転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1502話

 ブルーフラッグの優勝がアルゴス小隊に決まり……で、そうなれば当然それを面白く思わない相手もいる訳で。

 しかもそれが国とかが全く関係なく、自分が納得出来ないからって理由で色々と騒動を起こした奴がいたらしい。

 具体的には日本は自国に謝罪と賠償をしなければならず、自分達が優勝出来ないのはおかしい。正々堂々、八百長のような真似をするな。自分達はアルゴス小隊と戦う時に八百長を強制された云々、云々。

 ……まぁ、某国が日本を目の敵にしているのはいつもの事だが、大東亜連合全体がハズレを引いた形だよな。

 技術班で作った胃薬でも送ってやった方がいいのだろうか。

 ちなみに、そんなクレーム……いや、いちゃもんが出た以上何だかんだと色々調べたのだが、当然ながら八百長の類は存在しなかった。

 そもそも、大東亜連合でも某国以外は八百長なんてなかったと証言してるのだから。

 ごねれば、それだけ自分達に利益になると思い込んでいるのだろう。

 ……結局は調査しても何も見つからず、某国だけではなく大東亜連合そのものが大恥を掻いた結果となった。

 何だかそのうち、大東亜連合から某国が放逐されそうな気がするな。

 出来れば某国を好き勝手に動き回らせたくないから、大東亜連合にはもう少し頑張って欲しい。

 ともあれそんなハプニングはあったが、その程度でアルゴス小隊とミネルバ隊の模擬戦に何らかの影響がある筈もなく、現在俺の見ている映像モニタでは模擬戦が既に始まっていた。

 本来なら直接見たかったのだが、これが終わればすぐに隠しボスの登場となる。

 そうなれば、当然俺達がゆっくりと模擬戦を見ていられる訳もない。

 いやまぁ、影のゲートという転移魔法があるんだから、どうにかしようと思えば出来るんだが……

 

『ほう、見ろアクセル。アルゴス小隊が随分と健闘しているぞ』

 

 シャドウに……いや、ファブニールに乗っているスレイからの通信に、改めて映像モニタへと視線を向ける。

 そこでは、ブリッジスとタリサが必死になってルナマリアの乗るインパルスを相手に攻撃を仕掛けていた。

 当然ミネルバ隊から今回の模擬戦に参加しているのも小隊単位……つまり4機であり、インパルス以外にグフイグナイテッド、ザクファントム、ザクウォーリアがそれぞれ1機ずつ参加していた。

 ……ミネルバ隊にもグフイグナイテッドが配備されてたんだな。

 誰が乗ってるのやら。……もしかして、原作通りハイネだったりしないよな?

