転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1314話

『はぁっ!? 私が!? ちょっと、何だってそんな重要な役割を私に回すのよ! 大体、私はまだシャドウミラーに入ったばかりなのよ!?』

 

 ゲートで俺から神楽坂にシャドウミラーからナデシコへ派遣される人員として神楽坂が選ばれたと聞かされた時の反応は激烈なものがあった。

 いやまぁ、分からないでもない。

 神楽坂は生まれはともかくとして、外交使節とかそういうのはTVとかでしか見た事がなかったのだろうから。だが……

 

「悪いが、これはシャドウミラーの代表としての判断だ。拒否は出来ないと思ってくれ」

『……分かったわよ。けど、私は別に外交とかそういうのをきちんと勉強したわけじゃないんだから、どうなっても知らないわよ?』

 

 諦めたといった表情で告げてくる神楽坂に、俺も頷きを返す。

 

「問題ない。別に正式な外交員とか、そういうのじゃないからな。ナデシコ側が俺達と連絡を取ろうとした時に仲介をしてくれればいい。基本的にこの世界の人員はゲートに近づく事が出来ないし」

『ああ、電話番みたいな感じね。うん、それなら何とかなるかも。じゃあ、ちょっと待ってて』

 

 そう告げると、通信が切れる。

 そして何故か俺に向けられているのは、面白がる視線と冷たい視線。

 

「あらあら。アクセルの知り合いみたいだけど、随分と美人な人ね」

「……あの人も恋人なのかしら?」

 

 ハルカとエリナ、それぞれの言葉に首を横に振る。

 

「恋人って訳じゃないな。いい友人ってところか。色々と細かい事情があるから省くが、俺がネギま世界……魔法のある世界に転移した時に関係を持った相手だ」

「関係ですって!」

 

 俺の言い方が悪かったのか、妙な方へと誤解したエリナが声を上げる。

 いやまぁ、確かに神楽坂は20代になって美人にはなった。性格も気安く接する事が出来て……あれ? 考えれば考える程に誤解を招きかねないような……

 ただ、大人っぽい美人になってはいるものの、性格の方はそれ程成長しているとは言えない。

 少なくても俺と向き合って会話をする時には、大人っぽい落ち着きを感じたりはしないし。

 さすがに俺がネギま世界に行った時のように子供っぽいって訳じゃないが、それでも大人っぽいとまでは言えないんだよな。

 エザリアは我関せずと、イザークが呆れたような目で俺を見ている――プロスペクターは聞こえない振りをしている――中、ハルカとエリナの2人へと向かって口を開く。

 

「別にエリナが考えているような関係じゃない。何なら、神楽坂が今から来るから直接聞いてみたらどうだ?」

 

 そんな俺の言葉と同時にゲートの近くへと光の繭のような転移フィールドが生み出され、その光の繭が消え去ると、そこには神楽坂が存在していた。

 

「アクセル! ……って、えっと、そっちの2人は?」

 

 ホワイトスター側ではハルカとエリナの2人は映っていなかったのか、見ず知らずの2人を見た神楽坂は驚きの表情を浮かべる。

 

「えっと、その、ここにいるって事はシャドウミラーの人? 私は初めて見るけど……あ、でもエザリアさん達が転移する時にはいなかったし……」

「……いつもの事だ。大体想像出来るだろ?」

 

 神楽坂へとそう告げたのは、俺……ではなく、イザーク。

 神楽坂とイザークというのは、相性的にとてもいいとは思えない。

 だが、このやり取りを見る限りだと決してそうだとは限らないのか?

 そしてイザークの言葉でハルカとエリナの2人がどういう存在なのかを理解したのだろう。神楽坂は俺へと向かって呆れた視線を送ってくる。

 

「あんた、また女を増やしたの? いいんちょ達が悲しむ……ことはないか。寧ろ喜ぶ? うん、何だかいいんちょ達がどこか遠くの住人になった気がするわね」

 

 溜息を吐き、どこか遠い場所へと視線を向ける神楽坂に対し、1歩踏み出したのはエリナだった。

 こうして見ると、エリナと神楽坂は同じ年代なんだよな。

 俺の主観では、エリナの方が大分年上に見えるんだが。

 

「えっと神楽坂さん、でいいのよね?」

「え? あ、はい。何ですか?」

「不躾な質問をするようで悪いんだけど、アクセルとどういう関係なのか聞いてもいいかしら?」

「へ? 関係?」

 

 自分でも何を言われているのか分かっていないのだろう。首を傾げた神楽坂に、エリナは焦れったそうに口を開く。

 

