転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1281話

「ね、アクセル。あの服とかルリルリに似合うと思わない?」

「どの服だ? ……そ、そうか? 似合うか?」

「似合うわよ、きっと。ねぇ、ルリルリ? ああいう服も着てみたくない?」

「……ちょっと恥ずかしいです」

 

 ハルカの視線の先にある服、いわゆるゴスロリと呼ばれる黒い服を見て、ルリはその白い肌を赤く染めながら恥ずかしそうに告げる。

 

「えー。ルリルリに似合うと思うんだけどなぁ。あ、あっちの服もいいかも! ほら、似た感じだけど色は白いから、ルリルリの肌にも合いそうよ」

 

 次にハルカが視線を向けたのは、白いゴスロリ服。

 だが、当然ルリはそんな服を着たくないらしく、そっと視線を逸らす。

 ここはサツキミドリ2号の商業区画。いわゆる、商店街とかそういう感じの場所だ。

 サツキミドリ2号に来る前にハルカと約束したように、ルリと3人でこうしてショッピングデートを洒落込む事になった訳だ。

 こうして来た今でも思うが、よくルリが納得したな。

 サツキミドリ2号に到着してから、既に数日。

 大至急やるべき事は終わったので、今のナデシコでは大至急ではない作業へと入っている。

 そんな中で最も急いで行われているのは、やはりナデシコの外側にミロンガ改を待機させておく為の巨大なコンテナを作る作業か。

 何をやるにしても、やっぱりミロンガ改というのは現状ナデシコ最強の戦力だ。

 その運用状況の改善をするのは当然だろう。

 で、今は俺のやるべき事もないので、こうして前もって約束した通りに出て来たんだが……

 

「何だかんだで、サツキミドリ2号もこうして見ると結構栄えてるんだな」

「そうね。遊びに来るつもりではあったけど、ここまで多くのお店があるとは思わなかったわ。でも、来てみて良かったでしょ? ルリルリのいい服も見つけられたし」

「……ああいう服はあまり……」

 

 さっきのゴスロリ服の印象が強烈だった為か、ルリが若干不満そうに告げる。

 

「あら、ルリルリは少女なんでしょ? なら、しっかりとお洒落しなきゃ。それにはやっぱり男の目も必要だし……ね?」

「いや、そこで俺を見られてもな。元々お洒落とかそういうのはそんなに詳しくないんだよ」

「別にそこまで期待はしてないわ。でも、アクセルの目から見てどんな風に見えるのかというのを正直な気持ちで言って欲しいの」

 

 ハルカの視線が真っ直ぐに俺へと向けられる。

 なるほど、別に俺がハルカに好かれていないって訳じゃないだろうが、それでもデートに誘うにはまだ早いだろうと思っていたけど……本当の狙いはルリの方だった訳か。

 いや、別に利用したとかそういう事じゃないんだろうが。

 ただ単純に、3人で街中を歩きたかっただけってのが正確なところだろう。

 

「……あ」

 

 そんな風に街中を歩いていると、不意にハルカと手を繋いでいるルリが小さな声を上げる。

 ハルカもそんなルリの声に気が付いたのだろう。ルリの視線の先を追う。

 そこにあったのは、ハンバーガー屋。いわゆるファーストフード店だ。

 俺が見た事のない店名だったので、恐らくナデシコ世界固有の店なんだと思う。

 それでいながら、どことなく既視感を覚えるその店構え。

 いやまぁ、ファーストフード店なんてどこも大概似たような作りになるんだろうけど。

 

「どうしたの、ルリルリ。ちょっとお腹減っちゃった?」

「いえ。最近ハンバーガーを食べてなかったなと思ったので」

「あー……そう言えばそうよね。最近ルリルリを食堂でよく見掛けるようになったもの。ま、でも健康にはファーストフードより食堂できちんとしたご飯を食べる方がいいのは確かよ?」

「アクセルさんにも言いましたけど、ナデシコのハンバーガーはきちんと栄養が管理されています。それに、もし栄養を補助する必要があるのならサプリメントがありますから」

 

 不満そうに言っているルリだったが、俺がいないところでもハンバーガーとかじゃなくて食堂できちんと食べていると考えれば、本人もそれ程食べるのが嫌って訳じゃないと思うんだけどな。

 

「うーん、ルリルリの言いたい事も分かるけど、食べ物の栄養ってだけじゃなくて精神的な栄養? そういうのもあるじゃない?」

「……分かりません」

 

 微かに首を傾げるルリ。

 こういうところを見ていると、どことなく霞を思い出す。

 いっそルリにもウサギの耳のカチューシャを付けてやるか?

