転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1519話

「では、これがMS運搬用のトレーラーです」

 

 俺がマフィアの男にダイヤを渡し、夜の街に繰り出した日から数日。

 後数日で4月になるという頃……マフィアの男がMS運搬用のトレーラーを基地へと運んできた。

 

「思ったよりも小さいな」

 

 それがトレーラーを見て最初に出た俺の一言。

 マフィアの男は、俺の言葉に何を言ってるのかといった視線を向けてくる。

 まぁ、それも当然か。向こうにしてみれば、スペシャルズとは殆ど付き合いのない状態なので、MS=リーオーという認識なのだろう。

 エアリーズは殆どがスペシャルズの独占といった感じらしいし。

 つまり、マフィアはMS運搬用トレーラーを使って運ぶMSはリーオーだと判断していたのだろう。

 勿論エアリーズの類も運搬は可能だろうが……こうして見る限りはかなり古い機種だ。

 そうなると、リーオーはともかくプロトタイプ・リーオーと呼ばれるトールギスを運ぶ事が出来るかと言われれば……難しい。

 トールギスはリーオーよりもかなり大型の機体だ。

 武器の類は基本的にリーオーと似たような物だが、ドーバーガンのような代物もある。

 いざとなれば空間倉庫の中に入れておくという方法もあるが、そうなればハワードにも俺の秘密を知られてしまう。

 他の科学者達と違って、ハワードなら無人機を受け入れる可能性もある……のか?

 もしそうならシャドウミラーに誘いたいが、他の5人の科学者の性格を考えれば難しいだろう。

 シャドウミラーのメンバーに入れば、時の指輪の効果で不老になる。

 そういう意味では老人のハワードにとってはかなり魅力的だろうが……自分の寿命と無人機の許容。どちらを取るかと言われれば、恐らく前者を取って大人しく最期を迎えそうだ。

 ただ、ホワイトスターと連絡が取れるようになり、ゲートが機能するようになったら駄目元で話を持っていってもいいかもしれない。

 まぁ、それがいつになるのか分からないし……下手をすれば、俺達がW世界にいる間にハワードの寿命が来る可能性もあるのだが。

 

「アクセルさん、そんなに小さいですか? その、このMS運搬用トレーラーを希望したという事は、MSを運ぶんですよね? そのMSはリーオーなのでは? それともトラゴスでしょうか?」

「いや、こっちで用意した特別なMSだ。……そうだな、カスタム機だとでも思っておいて欲しい」

「はぁ……」

 

 納得した様子はないが……まぁ、このトレーラーにも多少無理をして積み込めば何とかなる、か?

 別に本気でこのトレーラーでトールギスを運んで行く訳じゃない。

 であれば、ハワードに会う前にトレーラーの荷台にトールギスを積むという手段もある。

 まぁ、そんな真似をすれば間違いなく色々と怪しまれる事になるだろうが……だが、それでもこちらとしてはトールギスをハワードに見て貰う為には、そっちの方がいい。

 

「とにかく、このトレーラーはこっちで使い潰す事になるかもしれないが、それは構わないんだな?」

「え? ああ、はい。それは構いません。これはもうアクセルさんの所有物ですから。けど、整備の方もしっかりとしてありますし、そう簡単に使い潰されるといったことにはならないと思いますけど」

 

 整備がしっかりしていると言ってるのも含めて、使い潰される事はないと自信を持っているのだろう。

 しっかりとダイヤで資金を払っているせいか、どうやらその辺のフォローもきちんとされているらしい。

 向こうにとっては、それだけ俺が上客だという事か。

 

「そうである事を祈ってるよ。じゃあ、ハワードとの面会の方もなるべく早めに頼む。このトレーラーにMSを積むというのも慣れないといけないが……まぁ、その辺は普通に動かす事が出来るだろう」

 

 W世界のMSはSEED世界のMSと操縦システムが細かく違っていた。

 だが、MS運搬用トレーラーとなれば、それこそ普通の車と操縦方法に関しては殆ど変わらないだろう。

 まぁ、トレーラー部分を動かしたりするのが多少違うかもしれないが、それでもある程度慣れるのは難しい話ではい。

 最大の問題は、やっぱりトールギスを積み込めるかどうかだが……その辺は試してみるしかない、か。

 仮にもMS運搬用トレーラーという、軍用車だ。リーオーを運べるのだから、トールギスも問題なく運べる……と、いいんだが。

 