「だから、貴方もアクセルの恋人の1人なのって聞きたいの。ホワイトスターにはアクセルの恋人が何人もいるんでしょ?」

「……は? え!? なっ、なななななな、何を言ってるのよいきなり!」

 

 心底エリナの言葉は意外だったのだろう。慌てたように叫ぶ。

 

「何だって私がアクセルなんかとそういう関係にならないといけないのよ! 朝倉が言ってた事を本気にしてるっていうの!」

「は? 朝倉?」

 

 何故いきなりそんな言葉が出て来たのか分からなかったが、朝倉の名前を口にした神楽坂に疑問を浮かべる。

 

「何でそこで朝倉が出てくるんだ?」

「あっ! いや、その、何でもないのよ。それより、私がナデシコって場所に行く必要があるんでしょ。ならさっさと行かせて貰うわね。えっと、誰についていけばいいの?」

「はい、私がご案内します。いや、それにしてもお美しい方ですな。美人揃いという意味ではナデシコもそれなりに自信がありましたが、神楽坂さんもそれに引けを取りませんな」

「え? あははは。えっと、その、ありがとうございます。それで、貴方は?」

「ああ、自己紹介が遅れましたな。すいません。私はナデシコの者でプロスペクターと申します。今回は神楽坂さんをナデシコに案内させて貰います」

 

 照れた様子の神楽坂に、プロスペクターが笑みを浮かべてそう告げる。

 うん、何だかプロスペクターに煽てられていいように情報収集されるんじゃないかという風に思ってしまったのは俺だけじゃない筈だ。

 本当に大丈夫か? という意味を込めてエザリアに視線を向けるが、戻ってきたのは無言で頷くというものだった。

 ……どうやら自信はあるらしい。

 まぁ、神楽坂の現状を考えると、まだ重要な情報に触れてはいないってのも大きいんだろうが。

 

「じゃあ、頼んだ。俺がナデシコで使っていた部屋を使わせて貰えるように頼んである。漫画とかが結構あるから、暇はしない筈だ。それと、もし何ならこの世界の火星を見て歩いてもいいかもな。お前なら木星蜥蜴のバッタやジョロが出て来ても特に問題ないだろうし」

「……分かった。けど、いつまで? まさかずっとって訳じゃないわよね?」

「そうだな、取りあえず1人だけなのは今日と明日くらいだと考えておいてくれ。明日になれば、また別の人材を送る事になるかもしれない」

 

 ただ、火星を実効支配する為に木星蜥蜴の排除も考える必要がある。

 ネルガルと地球の交渉に関してはナデシコが地球圏に戻る必要があるが、それだってシャドウミラーとしての姿を見せた以上はフォールドなりシステムXNなりで、どうとでも転移は可能だ。

 ……そうだな。ネルガルからの報告だけだと、地球連合はこっちを過小評価する可能性が高い。だとすれば、システムXNを使うという意味でもニヴルヘイムでの……しかもビックバリアの中に直接ナデシコと共に転移する方がいいのかもしれないな。

 あ、でもそうなると俺もそっちに出向く必要があるか?

 いや、ネルガルの件はプロスペクターに任せればいいし、連合軍との交渉はエザリアを送れば……

 シャドウミラーの機体が木星蜥蜴にどのくらい有効かを確認してからだな。

 メギロートを含めた兵器が有効であれば、わざわざ俺が火星に残る必要もない。

 

「そう? まぁ、何かあってもゲートがセットされた以上は通信出来るだろうから、問題ないでしょうけど。……じゃあ、行くわね」

「頼んだ。ああ、それとこれ。ナデシコでは必須だぞ」

 

 コミュニケを渡すと、神楽坂は少し首を傾げながらも腕へと嵌める。

 そんな神楽坂へと、エザリアとイザークへと声を掛ける。

 

「お願いね」

「シャドウミラーの恥になる真似はしないようにな」

「うるさいわね、あんたはオウカの尻に敷かれていればいいのよ」

「なっ!? きっ、貴様ぁっ!」

「へっへーんだ。イザークの初デート映像はしっかりこっちにも回ってきてるんだから。さ、プロスペクターさん。行きましょ」

 

 俺とエザリアは置いてきぼりにされ、イザークとやり合っていた神楽坂がそのままプロスペクターを引っ張って去って行く。

 何だかんだと、結構仲がいいようで何よりだ。ただ……

 

「初デートの映像、か」

 

 俺が呟くと、イザークがピクリと反応する。

 エザリアの方はと言えば、薄らと笑みを浮かべていた。

 

「その映像、俺も貰えるのか?」

「アクセルゥッ!」

 

 俺の言葉を聞いた瞬間、イザークが俺を怒鳴りつけてくる。

 予想通りの反応に、その映像がどういうものなのか大体分かった。

 恐らくその映像はイザークも知らない間に撮られたのだろう、オウカの性格を考えると、初デートの映像を自分から残しておくといった事をするようには思えない。

 となると……怪しいのはアウル、ムウ辺りか?

