転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1421話

 木連の基地でデータの吸い出しを完了し、俺と神楽坂は拠点でもあるコンテナへと戻ってきていた。

 そして得られたデータをエリナに見せ、これからの対応を検討する。

 

「このデータを見る限りだと、当然だけど生産プラントは何ヶ所にも分かれているわね」

 

 エリナの言葉に頷きを返す。

 実際、得られたデータによると木星の周辺にある小惑星帯に生産プラントがあると示されているが、その生産プラントがある場所は幾つにも分かれている。

 当然ながら一番少ないのがチューリップの生産プラントで、一番多いのはカトンボの生産プラントだ。……あ、バッタか。

 俺達が欲しているヤンマの生産プラントはその中間くらいか。

 

「けど、すいげつだったか? 木連の試験艦についての生産プラントの情報がないってのは……まだ生産プラントはないのか?」

「どうかしら。木連の技術を結集した新型艦でしょ? なら、軍のデータでも普通に誰でも触れられる場所にはなくてもおかしくないけど……恐らく、もっと機密度の高い場所にあるんでしょうね」

「そうか。出来ればそっちの情報も得ておきたかったんだが……白鳥達に期待するしかないな」

 

 ただ、木連の行方を危ぶんでいても、新兵器の生産プラントの情報をこっちに渡すかとなると……正直微妙だろう。

 例えば木連が今の賊軍に協力をしているのを止めるとしても、木連としての戦力は必須となる。

 そうである以上、わざわざ自分達の戦力を産む生産プラントをそうそうこっちに渡したりはしないだろう。

 いや、寧ろ木連の進むべき道が革命という形の内乱に向かって行く以上、より多くの戦力を必要とする筈だ。

 勿論シャドウミラーとしては、こちらの要望を聞いてくれるような組織になってくれるのが一番いいのだから、内乱になったら戦力を提供するつもりはある。

 どのみちメギロートだけでもナデシコ世界では十分過ぎる程に強力な戦力だし、なんなら精霊の卵を派遣してもいい。それともファブニールの量産も進んでいるのだから、実働班から何機かファブニールに慣れさせる為に派遣するってのもいいかもしれないな。

 ともあれ、現状では白鳥達もこちらに生産プラントを渡すような真似はしない。……そう。現状では、だ。

 内乱が起こった時、草壁達は当然自分達の戦力を確保する為に生産プラントを用意するだろう。

 そうなれば当然白鳥達は危機に陥る。

 その時……俺が草壁の擁する生産プラントを奪い取るような真似をすれば、白鳥達は礼を言う事はあっても責めることは出来ない。

 そして俺達は白鳥達に文句を言われる事なく、生産プラントを得られる訳だ。

 ……まぁ、内乱が終わった後で返して欲しいと言ってくるかもしれないが、そこはエザリア辺りと交渉して貰う必要がある。

 その間に技術班が生産プラントの調査をするだろうし。

 交渉が最速で進んでも、数日程度で終わる訳がない。

 どんなに早くても、一月、二月は普通に掛かる。

 普通なら一月、二月で何を調べられるといった感じだろうが、シャドウミラーの場合は違う。魔法球と、とてつもなく高い技術を持っている技術班の面々。この二つが組み合わされば、当然のように生産プラントは調べ尽くされる。

 もっとも、生産プラント自体が火星古代文明の遺産だと思われる以上、レモン率いる技術班でもそう簡単に量産出来るようになるとは思わないが。

 となると、無難な線だと生産プラントの幾つかをこっちに渡すという条件で大部分を返す……というのが現実的か?

 生産プラントの数が少なくなれば、当然作り出す戦艦の数も少なくなるが……その辺は、それこそ魔法球にでも入れて生産する必要があるか。

 ただ、生産プラントが技術班の魔法球と同じ場所にあると、生み出された戦艦で場所を取られると嫌がられる可能性もある。

 だとすれば、そろそろ新しい魔法球を入手する必要があるか?

