転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0128話

 こちらへと銃口を向けているコーネリア。その様子をじっと見守るダールトンにギルフォード。そして銃口を向けられているのに平然としている俺、といった奇妙な状況になっている。

 

「さて、こうして実際に銃口を向けられているが……どうする?」

 

 こちらを見ているコーネリアの顔には、侮りの色は無い。俺の様子をじっと観察するように見ている。恐らくあからさまな不審人物である俺の手の内を少しでも見てみたいという判断なのだろう。

 

「ふむ、銃をこっちに向けて、既にトリガーに指もかかっている。確かに普通ならこの状況はチェックメイトだろう……普通の者なら、だがな」

「それではまるで貴公が普通ではないと言っているようだが?」

「さて、どうかな。だが銃口をこちらに向けている以上は逆襲されても構わないと判断してもいいんだな?」

「……やめろ、アクセル。君が姫様に手を出せば、私もそれ相応の行動に出る必要が出る。このまま大人しくしていてくれないか」

 

 ギルフォードがそう言ってくるが、俺はそれを無視するかのように椅子から立ち上がる。当然、コーネリアの持っている銃口も俺を追うように動いている。

 

「加速」

 

 小声で精神コマンドの加速を使用し、床を蹴り、壁を蹴り、1秒と掛からないでコーネリアの懐へと潜りこんでいた。いわゆる、三角跳びという奴だ。

 

「……馬鹿な」

 

 俺の姿を見失ったと思った次の瞬間には、既にコーネリアの目の前には俺の姿があった。その速度に思わず驚きの声を漏らすコーネリア。ギルフォードとダールトンはただ呆気にとられている。精神コマンドの加速。インファイトLV.9。そしてアクセルの肉体の潜在能力と、成長チート。それらの結果が今のこの状況だ。

 

「さて、俺の実力は分かったか?」

 

 コーネリアの顔へと近づき、まるでキスでもするかのような位置でコーネリアへと語り掛ける。

 

「……わ、分かった。分かったから離れろ」

 

 皇女という立場上、ここまで男と顔を近づけた事はなかったのだろう。羞恥か、照れか、はたまた怒りか。そのいずれかで顔を真っ赤にして俺の身体を突き放す。

 

「さて、お二人さん。俺が本気でここから逃げだそうとしても無理だと思うか?」

「いや……少なくても私では止める事が出来ないだろう」

「俺も同感だ」

 

 ギルフォードとダールトンの2人が頷く。出し抜かれた格好の2人だが、何故かその顔にはこちらに対する賞賛の色が浮かんでいた。先程までは俺を捕らえるべきだと言っていたダールトンだが、やはり根は武人なのだろう。

 

「……それで、アクセル。貴公はこれからどうしたいのだ?」

 

 気を取り直してそう尋ねてくるコーネリア。もっとも、顔はまだ赤いままなのだが。

 

「どうしたいと言ってもな。俺は元々そっちが話を聞かせて欲しいと言うからここまで来ただけで、特にどうこうするつもりはないな」

 

 本来はブリタニアに保護してもらいたい所なのだが、それをこちらから言い出せば足下を見られる可能性が高い。なら、コーネリアから言い出して貰うのがベストだろう。

 なにせ、得体は知れないが非常識な身体能力を持っている俺だ。エリア11を統べる者としては野放しに出来ないだろう。下手に野放しにして、レジスタンスに雇われでもしたら……という風に当然考える。おまけに全く未知の技術で作られたランドリオンの件もある。ブリタニア側としては、是非手元に置いておきたい筈だ。

 

「なるほど、上手いな」

 

 ……だが、当然俺のそんな考えはブリタニア皇族でその手のやり取りに慣れているコーネリアにはお見通しだったらしい。

 

「姫様、この者は手元に置いておく方が良いかと」

「私もダールトン将軍の仰る事に同意します」

「ふむ、2人がそう言うのならそれもいいだろう。アクセル・アルマー。しばらく貴公を雇ってもいいが……どうする?」

「俺を雇うと高いし、礼儀は知らないし、本当に戦いでしか役に立たないが……構わないのか?」

「ああ。ただし、ランドリオンとか言ったか? あの機体に関しての技術協力をしてもらうが構わないな?」

 

 やっぱり、そこは見逃さないか。さすがブリタニアの魔女だな。……いや、軍人であるコーネリアだからこそ、ランドリオンというAMに強い興味を示したのだろう。

 

「技術協力と言っても、俺は別に開発者や技術者じゃないが?」

「なら、あの機体をこちらで調べさせて貰いたい。そして分かる範囲でこちらの質問に答えて貰えれば構わん」

 

 ……この辺で手を打つべき、か?