 あ、でもあれってG元素を使ってるとか何とか聞いたような覚えがあったような、なかったような……

 ま、取りあえず覚えておいて、向こうの世界に戻った時に忘れてなければ夕呼に連絡を取って予備を貰ってくればいいか。

 

「アクセル、行くわよ?」

「ん? ああ。……で、寄るのか?」

 

 ルリの手を引いたハルカの向かった先がファーストフード店であるというのを見て取り、ハルカへと尋ねる。

 

「ええ。折角ナデシコの外に出たんだし、たまにはハンバーガーでもいいでしょ。それにほら、ハンバーガーとか食べてるとちょっとデートっぽくない?」

「デート、ねぇ……」

 

 俺とハルカは共に20代程の年齢で、ルリは10歳前後。さすがに親子には見えないだろうが、妹連れという風には見えるか?

 ハルカの方がそれを喜ぶとは思えないが。ともあれ……

 

「そうだな。久しぶりの外出なんだし、そのくらい羽目を外すのはいいか」

 

 そうして、俺達は視線の先にあるファーストフード店へと向かう。

 ファーストフード店だけあって、店の中は程々に混んでいる。

 まぁ、コロニーの中という立地上、店が客で溢れる! ってのは普通ないんだろうけど。

 カウンターでいかにもアルバイトといった店員に、それぞれが適当にメニューを注文する。

 ルリがハンバーガーとフライドポテトとシェイクのセット、ハルカがアップルパイとコーヒー。俺はダブルチーズバーガーとフライドポテトとチキンナゲットとシェイクのセットに、アボカドロースカツバーガーとかいう新製品を追加で。

 それを見ていたハルカとルリの2人は、その場では特に何も言う様子がなかったが、席に着いた途端にジト目を向けて口を開く。

 

「アクセルさん、私にはあれだけハンバーガーを食べないようにと言ったのに、自分ではそんなにたくさん食べるんですか?」

「そうよねぇ。ちょっと食べ過ぎじゃない? そんなに食べて、大丈夫?」

「大丈夫って言ってもな。この程度なら問題ないだろ。おやつだよ、おやつ。パイロットは身体が資本だからな。食える時に食っておく必要があるんだよ」

 

 そう告げ、アボカドロースカツバーガーへと手を伸ばす。

 ……うん、いまいちだな。

 本来ならロースカツの揚げたてのサクッとした歯応えと、アボカドの濃厚な味が楽しめる……というのが売りらしい。

 少なくてもメニューの売り文句にはそう書いてあった。

 だが、そもそもロースカツ自体が揚げてから時間が経っているらしく、衣のサクッとした食感は楽しめない。

 ただ、ロースカツについているソースは酸味が強く、香辛料の味が際立っており俺好みの味だ。

 このソースとアボカドの組み合わせはかなりいいんだが、それをロースカツが邪魔をしている。

 

「ふーん……」

 

 俺の表情を見て、あまり美味くないというのを察したのだろう。ハルカが笑みを浮かべてコーヒーを口へと運ぶ。

 

「別に不味いって程じゃないけどな」

 

 自分でも言い訳染みているとは思うが、それでもそう告げ、食っていく。

 

「……」

 

 そして、ハルカの隣に座っているルリはハンバーガーを一口食べると、その動きを止める。

 どうやらハンバーガーの方もいまいちだったらしい。

 

「ルリルリ?」

「……なんでもありません。ただ、ちょっと……」

 

 そう言いながら、無表情でハンバーガーを食べ進めて行くルリ。

 そんなルリを見ながらアボカドロースカツバーガーを食い終わった俺は、口直しにとチキンナゲットへと手を伸ばすが……

 

「これもか」

「あら? 珍しいわね。チキンナゲットは失敗とかしにくいのに。私が頼んだアップルパイは美味しいわよ?」

「……あ。ポテトは美味しいです」

 

 ルリの言葉に、フライドポテトへと手を伸ばす。

 少し大きめに切ってあるのがこのチェーン店の仕様なのか、確かに食べ応えはありそうだ。

 フライドポテトを口の中に入れると、外側はカリッと、中はホクッとしている。

 味付けも悪くなく、普通に……いや、かなり美味い。

 シェイクへと手を伸ばすと、こっちも美味い。

 ダブルチーズバーガーは……不味い。

 この店、どうなってるんだ? 主力商品のハンバーガーが不味いのに、サイドメニューは軒並み美味い。……あ、でもチキンナゲットは不味いな。

 どういう客層を狙ってるんだ?

