 今回の火星の息吹作戦で倒したBETAの数がどれくらいになるのか。それは、俺も分からない。

 それでもフェイズ9のマーズゼロと、それに若干落ちる程度のフェイズ8のハイヴが2つだ。

 地球でハイヴ攻略をした時と比べると、物凄い差があるだろう。

 それこそ、マブラヴ世界の住人としては見たくないと思う程に。

 

「それについては問題ない。貰っていくのなら好きにしてくれ。まぁ、魔法使いだったり、気の使い手だったりするんだから、ある程度の量は普通に持って行けるだろうし」

 

 それでもコンテナの類がなければ、悪臭が物凄い事になってそうではある。

 

「なら、シロガネやニヴルヘイム、自分達の母艦で休んでいる者達に対し、BETAの死骸をいるかどうか聞いてくれ」

「分かったわ」

 

 シロガネのオペレーターでもある円と美砂がナタルからの指示を受け、慣れた様子でニヴルヘイムの通信機を動かしていく。

 まぁ、シャドウミラーの技術という事である程度の慣れのようなものはあるんだろう。

 当然ニヴルヘイムを開発する時に、旗艦でもあるシロガネやトライロバイト級をベースにしている筈だし。

 ……そう言えば、トライロバイト級は最近動かしていないな。

 動かすにしても、艦長がいないってのが大きいが。

 量産型W辺りなら、ある程度艦長として指揮は出来るだろうが。さすがに量産型Wに対してトライロバイト級を預けるといった真似をしたくはない。

 艦長をこなせる人材が増えれば、あるいはメギロートやイルメヤ、シャドウの運用艦として使ってもいいと思うんだが。

 

「……うん? ねぇ、ちょっと。アクセル君」

 

 通信をしていた美砂が、ふと何かに気が付いたように俺の方へと尋ねてくる。

 

「どうした?」

「BETAの死骸の件、修羅にはどうするの?」

「一応知らせておいた方がいいな。まぁ、今の修羅でBETAを調べたりとかは出来そうにないけど」

 

 ミザル辺りがいれば話は別だっただろうが、今の修羅に研究畑の人間はいない。

 ああ、でも火星だとニーナやバトレーといった人材がいるから、もしかしたら意外な発見がある可能性も皆無じゃないか。

 

「分かったわ。連絡を入れておくわ」

 

 そう告げ、修羅のいる場所へと通信を送る。

 それを見ながら、その後も他の事を決めていき……そうしてやがてこのブリーフィングは無事終わり、BETAの死骸の件も完了してホワイトスターへと帰還するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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