 

「了解した。期限はいつまで?」

「取りあえず半年程度を見ている。それ以降の事は半年後にまた決めるとしよう。金額はこのくらいだ」

 

 確かコードギアスのR1自体は1話から25話までで半年程度だった筈。そう考えれば十分か? それにコーネリアの示した金額も、傭兵を雇うにしてはかなり多めのものだった為に金に困る事はないだろう。

 

「分かった。じゃあ半年契約で。それでその半年の間の俺の扱いはどんな風になるんだ?」

「私直属の部隊という事にしておく。何かあった時はギルフォードかダールトンの指示に従ってくれ」

「了解した」

「それと、明日兄上の部下と会う約束になっているのだが、その時に貴公の機体を見せて欲しい。融通を計るようにと兄上に言われてるのでな」

「兄上?」

「第2皇子で帝国宰相でもあらせられるシュナイゼル・エル・ブリタニア殿下だ」

 

 ダールトンの言葉でその人物を思い出す。シュナイゼルと言うとコードギアスのラスボスか。ただ、その部下となるとランスロットを開発しているロイドとセシル、いわゆる特別派遣嚮導技術班――通称特派――の事だろう。そして本編が始まっているという事は既にスザクがランスロットのパイロット、デバイサーとして活動している筈。

 個人的にスザクはあまり好きじゃないんだが……機体の調査は条件に入っていたんだし、しょうがないか。ロイドやセシルの漫才は好きなんだが、スザクにはあまり関わらない方向でいくか。

 

「了解した。……ちなみに、俺はどこに寝泊まりすればいいんだ? コーネリアの直属部隊という話だし、やっぱりコーネリアと同じ部屋か?」

 

 冗談めかしてコーネリアへと言葉を掛ける。

 

「ふ、不埒者めが! ギルフォード、軍の宿舎に案内してやれ!」

「イエス・ユア・ハイネス!」

 

 案の定顔を真っ赤にしたコーネリアがギルフォードへと俺の世話を押しつけた。

 

「くっくっく…」

 

 ギルフォードは困った顔をしているが、何故かダールトンは含み笑いを浮かべている。どうやら何かがツボだったんだろう。

 

「アクセル、行くぞ」

「姫様、私も奴とちょっと話してみたいのでこれで失礼します」

 

 ギルフォードとダールトンの2人と一緒に部屋を出る。コーネリアは未だに顔を赤くして犬でも追い払うかのように手を振っていた。

 

「アクセル、あまり姫様をからかわないでくれ」

「いや、ギルフォード。俺としてはブリタニアの魔女と呼ばれる姫様相手に、あそこまでからかうその度胸に感心した。ただでさえ姫様はその気性故に色恋沙汰には鈍感なのだ。その姫様があそこまで赤くなって照れるとはな」

「照れる? 怒ってたんじゃないのか?」

「いや、あれは照れているのさ。姫様は気性が激しい。その為、器量良しだと言うのに男に言い寄られるという経験自体が殆ど無いのだ」

 

 確かにコーネリアは非常に魅力的だ。俺だってレモンという存在がいなければもしかしたらコロッといっていたかもしれない程度には。だが、その気の強さがマイナスになってるという訳か。

 

「だが、皇女なら政略結婚の1つや2つはあるんじゃないのか?」

「あの姫様だぞ? 下手な相手を見繕いでもしたら、それこそ剣の錆にされてしまうわ」

「ダールトン将軍に、アクセルも。姫様をからかいの対象にしないでくれないか」

 

