転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1433話

「おお、アクセル! ちょっとこっちに来て手伝ってくれないか!」

 

 俺の顔を見るなり、フィリオが叫ぶ。

 見るからに忙しそうではあるが、それでも嬉しそうにしているのは……やっぱりこういうのが好きだからこそなんだろうな。

 現在俺がいるのはナデシコ世界の地球。

 木連から戻ってきて、暫くぶりにレモン達と熱い夜を過ごした翌日だけに、太陽が黄色い中でライブ会場へとやってきていた。

 ……コンサートに参加するシェリルは、昨夜体力を消耗し過ぎて魔法球で休んでるけど。

 何しろ随分久しぶりだったから、それこそ最後の方は色々な意味で物凄いことになっていた。……昨夜というか、早朝だけど。

 ともあれ、その結果レモンを含めた全員が体力の限界に近くなっており、シェリルと共に魔法球で休んでいる訳だ。……正直、自分でも少し頑張り過ぎたかと思う。

 技術班、実働班、政治班……その殆どが開店休業状態だ。ああ、政治班はトップがエザリアだから、普通に動いているか。

 けど、あやかと千鶴の2人も魔法球で休んでいるので、当然のように戦力が半減している。いや、違うな。エザリアとレオンの2人とあやかと千鶴の2人では当然前者の方が戦力的に上だ。戦力が半減じゃなくて、3割減ってところか?

 

「手伝いって言っても、別に俺は必要ないだろ? 量産型Wとかメギロートがいるし、ナデシコ世界からもスタッフを呼んでるんだし」

 

 今回の件がシャドウミラー主導のライブなのは事実だが、同時にそれはナデシコ世界にとっても非常に大きな出来事となる。

 異世界の歌手が……それも銀河規模でトップを独走していた経験を持つ歌手がライブをやるのだから、ナデシコ世界の住人の注目を集めるのは当然だった。

 同時に、全世界規模のライブとなれば当然その規模は大きくなる。

 少し大袈裟な言い方かもしれないが、公共事業と言ってもいいだろう。

 ミスマルとしては、それに対して当然労働力を斡旋して仕事を見つけ出す。

 事実、こうして見る限りだと当初予想していたよりも量産型Wの姿は少なく、ナデシコ世界の住人の数が多い。

 勿論重い物を運ぶ時とかは、メギロートを使ってはいるのだが。

 正直、俺がこうして見に来る必要はなかったような気がする。

 いっそ、今からでもネギま世界に行くか? 木連で入手した生産プラントを使用する為の魔法球はまだ入手していないんだから、そっちを重要視してもよさそうだが。

 

「いやいや、やっぱりライブの時のセッティングはしっかりとやっておかないとね。……それより、今回の件の主役のシェリルはどうしたんだい? リハーサルとかはまだだけど、出来ればある程度この会場を見て意見があったら聞きたかったんだけど」

 

 純粋な疑問としての視線を俺に向けてくるフィリオ。

 うん、お前が男女関係に疎いというのは知ってるけど、今それは聞いて欲しくなかったな。

 大体、お前だってもう何年も会ってないけどツグミという恋人がいるんだ。それが久しぶりに会えばどうなるか……それが分からない筈はないと思うが。

 それともそっち方面は疎いのか? まぁ、天才は色々と歪だという話を聞くし、そうであってもおかしくはないが。

 それとも未だにスパロボOGs世界と連絡が取れないのを気にしているのか。

 その気持ちは分からないでもないけど、連絡が取れない以上はどうしようもないんだけどな。

 

「シェリルは……そうだな、もう数時間もすれば来ると思う」

「うん? 一緒に住んでるんだから、一緒に来ればよかったんじゃないかい?」

「……今は魔法球で体力を回復させる為に休んでるよ。スレイもな」

 

 そこまで言って、ようやく俺が何について言ってるのかを理解したのだろう。何とも言えない表情を浮かべて言葉を濁す。

 まぁ、血の繋がった妹の情事について臭わせられれば、それも当然か。

 ともあれ、昨夜どんな出来事が起きたのか理解したのだろう。薄らと頬を赤くしながら、フィリオは視線を逸らす。

 そして見たのはライブ会場。

 それを見て何とか気を取り直したのか、小さく咳払いをしてから口を開く。

 

「ん、コホン。それでどうかな? 期日までには間に合うと思うんだけど」

 

