転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1345話

 ファブニールを前にしたレモンの説明はまだ続く。

 

「さっきも言ったけど、このファブニールはヒュッケバインMk-Ⅲのコアトルーパーシステムを参考にして作られているわ。つまり、ファブニールの方に致命的なダメージを受けたりした場合、いざという時にはファブニールから脱出する事が出来るのよ」

「そっちの面だと、ガンナーやボクサーみたいにPTがある程度外に露出しているのに比べると少し心許なくないか?」

 

 PTがすっぽりと胴体に収まるという事は、つまりそれだけ脱出するのに時間が掛かるという事になる。

 ヒュッケバインMk-Ⅲのガンナーの場合はファブニールと若干似た感じにだが、上半身は出ている状態だ。つまり、ファブニールのように内部に入ってる状態から外に出る時に装甲を展開して出てくるという手間はいらない訳だ。

 ボクサーに関してはもっと簡単で、手足に装着しているパーツの部分を外せば良いだけだ。

 

「そうね。でも自分で話をしておいてなんだけど、ファブニールをどうにかするというのはかなり難しいわよ? まずバリアとしてEフィールド、G・テリトリー、ブレイズ・ルミナス、ジャマー、PS装甲。特にブラックホールエンジンが2基、時流エンジンが1基の動力炉から生み出される強力なバリアを突破するのは……かなり難しいでしょうね」

「つまり、防御力を高める方を重視したって事か?」

「ええ。例えば……そうね、ナデシコ世界の火星から色々とデータを送って貰っているし、こっちで確保した機体を調べて見たけど、ヤンマのグラビティブラストを正面から受け止めてもバリアを破られるという事はないでしょうね」

「だろうな」

 

 レモンのその言葉には納得するものがある。

 何しろ、ブラックホールエンジンを1基しか搭載していないシャドウですら、Eフィールドを抜かれたが、G・テリトリーは負担こそあったものの抜かれなかったのだ。

 それがブラックホールエンジン2基と時流エンジン1基の合計3基の動力炉を搭載している以上、そのバリアの固さは鉄壁と言ってもいい。

 

「動力を3つ内蔵するのは、ニーズヘッグからの応用よ」

「トロニウム・エンジンの代わりにブラックーホールエンジンが2つだけどな」

「そうね。でもそれは仕方がないでしょう? 元々トロニウムはニーズヘッグに使う分しかないんだし、他に使える動力炉で最も強力なのがブラックホールエンジンなんだから」

 

 改めてファブニールへと視線を向ける。

 ニーズヘッグが装備しているトロニウム・エンジンは、その高出力とは裏腹に非常に小さい。だからこそニーズヘッグのような小型機にもブラックホールエンジンや時流エンジンと共に内蔵する事が出来た。

 その技術的な蓄積により、ファブニールは動力炉3つを備える事が出来るようになったのだろう。

 

「それとさっきも言ったけど、基本的にファブニールの操縦は体内に取り込まれたPT側の方でもやるけど、ファブニール側もある程度のAIによって補佐が可能になるわ」

「……補佐?」

「ええ。これは後で説明するけど、この機体はかなりの武器を装備しているわ。元々追加武装というところから話が始まったのだから当然なんだけど。だから、パイロットによっては全ての武器を使いこなせないという事もあるのよ。それに対応する為のAIね。勿論パイロットの方でその辺の操作を切る事も出来るから、使いこなせるのなら問題はないけど」

「……いるのか、それ?」

 

 シャドウミラーの実働班に所属しているパイロットは、全員がエースパイロット揃いだ。

 それこそ、実働班の中で最も操縦技術の低いレイだって現在は他の世界の軍隊であれば普通に断トツでエースになるだけの実力を持っている。

 最盛期のキラと戦っても、原作とは違って恐らくレイの方が有利に戦えるだろう。

 ちなみにアウルとスティングの2人はレイよりも先にシャドウミラーに入っていただけあって、その技量は上だ。

 そして量産型Wにしても、今なら武器を使いこなせないという事はない筈。

 そんな俺の疑問に、レモンは小さく肩を竦めてから口を開く。

 

「確かに実働班なら問題はないでしょうね。けど、精霊の卵はどう? あの子達は、まだ操縦技術に関してはかなり未熟よ。いえ、普通の軍隊ならエースとまではいかないけど、ベテランくらいの技量は持っているけど」

