転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1451話

 巨大バッタの暴走と白鳥との取引が終わって砂浜へと戻ると、さすがに海で遊んでいた者も含めて全員一ヶ所に集まっていた。

 その周辺では銃を手にしたオズマ、アルト、キラ、アスラン、ルナマリアの5人がそれぞれ周囲を警戒しており、シェリルも水着の上からパーカーを着ていつでも襲撃者に対処出来るようにしている。

 ……けど、明らかにシェリルはこの中だと守られる側だよな。

 また、それ以外に驚いたのはキラまでもが銃を持っていた事だろう。

 勿論スーパーコーディネイターであるキラの能力を考えれば、銃を使う訓練をすればすぐに一流の能力を持つ事にはなれるのだろうが、それはあくまでも訓練をすれば、だ。

 現状で銃の取り扱いをした事のない人物にオズマ達が銃を預けるような真似をする筈もなく……それはつまり、キラがオーブで銃の訓練を受けていたという事になる。

 まぁ、普通に考えてラクスの護衛兼付き人的な立ち位置にあるんだから、その為の準備は怠らなかったという事か。

 そんな集団は林の中から俺が出て来たのを見て一瞬緊張したが、すぐにそれぞれ安堵の息を吐く。

 

「脅かすなよな。……それより、こうしてアクセルが無事に戻ってきたって事は、さっきのあの巨大なのは……」

「ああ、こっちで処分しておいた」

 

 オズマの言葉に軽く肩を竦めてそう答える。

 処分したと言っても、俺の空間倉庫の中にそのまま入ってるだけなんだが……これ以上は何も危害を加える事が出来ないという意味では一緒だろう。

 

「それより……エリナ」

「何かしら?」

 

 まさかここで自分が呼ばれるとは思っていなかったのか、少しだけ驚いた表情を浮かべるエリナに、俺は空間倉庫から取り出した物を砂浜へと落とす。

 ズシン、という如何にも重そうな音を立てて地面へと落ちたのは、移動ポッドのチューリップを守っていたクリムゾングループ製のバリア発生装置だ。

 

「……これは……」

 

 それを見ただけで、今回の件の重要性を理解したのだろう。エリナの顔が厳しく引き締まる。

 そう、つまりクリムゾングループが今回の件に関わっているという事を。

 

「今回の件は木連の動きじゃない。熱血クーデターで木連から脱出した草壁の仕業だと思われる。まぁ、今の木連がわざわざ俺達と敵対する理由はないしな。で、そこにクリムゾングループも関わっている、と」

「……厄介ね」

 

 忌々しげに呟くエリナの言葉に、頷きを返す。

 草壁とクリムゾングループが繋がっているというのは以前から分かっていたが、これで恐らく合流は確実になったという事なのだから。

 ……正直、どうやって木星から地球までやって来たのかは分からないが。

 

「話はよく分からないが、これからどうするんだ? こんな事態になったし、もう帰るか?」

 

 銃を手に近づいてきたオズマだったが、俺はそれに首を横に振る。

 

「いや、もう危険はないだろうから後は海水浴を楽しんでもいいだろ」

「……いいのかよ?」

 

 実際問題、あれだけの戦力を用意しておいたんだから、これ以上の戦力を用意するのは、無理だったと思う。

 

「少なくても林の中にはもうこれ以上は存在しない。後は海中を探せば問題はないだろ」

「まぁ、お前がそう言うんなら問題はないけどよ」

 

 オズマが渋々といった様子だが頷く。

 本心としては、ランカの危険を考えるともう戻った方がいいと思ってるんだろうが、それでもこうして引いたのは……やっぱりランカをゆっくりとさせたいという思いがあるからこそだろう。

 まぁ、巨大バッタがいた場所でどれだけ安心出来るのかは分からないが。

 元々ランカはそんなに気が強いという訳ではないだけに、その辺の心配は色々とあるんだろうし。

 

「そう、じゃあそろそろ海遊びを再開しましょうか」

 

 シェリルの口から出た言葉に、俺以外の皆がどことなく微妙な表情を浮かべ……それでもやはり南国の無人島で遊ぶというのは諦められないのか、それぞれ自らのパートナーと去って行く。

 

「で、やっぱりここは……ちょっとエリナ。どこに行く気?」

「え? 今回の件を会長に連絡しておこうと思ったんだけど」

「そんなの後でもいいでしょ。それよりエリナの身体に日焼け止めを塗るのが重要よ」

「それこそ後回しでもいいでしょ!?」

 

