転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0115話

「……そうか。やはりメキボスは破れたか。それで死んだのか?」

「はい。インスペクターからの情報ですと、グレイターキンの機体反応は完全に消失しているそうです」

「分かった。行っていいぞ」

「はっ!」

 

 量産型Wが去っていく後ろ姿を見ながら、束の間メキボスの冥福を祈る。

 正確にはこの時点ではまだ生きているのだろうが、奴がウェンドロに撃墜される時に俺達がどうなっているか分からないので、ここで祈っておいてやろう。

 

「アクセル、どうした?」

 

 ドルムの通路で止まっている俺に声を掛けてきたのはヴィンデルだった。不思議そうにこちらを見ている。

 

「いや、メキボスがやられたらしい」

「ああ、そうらしいな。さすがヒリュウ改にクロガネといった所か。それよりもW16がなにやら厄介な事を発見したらしいから、その対策の為に作戦司令室に来て欲しいそうだ」

 

 厄介? アインストに囲まれているこの状況よりも厄介な事はそうそう思いつかないが……どのみち、作戦司令室へと行けば分かるか。

 

「了解。じゃあ早速行くとしようか」

 

 

 

 

 

「……重力異常?」

 

 レモンのその問いに、エキドナは頷く。

 

「はい。微弱な反応ですが、ドルムを包み込むようにして発生しています」

「アインストの仕業だと思うか?」

「十中八九そうでしょうね。そんな常識外れな真似が出来るのはアインストくらいしか思いつかないわ」

 

 ヴィンデルの問いに答えるレモン。

 だが、確かにアインスト以外では有り得ないだろう。このドルム自体がホワイトスターよりも小さいとは言え、コロニー並の大きさなのだ。そのドルムを包み込むように重力異常を発生させるとなると……

 そもそも、現在の状況でまだ活動している組織自体が少ない。シャドウミラー、インスペクター、連邦軍……正確にはヒリュウ改とクロガネか。そして、アインスト。

 それ以外の俺が把握していない組織が動いている可能性もあるが、そこまで考えると切りがないのでその辺は置いておく。

 

「重力異常なんて今までになかったパターンよ。……嫌な予感がするわね。ヴィンデル、念の為トリニティゲインをシロガネからドルムへ移しておいた方がいいんじゃないの?」

「うむ。この際だ、使える機体はこちらへ移しておこう」

 

 ヴィンデルが決断した丁度そのタイミングでアラートが鳴り響く。

 

「またアインストかしら?」

「さて、な。リー、どうなっているか分かるか?」

 

 シロガネで待機しているリーへと通信を繋げて尋ねる。ドルムの奥にいる俺達よりも、より前線に近いシロガネにいるリーの方が状況を理解しているだろう。

 そして案の定リーからの報告は正確なものだった。

 

「アクセルか。第3防衛ライン上にアインストが転移してきた。規模自体は前回とそう大差ないが」

「迎撃は?」

 

 リーに問いかけたのはヴィンデル。その顔は厳しいものになっている。重力の異常とアインストの転移。この2つにより最後の戦いが近いと感じ取ったのかも知れない。

 

「インスペクター側からはアギーハ隊が出るようです。我々はいかが致します?」

「トリニティをシロガネからこちらに移す。それまで待機だ」

 

 ……さて。俺も出るか。

 

「レモン、システムXNの量産型はもうグロウセイヴァーに搭載されたな?」

「え、ええ。だけど前にも言った通りそれ程距離を稼げないわよ? 基本的にシステムに送るエネルギーの量で転移距離が決まるから時流エンジンを積んでいるグロウセイヴァーなら他の機体よりもマシでしょうけど、計算上ではそれでも20~30km程度が限界ね」

「なに、それだけ転移出来るのならいくらでもやりようはあるさ。ヴィンデル、俺が出る」

 

 俺のその言葉に、レモンが待ったを掛ける。

 

「アクセル、状況が混乱してきているのよ? 見極めが出来るまで待機してた方がいいと思うんだけど」

「だからこそだ。いざ何か事が起きた時にはすぐにでも動ける状態でいたい」

 

 そこまでレモンに告げてから、ヴィンデルへと尋ねる。

 

「それにW17やベーオウルフ、ラウル達もこちらに向かってきているんだろう?」

「ああ」

 

 その俺の問いに、ヴィンデルは小さく頷くだけで答えた。

 

「奴等の出迎えは今まで何度も戦ってきた俺がするのが礼儀というものだろう」

「アクセル……」

「レモン、そんな心配そうな声を出すな。俺が奴等相手に負けると思っているのか? それにヘリオスやエクサランスの件もある」

「でも……」

「お前らしくないな。いつものように送り出してくれれば、俺はお前の所へ帰ってくるさ」

 

 レモンと軽く唇を重ねて、その桃色の髪を軽く撫でる。

 

「ふふっ」

 

 俺に髪を撫でられながら、何故か笑い声をこぼすレモン。不思議に思いながら聞いてみる。

 

「いえ、これってどう考えても死亡フラグって奴じゃなくて?」

「……あぁ」

 

 確かにそう言われるとそうかもしれない。だが、生き延びる為にここまで来たのだ。死亡フラグなんてものはへし折ってみせる。

 最後にもう1度レモンと唇を重ねると、ヴィンデルの方へと振り向く。

 

「ヴィンデル、奴等の相手をするには数がいる。トリニティゲインの搬出が済み次第シロガネを外にまわしてくれ。リーにも協力してもらう」

「分かった」

 