 そもそも、今までシャドウミラーの魔法球が1つだけだったのは、それで十分だったというのもあるが、何より時の指輪と融合させていたという問題があった。

 言うまでもなく時の指輪は稀少であり、今はホワイトスターに融合させたから特に問題がなくなっているが、当時は魔法球に融合させており、他の魔法球を使うと加齢するいう問題があった為だ。

 

「ともあれ……小惑星帯にあるというのは予想通りだったな」

「そうね。小さいものならまだしも、カトンボ、ヤンマ、チューリップのような大きさの兵器を生み出す生産プラントですもの。隠しておける場所は限られているわ。……向こうもそれが分かっているから、こうして一ヶ所を見つかって全滅といった風にならないように、幾つにも分けてるんでしょうね」

 

 エリナの言葉は、恐らく木連の考えを正確にトレースしているのだろう。

 

「くぅっ! 悪の秘密兵器生産工場か。燃えるなぁっ!」

「……ヤマダ、お前は取りあえずこっちの話はいいから、ゲキガンガーでも見ててくれ。最近は賊軍との戦いとかで忙しくて、ろくにゲキガンガーを見る時間がなかったんだろ?」

 

 このままヤマダを話に参加させると、色々と面倒な事になるのは明白だった。

 下手をしたら、悪の秘密工場を破壊だぁっ! とか言いながら、生産プラントを破壊しに向かってもおかしくはない。

 一応、何かあった時の為にヤマダの使えるエステバリスは俺の空間倉庫の中に入っているのだから。

 本来ならヤマダはゲキガンガーについて木連の連中と語り合うのが目的だったのだから、エステバリスは必要ない。

 けど、今回木連にやって来た中で機動兵器を使えるのは俺とヤマダだけだ。

 生身での戦闘という意味では神楽坂や桜咲がいるんだが。

 なので、もし俺達が接触した木連の人員との話が決裂した場合に備えてヤマダのエステバリスが俺の空間倉庫の中に入っていたりする。

 勿論整備出来る人材がいない以上、何度も戦える訳じゃない。0Gフレームは地上でも普通に使用可能な万能性があるし。

 ただ、エステバリス最大の泣き所の電源の問題がある。

 一応何個もバッテリーを持ってきてはいるが、そもそもエステバリスがナデシコから離れて行動するってのが無茶なんだよな。

 なので、結局ヤマダのエステバリスは一種のお守りみたいな代物ではあったのだが……そのお守りで生産プラントに突っ込んで行かれたりしたら、ちょっと洒落にならない。

 

「ダイゴウジ・ガイだ! ……む? そうか? 俺としてはそっちの話にも興味あるんだけどな」

 

 何故か今回に限って妙に話に入って来たがるな。

 ただ、俺としてはヤマダにはゲキガンガー漬けでいてくれないと困る。

 ヤマダは何かあればすぐ暴発するだけに、扱いには慎重を要するし。

 それでもヤマダにとってゲキガンガーの魅力は無限大なのか、あっさりとTVの方へと戻っていく。

 

「ふぅ」

 

 そんなヤマダを見て、エリナが溜息を吐く。

 ……エリナとヤマダの相性って最悪だしな。

 

「疲れたみたいだし、少し休憩にでもするか?」

「そうね。ちょっと喉も渇いたし、お茶でも淹れましょうか。アクセルは紅茶でいいのよね」

「ああ」

 

 俺が頷くと、エリナはコンテナの中にある簡易キッチンの方へと向かう。……いや、あの規模のキッチンが簡易キッチンというのはちょっと無理があるか。

 それでも四葉がやっているような店のキッチンとは比べものにならず、どちらかと言えば一般家庭にあるキッチンに近い。

 

「うわー。何かエリナさんとアクセル君って色々と深い関係に見えるなー」

 

 神楽坂と話していた近衛が、俺とエリナの話が一旦終わったと判断したのだろう。近づいてきて、そう告げる。

 その口調にあるのは……面白そうな興味と、若干の不満……か?

 いや、けど何で不満があるんだ? まさか近衛が俺に対して特別な想いを抱いてる訳でもあるまいし。

 そもそも、近衛の相手は桜咲というのはシャドウミラーの中では既に常識だ。

 女同士で……というのは、特に問題にならない。

 何しろ、それを言うのなら俺はどうなのかって事になるし。

 いや、俺は勿論男だが、夜になれば……うん、まぁ、そういう訳だ。

 それを爛れた関係と呼ぶのか、それとも熱い夜と呼ぶのかは人によるだろうけど。

 ただし、一つだけ言える事は……俺の夜の生活を見た者がいれば、モゲろ! と叫ぶだろう事か。

 

「ちょっ、ちょっと。変な事を言わないで頂戴。私とアクセルはまだ……」

 

 そう告げ、エリナは咄嗟に自分の口を押さえる。

 だが……近衛がその失言を見逃す筈もない。

 

「へー。まだ、なんや。なら、将来的にはそうなるんやなー?」

「なっ、な、な……」

 