 シェリルの言葉にエリナはそう叫び、通信機を手にここを離れる。

 まぁ、今回の件はネルガルに取っても……そして討伐軍にとっても重要な事態だしな。

 ネルガルの会長秘書として、今回の件をなるべく早くアカツキに報告したいのは分かるが。

 

「シェリル、エリナは生真面目なんだからあまりからかうなよ」

 

 そう告げると、シェリルは面白そうに笑みを浮かべる。

 ……これ、日焼け止めを塗るって言ったのは最初からエリナをからかう気満々だったな。

 まぁ、エリナみたいに生真面目な相手はからかいたくなってもおかしくはないが。

 特にシェリルのような悪戯っぽい性格をしていれば尚更に。

 

「でも、エリナがああしていなくなったんじゃ……どうする? 私に……あ」

「あ?」

 

 ふと、シェリルの視線が一ヶ所で止まる。

 その視線の先にいるのは、パーカーを脱いで水着姿になっているルナマリアの姿。

 

「ふーん、なるほどね。……そうね、あたしはいいけど、ルナマリアなら……」

 

 何を考えているのか、笑みを浮かべているその様子は、妙な事を企んでいるようにしか見えない。

 

「ルナマリア!」

「え? あ? はい? 何ですか?」

 

 ルナマリアも突然自分の名前が呼ばれたのが気になったのだろう。その瑞々しい肢体が水着に包まれた姿をこちらへと向けてくる。

 ……確か整備員に告白されたんだったよな。ヴィーノだったか。あっさりと断ったらしいけど。

 もしそのヴィーノがこの光景を見たら、血涙を流して喜ぶんじゃないだろうか。

 

「日焼け止めを塗るから、そっちのパラソルに来なさい」

「え? ええ。その、ありがとうございます?」

 

 勢いは強いルナマリアだったが、それ以上に勢いの強いシェリルに引っ張られるようにしてパラソルのある場所へと向かう。

 ……当然俺の腕も引っ張って。

 そんな俺の姿にルナマリアは不思議そうな表情を浮かべていたが、パラソルの下に寝そべらされて、上半身の水着の結び目を解かれ、その柔らかそうな胸がルナマリア自身の体重でひしゃげている横に俺を座らせようとしているのを見て、ようやくシェリルが何をしようとしているのかを悟ったのだろう。

 上半身の水着が解かれているので、起き上がる事も出来ずに慌てて口を開く。

 

「ちょっ、シェ、シェリルさん!? もしかして、私に日焼け止めを塗るのって……」

「アクセルに決まってるでしょ」

「な!?」

「あら、ルナマリアだってアクセルに興味がない訳じゃないんでしょう? 知ってるのよ?」

「それは……いえ、でも、いきなりこんな……」

 

 何だか顔が真っ赤になってるんだが、少し意外だな。

 今時というか、そこまで気にしないんじゃないかという意識が強かったんだが。

 その辺はサバサバしているというか……ただ、原作を見る限り何気に乙女っぽいところがあるというのは否定出来ない。

 そんな風に考えている間にもシェリルの説得は続き……

 

「や、優しくして下さいね?」

 

 顔を真っ赤に染めたルナマリアが、そう告げてくる。

 

「……」

 

 どんな説得をしたんだとシェリルに視線を向けるが、シェリルは笑みを浮かべているだけでそれ以上は何も口にしない。

 そんなシェリルにこれ以上何を言っても無意味だろうと、改めて目の前に上半身裸でうつ伏せになっているルナマリアへと視線を向ける。

 インパルスのパイロットとして日々鍛えている筈のルナマリアだが、背中に筋肉の類はない。

 いや、勿論全く筋肉がついてないという訳じゃなく、それが表面に出ていないだけなのだろう。

 傷や痣の1つもなく、滑らかで白い背中。

 日焼け止めを掌に馴染ませ、そっとその白い背中へと手を伸ばす。

 

「あんっ!」

「……お姉ちゃん、何て声を上げてるのよ」

 

 ルナマリアの口から出た艶っぽい声……喘ぎ声と表現してもいいその声に、近くにいたメイリンが頬を赤くしながら呟く。

 

「んっ、だってアクセルさんの手が気持ちいいんだもの」

 

 色っぽく呟くルナマリアの背中全体に日焼け止めを塗っていき、脇腹の辺りから上へと塗り広げ……

 

「やっ、ちょっ!」

 

 脇腹から徐々に上に上がってきたところで、胸の横の部分……いわゆる横乳に触れそうになり、ルナマリアが声を上げる。

 そのまま再び背中へと戻り、両肩へ、首の後ろへと日焼け止めを塗り広げていき、次に下半身へと移ってく。

 膝の裏から太股へ、そして尻へと……

 

