転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1397話

 目の前に広がっているのは、SEED世界特有の光景……具体的には砂時計のように見えるコロニーの中の光景だ。

 ……別にSEED世界特有って訳じゃないのか?

 ともあれ昨日家で話して決まったように、今日俺はシェリルと共にSEED世界のプラントへとやってきたのだ。

 こうして見る限りでは、以前と比べても立派に繁栄しているように見える。……いや、そもそもあの時の戦争ではプラントの周辺が戦場になった事はあっても、実際にプラント内部で戦闘になった事はなかったんだし、それは当然なのか?

 それにSEED世界の戦いが終了してから、既に随分と経つ。

 もし被害があった場所であっても、既に復興が完了してるだろう。

 

「ふふっ、マクロス級と比べると随分と違うわね」

 

 周囲を見回しながら、俺の隣でシェリルが呟く。

 嬉しそうなのは、やはりこれがデートだからか。

 ……正確にはデート以外にも、ミーア・キャンベルがどんな人物なのかというのを確認するという事があるのだが。

 

「そうだな。……ホワイトスターとかと比べても随分と違う」

 

 ホワイトスターも、普通に考えればコロニー的な役割があった場所だ。

 だが、コロニー云々と言うよりは全く違う存在に近い。

 丸く、惑星に近い存在と言える。

 そういう意味で、明確にコロニーがあるのはこのSEED世界くらいだったりする。……いや、ナデシコ世界にもサツキミドリ2号ってコロニーがあったか。

 

「さ、行きましょ。折角約束の時間よりも早く来たんだから、それまではたっぷりと遊ばないと」

 

 俺の腕を抱き、シェリルが告げる。

 胸の谷間にしっかりとホールドされた右腕には、柔らかな感触が伝わってくる。

 基本的にコーディネイターってのは遺伝子操作されている関係から顔立ちが整っている者が多いのだが、シェリルはそんなコーディネイターの中にあっても際だった美人だった。

 その証拠に周囲を歩いている男の殆どがシェリルに目を奪われており、中には恋人がいるにも関わらずシェリルに見惚れ、肘鉄を食らっている者すらいる。

 

「ほら、アクセル。向こうにいい服が売ってるわ。ちょっと覗いてみましょ」

「分かったから、そんなに引っ張るなって」

「あら、こうやって引っ張った方があたしの胸の感触を楽しめるでしょ? まぁ、毎晩直接触って揉んで舐めて囓ってるんだから、そこまで新鮮じゃないのかもしれないけど」

 

 シェリルがそう言った瞬間、間違いなく周囲にいる男達の俺を見る視線が鋭くなった。

 ……まぁ、分からないではない。シェリルのような女にこうまで言われているのだから、普通なら嫉妬したくなるのも当然だろう。俺でもそうなるだろうし。

 シェリルの悪戯っぽい笑顔を見れば、今のは意図的に口にしたのだろう。

 そんな風に思いながらシェリルに引っ張られていったのは、女物の服を専門に扱っている服屋だった。

 

「俺にファッションセンスの類を期待するなよ?」

 

 自慢じゃないが、俺のファッションセンスはとてもいいとは言えない。

 普段着ている服に関しては、軍服の改造服なので特にセンスとかそういうのは必要ないんだが……

 

「別にそこまで難しい事を期待している訳じゃないわ。単に、あたしに似合うかどうかってのを教えて欲しいのよ。着ている服を見せたいのはアクセルなんだから、やっぱりアクセルが喜んでくれる服を着るのがいいでしょ? まぁ、サプライズ的にアクセルが見た事もないような服を着るのもいいかもしれないけど……それは取りあえずまた今度ね」

 

 笑みを浮かべ、シェリルが俺を引っ張って服屋の中に入ろうとし……

 

「っと!」

 

 シェリルの手を引っ張り、バランスが崩れたその身体を抱きしめる。

 

「わぁっ! ……え? あれ?」

 

 丁度服屋から出て来た女が、目の前にいたシェリルが一瞬にして消えたのを見て驚き、戸惑いの声を上げる。

 

「ちょっとメイリン、大丈夫!」

「あ、お姉ちゃん。うん、大丈夫ぶつかってない……か……ら……」

 

 シェリルとぶつかりそうになった人物が、俺の腕の中にいるシェリルを見て驚きの表情を浮かべる。

 いやまぁ、ぶつかりそうになったかと思えばこんな風になってるんだから、そりゃあ驚くか。

 そして俺もまた目の前に光景に……正確には目の前にいる人物と、その人物に姉と呼ばれた人物を見て驚く。

 何故なら、目の前にいる二人が誰なのかを俺の原作知識が知っていたからだ。

 シェリルとぶつかりそうになったのが、メイリン・ホーク。そして姉と呼ばれたのがルナマリア・ホーク。共にガンダムSEED DESTINYに出てくる原作キャラだ。しかもメイン級の。……メイリンは違うか?