 フィリオの言葉に、改めてライブ会場を見回す。

 俺はこの手の作業に加わった事が殆どない。それこそ以前マクロス世界やマブラヴ世界で行われたライブでは、会場が完成した後に顔を出した感じだったし。

 なので、これが具体的にどの程度工事が進んでいるのかは分からない。

 だがそれでも、フィリオがここまで自信満々に告げているという事は、多分予定通りに工事が進んでいるという事なのだろう。

 ライブが開かれるのは、確か半月後。正直、俺達が木連に行ってる間に開いても構わないと思ったんだが、何だかんだと結局こんな感じになったらしい。

 いやまぁ、俺としては出来ればライブも見たかったから構わないんだけど。

 最初は俺にライブを見て欲しいからこの日付になったのかと聞いたんだが、シェリルに笑い飛ばされてしまった。

 何でもナデシコ世界の住人にきちんとこういうライブをすると十分に宣伝し、客を大勢集める為に必要なのがこのくらいの時間だったとか。

 そう言われれば、俺が知ってるライブとかでも1年前からチケットを売ってるようなのもあるな。

 まぁ、今回の件は急だったから、そこまで時間は取らないらしいけど。

 時間を掛け過ぎると期待感が維持出来なくて熱が冷めるといったこともあるらしいから、その辺の調整が難しいとかなんとか。

 ……そこまで言ってから、少しだけ俺の為だと言われては、俺がシェリルを愛しく思って夜が一層激しくなってしまっても仕方がないだろう。

 ちなみにライブの参加歌手は、SEED世界のミーアは決まっていたが、マクロス世界のワルキューレは難しいらしい。

 急な話だし、スケジュールを空けるのが難しいとかなんとか。

 他にも理由があるのかもしれないが、ともあれワルキューレの参加は不可となった。

 その代わり……というのはちょっと正しくないが、意外な事にランカがライブに参加する事になったらしい。

 新人のワルキューレがスケジュールを空けることが出来ず、トップミュージシャンのランカは参加出来るって正直どうなんだろうな。

 ちなみにSEED世界の方でもラクスがこのライブに参加するべく、勘を取り戻そうと特訓しているとか。

 最初はこのライブに参加出来ないって話だったんだが……さて、誰がどうやってこうなったんだろうな。

 ムウ辺りがキラにラクスの歌を大きな会場で聴きたいとか何とか言ったらしいけど、俺は知らない。

 おかげで今回のライブにキラとアスラン、カガリも招待する事になったが……その辺は必要経費だろう。

 フレイは用事があって来るのは無理らしいが。

 そう言えばミーアの護衛としてザフトから何人か出すって話だったが……ラクスとかと一緒にキラに護衛して貰えばいいんじゃないのか?

 まぁ、そうなった場合はミーアがキラに食われてしまう可能性があるが。

 原作であればアスランに興味を持ったかもしれないが、こっちだとミーアはミーアとして活動を続けているし、ラクスはキラとくっついてるしな。……いや、キラと云々は原作でも同じだったか。

 ともあれ、キラは何だかんだとハーレムを築いている男であり、草食系に見えても実は隠れ肉食系だしな。

 ちょっとした事でミーアもその毒牙に掛かる可能性が皆無という訳じゃない。

 ランカの護衛としてくるだろうアルト、そのアルトの親友のミハエルとしてはキラは色々な意味で羨ましいだろう。

 自分はクランの尻に思い切り敷かれているのに。

 そう言えばあの2人は付き合ってはいるみたいだけど、まだ結婚はしないのか? ……俺が気にする事じゃないが。

 そもそも、結婚してないって意味では俺も同じだし。

 結婚……結婚式か。レモン達も女である以上、当然結婚式とかには憧れてるんだろうな。そうなると、やっぱりケジメを付ける意味で結婚式をやった方がいいのか?