 近衛辺りも何だかんだとノリがいいから、その気にはなりそうだ。

 そして近衛がその気になれば、当然桜咲も一緒に行動するだろうし……

 俺がナデシコ世界にいた間にも、色々と面白い事になってたりしたんだろう。

 

「ほら、落ち着け。ハルカとエリナが驚いてるだろ」

 

 俺の言葉に、イザークは慌ててハルカとエリナの方へと視線を向ける。

 だがそこにあったのは、興味津々の表情で俺とイザークのやり取りを見ているハルカの姿と、興味はあってもどう反応すればいいのか迷っているエリナの姿。

 

「どこがだっ!」

 

 全く驚いているようには見えないその姿に、イザークが叫ぶ。

 

「大体、この2人はお前の女なんだろう。だとすれば、どうせ将来的にはシャドウミラーに入るんだろうから、今のうちにしっかりとシャドウミラーがどういう場所なのか教えておく必要がある」

「あら、確かにそうかもね」

「ちょっと、ハルカはともかく、私は別にシャドウミラーには……」

 

 入らないと言おうと思ったのか、言葉に詰まるエリナ。

 

「ほう? アクセルに惹かれたのにシャドウミラーに入らないのか。それは珍しいな」

 

 興味深げに自分を見るイザークに、エリナは薄らと頬を染めながら視線を逸らす。

 

「ほら、その辺にしておきなさい。そろそろホワイトスターに戻るわよ」

 

 結局はエザリアの言葉で、その場の騒動は収まった。

 ……初デートの映像、ムウ辺りに頼めば俺も貰えるのか?

 そんな風に考えながらも、表情に出せばイザークから鋭く突っ込まれるので隠し通し、量産型Wへと声を掛ける。

 

「じゃあ、頼む。ここにいる全員をホワイトスターに移動させてくれ」

「了解しました」

 

 その言葉と共にゲートを操作し、やがて光の繭が俺達を包み込む。

 

「へぇ、こういう風になってるんだ」

「きゃっ。ちょっと、これ本当に大丈夫なんでしょうね?」

 

 好奇心旺盛なハルカと、多少不安な様子を見せるエリナ。

 そんな2人に、俺は問題ないと頷く。

 

「この転移システムは今まで幾度となく使われてきたもので、俺達シャドウミラーにとっては普通に使われている代物だ。安心しろ」

 

 その言葉に2人が安堵したのかどうかは分からないが、次の瞬間には転移が終わり、光の繭が消えていき、気が付けば俺達の姿はホワイトスターの転移区画にあった。

 

「これが……ホワイトスター?」

「広い空間にしか見えないけど」

 

 初めてホワイトスターを見て驚くハルカとエリナに、笑みを浮かべて口を開く。

 

「ようこそ、次元の狭間にある俺の国、シャドウミラーに。……何気に、お前達2人がナデシコ世界で初めて異世界転移という現象を体験したんだな」

 

 その言葉で自分達がナデシコ世界で初めて転移したというのに気が付いたのだろう。実感が湧かないといった表情をしながらも、それでもやはり嬉しさがその顔には浮かんでいた。

 

「さて、取りあえず……そっちはどうする?」

「私は一度仕事場に戻るわ。ナデシコ世界の交渉の結果とかをきちんと話しておく必要があるでしょうし、どんなスタンスで向こうの世界と交渉するのかの検討もする必要があるから」

「俺は実働班の方にちょっと顔を出す」

「そうか。じゃあ、ここで別行動だな。俺はハルカとエリナを俺の家に連れて行く。何かあったら連絡してくれ」

 

 そう告げ、量産型Wにエアカーを3台持ってきて貰う。

 正直、俺の移動に関しては影のゲートを使えば問題はないんだろうが、どうせならホワイトスターに来たハルカとエリナを案内していく方がいい。

 

「……浮いてる、わね」

「ええ、浮いてるわ」

 

 何故かエアカーを見て驚きの表情を浮かべるハルナとエリカ。

 分からないでもない。ナデシコ世界の車は普通にタイヤで走っている、昔ながらの車だったし。

 エステバリスとか作れるんだし、エアカーくらいは作れそうなものだけど。

 

「ほら、まずはホワイトスターの交流区画を見せるから、行くぞ」

 

 そう告げ、エザリアとイザークと別れて、俺とハルカ、エリナの3人はエアカーに乗って交流区画へと向かうのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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