 

「どう思う?」

 

 それだけで俺の聞きたい事が分かったのだろう。ハルカはアップルパイを食べながら口を開く。

 

「そうね。無理矢理考えるとすれば、このお店だとハンバーガーとかじゃなくて、サイドメニューを頼む人の方が多い、とか? だからそっちの方に力を入れてると考えれば……いえ、無理があるわね」

「そりゃそうだろ。普通に考えればハンバーガー屋でハンバーガーが美味くないってのは致命的だ。それでもやっていられるのは……ここがコロニーだからか?」

 

 競争相手がいない殿様商売だと、当然店の味とかも落ちてくる。

 それでもファーストフードだと、味付けとか調理の大半を一括してやってそれを各店舗に配るという形を取るのが一般的だから、店によって味が変わるって事は殆どないのが普通なんだが……

 もしかして、この系列店全てがこの味なのか? とも一瞬思ったが、ハルカの様子を見ている限りだとそういう訳でもないらしい。

 結局注文したのを食べ終わると、そのまま店を出る。

 ……ただ、フライドポテトは本格的に美味かったので、出来れば大量に買って空間倉庫の中に保存しておきたかった。

 ハルカやルリの前でそんな事が出来る訳がないんだが。

 まぁ、サツキミドリ2号にはもう2週間近く滞在予定なので、またこの店に来る事はあるだろう。

 

「さて、じゃあ次はどうする? ……あ、あそこに小物屋さんがあるけど、寄ってみる?」

 

 ファーストフード店で微妙になった気分を変えようと告げてくるハルカの言葉に、その視線を追う。

 そこには確かに小物屋が存在していた。

 正直、男の俺としては……と思ったが、よく考えてみればナデシコの自室は殺風景だった事を思い出す。

 そうだな、どうせなら店で何か買っていくか。

 

「小物屋、ですか?」

「そうよ、ルリルリ。……ルリルリの部屋は少し物が少ないから、ここで何か買っていきましょう」

 

 どうやら俺だけじゃなく、ルリの部屋も物が少ないらしい。

 まぁ、ルリの性格を考えればそれ程おかしな事じゃないか。

 少女、少女と繰り返しているルリだったが、その実態はそれ程少女って訳じゃないんだよな。

 本人もそれを理解しているのか、ハルカの言葉に頷くと小物屋へと向かう。

 俺の意思を確認してこない辺り、何も言わなくてもついてくると思われてるんだろう。まさか、存在を忘れているなんてことはないと思うが。

 そんな思いを抱きつつ小物屋へと入ると、中には小物屋と言われているのに相応しい程、小さい商品が大量に並んでいた。

 こういう店に入った経験は殆どないけど、それでも結構な量の商品だな。

 

「ほら、ルリルリ。こういうのとか可愛いんじゃない?」

 

 そう言ってハルカが差し出したのは猫の人形。

 デフォルメされているその姿は、確かにこうして見る限り愛らしいと言ってもいい。

 

「そう、ですね。可愛いかもしれません。……少女はこういうのを持つのが普通なんでしょうか?」

「ええ、勿論よ」

 

 自信満々に告げるハルカだったが、本当なのか?

 確かに人形とかを持ってそうなイメージはあるけど、その辺はあくまでもイメージだ。

 どうしても確実にとは思えない。

 いや、ハルカだって最初から大人だった訳じゃない。少女時代を過ごしてきたのは間違いないのだ。

 だとすれば、恐らくその言葉は決して間違っているという訳じゃないんだろうが。

 ……まぁ、ハルカの少女時代とルリの少女時代が必ずしも同じって訳じゃないだろうが。

 

「あ、アクセル。これとかどう? アクセルの部屋も殺風景なんでしょ?」

 

 そう言ってハルカが差し出してきたのは、瓶の中に船の模型が入っている代物。

 いわゆるボトルシップという奴だ。

 これは瓶の中にピンセットを入れて船を組み立てるという、かなり面倒臭い作業を必要とする。

 まぁ、これはもう完成している奴だから、俺が作る必要はないんだが。

 ……あ、でもスライム辺りを使えば結構簡単に作れるか?

 まぁ、ナデシコの中でそんな事は出来ないけど。

 

「そうだな。金には困ってないし、これくらい買うか」

 

 幸い俺はパイロットの特別手当や、それ以外にも色々と特殊な事情で給料を多く貰っている。

 これくらい買うのは問題ないだろう。

 そんな風に考え、取りあえずボトルシップを手に取るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188
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