「はい、そこまで」

「え?」

 

 どこか残念そうな声を上げたのは、何故か俺ではなくルナマリア。

 少しだけ不満そうな表情を浮かべているように見えるのは、きっと俺の気のせいってだけじゃないだろう。

 

「ルナマリアはまだアクセルの毒牙に掛かってないんだから、それを考えると今からアクセルの愛撫に身を委ねるのは危険よ」

「愛撫って……」

 

 言っちゃったよ、愛撫って。

 せめてマッサージとか、そういう風に言葉を濁せばいいものを。

 

「ま、とにかくアクセルの塗る日焼け止め体験はここで終わりね。ルナマリアも、もし本気でこの続きを味わいたかったら、しっかりと覚悟を決めておくようにね」

 

 そう告げるシェリルの言葉に、ルナマリアは濡れた瞳と表現すべき視線を向けるものの……やがて恥ずかしくなったのか、そっと顔を自分の腕へ乗せて隠す。

 そんなルナマリアの様子をメイリンは顔を赤くしたまま見つめ、シェリルは面白そうな笑みを浮かべて見つめていた。

 ルナマリアが完全にシェリルの玩具と化してるな。

 元々人を苛める……というのは人聞きが悪いから、弄ると表現すべきか。

 そんな風に人を弄るのが好きなシェリルだ。ルナマリアは格好の標的だったのだろう。

 

「さ、それじゃああたし達も一緒に泳ぎましょ。昼からはバーベキューをするなら、その材料も獲っておく必要があるでしょうし」

 

 そう告げ、シェリルは俺の腕を引っ張って立ち上がらせようとして……

 

「きゃっ!」

 

 ヌルリ、と。

 俺の手にまだあった日焼け止めで滑り、そのまま砂浜へと尻餅をつく。

 そして大股開きになったシェリルの太股の内側の部分には……赤い跡が幾つも存在していた。

 それが何か俺は疑問に思わないが、メイリンと今の悲鳴で顔を上げたルナマリアは不思議そうにその赤い跡を見つめ……やがてその跡が何を意味しているのか、つまり俺のキスマークだと気が付いたのだろう。急速に顔が赤くなっていく。

 

「えっと……お、お姉ちゃん。私ちょっと泳いでくるね! ミーアさんを1人にしておけないし!」

「あ、ちょっ、メイリン!?」

 

 照れくさくてこの場にいられなくなったのだろう。メイリンがルナマリアを置いてミーアやキラ、ラクスのいる方へと走っていく。

 そしてこの場に残されたのは、俺とシェリル。そして上半身裸状態のルナマリアのみ。

 

「あら、メイリンがいなくなっちゃったわね。どうする? この状況でならもう少しアクセルを貸してもいいけど」

「か、貸し!? いえ、いいです。その、少し頭を冷やしたいので!」

「そう? 残念ね。じゃあ、アクセル。私達も食材探しに行きましょうか」

「……まぁ、それはいいけど、ここは砂の海だからな。バーベキュー用の食材を獲るのも難しいぞ?」

 

 ここが岩の海であれば、アワビやサザエ、牡蠣といった貝類が結構期待出来るんだが……

 まぁ、頑張ればタコとか魚とかは獲れるかもしれないが、岩の海に比べるとやっぱり見つけにくいし、獲りにくいんだよな。

 この辺はどうしても海底が砂一色になっているのが関係している。

 バーベキューの食材自体は俺の空間倉庫の中に入ってるけど、海でのバーベキューなんだし、出来ればやっぱり海産物の類も欲しいよな。

 

「アクセルなら大丈夫でしょう?」

 

 そう告げてくるシェリルの表情には、俺に対する絶対的な信頼が存在している。

 そんな風に見られると、俺としても何とかしたくなってしまう。

 

「まぁ、何とかしようと思えば可能だけど」

 

 そう告げ、空間倉庫からスライムを取り出す。

 どのみち海中にさっき見た移動ポッド型のチューリップがないかどうか確認する必要もあったので、そのついでと考えれば手間は掛からない。

 そのままスライムを細く糸状にしながら、海の中へと沈めていく。

 地上と比べると色々能力が限定されてしまうが、それでも魚の類を獲る程度の事は容易に出来るだろう。

 ……こうして、俺はスライムによって周辺一帯にチューリップがない事を確認し、同時に魚を十匹程獲る事に成功する。

 その後のバーベキューも大いに盛り上がったが……魚がスライムによって獲られたものだと聞いた時、何人かは微妙な表情を浮かべるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208

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