 ともあれ、シンはオーブ軍に入隊してたけどホーク姉妹の方はまだプラントにいたんだな。

 俺の方を見ていると、原作に近い雰囲気を醸し出している。

 妹の方はどちらかと言えば可愛い系というか、子供っぽい感じで、姉の方は大人っぽい美人系といった感じ。

 ……射撃は得意じゃないとか言ってたのに、何故かザクウォーリアでは長距離射撃ばかりやっていた印象があるが。

 個人的にはその辺も含めて好きな相手だっただけに、まさかこんな場所で会うとは思ってもみなかった。

 

「……ちょっとアクセル。恋人を抱きしめながら他の女に目を向けるって、男としてどうなのかしら?」

 

 シェリルが腕の中でジト目を俺へと向けてくる。

 

「ああ、いや。別にそんなつもりでいた訳じゃないって」

「ふーん……その割りには、そっちの娘に随分と意識を取られてたようだけど?」

 

 シェリルの視線が俺の顔から動かされ、ルナマリアの方へと向けられる。

 ……さすがにシェリル。俺の好みには敏感だな。

 そう思いつつ、何とか誤魔化す。

 

「ちょっと見覚えのある人物かと思っただけだよ。別にどうこうってつもりはない」

「本当かしら? その割りには視線が怪しかったわよ?」

「それは……」

「あのっ!」

 

 俺とシェリルが話していると、不意に話題の人物……ルナマリアが俺の方へと声を掛けてくる。

 

「そのっ、妹がごめんなさい! お怪我はありませんか?」

「ええ、大丈夫よ。アクセルが咄嗟に抱き寄せてくれたから」

「あの……すいません」

 

 ルナマリアに続き、メイリンの方も頭を下げてくる。

 姉の方が主導権を握っているというか、行動的なのも原作と同じなんだな。

 原作ではアスランと一緒にザフトから脱走するなんて真似をしたから、必ずしも妹の方に行動力がないって訳じゃないんだろうが。

 それにオペレーターをやってるだけあって、ある程度はハッキングの能力とかもあるし。

 シェリルも、ルナマリアはともかくメイリンの方に対しては対抗心のようなものはないらしく、俺から離れると笑みを浮かべて口を開く。

 ……どことなくシェリルが可愛がっているランカと似た雰囲気があるのも、態度が柔らかくなった理由だろうな。

 

「……あら? 貴方どこかで……」

 

 メイリンとシェリルが会話を交わしている横で、ルナマリアは俺の方へと視線を向け……

 

「あ、シェ、シェリル!? シェリル・ノーム!?」

 

 メイリンが小さく叫ぶ。

 それでも咄嗟に口を押さえたのが幸いし、店の中にいる客や、周囲を通っている通行人には殆ど聞こえなかったらしい。

 ……ネギま世界とは違い、このSEED世界だとシャドウミラーの存在がオープンになっている影響もあって、シェリルは顔を出して歌手として活動している。

 それでもメイクや、マクロス世界特有の踊っていながらリアルタイムで衣装や化粧すら変わっていくというシステムの影響で、シェリルをシェリルと分かりにくいんだが……それでも分かる奴には分かるらしい。

 

「って、貴方、もしかしてアクセル代表!?」

 

 シェリルの名前からシャドウミラー、そして俺に辿り着いたのか、ルナマリアが俺の方へと向けて驚愕の視線を向ける。

 ……SEED世界での俺の露出度は決して高い訳じゃない筈なんだけどな。

 一応各陣営のトップに近い位置にいる者達であれば、俺の顔を知ってる者も多い。

 だが、ホーク姉妹は当然ながらトップにいる訳ではなく、いいところMSパイロットの精鋭といったところだ。……いや、メイリンの方はオペレーターか。

 ともあれ、そんな状況にも関わらず俺の顔を知っているというのは完全に予想外だった。

 

「静かに」

 

 口の前で指を立て、しーっという仕草をする。

 それでも周囲にいる何人かは、こちらへと視線を向けていた。

 

「……取りあえず場所を移した方がいいんじゃない? アクセルもそっちの娘達には興味があるみたいだし」

 

 少し呆れた表情でシェリルが言ってくるのに対し、少し考える。

 まぁ、今現在のホーク姉妹がどんな待遇にいるのか、ミネルバやら何やらがどういう扱いになっているのかといった内容には興味があるし、デュランダルがどう動いているのかというのも気になるのは間違いない。