「ええ、マイク・ハワードとの面会についてはこちらの方でも手を尽くしていますので、数日中に良い話を持ってくる事が出来ると思います」

 

 そう告げ、男は去っていく。

 その後ろ姿を見送り、俺は早速トレーラーを基地の格納庫の中へと運び込む。

 そうしていつものようにスライムを使ってトレーラーに妙な物……盗聴器の類が仕込まれていない事を確認する。

 うん、こうして調べてみた限り、その辺は必要ないな。

 まぁ、基地に仕込んであった盗聴器や盗撮カメラを根こそぎ破壊されたのは、マフィア達にとっても驚いたのだろう。

 向こうにとっては、ちょっと洒落にならない驚きだっただろうし。

 しかも、その類の物は仕掛けていないと言っていたのだから、向こうも文句を言う事は出来ない。

 そうして空間倉庫の中にあったトールギスをトレーラー部分へと乗せる。

 勿論リーオー用に作られているトレーラーで、トールギスを乗せるようには出来ていないのだが……

 

「お? これは結構……いけるか?」

 

 リーオーとトールギスだと、重量的にトールギスの方が上だ。

 だから、下手をしたらトレーラーのタイヤの部分が潰れるかと思ってたんだが……多少タイヤが潰れているように見えない事もないが、その程度でしかない。

 少なくても、トールギスが乗った途端にトレーラーが壊れるといった事はなかった。

 これは……つまり、トールギスとリーオーだと重量は殆ど変わらないのか?

 いや、勿論トールギスの方が重いのは事実だろう。

 だがそれでも、誤差の範囲内と言われる程度なのか。

 ……まぁ、それはあくまでも機体に関する事だけだが。

 トールギスの場合はドーバーガンという巨大な武器もある。

 そちらの重量も考えれば、恐らくトレーラーに異常が発生してもおかしくはない、か?

 まぁ、考えてみれば俺のMSの基準というのは、あくまでもSEED世界のMSだ。

 特にPS装甲の機体は重量が重い傾向にあり、俺がアークエンジェルに乗っていた時に使っていたブリッツガンダムは、確か70tオーバーだというのを以前聞いた覚えがある。

 W世界のMSの重量とは比べられない程の重さ。

 それを考えれば、リーオーとトールギスの重量差はそう大した物ではない、のか?

 

「アクセル、どう?」

 

 俺がトールギスの意外な軽量さに驚いていると、不意にそんな声が掛かる。

 それが誰の声なのかというのは、考えるまでもない。

 視線を声のした方へと向けると、予想通りそこには凛の姿があった。

 

「そうだな、いい意味で予想外だったな」

 

 呟き、トールギスへと触れると空間倉庫に収納する。

 幾ら俺が予想していたよりも重量が軽くても、それでもトールギスはリーオーよりも重いのは事実なのだ。

 リーオー用に設計されたであろうMS用運搬トレーラーに乗せておけば、その重量で何か異常が起きる可能性は十分にあった。

 

「ふーん。ま、機械の事を私に言われても分からないから、別にいいけど……それより、そろそろ食事にしましょう。今日は綾子が作ったカレーよ」

「カレーか」

 

 綾子が作るカレーは、決して不味いという訳ではない。

 勿論絶賛する程に美味いという訳ではないが、それでも普通に食う分には全く何の問題もなかった。

 少なくても、俺が作るカレーよりは上だろう。

 いや、俺が作るカレーはそれこそカレールーを使ったカレーくらいだが。

 

「何よ。恋人の手料理なんだから、もう少し喜んでもいいんじゃない?」

 

 少し不満そうな様子の凛。

 別に綾子のカレーを貶した訳ではないんだが……それでも凛にとってはあまり面白くなかったらしい。

 

「分かってるよ。じゃあ、食いにいくか。この基地での生活もそろそろ終わりだし、食べられる時に食べておくのが一番いいからな」

「……そうね。こんな場所でも、いざ離れるとなると少し残念に思ってしまうわね」

 

 少し、本当に少しだけ寂しそうな様子の凛。

 まぁ、このW世界に来てから一番長い間この基地で暮らしていたからな。

 それにこの基地は廃棄されたという名目とは裏腹にライフラインの類は生きているし、普通に暮らす分には全く何の問題もなかった。

 最初こそ盗聴器とか盗撮カメラとかあったが、スライムで全て破壊して吸収したし。

 