 

「アクセル? どうしたんだい?」

 

 結婚について思いを馳せていると、不意にフィリオがそんな風に尋ねてくる。

 そうか、フィリオにもツグミという恋人がいるんだし、ちょっとその辺を聞いてみてもいいかもしれないな。

 

「いや、何でもない。……ところでちょっと聞きたいんだが、いいか?」

「うん? 何かな? シェリルがライブの時に歌っている途中で衣装を変える……正確には着ている服に映す為のシステムなら十分間に合っているよ。何でも他の歌手にも使うという事で、今はその調整に四苦八苦してるけど」

「いや、そうじゃない。……シェリルの衣装については多少興味深いけどな」

 

 シェリルは……いや、この場合は女はと言うべきか、着ている服の影響で受ける印象は大きく違う。

 特にシェリルは舞台慣れしているせいか、その傾向が強い。

 色っぽい軍服を着ている時は妖艶と呼ぶべき魅力を表しているのに、白いドレスを着ると純真なようにも見える。

 この辺はシェリルが衣装によって演じている……というか、自然とそういう風になってしまうというのが正しいらしい。

 天性の演技者と呼ぶべきか。

 

「じゃあ、何だい?」

「フィリオには向こうの世界にツグミって恋人がいたよな? そいつと結婚を考えた事はあるか?」

「……え?」

 

 まさかこの場面で結婚について聞かれるとは思ってなかったのか、一瞬呆けたような表情を浮かべたフィリオだったが、すぐに頬を赤くして視線を逸らす。

 ……女がやるんならともかく、フィリオみたいな男がそんな行為をしても何とも思わないんだけどな。

 いや、ツグミならこんなフィリオを見てときめくのか?

 

「い、いきなり何を言うんだい。そんな、結婚だなんて……」

 

 少し照れた様子のフィリオだったが、1分程経つと落ち着いたのか俺の方へと改めて向き直る。

 

「そうだね。今は何故か向こうの世界と連絡が取れなくなっているけど……いずれ、将来的に僕はツグミと結婚をしたいと思っている。正直なところ、シャドウミラーに所属する前……正確には病の治療をする前は結婚なんて考える事くらいしか出来ないと、そう思ってたんだけどね。まぁ、シャドウミラーに所属したおかげで、病は治ったけどツグミと連絡を取れなくなったのは……正直痛し痒しといったところかな。でも、もしシャドウミラーに所属していなければ、僕がこうしてライブ会場の建設やセッティングなんて真似も出来なかったし、何より……」

 

 一旦言葉を切ったフィリオの視線が、改めて俺へと向けられる。

 

「妹の……スレイが幸せそうにしている光景を見る事は出来なかっただろうから、僕としてはシャドウミラーに来た事を後悔はしていないよ」

 

 フィリオの顔に浮かんでいるのは、満面の笑み。

 スレイも以前は兄様大好きなブラコンだったが、フィリオも表に出ていないだけで妹大好きシスコンだったんだな。

 まぁ、フィリオの場合はそこまで強烈なシスコンって訳じゃなかったんだろうが。ツグミという存在もいたし。

 それに比べると、スレイはかなり重度のブラコンだった。それこそかなり強引な治療が必要だったくらいには。……治療? この場合は治療という表現が相応しいかどうか分からないが。ともあれ……

 

「そう言って貰えると俺としても助かる。シャドウミラーとしては腕利きの技術者とパイロットを1人ずつ入手出来たし、俺個人としてはスレイという愛する女を手に入れる事が出来たんだ。こっちとしても、フィリオとスレイが来てくれた事に喜びこそすれ、悲しむべき事は存在しない」

「スレイの兄として、喜んでいいんだろうけど……出来ればスレイには平凡な幸せを掴んで欲しかったな」

 

 この場合の平凡な幸せというのは、恋人の1人という訳ではなく、自分だけが恋人といったところか。

 確かにそういう意味では、俺の恋人というのは平凡な幸せとは言わないだろう。

 そもそも、これから先も色々な世界と関わるのは間違いのない事実であり、そして恐らくという注釈付きではあるがその世界がアニメや漫画、ゲームといった原作がある世界であれば……当然のように揉め事に巻き込まれるのは確実だろう。

 いやまぁ、もしかしたらそういう戦いのない……あってもスポーツとかのスポ根漫画とか、碁や将棋といったものの漫画とかの世界に行く可能性もあるが。

 だが、今まで行った世界が生身であったり人型機動兵器であったりしても歴とした戦闘があった世界だったと考えると甘い考えは持たない方がいいだろうな。

 

「とにかく、今はライブ会場の設営の方に集中してくれ」

「うん? ああ、勿論。これが僕の生き甲斐と言ってもいいからね。全力を尽くさせてもらうさ」

 

 いや、生き甲斐って……ツグミの件とか、AMの件とか、宇宙を旅する件とか、どうなってるんだよ。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208

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