 その辺の情報を聞くという意味も含め、2人に対して口を開く。

 

「どうだ? よければ少しお茶でも」

「……下手なナンパよ、それだと」

 

 言われてみればシェリルの言葉通りなような気もしてきたが、咄嗟に出た言葉がそれだったんだから仕方がない。

 向こうに取っても今の言葉は少し意表を突かれたのか、ルナマリアとメイリンの2人は驚いた表情をしていたが、やがてルナマリアが頷きを返す。

 

「分かりました。ご馳走になります」

 

 あっさりと俺の誘いに乗ってきたルナマリアに、驚きの声を上げたのは当然のようにメイリン。

 

「ちょっ、お、お姉ちゃん。いいの!?」

「いいのよ。向こうから誘ってきてるんだから、それこそここで断ったら失礼じゃない。ほら、行くわよ。相手はアクセル代表とシェリル・ノームなんだから。こんな機会滅多にないんだからね?」

 

 ……何だか今の最後の言葉、微妙にシェリルっぽい気がするな。

 シェリルの方もそんなルナマリアの言葉に、面白そうな笑みを浮かべている。

 この2人、結構相性がいいのか?

 まぁ、どっちもそれなりにグイグイ行く性格ってのは事実だけど。

 

「じゃあ、取りあえずどこかでお茶でも飲むか。紅茶の美味い店を知ってたら教えてくれるか?」

「えっと、そうですね。……ここから少し離れた場所にあるサン・ジェルマンってお店の紅茶が美味しいらしいですよ」

 

 サン・ジェルマン……また、妙な名前を。

 というか、何だってそんな店名にしたんだ?

 サン・ジェルマンってのは、中世に実在した人物で、不老不死だとかなんとか言われてた人物だった筈。

 錬金術の研究もしてたって話だったか?

 ともあれ、その店を経営している人物が何を思ってそんな名前を付けたのかは疑問だったが、それでも紅茶が美味いのであれば俺としても否はない。

 

「じゃあ、行くか。案内を頼めるか?」

「あ、はい! ……ほら、メイリン。いつまでも固まっていないで。折角の休みにこんな有名人に会えたんだから、思い切り楽しまないと」

「お姉ちゃん……何でそんなに元気なのよ」

 

 メイリンがルナマリアに対してどこか驚いたような視線を向けていた。

 いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。

 シェリルはSEED世界でも有名な歌手となっており、俺は俺でこの世界を実質的に支配……いや、纏めているオーブの後ろ盾となっているシャドウミラーの代表だ。

 普通であれば、一軍人でしかないだろう2人が初対面でこうまでリラックス出来るとは思えないだろう。

 俺の場合は原作でルナマリアがアスランに初対面にも関わらず猛アピールをしていたのを知ってるので、そんなに驚く事はないが。

 シェリルの方も、海千山千の芸能界で長い時間過ごしてきただけあって、この程度の事では驚いたりもしないようになっている。

 つまり、メイリンだけがオドオドしながら歩いている訳で……

 

「なあ」

「ひゃいっ!」

 

 声を掛けると速攻で噛んだ返事をされる。

 何だろう、この……まるで小動物でも相手にしているかのような感覚は。

 

「そんなに怯えるな。お前がそんなだと、まるで俺達がお前を強引に連れて行ってるみたいじゃないか。下手に警察とかに目を付けられたりして、面倒になるのは御免だぞ? 俺だってプラントを沈めたい訳じゃないしな」

「し、沈っ!」

「……当然冗談だぞ?」

「で、ですよね。幾ら何でもそんな事……」

「やろうと思えば出来るけど」

「ぴぃっ!」

 

 ちょっと弄りすぎたか? 奇妙な声を発したと同時に動かなくなったんだが。

 

「その、アクセル代表。メイリンで遊ぶのはその辺にしておいて貰えると……」

 

 メイリンでってところが、何気に酷いよな。

 まぁ、ルナマリアっぽい感じではあるんだが。

 

「そう言ってもな。別に俺は冗談は言ってるけど、嘘を言ってるつもりはないぞ?」

「……え?」

 

 俺の言葉の意味が分かったのだろう、ルナマリアまでもが唖然とした表情を浮かべる。

 実際、コロニーを破壊するってのは俺にとってはそう難しい話ではない。

 混沌精霊としての力を使えば、すぐにでも地面を抜いて外壁まで貫通するような攻撃は出来るだろうし。

 ……勿論、やらないけどな。

 ともあれ、固まってしまったホーク姉妹を連れて、俺達はサン・ジェルマンへと向かうのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1200

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