 眉を顰めたギルフォードがそう言ってくるが、ダールトンは全く気にした様子がない。

 

「そうは言うがな、ギルフォード。あの姫様が顔を赤くした所なんて見た事があったか?」

「ダールトン将軍……はぁ、もういいです。それよりもアクセル、あそこの部屋を使ってくれ」

 

 ギルフォードに教えられた部屋は軍人の宿舎……というよりも、士官部屋と言った方がいいくらいの広さを持つ部屋だった。

 

「一介の傭兵にこんないい部屋を宛がってもいいのか?」

「姫様直属なのだから、このくらいは当然だ」

「ギルフォードの言う通りだ。それと、明日は姫様が言っていたようにシュナイゼル殿下の部下と会う事になるから、0900にはランドリオンとか言ったか? お前の機体が置いてある格納庫に来るように」

 

 ダールトンの言葉に頷き、そのまま俺に与えられた部屋へと入る。

 ブリタニア軍の士官部屋だけあり設備もかなり豪華なものになっていて、これから暮らしていくのに特に不具合はないだろう。

 

「にしても、コードギアス……か」

 

 思わず呟く。スパロボOGsの世界、しかもアクセルの世界に転生して、OGsの世界へ転移。その後、アインスト空間に捕らえられ、次元の狭間へ。そしてコードギアスの世界へ……か。こうして考えてみると、随分と色々な世界を渡っている事になるな。まさに波瀾万丈を体現していると言ってもいいだろう。

 

「っと、うじうじ考えていても仕方ない。前向きに考えなきゃな」

 

 まず、レモンとのコンタクトが取れるまでこのコードギアスの世界で何をするか。パッと思いつくのは、やっぱりユーフェミアの虐殺を止める事だ。これはゼロ、すなわちルルーシュがユーフェミアにギアスを使う前に接触出来ればどうにか出来そうな気はする。後は……ん? ユーフェミアにギアス……ギアス、か。俺のスライムは吸収した相手のスキルを奪う事が可能だ。PPを消費して覚える事が出来ないスキル限定だが。そして俺の習得可能なスキル一覧にはギアスなんてものはない。そうなると、ギアスを吸収出来るのかどうか……そもそもギアスを持っているのはR1の状態だとルルーシュ、マオ、C.C.、V.V.の4人か。この中で吸収しても大丈夫な面子は……まず最有力候補はV.V.だ。こいつを吸収すれば、レモンの接触が無いままR2に入ったとしても俺にとってはかなり有利になるだろう。だが、こいつはブラックリベリオンが起きるまでは表舞台に出てこない。そして俺がコーネリアに雇われている以上はブラックリベリオンが起きたとしたら当然、最前線で戦うのは間違いない。

 いや、ユーフェミアの虐殺を止めればブラックリベリオンは起きないのか? ただその場合はV.V.と接触するのは余計に難しくなる……か。

 そうなると残るのはマオしかいない。奴が消えても物語の流れには特に支障はない筈だ。マオが表舞台に出てくるのは、ナリタでの戦いが終わり日本解放戦線の生き残りが港から脱出しようとして黒の騎士団とブリタニア軍の戦いが起こった後だ。ゼロがルルーシュであると知り、その場にいたヴィレッタを撃ったシャーリィがマオのギアスにより精神誘導されてルルーシュを殺そうとする。

 マオを吸収するのならその前、出来ればナリタ戦の直後くらいが望ましい。

 ただ、マオのギアスは相手の心の声を聞くというものだ。つまり俺が近づくと何を考えているのかがバレる可能性がある。なので手段としては遠距離からの狙撃でマオを射殺して吸収するか、あるいはスライムを遠距離からコントロールして吸収するか。秘密裏に、となるとスライムをコントロールして吸収する方がいいか。

 

「よし、目標も決まったな」

 

 第1にユーフェミアの虐殺を阻止する。

 第2にマオを吸収してギアスを奪う。

 

 この2つの目標を目指して頑張るとしよう。




名前:アクセル・アルマー
LV:34
PP:155
格闘:242
射撃:260
技量:252
防御:249
回避:277
命中:299
SP:414
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:190

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