転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1512話

 俺が凛と綾子と再会した、次の日……俺の姿は、コルシカにあった。

 コルシカ……地中海にある島で、フランスの領土の島だ。

 同じように地中海にある島で有名なのは、やはりシチリア島だろう。

 そんな場所に何をしに来ているのかと言えば、勿論俺のこの世界での機体になる予定のトールギスを入手する為に他ならない。

 オットーだかワーカーだかいうOZの兵士がゼクスにコルシカ基地の倉庫に置いてあったと原作では言っていた。

 それを目当てに来た訳だ。

 急いで来たのは、4月に入ればこの基地はガンダムの襲撃を受けて壊滅すると分かりきっているという理由もある。

 ……ちなみに何故俺だけなのかと言えば、凛と綾子の2人は未だにベッドの上でぐっすりと眠っている為だ。

 久しぶりの再会……それこそ凛と綾子にしてみれば数年ぶりの再会だ。

 当然昨夜は2人共酷く乱れ、こっちも色々と頑張った結果、見事に凛と綾子は限界まで体力を使ってしまった。

 そうなんだよな。ホワイトスターにいる時の調子で2人を抱いたけど、この世界には魔法球なんて便利な物が存在する筈もなく……結果として凛と綾子は体力切れとなってしまい、完全にダウンしている。

 本来ならコルシカ基地には凛や綾子もやってくる予定だったんだが、そんな状況でやって来られる筈もなく、俺だけでやってきた訳だ。

 ちなみに、当然ながら凛と綾子の2人が体力を消耗し……更に全裸の状況でベッドの上で眠っているのだから、いざという時の為に炎獣を護衛として置いてきた。

 これでもし妙な奴が凛や綾子に手を出そうとして入って来ても、その事を後悔するだけだろう。

 

「それにしても……こんな場所にある基地なのに、警備がだらけてないな」

 

 スライムを細くしてコルシカ基地の周辺に伸ばして警備がどんな様子なのかを確認してみたのだが、スペシャルズの連中はサボるような真似をせずにコルシカ基地の警備を続けていた。