「……MSにも対応してるのか?」

「ええ。ウィンダムとザク。それ以外にも大抵のMSには対応してるわ。ただ、今のところは精霊の卵にファブニールを使わせるつもりはないけど。操縦技術が上がるよりも前に武器に頼るようになったりしたら、色々と不味いでしょ?」

「まぁ、それは確かに」

 

 元々精霊の卵という傭兵団は、シャドウミラーの実働班へと入りたいけど、まだそれだけの能力がない者達が己の技量を磨く為の場所でもある。

 なのに、技量を磨かず乗っている機体の性能に助けられるようになってしまっては意味がないだろう。

 まぁ、本当にいざという時の事を考えると、精霊の卵の連中もファブニールを使えるようになっておくに越した事はないんだろうけど。

 

「それと、さっきも言ったけどファブニールは不慮の事態で内部のPTが脱出した場合はAIによって自動的に母艦に戻るようになっているし、もし母艦に戻れないような時には最悪敵を巻き込んで自爆するように組み込んであるわ」

「……まぁ、その辺は仕方がないだろうな」

 

 シャドウミラーの技術をこれでもかと使っている機体である以上、それをどこか他の組織に奪われる訳にはいかない。そうさせる前に、シロガネやニヴルヘイムといった母艦に戻れない場合はその敵諸共に自爆するのが最善だろう。

 

「で、機体そのものの説明については取りあえずそんなところでいいわね。じゃあ、次にファブニールが装備している武器の説明ね。まずドラゴンを模しているというのも関係しているけど、その背中にはエナジーウィングが装備されているわ。今はまだ起動してないから分からないけど、1つのエナジーウィングが3枚ずつ左右それぞれ2組、合計4つのエナジーウィングを装備しているわ」

「……あの大きさなのに、エナジーウィングが3枚で1つなのか? 随分と少ないように思うけど」

「その分、1枚を大きくしたのよ。正直、エナジーウィングが展開すればそれだけでニーズヘッグを覆うくらいの大きな羽よ。……まぁ、エナジーウィングだから本当のドラゴンみたいに羽ばたくことは出来ないんだけど。それでも、あれだけの大きさのエナジーウィングから放たれるエネルギー掃射は広域殲滅に大きな威力を発揮するでしょうね」

 

 エネルギー掃射、ニーズヘッグでも俺が多用している刃状のエネルギー掃射の事だ。

 その威力は、ニーズヘッグは特別製のエナジーウィングだから別格としても、シャドウや幹部陣の機体全てに装備されており、木星蜥蜴やBETAのように数だけは多い敵を相手にするには最適の武装だ。

 また、1発ずつの威力はそれ程高くはないが、俺がミロンガ改で木星蜥蜴のディストーションフィールドを破ったように、集中攻撃をした場合の威力は相当に高い。

 

「次に、主砲。ネオ・グランゾンから奪って、シロガネの艦首モジュールにしたネオ・グランゾンの胸部パーツがあったでしょ? あの胸部パーツの部分を私達が解析して小型化した物をファブニールの頭部に使っているわ。そこからはシロガネと同じく重力波砲、グラビティブレスを使用可能よ。当然シロガネのように収束、拡散と出来るけど……やっぱりオリジナルには及ばないのか、シロガネで使用可能になった近接モードは使用不可。まぁ、これを研究したおかげで、結果的にシロガネの艦首モジュールのパワーアップも可能になったわ。今はナデシコ世界の地球にあるけど、ホワイトスターに戻ってきたら艦首モジュールの改修を行う予定だから、そのつもりでいてね」

「……グラビティブレスって名前は、やっぱりドラゴン型だからか?」

「ええ。出来れば近接モードで牙の形にしたかったんだけど……それは後のお楽しみってところかしら」

 

 牙……重力波砲を固定した牙で噛み付くドラゴンをモチーフにした機体。しかもそれは量産が可能な訳で……色々と物凄い怖さがあるな。

 

「で、次に武装。胴体部分にはS-11ミサイルを内蔵しているわ。威力は知っての通りでしょうけど、今シャドウミラーで使われている使い捨てのミサイルポッドとは違って弾数はかなり多いわよ」