 いや、色がオレンジじゃなくて青だし、多分ルナマリアの部下の誰かだろう。

 インパルスを何とか抑え込んでいる辺り、ブリッジスとタリサは実力以上のものを出していると言ってもいい。

 ただ、ここで全力を出してしまえばこの後の隠しボス戦が少し厳しくなりそうだ。……まぁ、隠しボスってだけあって、当然その辺は知らないんだろうが。

 ちなみに隠しボス戦に参加するアルゴス小隊以外の小隊でも、いつでも戦術機に乗り込めるようにはなっている。

 ただ、その理由としては俺とスレイを相手に戦うのではなく、崇継や恭子、夕呼といった面子を始めとした各国のお偉いさんに対する式典的なものと説明されている筈だが。

 ……そう、何とこの模擬戦には日本の征夷大将軍の崇継、他にも恭子や悠陽まで来てるんだよな。

 で、当然夕呼と霞もいるし。

 他にも各国からそれなりにお偉いさんが集まってきていた。

 ミネルバ隊との模擬戦をその目で見たいというのが理由だが……当然ながら、その本音は俺とスレイの機体を見たいというのが正確だ。

 特に最近シャドウミラーで量産配備されたファブニールは、マブラヴ世界の人間にとって興味津々といったところか。

 それを見る為であれば、オーストラリアのカリンダ基地までやってくるくらいはどうということはないのだろう。

 まぁ、それを知らない他の小隊にしてみれば、自分達が戦術機に乗って待機しているのはそんなVIPを守る為という認識なのだろうが。

 ああ、でももしかしたら自分達の国の小隊に、シャドウミラーと互角に戦って欲しいという思いから自国の小隊にはこの後の事を教えている奴がいる可能性もあるのか。

 それはそれで面白い。

 というか、シャドウミラーからの要請をあっさりと蹴るような国があった場合、ちょっと興味深い存在ではある。

 そんな事を考えている間にも、当然のようにミネルバ隊とアルゴス小隊の戦いは続いていた。

 インパルスを何とか抑えていたブリッジスとタリサだったが……他の3機をVGとステラの2人だけで抑え込むのには限界があった。

 特に新型だけあって、グフイグナイテッドの活躍が目立つ。

 自由に空中を飛び回りながら、VGとステラの攻撃を回避しつつ間合いを詰める。

 そうして手首についているビーム砲を連射し、相手の行動を封じ込めていく。

 遠距離兵器としては使えない武器だが、中距離からの制圧射撃用として考えれば十分に優秀な兵器だ。

 ……それこそ、これでグフイグナイテッドにビームライフル辺りを持たせておけば、2種類のザクよりも優秀な性能を発揮すると思うんだが。

 まぁ、シャドウミラーじゃないんだし、コスト的な問題も入ってくるんだろうけど。

 そもそも、シャドウミラーの場合はコストとか全く考えずにシャドウやファブニールを製造しているが、それが出来るのはキブツがあるシャドウミラーだからこそだ。

 だからこそ、ザフトでも全てを量産するといった具合に出来る訳ではないんだろう。

 原作でもドムは量産計画から漏れていたし。

 それをラクス達が設計図を入手して量産したんだったか。

 ともあれ、シャドウミラー以外ではどの国でもコスト的な問題というのは存在していた。

 そう考えれば、新型機がそこまで量産されないというのは、ある意味当然だったのだろう。

 そんな風に考えている間にも、映像モニタの中では激しい戦いが続いていた。

 ビームマシンガンとでも呼ぶべきビームの嵐の前に、最初に対抗しきれなくなったのはVG。

 自分に向かってたビーム弾を回避しきれず、機体の右手に命中判定があった。

 それだけなら、何とでもなっただろう。

 だが、敵は2機だけではない。他にも2機のザク、ザクウォーリアとザクファントムの姿があった。

 その2機から放たれる攻撃は、次々にVGの機体を襲い……ビーム弾だという事もあり、ペイントを周囲に付着させるような真似はしなかったが、代わりにビームが命中したのに建物が破壊されないという奇妙な攻撃が映像モニタには映し出されていた。

 正直なところ、分かってはいるけどどうしても奇妙な光景にしか見えない。

 そんな奇妙な光景の中……必然的に2機のMS、グフとザクから攻撃を受けていたVGの機体はやがてそれを捌ききれなくなり、撃破判定を受けた。

 ステラの機体は、もう1機のザク……ザクファントムによって牽制されており、VGの救助には向かえない。

 連続して放たれるビーム弾は、威力そのものはそれ程大きい訳ではないが、それでも一撃の威力として考えれば防御力に難のある戦術機をどうにか出来るだけの威力はあったのだから。

 そうなってしまえば、ステラも建物を盾にして防ぐしかない。

 ……これが模擬戦だからこそ可能な事だよな。

 もしこれが実戦であれば、間違いなく建物はビーム弾によって破壊されてたのだから。

 そう考えれば、この戦いその物は模擬戦の為の模擬戦という事になるのだろう。

 まぁ、今はそれでもいい。

 いずれこのマブラヴ世界でもビーム兵器が一般的になれば、その辺の環境は整っていくのだろうし。

 そうして最終的にはグフとザク2機により、ステラとVGの機体は撃破判定を受ける事になる。

 インパルスを何とか抑えていたブリッジスとタリサだったが、ただでさえ2機掛かりでも押され気味だった相手に、グフとザクの2機が戦闘に参加すれば対処出来る筈もなく……やがて防戦一方になり、そのまま撃破されるのだった。

 

「結局ミネルバ隊を1機も落とす事は出来なかったが」

『元々の性能が違うとはいえ、少し情けないな』

 

 スレイのキツイ言葉が通信で聞こえてくる。

 だが、その言葉程に顔は怒っているようには見えない。

 元々戦術機とMSでは、性能が大きく違いすぎるのだから、仕方がないんだろうが。

 