 真っ赤になるエリナの顔。

 そして反射的になのだろう。俺の方へと視線を向けてくる。

 ここで受け流してやればエリナも落ち着くんだろうが……

 

「俺はいつでも歓迎だぞ? エリナなら俺達の間に入ってきても上手くやっていけると思うしな」

「っ!? 馬鹿っ!」

 

 とうとう限界を超えたのか、エリナはそれだけを言うとその場から走り去る。

 もっとも走り去ると言ってもここはコンテナの中だ。

 迂闊に外に出る事が出来ない以上、仕切りの向こう側くらいしか行く場所はないけど。

 

「このちゃん……アクセルさんも、あまりエリナさんをからかうような真似は……」

 

 桜咲が困ったように注意してくるが、その顔に浮かんでいるのは苦笑だ。

 一応注意はしてるけど、桜咲本人も色々と楽しんでいるのだろう。

 ……変わったよな。以前の桜咲は恋愛関係になるとガチガチに固まっていたのに。

 今は、近衛と一緒にエリナをからかうような事も出来るようになってるんだから。

 ともあれ、この日は結局エリナが中々出てこず……その機嫌を取るのに随分と時間を費やす事になる。

 

 

 

 

 

「うん? 今言ったのは本気なのか?」

「……はい。俺と勝負して下さい。勿論手加減抜きの、本気でお願いします」

 

 白鳥や秋山との間で毎日連絡は取っていたが、今日通信を送ってきたのは高杉。

 勿論白鳥や秋山も一緒におり、いつものように影のゲートでコンテナへとやって来たのだが、その2人はどこか困ったような視線を俺の方へと向けていた。

 

「何でだ、と聞いてもいいか?」

 

 高杉が何を思ってそう言ってきたのかは予想出来る。だが、それでも俺は高杉の方へと視線を向けて尋ねた。

 そんな俺の思いを高杉も理解したのだろう。そっと視線を少し離れた場所で俺達のやり取りを見ている神楽坂へと向けると……口を開く。

 

「俺が、自分の想いを口にする為です」

「……なるほど」

 

 高杉が神楽坂に対して想いを寄せているというのは、それこそ以前にホワイトスターへとやってきた時から理解していた。

 本来なら、所属する勢力が違うというのは大きな壁となって高杉の想いを諦めさせる筈だった。

 だが、なまじ俺が神楽坂を木連に連れてきてしまった為に、高杉は今まで以上に神楽坂と接する機会を得る。

 そして毎日……とまではいかないが、それでも2日に1日程度の割合でコンテナにやってくる高杉は、当然神楽坂と接する機会も増えていく。

 そんな時間が増えていけば、淡い憧れが明確な恋心へと変わっていくのは、ある種当然だったのだろう。

 だが、高杉は俺と神楽坂が付き合っていると思っている。

 以前に牧場で一緒に食事をしていた時の事とかもあって、完全に誤解したままだった。

 一応神楽坂はその場でそれを否定したし、俺も否定した。だが、高杉はそれを照れ隠しだと受け取っていたのだろう。

 

「お願い出来ますか?」

「ちょっと! 高杉さん馬鹿な事を言わないでよ! アクセルの本気って、それがどういう意味か分かってるの!? 下手をすれば、生身でもこんな都市艦を破壊する事が出来る力を持ってるのよ!」

 

 俺が何かを答える前に、神楽坂がそう叫ぶ。

 ……言ってる事は必ずしも間違ってる訳じゃないし、可能か不可能かで言えば可能なんだよな。

 ニーズヘッグを使っていない生身の状態の俺でも、コロニーとか都市艦とかを破壊するのは難しい話じゃない。

 スライムを使ってもいいし、魔法を使っても同じ事は可能だし……それこそいざとなったら生身で都市艦の装甲を破壊する事だって難しくはないのだから。

 

「それでも……俺はアクセル代表と戦うべき理由があります」

 

 いつもであれば木連育ち特有の性質と言うべきか、神楽坂の言葉には従ってしまう高杉だったが、今日は違った。

 絶対に退けないと、そう俺の方を見ながら神楽坂に返事をする。

 

「ちょっと……刹那さん、どうにか言ってよ」

「え!? わ、私ですか!?」

「だってこの中だと、アクセルの次に強いのは刹那さんでしょ? なら……」

「……いえ、残念ながらそれは言えません。高杉さんは自分の信念に従っているのですから」

「でも!」

「アスナさん……分かってあげて下さい。高杉さんは……」

 

 そう言おうとするも、それ以上は自分が言う事ではないと判断したのか沈黙を保つのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208

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