「……微妙に聞くのが怖いけど、何発だ?」

「胴体に左右それぞれに発射口があって、片方30発で、合計60発内蔵よ」

「それって、もし敵の攻撃を食らって誘爆しようものなら確実に死ぬんじゃないか?」

「でしょうね。だからこそ、ファブニールの自爆装置にも使ってるんだから」

 

 そこでS-11ミサイルが出てくるのか。

 確かにファブニールを鹵獲しようとした相手を消滅させるのに、S-11ミサイル60発分というのは相当の威力だろう。しかも当然自爆する際にはS-11ミサイル以外にもブラックホールエンジンとかも関わってくるんだろうし……

 

「それと、腕の部分は見ての通りかなり大きめに作られているわ。ニーズヘッグのヒュドラを参考にして、片腕につき指のそれぞれにビーム砲兼ビームサーベルが5本ずつあって、指を揃えると巨大ビームサーベルに変更可能よ。また、指を伸ばしただけじゃなくて拳を握った状態になればPS装甲によって直接殴る事も可能。後は手首の内側の部分にビームガトリング砲を内蔵して、手首の外側の部分にはKMFのスラッシュハーケンを参考にしてこちらで強化、改修した物を装備しているわ。打突武器として使用も出来るし、相手を絡め取って鹵獲したりといった風にも使えるわね」

「……つまり、両腕で考えるとビーム砲兼ビームサーベルが10門ずつあって、ビームガトリング砲を2門、スラッシュハーケンを2基ずつ装備してるって事か? ……腕だけで並のPT1機分くらいの攻撃力はあるんだな」

 

 少し驚きながら告げると、レモンは当然でしょうと言いたげに笑みを浮かべて口を開く。

 

「元々が追加武装ユニットを要望されて作ったんだから、強力な武器を多数装備しているのは当然でしょう? まぁ、ちょっと頑張り過ぎたかもしれないけど。さて、勿論ファブニールの説明はまだ続くわよ? 次は胴体。左右にそれぞれ10門ずつビーム砲とグラビトン砲が内蔵されていて、胴体部分で合計40門のビーム砲とグラビトン砲を装備しているわ。基本的に一斉射撃をして弾幕を張るのを目的としていて、この2つの砲塔の最大の特徴は砲口の向きをある程度変えられるという事かしら」

「砲口の向きを変える? ヒュドラみたいにか?」

 

 例えば今俺が口にしたヒュドラに内蔵されているビーム砲は、ヒュドラその物がT-LINKシステムによって前後左右上下といった具合にも動く。

 だが、胴体に内蔵されているビーム砲でそのような真似をするのは、不可能とは言わないが普通はやらない。どちらかと言えば、その手の技術は戦艦とかそっち系等の技術だからだ。

 勿論PTのような小型機や特機でもそういう風にしないのは色々と理由がある。

 メンテナンスが面倒であったり、戦艦と違って派手に動く為に自由に稼働出来るビーム砲が邪魔になったりといった具合にだ。

 それを解決したのは……

 

「そ。本来なら基部の損耗が激しいんだけど、その辺はPS装甲とテスラ・ドライブを使ったTGCジョイントで可能にしたわ。もっとも、PS装甲とTGCジョイントはビーム砲の基部だけじゃなくてファブニールの機体全体に使ってるんだけど。だから、パーツの損耗はこの大きさの機体として考えれば、かなり少ない筈よ」

「TGCジョイントを使っているなら、それは当然だろうな」

「それと同様に胴体に内蔵されているビームバルカンがこちらも合計40門」

「……機体に内蔵? それは例えばニーズヘッグが装備しているような頭部バルカンみたいな感じか?」

「ええ。銃身は短いから射程もそんなに長くないけど、基本的には迎撃や牽制に使う攻撃手段だし、問題はないと思うわ。ちなみに銃身を伸ばして射程距離を伸ばすことも考えたんだけど、それだと身体中から銃身が出ていてみっともないというのもあるし、何よりビームサーベルなんかで切断されたりするしね」

 

 その言葉に言われてみれば、確かにここから見えるファブニールにはゴテゴテとしたビームの砲塔はついていない。

 ビーム砲やグラビトン砲の砲塔も上手い具合に機体に配置されており、見ていて見苦しくはない。どちらかと言えば、ドラゴンの鱗に合わせて作られている感じだ。

 

「さて、頭部、胴体、手と来たから、次の説明に移りましょうか」

 

 ……どうやら、まだ説明は続くらしい。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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