「とにかく、これでブルーフラッグの戦いは全て終わった。ここからは、俺達の出番だぞ。準備はいいな?」

『勿論だ。……ただ、ファブニールを出すのは少し大人げない気もするが』

「その気持ちは分からないでもないけど、隠しボスとしてはその辺もしっかりと力を示す必要があるんだよ」

『ぬぅ。……了解した』

 

 スレイが俺の言葉に納得したのを確認し、システムXNを起動していく。

 

「システムXN、起動。転移座標入力……OK、転移フィールド生成開始」

 

 ゲートを設置している、このマブラヴ世界におけるシャドウミラーの基地。

 その格納庫の中に光の繭のような転移フィールドが生成されていく。

 そして光の繭がニーズヘッグとファブニールを飲み込んだところで……

 

「転移」

 

 小さく呟くと共に、ニーズヘッグの映像モニタにはミネルバ隊とアルゴス小隊がそれぞれ地上に着地している姿が映し出された。

 街中を模した模擬戦場の上空へと、隠しボスが姿を現したのだ。

 今回の件を全く知らなかったアルゴス小隊、ミネルバ隊――艦長のタリアには前もって知らせてあったが――やブルーフラッグに参加していた全ての小隊が一瞬呆気にとられる。

 そしてこの模擬戦の場にいる幾つかの小隊は、こちらに突撃砲の銃口を向けるかどうかを迷う。

 当然だろう。いきなりこうして乱入してきたのだから、害意を持っていると思われてもどうしようもない。

 それでも実際に撃たなかったのは、模擬戦用のペイント弾しか装備していないというのを思い出した為か、初めて見るだろうファブニールの姿に圧倒されていた為か……それとも、嫌でも見覚えのある機体……ニーズヘッグを目にした為か。

 

『アクセル、頼んだ』

 

 ファブニールからの通信に頷きを返し、外部スピーカーとオープンチャンネルの両方を開いてから口を開く。

 

「ブルーフラッグの全ての戦いを見させて貰った。多少の例外はあるが、どの戦いも十分に見応えのあるものだった。その戦いに敬意を評し、最後の戦いとしてシャドウミラーの代表である俺、アクセル・アルマーと、シャドウミラーの実働班、スレイ・プレスティがお前達全員を相手にしての戦いを挑もう。……ああ、安心してもいい。俺の機体もスレイの機体も、両方ともきちんと模擬戦用に改修されている。ビーム兵器を食らっても、機体に特に被害はない筈だ。……勿論、俺とスレイの機体を相手に、ブルーフラッグの優勝チーム、アルゴス小隊だけで掛かってこいとは言わない。ミネルバ隊も含めて、全てだ。この場にいる、ブルーフラッグに参加した全ての小隊と、ミネルバ隊。その全てを相手に俺とスレイは戦いを挑もう!」

 

 一旦そこで言葉を止め、通信を聞いていた全員が今の話を理解したのだろう頃にタイミングを合わせて、再び口を開く。

 

「勿論怖いのであれば、逃げても構わない。だが、俺達シャドウミラーの実力を体感し……その上で、まだ戦いを挑むという勇気のある者がいるのであれば、存分に戦いを挑んでくるといい。俺達シャドウミラーは、誰の挑戦でも受ける。シャドウミラー最強の象徴でもある俺、アクセル・アルマーは逃げも隠れもしない。全ての敵をただ倒し、飲み込み、食らいつくそう。嘲笑する虐殺者の名の下に!」

 

 俺の宣言と共に、地上の各国の小隊が動き始める。

 それぞれが武器を持ち、隊列を整えていく。

 多分、上から命令が下ったんだろう。

 この戦いは、安全にシャドウミラーの実力を体感出来るという意味では非常に大きい。

 そう考えれば、ここで戦いを躊躇う必要はない。

 そうして全ての小隊が……ミネルバ隊も含めて隊列を整えたところで、再び外部スピーカーとオープンチャンネルにて口を開く。

 

「どうやら全ての小隊の準備が整ったようだな。では……これよりブルーフラッグ最後の戦いを……このマブラヴ世界の精鋭部隊とシャドウミラーの模擬戦を開始する!」

 

 その宣言と共に、腹部拡散ビーム砲を一斉に放ち、スレイのファブニールも拡散版のグラビティブレスを放つ。

 黄色と黒、それぞれにビームや重力波砲が次々と地上へと降り注ぎ……それが、このプロミネンス計画の中でも最大の規模の模擬戦、ブルーフラッグの最終戦の開始の合図となるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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