 ヴィンデルが頷くのを確認してから、作戦司令室から格納庫へと向かう。

 

 

 

 

 

「……で、こいつか」

 

 モニタに映っているのは、アルトアイゼンそっくりのアインスト。アインストアイゼンだ。そのアインストアイゼンへと向けてランツェ・カノーネを2門展開し、トリガーを引く。

 幾筋もの細長いビーム光がアインストアイゼンを貫き、そのアルトアイゼンそっくりの部品を宇宙へとばらまく。

 他の敵機が居ないかを確認していると、アギーハの操るシルベルヴィントがその速度を活かしつつ、両腕に装備された高周波ソードでアインストを斬り裂いているのが視界に入る。

 

「これで第3ラインに入り込んできたアインストは全て撃破したな」

 

 その呟きに返事を返してきたのは、グロウセイヴァーの後ろで敵の攻撃を警戒していたヴァイサーガに乗るエキドナだった。

 

「ええ。残る敵はドルムの外周部にいるアインストだけだと思われます。ですが……」

「ああ。あのアインストの事だ。引き際を誤ればすぐにその数に物を言わせてくるだろう」

「アクセル隊長、状況によっては退いて下さい。私はレモン様から隊長を守るようにと……」

「レモンからの命令を忠実に守る、か。結構な話だが、それよりも大事な事もあるというのを理解しろ」

「それでは欠陥機のW17と同じです」

「欠陥機、果たして本当にそうか? 俺から見ても、お前はW17に負けない程自我が発達しているように見えるぞ? だが、欠陥を抱えているとも思えん」

「私が、W17と……?」

 

 何かを考え込んだエキドナを見ていると、アギーハからの通信が入る。

 

「アクセル、悪いがこっちは弾薬が切れた。しばらくここを任せてもいいかい?」

「了解した。この程度の相手なら俺達だけで十分だ。少しくらいなら休んでも構わんぞ」

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」

 

 そう言い残してドルムへと戻っていくシルベルヴィント。通信では普通に会話していたが、態度の端々からこちらを使い潰すつもりなのが伝わってきた。

 だが、それも無理はない。今は共に戦っているとは言え、シャドウミラーとインスペクターは所詮相手を利用する事を考えて手を組んだのだから。

 そしてそんなシャドウミラーすら裏切ろうとしている俺、か。

 そんな事を考えていると、後方のシロガネで戦況を確認していたリーからの連絡が入ってきた。

 

「S28フィールドに再度アインストの転移反応を確認。全機警戒せよ!」

 

 リーが言い終わるとの同時に、複数のアインストが転移してくる。今回はアルトアイゼンもどきだけではなく、鎧や骨、植物の混成部隊らしい。

 

「この散発的な転移攻撃。……何らかの時間稼ぎか?」

「報告にあった重力異常の事と言い、アインストは我々をドルムに閉じ込めたいのか?」

「さて、どうだろうな。閉じ込めるだけならそれこそこっちが手に負えない程の数を一斉に転移させて包囲すればそれで済む。それがないという事は……」

 

 そこまで呟いた時、既にお馴染みとなった感覚が俺の中で生まれる。念動力の共振だ。

 ……ここまで辿り着いたか。俺の期待通りに進むのなら、ここが奴等との最後の戦舞台となる筈だ。この世に再度生を受けてから20年弱。長いようで短い俺の生き残る為の戦いもいよいよ最終章に突入する。

 

「アインストの目的や、この散発的な転移攻撃の真意。奴等なら知っているかもしれないな」

「奴等?」

 

 不思議そうにこちらへと聞き返してくるリー。だが、次の瞬間にはシロガネのレーダーがクロガネとヒリュウ改を探知しアラートが鳴り響く。

 

「この反応は!?」

「もう分かっているだろう? そう、一度や二度負けようとも決してその意志を折る事なく何度でも立ち上がり、俺達の前に立ち塞がる……クロガネとヒリュウ改だよ」

 

 まるで俺が言い終わるのを待っていたかのようにタイミング良く姿を現し、この宙域へと突入してくるクロガネとヒリュウ改。黒と赤の船体を見せつけるかのように突っ込んでくる。

 そして俺達やアインストが行動を起こす前に素早くPTやAMが出撃し、戦闘準備を整える。

 一際目に付くのはラングレー基地で四肢をなくしたにも関わらず、すっかり元に戻っているアルトアイゼン・リーゼだろう。いや、より正確にはパワーアップしているのか。機体の大きさ自体は以前とそれ程変わらないように見えるのだが、武器がそれぞれ大型化しており、以前よりもどっしりとした重量感を感じる。

 また、ヴァイスリッターに至っては既に別物の機体と言ってもいいだろう。原作通りにこちらでもアインストに操られたのだろうが、無事アインストの呪縛を解いたようだ。しかしその機体はアインストとの融合により半ば生物兵器のようにも見える。特にその背に生えている翼はどこからどう見てもコウモリの……より正確に表すのなら悪魔のソレにしか見えない。確かエクセレンを洗脳していた赤い宝玉を破壊したから普通に使えるようになった筈だが……あちらのベーオウルフの変異を知っている分、俺ならアインストに浸食された機体には乗りたくない。ゲームをしてる時は好きな機体だったんだが。

 他にも有名所の機体はほぼ全てが出撃していた。




名前:アクセル・アルマー
LV:31
PP:115
格闘:230
射撃:248
技量:240
防御:237
回避:265
命中:287
SP:390
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:168

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