 別に厳重に警備をしている訳ではなく、あくまで通常の任務としての警備。

 だが、それでもこのコルシカ基地のような場末の警備ともなれば、左遷されたとやる気が起きず、だらけていてもおかしくはなかった。

 しかし、こうして見る限りではスペシャルズの人員は全くだらける様子はない。

 連合軍の中でも文字通りの意味で最精鋭部隊だけの事はあるか。

 それにスペシャルズの人員はノインが鍛えていた筈だ。

 名前はちょっと覚えていないが、キャンサーとエアリーズの2機だけで連合の基地1つを落とすような者すらいる。

 そう考えれば、やっぱりスペシャルズには多くの若い精鋭が揃っているのだろう。

 ただ、原作だとこの基地の防衛にはスペシャルズ以外にも連合軍の将校もいた筈なんだが……まぁ、今のところはいいか。ともあれ……どうしたものだろうな。

 いや、侵入するのはそれ程難しくはない。

 影のゲートを使えば、魔法という存在がないこのW世界では俺の侵入を止められる者はいないのだから。

 もしくは魔法じゃなくても、気配遮断というスキルが……いや、人間はともかく防犯カメラとか機械式の装置は誤魔化せないから、W世界ではあまり有効じゃないか。

 ともあれ、やっぱりこの場合は影のゲートだろうな。

 トールギスは骨董品的な扱いをされている筈だから、そう考えれば他の場所よりも警備は厳しくないだろう。

 だが、問題はエアリーズとリーオー、それとあればパイシーズとキャンサーか。

 現状ではまだ未完成のトールギスだけに、ハワードと接触するまでは使う事が出来ない。

 となれば、当然その間は他の機体を使うしかない訳で。

 いざって時は空間倉庫にシャドウミラーの機体が入っているんだが、可能な限りそれを使うのは避けたい。

 最悪、ガンダムと戦う事になった時にトールギスがまだ完成していないのなら、話は別だが……そうなった場合でも、ニーズヘッグは最後の最後まで温存しておきたいところだ。

 ただ、このW世界のガンダムはどれもこれも色々と反則的な性能を持ってるんだよな。

 ガンダニュウム合金がそれだけ特別な代物なんだろうが。

 そんな風に考えながら、スライムを空間倉庫に収納する。

 そして次に俺がやるべきは、やはり影のゲートに身を沈めていく事。

 そのままコルシカ基地の影の中を色々と動き回り……ようやく目的の物を発見した。

 頭部が外されている、その機体。

 武器に関しても、トールギス専用として作られた為に他の機体では使えないのだろう。

 トールギスの近くにある壁に掛けられているのは、その代名詞ともいえるドーバーガン。

 トールギスの全長よりも長いそれは、W世界はおろか、現在俺が行ける全ての世界の中でもかなり珍しいカートリッジ式のビーム兵器だ。

 一撃で複数のMSを破壊可能という意味では、ウイングガンダムのバスターライフルと同じような武器と言えるのだが……威力という意味では明らかに劣ってるんだよな。

 この辺、ウイングガンダムより旧式のMSというだけはある。……ウイングガンダムのバスターライフルもカートリッジ式だったような気がするが、恐らくこれの進化系なんだろう。

 うん? カートリッジ式のビーム兵器というだけなら、UC系のZ以降のビームライフルはそれになるのか?

 ともあれ、このドーバーガンがトールギス最強の火力を持つ武器である事に間違いはない。

 他にもビームサーベルを内蔵したシールドと、ビームじゃなくて実弾のライフルもあるな。

 だが、武器はそれだけだ。

 全てのMSの祖先と言われているだけあって、基本的な武器しかない。

 ……それでも十分強力なのだが。

 ともあれ周囲の様子を探り、スライムを1mm以下の細さにして倉庫内に張り巡らせる。

 ……よし、誰も見向きもしないトールギスが収納されているだけの倉庫だけあって、特に警備システムの類は存在しない。

 まぁ、ここまで入られるとは思ってもいないのだろうし、もし基地内に侵入しても、わざわざここに来るとは思ってもいないのだろう。

 武器も、入手してもそのまま使える筈がない。

 トールギスの本体がそのまま放って置かれている以上、当然のように武器だって整備はされていないだろう。

 ハワードに接触する事が出来たら、トールギス本体だけじゃなくて武器も整備して貰う必要がある。

 いや、武器くらいなら頑張れば俺も整備出来るだろうけど……W世界の武器を、初めて見る俺が整備するというのは色々と危険だ。

 それも一般に流通しているリーオーやエアリーズの類ではなく、トールギスの。

 そう考えれば、やっぱり生兵法の俺がやるよりも、専門家に任せた方がいい。

 

「ともあれ……これはいただきます、と」

 

 最初はビームサーベルが裏に装備されているシールドやドーバーガン、ライフルといった武器へと触れ、空間倉庫に収納していく。

 ……ビーム兵器のドーバーガンはともかく、ライフルの弾丸は出来れば欲しかったんだけどな。

 ともあれ、トールギスの武器を全て空間倉庫に収納すると……当然のように次に収納するのは、本来の意味で今回の本番のトールギス本体だ。

 この本体が消えてしまえば、もう時間との勝負になるだろう。

 ここはコルシカ基地の中でも端の方にある倉庫だから、そうそう見つかるような事はないだろうが……それでも、トールギスのような機体が消えてしまえば、見つかるのは時間の問題だった。

 そうである以上、このトールギスを入手したら後は素早く次の行動に移る必要がある。

 即ち次点の目的でもあるリーオーとエアリーズを入手するのだ。

 当然そんな事になってしまえば、このコルシカ基地でも大きな騒動になる。

 多分……いや、恐らく……間違いなく、スペシャルズはこの事件以降はかなり厳しく施設とかの警備を固めて襲撃を警戒するだろう。

 結果として、原作主人公であるヒイロ達がスペシャルズの基地に対する襲撃をしにくくなるかもしれないが、その辺はヒイロ達に頑張って貰うとしよう。

 まぁ、ヒイロ達のガンダムがあれば、多少警備が厳しくても何とでもなりそうだが。

 そもそも、今回の件でスペシャルズが襲撃を警戒するとしても、それはあくまでも個人の……生身で戦う工作員といった者に対する警戒だ。

 俺がMSを使ってこの基地を襲撃でもしていれば、話は別だったのだろうが。

 そう考えると、意外にヒイロ達が原作よりも苦戦するといった事はないのかもしれないな。

 ともあれ……早いところこの基地からMSを入手して凛達の下へと戻らないとな。

 あられもない姿で寝ている2人だけに、起きた時に俺がいないと色々妙な行動をとるかもしれない。

 普通ならそんな事は考えなくてもいいんだが、残念ながら凛も綾子も到底普通とは言えない存在だ。

 凛は凄腕の……それこそ一時的にではあっても魔法に手が届いた魔術師だし、綾子は半サーヴァントなのだから。

 そんな2人が何かをしようものなら、このW世界の連中に止める事は到底不可能な筈だった。

 