「ハワードのところに行けば、数日くらいはゆっくり出来るだろうし……それが終われば連合軍に接触するから、そっちでも結構ゆっくり出来るだろ。もう少しだから、我慢してくれ」

「別に構わないわよ。その辺は何とも思っていないもの。ほら、行きましょ」

 

 少しだけ強がりだと理解出来る凛に引っ張られ、俺は基地の中を移動していく。

 トレーラーの件でもう少しだけ調べたかったけど、その辺はカレーを食べた後でいいだろう。

 にしても、本当にこの基地とももう少しでお別れなんだよな。

 凛だけではなく、何だかんだと俺も結構名残惜しく思っている。

 ……今まで別の世界に来てそんな風に思った事は殆どなかったんだが。

 そう考えるも、すぐに納得してしまう。

 何故なら、ここは俺と凛、綾子の愛の巣と表現してもいい場所になっていたのだ。

 だからこそ、こうして名残惜しく感じてしまうのだろう。

 そんな風に考えながら……俺は来るべき日を待つ為、残り少ない蜜月生活を楽しむ決意をする。

 それから数日後……俺と凛と綾子は、ハワードに会う準備が整ったとマフィアの男から連絡を貰う事になる。

 

 

 

 

 

「……あの建物か?」

「はい。向こうは既に待っています。後はアクセルさん達が行けば、話は進みます」

 

 俺の言葉に、マフィアの男がそう告げる。

 現在俺がいるのは、黒塗りの高級車の中。

 その高級車の窓から見える建物を目にして、目の前の男と会話を交わしていた。

 ちなみに、この高級車に乗っているのは俺だけだ。

 凛と綾子の2人は、念の為に基地へと残っていた。

 まぁ、これまでの付き合いからないと思うが、もし万が一にもマフィアの連中が基地の中にある……かもしれない俺の荷物を狙って侵入してくるという可能性は十分にある。

 もしくは、ダイヤを持っている俺への人質として凛や綾子を襲うという可能性も。

 ただまぁ……もしそんな事を考えて基地に襲撃をした場合、色々な意味で後悔する事になるのは間違いない。

 凛にしろ綾子にしろ、この世界の人間が生身でどうこう出来る相手ではない。

 それこそ、ネギま世界の住人並の戦闘力を持っているのだから。

 魔術とかそういうのが存在しないこの世界において、ヒイロや五飛といった生身での戦闘に自信がある者であっても凛や綾子に勝つ事は不可能だと思う。

 ああ、でも凛はあくまでも普通の人間だし、拳銃とかを使われたら……そう思うものの、それでも俺の中では何故か凛が負ける光景が思いも寄らない。

 それこそ魔術を使って弾丸を防ぎそうな気がする。

 ともあれ、念の為に基地に残してきた2人はそのままに、俺は車から降りる。

 すると当然のようにマフィアの男も俺に続いて車から降りた。

 

「どうした?」

「いえ、アクセルさんを紹介する必要があるでしょうから」

「……まぁ、それはそうか」

 

 俺は原作知識でハワードの事を知っているのだが、当然のようにハワードは俺の事を知らない。

 そんな中でいきなり俺が姿を現しても、ハワードはこちらを警戒するだけだろう。

 それなら、最初から仲介役を頼んだマフィアの男に間に入って貰う方がいい。

 そうしてマフィアの男に案内されるように、俺は建物の中へと入っていく。

 建物は4階建てのビルだが、それ以外に特に特徴らしい特徴はない。

 どこにでもあるビルという印象。

 そんなビルの中に入っていくと、やがて扉の前に何人かの人間が立っている場所に案内される。

 マフィア……というよりは、元軍人か? それとも傭兵という可能性もあるな。

 傭兵だとすれば、後で少し話を聞いてみたい。

 俺も傭兵として活動していく予定である以上、当然ながらこの世界の傭兵のやり方というのを聞いておく必要があるのだから。

 恐らく現在は護衛とかボディガードとか、そういう役目としてここにいるのだろう。

 そんな者達にマフィアの男が視線を向けると、小さく頭を下げて場所を空ける。

 ……へぇ。こうして見る限り、このマフィアの男は何気に結構偉いのか?

 ともあれ、マフィアの男が扉を開くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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