「だからこそ、俺があの2人のストッパーにならないとな」

 

 ……何だか、『それは私(あたし)の台詞よ!』といった声が聞こえてきたような気がするが、それはきっと気のせいだろう。

 もう俺と凛の間にあったサーヴァントの契約は解除されてるんだし。

 綾子の方は凛との契約がまた続いているんだろうが。

 ともあれ、そんな具合に覚悟を決めると、影のゲートへと身を沈めていく。

 そうして次の瞬間に姿を現したのは、コルシカ基地の格納庫。

 日中だから当然なのだが、格納庫の中にはスペシャルズの兵士達の姿があった。

 俺が影のゲートから姿を現したのは物陰だったから見つかったりはしないだろうが……それでも予想していたよりも規律正しく兵士達や整備員がそれぞれに訓練をしている。

 本当に、これだけを見ればスペシャルズってのは精鋭部隊だよな。

 とてもではないが、クーデターを企んでいるようには見えない。

 格納庫の中には当然防犯カメラのような物もあるだろうし、そう考えればここからの行動は急ぐ必要がある。

 いっそ、夜に来れば良かったのかもしれないな。

 今更ながらにそんな事を考えつつ、それでも既にトールギスを奪ってしまった以上、後戻りは出来ない。

 それに最悪、見つかってもこの世界の人間に俺をどうこう出来る訳ではない。

 再び影のゲートに身を沈め、エアリーズが待機している場所のすぐ近くに姿を現す。

 

「何をやっている! シミュレータだからと甘く見るな! ノイン教官の教えを思い出せ!」

 

 っと。

 どうやら近くにシミュレータがあるらしく、教官役なのだろう兵士の叫び声が聞こえてくる。

 まさかここでノインの名前が出てくるとは思わなかった。

 一応気配遮断のスキルを使用して……これでもし人に見つかっても何も言われる事はない。

 防犯カメラの類には気をつける必要があるけど。

 今更だけど、更衣室かどこかに寄ってスペシャルズの制服を奪ってくれば良かったな。

 そうすれば防犯カメラの類に見つかっても、一目で部外者とは見られないだろうし。

 勿論そのまま機密区画とかに出入りをすれば、防犯カメラをチェックしている人員がおかしいと思うだろうけど。

 ともあれ、気配遮断を使用したまま格納庫の中にあるMSを見回す。

 当然と言うべきか、ここにあるのはリーオーが大多数でエアリーズが数機のみ。

 いや、田舎の基地として考えれば戦力は充実している方か。

 コルシカ島にあるコルシカ基地だけに、パイシーズやキャンサーがあるかと思ったんだが……残念ながら、ここにあるMSはその2種類だけだ。

 それを確認すると、まずはエアリーズやリーオーの武装を収納していく。

 ここからは時間の勝負だ。

 周囲にはかなり人がいるし、防犯カメラ対策に顔を隠すヘルメットを被る。

 一応これもシャドウミラーの技術班が作った、いわゆる歩兵用プロテクターの一種だ。

 量産型Wの場合は最初からこのヘルメットを被っているが。

 そんな訳で、もし今の俺の状況をシャドウミラー関係者が見れば、恐らく量産型Wと間違う……かも?

 

「あれ? おい、ここにあったリーオー用の105mmマシンガンはどうした?」

「え? 知りませんよ。さっきそこにあったんですが……リーオーを使う兵士が持っていったんじゃないですか?」

「馬鹿野郎。俺はずっとここにいたが、そんな奴は誰も……おい?」

「はいはい、今度はなんですか」

「バズーカやライフルなんかもなくなってるぞ。おいおい、一体これはどうなってるんだ? くそっ! おい、すぐに司令部に連絡しろ! 今この基地では何か起きてるぞ!」

 

 そう叫んでいる年かさの整備員をそのままに、俺は素早く次の行動へと移る。

 少し離れた場所にあるエアリーズ用の武装も次々に空間倉庫に収納し、周囲に騒動が広まるよりも前にリーオーやエアリーズへと近づいて装甲へと触れ、収納する。

 

「おい、リーオーがなくなってるぞ!? 一体、どうなっている!?」

「エアリーズもだ!」

 

 叫んでいるスペシャルズの兵士達をそのままに、次々にMSを収納していく。

 こうして……最終的に、俺はリーオー1機、エアリーズ1機、トールギス1機、それらの使う各種武器や弾薬といったものをコルシカ基地から奪う事に成功したのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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